授業構成は、
落語のルーツや江戸落語との相違などを講じる・・・初級編、
落語に影響を与えた他の芸能や寄席囃子などを題材とする・・・中級編、
「落語の情」をテーマとして落語の本質を深く掘りさげる・・・上級編、
それに実演鑑賞を加えたもので、学生と共に受講。
講師は、文学部:久堀裕朗先生 桂春之輔師匠 桂春雨師匠など
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第1回 2012年 4月13日(金) |
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・春之輔師からは、
「落語の情、その優しさ、思いやり」を・・・
伝えていきたいとの事であった。
・久堀先生からは、
落語「野崎詣り」 「高尾」 「いかけや」について、
原話の紹介、時代の変化 などが説明された。 | | |
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第2回〜第5回 【初級編】・・・落語のルーツや江戸落語との相違 |
| ーーー第2回 (4月27日)ーーーーーーーーーーーーーー
・下手(舞台に向かって 左) 上手(舞台に向かって 右)
能舞台など
落語は、一人の演者が、左向いてしゃべり、右向いてしゃべり
・大阪落語の登場人物
・喜六(きろく)・・・アホ
・清八(せいはち)・・・しっかり者 兄貴分
・甚兵衛さん(じんべいさん)・・・町内の物知り
・春雨さんの実演
・『明礬丁稚』 (みょうばん でっち)
・『つる』
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−−−第3回 (5月2日)−−−−−−−−−−−−
・大阪落語と東京落語の違い(春之輔師)
・きもの:大阪は長い 東京は短い
色紋付
・大阪落語のルーツは大道芸から発展
だから派手に、鳴り物入り、(客を呼び込まないかん)
・東京落語はお座敷芸、たいこ持ち
・小道具の使い方(春雨さん)
「せんす」と「てぬぐい」
単に使う仕草をするだけでなく、目線が大切だぁ〜
『がまの油売り』 の一部 を実演
・春雨さんの実演
・『寄合酒』 事前の解説がいる
かつお節、魚を三枚に下ろす、鱗をとる
−−−第4回 (5月11日)−−−−−−−−−−−−
・落語は立ってしないのか?
・落語は「きもの」でせないかんのか?
・ズボンで正座できん、立ったときに皺ができる、
・場面や人物に合わせて変更できないから、「きもの」が良いんだ。
・春雨さんの実演
・『貧乏花見』
・長屋と裏長屋
・東京の噺は、家主がつれていく
・大阪の噺は、自分らで持ち寄って花見に行く
雨降ったら仕事は休み
−−−第5回 (5月18日)−−−−−−−−−−−−
・時計をはずす、めがねは掛けない(鶴瓶は縁無しメガネかけてるか?)
女性を演じにくい、 噺はメガネのない時代やったし、
・大阪の「時うどん」と 東京の 「時そば」の 違い
春雨さんの実演で、場面設定の違い、面白さの違いが 解った!!気がした。
「時うどん」で、こんなに面白かったん 初めてやぁ〜
(両方を演じられるのは、春雨さんだけやでぇ)
・事前の解説
・昔の「時」の解説
真夜中が九で、2時間毎 八、七、六、五、四
もともと中国で、 9,18,27,36,45,54 、へぇ〜
・お金の感覚
1両=10万円として (4万円〜15万円)、
1両は銭4000文だから、 1文=25円
16文のうどんは、まぁ〜 400円
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第6回〜第9回 【中級編】・・・落語に影響を与えた他の芸能や寄席囃子など |
| ーーー第6回 (5月25日)ーーーーーーーーーーーーーーー
(春之輔さん、春雨さん お二人とも お休み)
・久堀先生が解説・・・ 「落語」と「仏教、お寺、和尚さん」について
・江戸時代の仏教
・本末制度、、、本山と末寺
・檀家制度、、、寺請証文、宗旨人別帳
民衆にとって檀家の住職は、「深い存在」『身元保証人』
でも信仰上の繋がりは希薄。
・浄瑠璃、歌舞伎、噺本の事例紹介
・落語実演(テープで出囃子・・・)
・『寿限無』 桂壱之輔さん
・『餅屋問答』 笑福亭鶴二さん
ーーー第7回 (6月1日)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
・お囃子の道具
・大太鼓 ・絞め太鼓 ・どら ・拍子木 ・あたりがね
・三味線 ・笛(たまに使うことがある)
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・寄席囃子 (下座の御簾の中で演奏するので、下座囃子とも云うそうです)
・儀礼的な:一番太鼓 (呼び込み、
:二番太鼓 (始まりの合図、開演15分位前に鳴らす
:バレ太鼓 (トリが終えて、追い出し
・出囃子 :演者が出てくる前に(演者によって異なる
前座 :『石段』・・・《一段一段上がっていきますように》という願いが込められているそうです
