このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
韓国のお風呂屋さんに行こう
〜サウナ・銭湯(沐浴湯)編〜
日本人と同様、韓国の人もお風呂が大好き。街を歩けば、いたる所に銭湯があり、温泉が湧くところは観光地になっています。でも、言葉の通じない異国の地のお風呂屋さんなんて、ちょっと不安…
そんな方のため、留学中数十軒の銭湯や温泉に通った私が、お風呂屋さんの利用法をガイドします。このページではまず、街中にあるサウナや銭湯をご紹介しましょう。
ちなみに僕は男なので当然、ここでレポートするのは男湯の状況であることはご留意下さい。
●便利な韓国のお風呂屋さん
日本人にとっては、毎日欠かせないお風呂。韓国では基本的にホテル、旅館に風呂はついていますが、安い旅館では夏場にお湯が出なかったり、お風呂そのものがない場合があります。また夜行列車や夜行バスを宿代わりに使う旅も可能な韓国。そんな安旅に欠かせないのが、街のお風呂屋さんです。
韓国のお風呂屋さんには、タオルや石鹸等が備え付けられているのが普通。備え付けでない場合も、カウンターで借りることができます(有料の場合あり)。だから、手ぶらで行っても全然OK。
設備も充実。サウナは普通に付いており、韓国ならではの「アカスリ」もどこでもできます。休憩室も完備していて、ごろんと横になって休めるので、街歩きに疲れた時にもおすすめです。
●営業時間と休業
日本のように24時間営業(25時間営業という表現も多く使われます)というサウナ・沐浴湯も多く見られますが、普通の街のお風呂屋さんの場合は、早朝〜夕方8時頃が一般的な営業時間です。日本の感覚とはちょっと違いますが、韓国ではゆっくり湯船に浸かる場合、朝風呂・昼風呂が一般的のようです。
また韓国には、「なんで暑い最中に熱い湯に入らねばならんのだ」という考え方があるようで、夏場になると休業してしまうお風呂屋さんもあります。特に、いろんな店舗が軒並み休業してしまう、8月前半の夏期休暇シーズンには、さらに多くのお風呂屋さんが休みになりますので、この時期に旅行するときはあまり期待しない方が無難です。
●お風呂屋さんの種類と探し方
日本で売られているガイドブックには、『銭湯=沐浴湯(목욕탕/モギョクタン)」』と書かれていることが多いですが、実際にはその他にも、サウナ(사우나/サウナ)や大衆湯(대중탕/テジュンタン)といった表現も多く見られます。街中では、これらのハングル文字を頼りに、お風呂屋さんを探しましょう。
サウナというと、日本では設備が整っていて少し高めの浴場を指しますが、韓国では高級なサウナと、庶民的なサウナ(大衆サウナ(대중사우나/テジュサウナ)ともいう)があり、後者は沐浴湯や大衆湯と同じような感覚。5000〜8000ウォン程度の料金なら、後者のサウナです。
お風呂屋さんは繁華街やビジネス街よりも、バスターミナルや駅の周り、住宅地に多く集まっていますので、この辺りに目星を付けて探しましょう。旅館に併設している場合(入り口は別々の場合が多い)もあるので、旅館街で探すというテもあります。
なお、新しいバスターミナル周辺や、新興アパート団地にあるお風呂屋さんは当然新しく、設備も整っているものが多くあります。
韓国では、温泉マークは旅館のことも指しますので、このマークを探してもあまり頼りになりません。古い銭湯の場合は日本と同様、高い煙突が目印になります。最近の銭湯は、3〜5階建てのビルになっている所も多く見られて、一見してそれとは分かりません。看板の文字が頼りです。
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●番台から脱衣所まで
見事、お風呂屋さんを探し当てたら、さっそく入りましょう♪
日本の古い銭湯ならば「番台」が現れるところですが、韓国は窓口やカウンター式が普通。ここで料金を払いますが、浴場によっては2枚のタオル(ゴシゴシ用と、風呂上りに体を拭く用)を貸してくれる所もあります。有料レンタルならば、一緒に料金を払うことになります。
料金は古い所で3000ウォン、設備の整った所ならば3500〜6000ウォンといったところで、設備や立地次第ではもう少し高くなります。
さらに進んで脱衣所に向かうわけですが、当然男女の入り口を間違えれば警察沙汰ですので、注意しましょう^^;; 男湯(남탕/ナムタン)と女湯(여탕/ヨタン)のハングル文字だけは、しっかり頭に叩き込んでおきましょうね。
日本のように、この2つの入り口が並んでいることが多いですが、2階が男湯、3階が女湯という具合に、フロア毎に別れている場合もあります。
