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秘湯めぐりの旅(43)
<中通りの5湯めぐり−福島県>
2002.7.13-14
インデックス
9/13須賀川温泉 | 9/13塩沢温泉 | 9/13幕川温泉 | 9/14高湯温泉 | 9/14野地温泉 |
*2002年7月13日(土) 須賀川温泉→塩沢温泉→幕川温泉
・福島県中通りへ
朝6時頃に自宅を出発し、東北自動車道で北上したが、たいした渋滞にもぶつからず、順調に走り続けた。那須高原サービスエリアで朝食を食べた後、矢板インターチェンジで下りて、国道4号線を北に向かって、県境を越え、福島県へと入ってきた。とりあえず、下道でのんびりと走っていきたかったのだ。白河を過ぎ、長距離ドライブの疲れを癒せる温泉はないかと探したのだが、なかなか思うような所は見つからず、中通りをどんどん北上していった。
結局、須賀川まで来てしまって、釈迦堂川沿いの公園の中に、須賀川市民温泉というのを発見した。そこに、入浴したのだが、入浴料250円の須賀川共同福祉施設に併設された温泉だった。あまり期待していなかったものの、ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉(低張性・アルカリ性・高温泉)でかなりの量のかけ流しとなっていて、浴槽からオーバーフローしていた。ボーリングして、地下800mから湧出したそうで、ぬるぬるして入り心地も良く、意外に良い温泉にびっくりした。
★須賀川温泉「須賀川市民温泉」に入浴する。<入浴料 250円>
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須賀川温泉「須賀川市民温泉」の外観 |
*一般的適応症(浴用)
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
日 帰 り 入 浴 施 設 | 須賀川温泉「須賀川市民温泉」のデータ | |
入浴料金 | 大人 250円、小人110円 | |
営業時間 | 午前9時〜午後9時、毎週木曜日と年末休館 | |
住所、電話 | 〒962-0028 福島県須賀川市茶畑町71 TEL(0248)76-2332 | |
交通 | JR東北本線須賀川駅より滝原・野田行きバス5分市民温泉下車後徒歩3分 |
十念寺の芭蕉句碑 |
・須賀川市街を散策
その後、須賀川市役所脇にある芭蕉記念館を訪れた。以前にも訪れたことがあるが、この地は、松尾芭蕉が 「奥の細道」の旅 で1週間逗留したところなのだ。記念館で、芭蕉が須賀川滞在中の様子を紹介したビデオを見て、どこを巡るか参考にした。まず、近くにある可伸庵跡、軒の栗に行ってみたが、住宅街の一角となっていて、句碑「世の人の見付ぬ花や軒の栗」の前で、当時を偲んでみた。次に、十念寺へと向かったが、この境内には有名な「風流の初やおくの田植うた」の句碑がある。その後は、須賀川歴史博物館にも立ち寄って、古代からの須賀川の歴史を学んだ。そこで、時雨塚の場所を教えてもらったのだが、個人の所有地となっていて、柵の外から碑を眺めるだけしか出なかったのが残念だ。いくつかの「奥の細道」縁の地を訪ね、古に思いを馳せている内に、昼時となり、以前一度いったことのある市役所近くのそば屋に入って、天ざる蕎麦を賞味した。
高村智恵子の生家 |
・高村智恵子の生家を訪れる
それからは、さらに国道4号線を北上し、郡山、二本松を通過して、安達町にある高村智恵子の生家・記念館を訪れた。高村光太郎の「智恵子抄」でつとに有名だが、生家は造酒屋を営み、手広く商いをしていたものの、1929年(昭和4)に破産して一家は離散、智恵子の病気にも影響したのではと言われている。記念館の展示を見て、智恵子が精神分裂病にかかってからは、光太郎と共に東北地方の温泉を巡って、温泉療養を試みたことがわかった。その時に不動湯温泉「白雲荘」や塩原温泉「柏屋旅館」などに湯治しているのだ。智恵子が病床で作った紙絵がとても印象的だった。
そこを出てからは、山の方へ向かい塩沢温泉「湯川荘」へ600円で入浴した。渓流とブナ林に囲まれた山中に立地し、男女別の内湯と露天風呂があった。源泉34.5℃、pH8.91、溶存物質総量305.8mg/kgの単純温泉で、毎分133L湧出しているとのことだった。露天風呂は渓流を望んでいて良いのだが、以前は混浴だったものを2つに仕切った感じで、ちょっと狭かったのが残念。
