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秘湯めぐりの旅(50)
<新潟県・福島県の9湯めぐり>
2003.5.3-5
インデックス
5/3(土) | 5/4(日) | 5/5(月) | ||||||
二ツ屋温泉 | 津南駅前温泉 | ニュー浅草岳温泉 | 大塩温泉 | 八町温泉 | 玉梨温泉 | 津尻温泉 | 一ノ木温泉 | 相川温泉 |
*2003年5月3日(土) 二ツ屋温泉→津南駅前温泉→ニュー浅草岳温泉
・魚沼スカイラインの絶景
ゴールデンウイークの渋滞を避けるため、朝5時過ぎに自宅を出たのだが、カーラジオで聞くとすでに高速道路の渋滞が始まりつつあった。仕方がないので、混雑していた新座料金所と鶴ヶ島ジャンクションを下道で迂回し、上手くすり抜けて、鶴ヶ島インターから関越自動車道に乗った。その後は、たいした渋滞もなく順調に走って、新潟県に入り六日町インターで下りた。それからは、国道253号線を西へ走り、八箇峠から魚沼スカイラインへ入って尾根道を南下していった。舗装はされているものの、アップダウンが激しく、道幅が狭くて、カーブもきつい。慎重に慎重にハンドルを回していったが、魚沼連山、特に越後三山(越後駒ケ岳、中ノ岳、八海山)の眺望が素晴らしい。また、期待通り残雪と新緑と桜が見られて、所々に車を停めて、カメラのシャッターを切っていった。
栃窪峠から右に折れ、細い山道を下っていって、まず山中の秘湯二ツ屋温泉「鷹の湯」に入浴した。冬季は、塩之又スキー場、当間スキー場に近く、スキーヤーのベースの一つとなっているそうだが、雪の消えた時期では静けさに包まれている。玄関を入り、フロントで入浴料300円也を支払ってから浴室へと向かった。意外に大きく、加熱しているそうだが、ジェット付きの大浴槽と半露天風呂風の岩風呂がある。入ってみると、湯は無色透明できれい、味は無く、臭も無い。ただ、洗い場の端に源泉が出るようになっていて、飲泉も可能。こちらの方は、飲んでみると硫黄味がして、硫黄泉らしさを感じることができる。浴後は、保温性が良いのか体のポカポカ感が残っていた。源泉名は魚沼高原温泉といい、石油掘削時に湧きだしたとのことで、親戚関係にある近くの越後俵山温泉「やすらぎ」と同じ源泉を使用しているそうだ。入浴後、再び山を下って、十日町盆地へと下りていった。
★二ツ屋温泉「鷹の湯」に入浴する。<入浴料 300円>
二ツ屋温泉「鷹の湯」の全景 | 二ツ屋温泉「鷹の湯」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・慢性皮膚病・慢性婦人病・糖尿病
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国道117号線に出てから西に走り、津南駅前温泉「リバーサイド津南」にも立ち寄り入浴した。ここは、JR飯山線津南 駅に併設されている日帰り温泉入浴施設 だ。1階が駅舎とホーム、コンコース、食事処「信濃川」になっていて、温泉の受付を兼ねた売店もある。2階は、男女別大浴場とサウナ室、休憩室(和室30畳)となっている。この駅は、民間委託駅となっていて、売店の係りの人が温泉の入浴料も徴収すれば、列車の切符も売るというのが面白いのだ。また、ここでは、入浴券ではなく、SLの印刷された硬券の入場券を渡してくれる。まさに、温泉に入るというより、駅の入場券を買うといった趣なのだ。男女別になった浴室は、広めだが、浴槽が一つとサウナがあるだけのシンプルなものだ。しかし、薄い茶色をした湯はぬるぬる感があって入り心地が良く、大きな窓からは、到着する列車を望むこともできる。無料の休憩室で、休みながら何回か湯に浸かることも可能なので、旅の途中のんびりと休憩したい人には良いかも知れない。