扉をあけると鍵付きの下駄箱が備えられているので、これに靴を入れて鍵をかけます。この鍵を、脱衣所内のカウンターに待機しているおっちゃんに預けると、脱衣ロッカーの鍵をくれるというパターンが多いです。
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●似てるようでちょっと違う浴室
服を脱いで、いざ浴室へ。入り口でタオルを貸さない浴場では、浴室の入り口にタオルを積み上げてあるので、これを借りれます。たいてい「1人1枚づつご利用ください」と書かれているので、マナーを守りましょう。
入口(입구/イプクまたは들어가는곳/トゥロガヌンゴッ)と出口(출구/チュルグまたは나가는곳/ナガヌンゴッ)をご丁寧に分けている浴場もあります。これは、横に置かれているタオルで判断できますね。ゴシゴシタオルしか置いていないのが、入り口です
浴室に入ると、日本と同様に浴槽、洗い場がならんでいます。世界の銭湯を旅する人によれば、韓国の風呂は一番日本式に近いものだとか。なるほど、まったく違和感がありません。
日本との違いといえば、日本と同様の腰掛式に加え、立って洗う洗い場があること。そして、ほとんどの人が「立ち位置」で洗ってます。家庭や軍隊!? では立ちシャワーが一般的だからでしょう。
ちなみに、体を洗った後のゴシゴシタオルは浴室内のカゴに返して、あとは前を隠さず堂々と歩き回るのが韓国式。この点が日本の銭湯との最大の違いかも!? 郷に入れば郷に従っちゃいましょう。
男湯には男子用の小便器が置かれている場合もあります。それも、堂々と浴室の壁に付いてます^^;; 使っている人を見たことがありませんが、ちょっとここで用を足す勇気はありません。
なお韓国人の入浴時間は相当長いので、たいてい浴室から直接入れる位置に、トイレが別に設けてあります。そう考えると、浴室内の便器は子供用かな?
お風呂は、「熱湯(열탕/ヨルタン)」と「温湯(온탕/オンタン)」の二種類が設けてありますが、日本人としては熱湯が適温。特に夏場の温湯は、ほとんどぬるま湯です。泡風呂の設備がある浴場も多く、たまに入浴剤を入れた「イベント湯(이벤트탕/イベントゥタン)」なんてのもあります←日本の浴場とまったく同じ表現なので、ビックリしました。
またサウナの横に水風呂を設けてありますが、たいてい大きくて深い!ちょっとしたプール並で、大人も子供も泳いで遊んでいます。日本だと銭湯で騒ぐのはNGですが、この点はかなり寛容。水は凍るほど冷たいこともあるので、まずはかかり水をしましょう。
●サウナとチムチルバンとアカスリ
サウナも(前を隠さない以外は)特に違和感なく、熱めと低温、湿式や薬草のサウナが設けられている場合もあり、楽しめます。
ちょっと変ったところでは、チムチルバンの設備のある浴室があります。本来チムチルバンは、貸し出される下着を着て寝転がって入る湿式サウナで、浴場に併設されている場合も別料金となる場合がほとんど。でも浴室内にあるものなら、裸で入る代わりに別料金なしで利用できます。
木の枕にもたれ横になっていると、じんわり温まってきて疲れもよく取れます。
韓国ならではの体験が、アカスリ。韓国語では「テミル(때밀)」といい、ホテルなどよりずっと安上がり(10,000〜15,000ウォン)で体験できます。筆者は1年間も滞在しながら、結局一度も体験しませんでしたが、手軽に楽しむという面ではお風呂屋さんが一番のようですね。
●仮眠室、床屋、ヘルス室、etc...
お風呂を上がってゆっくりしたければ、休憩室(휴게실/ヒュゲシル)へ。これもお風呂屋さんの標準装備といったところで、ない場合でも脱衣所にゆったりしたソファーが置いてあります。早朝着の夜行列車で到着した時には、寝不足を補う場所としても重宝しますね。
また24時間営業のお風呂屋さんならば当然、日本のサウナと同じように、休憩室を宿代わりに使うこともできます。深夜料金が加算される場合もあるのは日本と同様ですが、合計しても1000円程度なので、一人で旅館に泊まることを考えれば格安です。
ただし混雑している場合は、騒がしくてよく寝付けないこともあります。また浴室内と同様、ここでもフルチンで通す人が多くて、素っ裸の男がごろごろ寝ている雰囲気には、ちょっと圧倒されてしまうかも^^;;
脱衣所の床屋もかなり一般的で、ここも裸のまま髪を切られています。散髪後は、お風呂場で髪を自分で洗えばいいわけだし、服に髪の毛がつく心配もないので、至極合理的なシステムなのかも。
ヘルス室とは、日本で言う「トレーニング室」のことを指します。これはかなり設備の整った所にしか見られません。
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