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ヨシノ中央駅HOME鉄道模型、列車コレクションTOPイタリア(FS)電車列車<No.2>特急電車(ETR)② (P.13)
イタリア電車列車<No,2>特急電車(ETR)②

ETR 480 "Eurostar Italia"
1995年、ETR450のデザインと弱点であった技術、機能性を一新したETR460が誕生しました。 ETR450で大き過ぎていた車体傾斜装置は
油圧機構をコンパクトにして台車に斜めに取付けることで、車内が車端部まで有効に使えて客室が広がりました。 車体の傾斜角はETR450
の10度から8度に変更したことで、車体幅が2800mmに広がり座席の横4列配置も可能になりました。車体はアルミ中空形材を用いて軽量化
VVVFインバータ制御と高出力の交流モーターを用いて動力車の数も9両編成中、6両と少なくなりました。動力車の駆動方式はETR450と
同じような方式で、 車体の床下に取付けたモーターから台車内側の車輪に動力を伝える方法です。 同じ電車でも台車内にモーターを収めた
日本の電車とは大きく異なるところです。この模型のETR480はETR460を交流、直流 2電源に対応させた電車で新しい規格の高速新線が
交流25000V50Hzで計画されていることに先駆けて作られ、1997年から1998年に15編成が製造されました。 最高速度は250km/hです。
                                                                     
(イタリアLima製)
ETR 470 "Cisalpino"
 
ETR470型電車"Cisalpino"は 1996年にイタリア(ミラノ)と スイス(ジュネーブ、バーゼル、チューリヒ)を結ぶ国際特急用の車両として登場
しました。設計はETR460を基本として国際列車用にアレンジされています。 愛称のCisalpino(チザルピーノ)とはアルプスのこちら側(ローマ
から見てアルプス以南)という意味です。車両のデザインはETR460やETR480と同じく産業デザイナーのジウジアーロさんによるもので、車体
や車内のデザインの他、食堂車の食器などの細かな物まで一緒にデザインをされています。1998年からはドイツのシュトゥットガルト、イタリア
国内ではベネチアやフィレンツェまで足を伸ばしています。それぞれの国の電源(イタリアは直流3000V、スイスとドイツは交流15000V16.7Hz)
と信号などの保安装置に対応し、集電装置(パンタグラフ)も各国用の3種類がついています。編成全体の出力はETR460などと同じ5880kw
ですが、山岳地帯を走るためにスピードと走行させる力のバランスを考えて最高速度は200km/hとなっています。      (イタリアLima製)

各国の集電装置、左からイタリア用、スイス用、ドイツ用。イタリアとスイスは車体傾斜機構を使うため、パンタグラフを
スライドをする台の上に置き、車体傾斜時でもパンタグラフが台車上の位置を保つようにリンク機構が設けてあります。
ドイツでは車体傾斜機構を使わないのでパンタグラフは屋根に直接取付けられています。
イタリア鉄道の高速新線 ディレッティシマ

イタリアは細長い半島の国で、山が海岸線近くまで張り出している地形は比較的日本に似ています。イタリアの主要幹線も
日本と同じように両側の海岸線に沿って引かれ、その路線をいくつもの山越え路線で横に結んでいます。 このように地形に
沿った路線のため曲線や勾配が多く鉄道には厳しい環境です。1962年、イタリア国鉄では近代化計画が検討され1969年
には輸送量が多い東のティレニア海側の路線 ミラノ〜ナポリ間での線路改良が決定しました。この計画では特に輸送量が
多い区間のフィレンツェ〜ローマ間を複々線化することにしましたが、内陸を通るこの区間は路線の35%が曲線という 特に
悪い線形のため、曲線も勾配も緩やかな新線を建設する事にしました。これがイタリアの高速新線「ディレッティシマ」です。
工事は1970年から開始され、1977年にローマ郊外セッテバーニ〜チッタ・デラ・ピエーヴェ間122kmが部分開業しました。
しかし、その後はインフレによる建設費の増額や沿線住民の反対、国鉄幹部の交代などがあって工事が随分遅れました。
当初の計画であったフィレンツェ〜ローマ間の全線がやっと開通したのは1992年、 20年以上もかかってしまいました。この
高速新線は65ヶ所の橋梁(総延長46km)と42ヶ所のトンネル(総延長71km)で、フィレンツェ〜ローマ間を在来線より79km
短い237kmで結んでいます。またローマ〜ナポリ間204.6kmの高速新線も3ヶ所の連絡線21kmと共に工事がほぼ完了して
2005年12月から営業運転を開始しています。イタリア鉄道は最終的にミラノ〜ナポリ間とトリノ〜ベネチア間の高速新線で
イタリア半島をTの字型に結ぶ計画です。 更にトリノと フランスのリヨンを結ぶ路線とジェノバからミラノ方面への路線も計画
されています。ローマ〜ナポリ間とこれから開業する新線では交流25kV50Hzの電気設備を使用します。線路の規格もより
高速に適したものとしていて、曲線半径もフィレンツェ〜ローマ間では3000mでしたがローマ〜ナポリ間では5450mとしてい
ます。信号保安装置もヨーロッパ鉄道研究所ERRIが中心となって開発したERTMS(European Rail Traffic Management
System)ETCS(European Train Control System)を一部の主要幹線と共に使う予定です。この装置はヨーロッパ各国の
車内信号システムと互換性を持ったもので、従来の保安装置 (イタリアはBACC) 区間ではそれに対応した機能をします。
イタリアの高速新線は日本の新幹線と違って 在来線列車も連絡線を通って容易に乗入れができるので、将来は高速新線と
在来線とを融合させた素晴らしい鉄道路線網となりそうです。                                   
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イタリア初代新幹線のETR450と 新規格高速新線対応のETR500



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