★津南駅前温泉「リバーサイド津南」に入浴する。<入浴料 800円>
「リバーサイド津南」の外観 | 「リバーサイド津南」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
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松之山の美人林 |
・日本一の豪雪地帯松之山へ
入浴後は、津南町の「とみさわ」で昼食に天ざるそばを食べたのだが、つなぎに海藻(ふのり)を使うことによって生まれるコシのある歯ごたえがすばらしく、別名「ふのりそば」と呼ばれているこの周辺独特の蕎麦だった。昼食後は、冬季は4m以上の積雪があるという、日本一の豪雪地帯松之山へと入っていった。ここは、私が学生時代に訪れたことがあるところで、久しぶりの来訪でとても懐かし感じがした。昔は、峠越えの悪路を行ったが、今では、国道353号線に豊原トンネルが出来、比較的スムーズに行ける。大棟山美術博物館と民俗資料館を見学後、美人林と名付けられたブナの自然林を見に行った。新緑のブナ林はほんとうに美しい!なんともいえない緑色の木々に向かって何枚も写真を撮った。
松之山の茅葺き民家 |
・棚田の風景
その後、天水越集落の辺りへも行ってみたのだが、山の斜面に広がる棚田に雪がまだら模様に残っていてとてもきれいだった。棚田の風景は日本の農村の原風景といった感じがして好きなのだ。水を張った棚田、その畦に春の野草の花々が咲いている情景はすばらしい。よく「水戸黄門」などの最近のテレビ時代劇を見ていると江戸時代の旅人や武士が農村を行く風景が撮影されているが、ほとんどがインチキだ。あの映像を見て、江戸時代の農村を思い浮かべてもらっては困ると思う。一番違うのは、田圃の形がおかしいのだ。江戸時代の田圃は平野部でも一枚一枚が小さく、畦道も真っ直ぐではなく曲がりくねっていたのだ。現在の田圃はほとんどが戦後の耕地整理で、田圃一枚の面積が広くなり、畦道も広く真っ直ぐにされてしまった。従って、現在平野部の田圃で日本の原風景が残されているところはほとんどない。その点、山間地の棚田は、耕地整理の行き届かないところもまだ残されていて、日本の農村の原風景がそのままになっているのだ。私は、そんな景色が大好きで、ここでも何枚もカメラに収めた。
天水越集落の残雪の棚田 |
その後は、松代町を経由して、十日町市に出、国道252号線で、新潟県と福島県境近くまで一気に走った。そこで、浅草岳の麓にある入広瀬村のニュー浅草岳温泉「展望洞窟風呂」に立ち寄り入浴した。入広瀬観光公社が経営するホテル「大自然館」に、併設された4階にあり、階段を上っていかなければならない。脱衣場からくりぬいた洞窟の中を数10m歩いていくとまた脱衣場があって、男女別の浴室があり、大きなカマボコ型の窓が開口している。そこからは、入浴しながら越後三山のすばらしい景観を展望できるのだ。お湯は、源泉48.0℃、溶存物質総量12,339.85mg/kgのNa-硫酸塩・塩化物泉(高張性・中性・高温泉)で、近年地下1200mから掘削して湧出したと書いてあった。薄茶色をしていて、少し濁りがあり、ほとんど無臭で、肌触りの良いお湯だった。別に大浴場と露天風呂があるそうだが、宿泊しないと利用できないとのこと。
★ニュー浅草岳温泉の「展望洞窟風呂」に入浴する。<入浴料 600円>
ニュー浅草岳温泉「展望洞窟風呂」の入口 | ニュー浅草岳温泉「展望洞窟風呂」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病・動脈硬化症・虚弱児童
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入広瀬観光公社のニュー浅草岳温泉の公式ホームページへ |
