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紹介レポート

私の撮影ポイント
  (シリーズ)

2006.520

富士急行線は、車両のユニークさや沿線風景の多彩さなど、鉄道写真の素材としての魅力にあふれています。
このページでは、富士急行線を風景(季節)の主役として撮影できるポイントを、月に1〜2回程度のペースで紹介してゆきます。
  
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1.上暮地のお稲荷さん   2006.5.20  (2006.5.20撮影)

富士急行線は、線路近くまで住宅が建て込んでいるなど、編成全体を撮影できる場所が案外少ない。
今回紹介する場所は、富士急行線が俯瞰できる数少ないポイントのひとつ。
電車で訪ねる場合は寿駅から線路沿いに大月へ向かって坂を下り、5分ほどで左手の山裾に稲荷社が見えたら近くの踏切を渡る。踏切を渡る際は、見通しが悪いのでよく注意すること。稲荷社への階段は数十段でたいしたことはない。社の前庭が撮影場所でベンチも置いてあり便利。
車で行く場合は、国道から歩道橋大月寄りを入る。
この撮影ポイントの良い点は何よりも見晴らしがよいこと。また線路の南に位置するため車両前面は終日順光、側面も午後から順光になる。この時期、背景の山の新緑も美しい。構図によっては三つ峠も撮りこむことができる。
一方、曲線がきついため架線柱の多さをうるさく感じるが、いまでは珍しい木柱のため独特の“雰囲気”がある。
なお現在側道の工事が行われており、工事資材が目立つのも難点だが、いましばらくの辛抱。
2.小沼(おぬま)の田んぼ     2006.6.2  (2006.5.28撮影)
この撮影ポイントは三つ峠駅と東桂駅とのほぼ中間で、どちらの駅からも歩いて20分ほど。車で行く場合は、コニカミノルタオプトプロダクト社の看板の向かいを間道へ入る。間道へ入ったらしばらく直進して突き当りを左折すれば小さな公園の駐車場がある。
田んぼのあぜ道などを通らなければならないこともあるので、農家の人を見かけたら挨拶をしておこう。
ここの良い点は遮蔽物が少なく列車の足回りまで見えること、昼過ぎまで順光で撮影できること、など。
一方難点としては、背後に高速道路があるため、トラックやバスなどの大型車を写し込む懸念があること、だろうか。
撮影当日は天候に恵まれず、雲の多い一日だった。
3.ときわ台の大曲り       2006.6.16 (2006.6.10撮影)
梅雨の時期らしく雲の多い空模様ながら富士山ははっきりと見えている。というわけで、今日は富士を背に電車を撮ることのできるポイントの一つを紹介することにした。
訪ねたのは“ときわ台の大曲り”。月江寺駅前通りを100mほど直進し、右折して線路を渡る。左に線路を見て進んで行くと、道が右折する突き当たりに小さな空き地がある。ここが今日の目的地で、駅からは歩いて15分ほど。目の前の線路は富士吉田に向けて左に大きくカーブしている。
ここの良い点は線路脇のため迫力ある写真が撮れること。反面空き地が狭いため、線路に近すぎて富士山と電車のバランスをとるのが難しい。また電車が終日逆光位置になるのも難点である。
富士山は太陽が高くなるにつれて姿がはっきりしなくなり、雲に邪魔されることも多いので、朝のうちの撮影が望ましい。
4.桂川の禾生橋          2006.6.23 (2006.6.10撮影)
桂川は山中湖に端を発し、相模湖、津久井湖を経て相模川(馬入川)となり相模湾に至る。富士急電車は三つ峠から大月までの間、この桂川につかず離れず進んで行く。
今回の撮影スポットは「第1桂川橋梁」を渡る電車が撮れる場所。禾生駅で降りてホーム脇の線路を渡り、すぐに右折して5分程で禾生橋に着く。欄干から覗けば富士急行線の鉄橋は目の前だ。石積みの橋脚が周囲の景観によく馴染んでいる。
ここの良い点は、歩道があるため車の往来を気にせずに撮影できること、架線柱が邪魔にならないこと、など。近くに高速道路やリニア実験線といった巨大構築物があるが、出来上がった写真を見れば深山幽谷の雰囲気がある。