★塩沢温泉「湯川荘」に入浴する。<入浴料 600円>
塩沢温泉「湯川荘」の外観 | 塩沢温泉「湯川荘」の露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
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幕川温泉「水戸屋旅館」の外観 |
そこを立って、道の駅「つちゆ」からは山道を走って、周辺の大自然の眺望を楽しみつつ、標高1300mの幕川温泉に至った。最後の4kmほどの道は、崖崩れの箇所もあり、ガードレールもない狭い道で、慎重な運転に心懸けた。ここは、周囲をブナの原生林に囲まれて、大自然の中にあるとても静かな温泉で、宿は2軒ある。私の泊まった「水戸屋旅館」の部屋には、クーラーがついていなかったが、実に涼しくって爽快だった。高原の自然の涼しさがなによりだと思う。都会で、クーラーばっかりにあたっていると、逆に体調をおかしくするからね...。温泉の方は、男女別内湯+露天風呂と混浴展望露天風呂(女性タイムあり)、混浴渓流露天風呂の3ヶ所で入浴できた。特に、渓流沿いにある露天風呂は、野趣満点で、白濁した硫黄泉も心地よく、とても良かった。源泉は2つあり、1号泉は古来からのもので、源泉74.0℃、pH7.2、溶存物質総量376.2mg/kgの単純温泉で、内湯に使われ、2号泉は、近年掘削したもので、源泉80.5℃、pH7.8、溶存物質総量311.3mg/kgの単純硫黄泉で、露天風呂の方に使われていた。料理も、山菜のテンプラや岩魚の塩焼き、コンニャクの刺身、鯉のアライなど地元の食材を使った料理ばっかりでとても美味しくいただいた。後は、テレビを見、明日のコースを考えながら寝てしまった。
★幕川温泉「水戸屋旅館」に宿泊する。<1泊2食付 10,600円(込込)>
幕川温泉「水戸屋旅館」の展望露天風呂 | 幕川温泉「水戸屋旅館」の渓流露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・慢性皮膚病・慢性婦人病・糖尿病
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幕川温泉「水戸屋旅館」の夕食 | 幕川温泉「水戸屋旅館」の朝食 |
*2002年7月14日(日) 幕滝→浄土平湿原→高湯温泉→野地温泉
すばらしかった幕滝 |
・朝、幕滝まで散策
翌朝、早く宿を抜け出して、カメラを片手に、往復で徒歩1時間弱のところにある 幕滝 まで、登ってみた。歩き始めた最初の頃は、ブナの原生林を行く比較的平坦な道だったものの、途中から谷へ下る急坂となり、吊り橋を渡ってからは、渓谷沿いに上流へと上っていった。徐々に流れが急になり、渓谷が深まってきて、滝が見えてきた。昨晩雨が降ったせいで、水量も多くとてもすばらしい滝だ!さすがに、幕滝というだけあって、滝壺に向かって何本もの滝が水の幕のように流れ落ちていく様は、圧巻だった。写真もそこだけで、角度を変えたり、シャッタースピードを遅くしたり、絞りを開いたりしながら何十枚も撮ってしまった。戻ってきて、露天風呂に入浴して汗を流し、その後、美味しく朝食をいただいた。
浄土平湿原から吾妻小冨士を望む |
・浄土平湿原を歩く
9時頃に、宿を出てからは、標高1,240mの土湯峠へと上ってみた。磐梯山周辺の山々が霞んでいて、なんともいえない 幻想的な風景 を醸し出していて、しばしたたずみながらシャッターを切っていた。その後は、磐梯吾妻スカイラインで、所々に停車して、山の風景をカメラに収めながら、標高1,600mのところにある浄土平まで登っていった。ここで、 吾妻連峰の山々 と 浄土平湿原の高山植物 の写真を撮ってみたかったのだ。まず、有料駐車場に車を置いて、標高1,707mの吾妻小冨士に登ってみた。小型の富士山を感じさせる形をしていて、砂礫の階段を上り詰めると直径約400mの火口に至る。その眺めはなかなかのもので、ここからは、東吾妻山や一切経山、浄土平、福島盆地などの眺望も素晴らしかったのだが、山の写真は少し雲がかかってあまり期待できそうもないのが残念!下りてきて、今度は浄土平湿原を木道に沿って、巡ってみた。こちらの高山植物の方は、ニッコウキスゲ、ハクサンシャクナゲ、マルバシモツケ、イワオトギリなどがたくさん咲いていて、接写したり、望遠でねらってみたりして、ばっちりカメラに収まったかな...?