米朝 :『三下り鞨鼓 (三下りかっこ)』
春団治:『野崎』
・ハメモノ:噺の中での効果音 (大阪落語だけ)
『野崎詣り』 『播州皿屋敷』 の一部を実演・・・桂梅団治さん
演台の横の机に、大太鼓と絞め太鼓を置いて、どら、拍子木、かねは手に持って、
春雨さん 咲之輔さんが演奏し、
三味線を中田まなみさんが奏でる
解説と噺の実演を 桂梅団治さん が演じる、、、
・一番太鼓 (開場を知らせる、呼び込み)
:『どんどん、どんとこい。 どんどん、どんとこい。』
・二番太鼓 (始まりの合図、開演15分位前に鳴らす
:『おたふくこいこい。 おたふくこいこい。』
・バレ太鼓 (終演の際の太鼓
:『でていけドンドン てんでんバラバラ』
そのように聞こえるから、、、不思議なもんじゃぁ〜
ーーー第8回 (6月8日)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
・春之輔さんのヨモヤマ話
・トリ(最後の演者)・・・ギャラを全部“とる”。それを分ける。
・上方落語協会223人、大卒が110人
・久堀先生が義太夫と落語 に ついて解説。
義太夫は文楽の語り。
・落語 「豊竹屋」の実演
ーーー第9回 (6月15日)ーーーーーーーーーーーーーーーーー
・落語というのは、昭和になってから、 それまでは「噺」「咄」
・落語の種類
・人情噺 (主に 江戸落語)
・怪談噺 (主に 江戸落語)
・音曲噺 (主に 上方落語)
・芝居噺 (主に 上方落語)
・落し噺・・・落語に、、、
・見台 膝隠し、小拍子、張り扇
・壱之輔さんが『東の旅』、 張り扇を叩いて実演。
・芝居噺を聴くには、元の歌舞伎のストーリーを知ってな解らない
忠臣蔵の四段目の一場面をDVDで見て、、、
『蔵丁稚』 を 春雨さんが熱演。 サゲは、、、
・御前〜〜
・蔵の内でかぁ〜
・待ちかねた〜
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第10回〜第13回 【上級編】
・「落語の情」をテーマに、落語の本質を深く掘りさげる |
| ーーー第10回 (6月22日)ーーーーーーーーーーーーーー
・春之輔さんのヨモヤマ話
・落語聞いてても、言葉が解らん(ちょうず?、忠臣蔵て何んや?・・・
・大人の話に付いていけるように、、、
知識を増やし、広めてやぁ→ 見る目が広がり、理解が深まるでぇ〜
・ラジオ時代には、見台や小拍子の音が、なんのこっちゃ理解してもらえんかった。
・落語に登場する女性
主要な人物として登場することは少ない
おかみさん、おなごしさんとして、ちょこっと登場
だから、女性の落語家さんも少ない。(でも最近は、露の都、桂あやめ・・・活躍してるで
・女性が主役で登場する落語 『悋気の独楽』を春雨さんが実演。 (りんき の こま)
上手に、違和感なく 女性を、、、演じられましたわぁ〜。
ーーー第11回 (6月29日)ーーーーーーーーーーーーーーーー
・落語のルーツについて :高島幸次先生 (大阪大学 招聘教授)
1)御伽衆(おとぎしゅう)
戦国時代に、大名の話し相手をしたり、書物の講釈をした側近
2)落語の祖
江戸時代初期、天下泰平の世になって、御伽衆は在野に下った。
・安楽庵策伝
『醒睡笑』という笑いの本を献じた。(演じてはいない)
・鹿野武左衛門・・・東京落語の祖 【お座敷芸】
・露の五郎兵衛・・・京都落語の祖 【大道芸・・・街頭で縁台の上で】
・米沢彦八・・・大阪落語の祖 【大道芸・・・街頭で縁台の上で】
生国魂神社にて「しかたはなし」で人気を得る。
(近年 彦八の銅像もでき、毎年9月に上方落語協会が「彦八まつり」を行っている。)
3)落語の成立 (1800年頃)
桂文治(大阪落語の中興の祖)が坐間神社で常席を開く。
※お話が系統だっていて、理解し易かった。( 随所に笑いをいれて、)
ーーー第12回(7月6日)ーーーーーーー
寄席への招待
学術情報センター 10階の大会議室に寄席の高座を設けて、落語三席
・「稽古屋」 桂 春雨 (けいこや)
・「佐々木裁き」 桂 梅団治 (ささき さばき)
・「鰻の幇間」 桂 春之輔 (うなぎ の たいこ)
・お囃子 中田まなみ
ーーー第13回(7月13日)ーーーーーーー
・イキ(呼吸) と 間
・「京の茶漬」 桂 春雨さん
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第14回 2012年 7月20日(金) ・・・最終回 |
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・毎回の 春之輔さんのヨモヤマ話
・落語は、同じ噺でも演者によって全く異なる。
噺家が自分の芸風に合わせて、噺の筋道を変えて演ずるからである。
(歌舞伎や義太夫では こんなことはない。)
・DVDで実演比較
「代書屋」を、春団治 と 枝雀
「まめだ」を、 米朝 と 春之輔
※4月27日からの講義、皆勤(14回)。。。終了証をいただいて、終了!!
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