5.田野倉の「先の宮」バス停奥       2006.7.8(2006.6.18撮影)

田野倉駅で降りて直進し、国道を右折してしばらく行くとロードサイド型の大型店が連なっている。左手にパチンコ店が見え、その向かいに「先の宮」バス停がある。バス停から線路までは、わずか50mほど。駅からは延べ10分程で目的地に到着する。
ここから大月方を見ると緑の山を背景に掘割の間を進んでくる列車が目に入る。いかにも山間部の鉄道といった趣だ。比較的人家が接近している富士急行沿線では、貴重な撮影ポイントの一つということができるだろう。
終日順光で、時間を気にしないで撮影できるのもここの良い点だ。
6.白糸町の松久保踏切          2006.7.22(2006.7.8撮影)

今回紹介するのは7月1日(土)、「河口湖ラベンダー号」(ニューなのはな)が入線した際撮影に出向いた松久保踏切(その時のレポートは こちら )。インカーブで遮蔽物がなく富士急行線随一の撮影ポイントである。
ここは三つ峠駅と寿駅のほぼ中間にあたるため、どちらの駅から行くにも歩けば20分ほどかかる。三つ峠駅から行くには、駅の裏手へ出て、西桂中学校裏の通りを富士吉田方向へ向かう。途中踏切を渡れば右手山際にカーブをえがく線路が見える。その先、狭い道路がやや複雑に交差しているが、道なりに進み再度踏切に行き当たったところでその手前を右折して50mほど行けば目的地である。
ここは見晴らしがよく、6連の長編成でも十分に撮り込むことができ、また光線の位置もよいために終日撮影しやすい場所である。
7.新町の新倉第2踏切           2006.7.29(2006.7.8撮影)

富士山を背景に撮影できる場所の第2弾。梅雨の合間をねらい、富士が顔を出したところで撮影した。
場所は下吉田駅から歩いて5分たらず。駅前を直進して市道を右に折れ、歯科医院の脇の小道を入って50mほどのところである。ここでは踏切の両サイドいずれからでも撮影できるが、月江寺に向かって右側(作品左)で撮ると富士山と列車のバランスはよいものの車両が逆光位置になり、また左側(作品右)で撮ると順光にはなるものの富士山の位置が離れる、といった具合で一長一短ある。光の加減をみながら、また構図を工夫して撮影したい。
8.天上山(カチカチ山)の富士見台        2006.8.13(2006.7.29撮影)

今回訪れたのは天上山の富士見台。
河口湖駅から湖畔へ出てカチカチ山ロープウェイ乗り場まで徒歩10分。400円(往復700円)の運賃を払えば3分後には大パノラマの富士見台に到着する。富士山が裾野から頂上まで一望だ。眼下には模型のような富士急電車が走っている。
撮影には望遠レンズは必携で300mmはほしいところ。また被写体までの距離があるので、雨上がりなど空気の澄んだ日に出かけたい。
9.保寿院近くの田園           2006.9.9(2006.8.26撮影)

禾生から赤坂にかけては、田んぼの中に住宅が点在する。今回は実りの秋を間近に控えた田園風景を撮影した。
場所は赤坂駅から禾生方面に歩いて10分たらず、保寿院という禅寺近くの田んぼの中である。
線路向う側に家があるが、電車の陰にもっていけばさほど気にならない。難点とすれば、夕方にならないと側面が順光にならないこと、余裕のある足場が見当たらないこと、など。曇り日の方が光が拡散して撮りやすいかもしれない。
10.上谷の山一踏切         2006.9.16(2006.9.2撮影)

谷村町と都留文科大学前の間に、国道をまたぐためのS字カーブがある。今回のポイントはそのカーブの谷村町側、33.3‰の坂を上るところにある山一踏切とした。
谷村町駅からは歩いて10分とかからない。駅を出たら「ミュージアム都留」の交差点を右折する。しばらく行くと国道に出るが道なりに進み、谷村工高入口の手前を右折すれば目的地に到着する。
狭い道路わきでの撮影になるが、自動車の通行はほとんどないためさしたる支障はない。
撮影時間は車両前面が順光の朝がよい。
1.上暮地のお稲荷さん 2.小沼(おぬま)の田んぼ 3.ときわ台の大曲り 4.桂川の禾生橋
5.田野倉の「先の宮」バス停奥 6.白糸町の松久保踏切 7.新町の新倉第2踏切 8.天上山の富士見台
9.保寿院近くの田園 10.上谷の山一踏切 11.桂町の田んぼ 12.文大前駅の三ノ側公園
13.田原の旧佐伯橋 14.田野倉の大原橋東交差点 15.白糸町のがんじゃ踏切 16.西桂中学校前の踏切
11.桂町の田んぼ       2006.10.3(2006.9.30撮影)