ニッコウキスゲ | イワオトギリ | ハクサンシャクナゲ |
浄土平ビジターセンターの公式ホームページへ |
その後は、スカイラインを下って、高湯温泉「旅館玉子湯」へ立ち寄ってみた。斜面に立っているので、4階が玄関になっていて、フロントで500円を払ってエレベーターで1階へと下りていった。庭園に出ると、前方に茅葺き屋根の「玉子湯」が見えたが、まず、男女別野天岩風呂の「天翔の湯」の方へ先に入ることにした。源泉かけ流しの白濁した温泉で、開放的な露天風呂が心地よく、渓流の音を聞きながらのんびりと湯に浸かった。上がってきて今度は昔ながらの共同浴場風の「玉子湯」に浸かった。こちらの方が旅館創業からの浴場で、130年余そのままの形をとどめているとのこと。すぐ脇に多量に湧き出るお湯は自然のまま、源泉かけ流しとなっていた。その後、館内に戻って、内湯「仙気の湯」へも入浴し、温泉を堪能した。
★高湯温泉「旅館玉子湯」に入浴する。<入浴料 500円>
高湯温泉「旅館玉子湯」の外観 | 高湯温泉「旅館玉子湯」の玉子湯 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・動脈硬化症
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高湯温泉「旅館玉子湯」の公式ホームページへ |
野地温泉「野地温泉ホテル」の外観 |
それから、道の駅「つちゆ」で昼食をすませて、標高1,200mにある野地温泉「野地温泉ホテル」の白濁した単純硫黄泉にも立ち寄り入浴した。ここは、時間帯で男女交互に入浴する浴槽が多い。まず、「鬼面の湯」が、男性の時間帯となっていたので、入ってみた。鬼面山の裾野に広がる、ブナ林に囲まれた石造りの露天風呂で、少しぬるめの白濁した湯を味わった。それから、男性用内湯「剣の湯」に入浴して体を洗い、最後に、「千寿の湯」が男性時間帯に変わっていたので、行ってみることにした。源泉に一番近いところにある木造の浴室で、近年新装されたようで、木の香りの漂う心地よいものだった。湯船は3つに分割されていて、ちょっとずつ湯温が違うようだ。一番奥が熱くて、誰も入っている人がいなかったが、そっと浸かってみた。かなり熱いが、耐えられないほどではないものの、そう長くは入っておれず、すぐ湯温の低い浴槽へ移動してしまった。そんな感じで、結構時間をかけて、「鬼面の湯」「剣の湯」「千寿の湯」と違ったタイプの3つの浴場を満喫して、上がってきたが、他に、男女交互の「天狗の湯」、女性用内湯「扇の湯」、女性用露天風呂「羽衣の湯」がある。ここは、ほんとうに温泉そのものを楽しめるところなのだ。
★野地温泉「野地温泉ホテル」に入浴する。<入浴料 800円>
露天風呂「鬼面の湯」 | 内湯「千寿の湯」 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・慢性皮膚病・慢性婦人病・動脈硬化症・糖尿病・高血圧症
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・帰途につく
入浴後は、母成グリーンラインで母成峠を越え、磐梯熱海インターから磐越自動車道、東北自動車道と走って戻ってきた。天気は曇っていたけれどまずまずで、快適な旅行になり、5湯に入ることもでき、かなりリフレッシュ出来たかな...。こちらに戻ってきたらあまりに暑いんでびっくりした。
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