実りの秋を代表する稲刈り前の田んぼ。東桂駅を出て国道を左折するとすぐ郵便局があり、その脇道をはいったところが目的地。駅からは5分ほどで到着する。
順光位置で撮影しやすいが、田んぼが小さく線路まで距離がないため広角系のレンズを用意したい。













 
 田んぼ近くの線路脇で
  コスモスを見かけた。
12.文大前駅の三ノ側公園    2006.10.21(2006.10.15撮影)

紅葉を撮るにはまだ早いか、と思いながら出かけてみたが、思いがけず季節を逃したバラの花に出会った。
場所は都留文科大学前駅で降りて左折し、200mほど行ったところにある三ノ側公園。駅開業とともに整備された小さな公園だ。
電車は、国道をまたいで160Rのカーブをやってくる。見通しが悪く、踏切の警報音もないので突然現われる。通過時刻が近づいたらいつでも撮影できるよう準備しておこう。
13.田原の旧佐伯橋    2006.11.8(2006.11.8撮影)

十日市場駅から国道へ出て右折する。しばらく行くと桂川(相模川)にかかる佐伯橋があるが、その手前右側の旧橋が今回の撮影ポイント。紅葉の木々を前景に、“田原の滝”の奥を行く富士急電車を撮ることができる。
滝は崩落のおそれがあるとして昨年強化工事が施され、自然の趣はやや損なわれたものの絵になる風景であることに変わりはない。
このポイントの難点は、いかんせん舞台(線路付近)が暗いこと。とくに午前中は日が差さないため前景とのコントラストが強すぎて撮影には適さない。
 
14.田野倉の大原橋東交差点   2006.11.18(2006.11.18撮影)
紅葉の山を背景に撮影できるところとして、大原橋東交差点近くを選んだ。田野倉駅と禾生駅のほぼ中間で、どちらの駅からも歩けば15分ほどかかる。
下のサムネイルで、左(フジサン特急)は田野倉側から上り列車を撮影し、右(1000系)は禾生側から下り列車を撮影したもの。
田野倉側から撮影する方が背景が大きく足もともすっきりするが、前面は終日逆光位置である。また見通しが悪く、列車は突然現れるので、通過時刻近くになったら注意していたい。
15.白糸町のがんじゃ踏切 2007.2.3(2007.2.3撮影)

富士山を背景にとりこめる撮影の名所。実は一面雪景色になるのを待っていたのだが、今年は異常ともいえる暖冬のため、待ちきれないままでの撮影となった。
場所は「6.白糸町の松久保踏切」で紹介したポイントと100mほどしか離れていない。
下り列車(河口湖行)は松久保踏切で、上り列車(大月行)はがんじゃ踏切で、という撮り方が効率的。
太陽が高くなるにしたがって富士山がはっきりしなくなってくるので、撮影は午前中がよい。
休日の10時前後から1時間ほどは、ホリデー快速、トーマスランド号、フジサン特急、115系など、バラエティーにとんだ列車に行き会える。
16.西桂中学校前の踏切 2007.4.7(2007.4.5撮影)

シリーズの最後は、桜のある風景で締めくくろう。
富士急行沿線は桜の花に彩られ、撮影場所にこと欠かないが、どうも今年は咲き方に勢いがない。そうしたなかで絵になりそうなところとして、西桂中学校前の踏切をえらんだ。
三つ峠駅から国道に出て右に折れ、3分ほど歩けば右手に中学校が見える。駅から近いし、分かりやすい。
下のサムネイルのうち、左は踏切の学校側で、
右は国道側で撮ったもの。
紅葉の時期は校庭の銀杏(富士吉田寄り)が
黄色に染まる(右のサムネイル=2005年秋
撮影)。

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