・ニュー浅草岳温泉「音松荘」へ泊まる
その後は、近くにある「音松荘」に泊まった。破間川ダム湖の前にあって、登山客や釣り人が常用する宿で、建物は古いが、大自然に包まれたすばらしいロケーションで、周辺は新緑と残雪がとてもいい感じだったのだ。部屋に荷物を置くと、もう一風呂浴びてから、夕食になった。食卓には、岩魚の塩焼、山菜のテンプラ、すき焼き鍋、刺身コンニャク、コゴメなどが並べられ、お酒を2本冷やでたのんで、美味しく飲みかつ食べた。その後は、テレビを見ながら、明日の旅程を考え、早めに床に就いた。
☆ニュー浅草岳温泉「音松荘」に泊まる。<1泊2食付 7,245円(込込)>
ニュー浅草岳温泉「音松荘」の全景 | ニュー浅草岳温泉「音松荘」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病・動脈硬化症・虚弱児童
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ニュー浅草岳温泉「音松荘」の夕食 | ニュー浅草岳温泉「音松荘」の朝食 |
*2003年5月4日(日) 大塩温泉→八町温泉→玉梨温泉→津尻温泉
破間川ダム湖と浅草大橋 |
・朝、散策に出かける
翌日は、早朝起きだし、天気も良さそうだったので、周辺を散策してみた。宿の前の破間川ダム湖には、赤い色の浅草大橋が架かっていて、新緑に映えてとてもきれいだ。ゆっくりと歩きながら橋の中ほどまで行って、ダム湖や周辺の新緑の写真を撮った。しかし、山間地の朝はまだ寒く、防寒具を持ってこなかったので、とても長時間はがまんできず、早々に宿に引き返してしまった。部屋で暖をとりながらのんびりして、朝食となった。食後は、手早く荷物をまとめ、8時半過ぎには宿を立った。
・田子倉湖畔を走る
出立後は、国道252号線に出て、東へ進んだのだが、残雪の残る県境の山々と新緑が美しく、時々車を停めては撮影した。JR只見線が沿っていたので、列車が来たら撮影しようかとも思っていたが、地方ローカル線のこととて、運行本数も少なく、一度も列車には出会わなかった。それから、福島県に入り田子倉ダム湖畔を走ったのだが、紺碧の田子倉湖の青と残雪の白、新緑の緑がみごとに調和し、所々に花々も咲いていて、ほんとうにすばらしく、ここでも何度も何度も車から出て、カメラを向けたのだ。田子倉ダムのサイトでも、小休止したが、桜が満開になっていてとてもきれい。シートを敷いて、酒宴を張りながらお花見している人々もいて、まさに春真っ盛りといった感じだった。
田子倉湖と残雪の山々 | 田子倉ダム |
・河井継之助記念館を見学
河井継之助記念館 |
さらに東へ走り、只見の中心街を抜けてから、幕末の偉人、河井継之助記念館(福島県只見町)を見学した。ここは、継之助終焉の地で、医家矢沢家で息を引き取った部屋(矢沢家は1962年の滝ダムの建設で湖底に水没)が、記念館内に移築保存されている。河井継之助は、幕末の越後長岡藩の家老上席で、戊辰長岡戦争の軍事総督だった。 司馬遼太郎著の『峠』 の主人公として描かれ、広く人に知られるところとなった。薩長諸藩と対峙する重大事に家老となり、奥羽越列藩同盟の結成に参加し、薩長軍(西軍)と対決することになる。地理的に、最初に西軍の攻撃を受け、会津藩等の支援を受け、奮戦するが、長岡城が落城し、一度は八丁沖渡渉の奇襲により、奪還に成功する。しかし、二度目の長岡落城後の敗走で、継之助は戦闘で左足に重症を負っており、戸板に乗せられて、見附、吉ヶ平を経て、八十里越を会津へ向う。会津藩領内に至ったものの、傷が悪化して、動けなくなり、会津城下にたどり着くことなく、ここ会津塩沢において42歳で没したのだ。8月16日のことで、ここに着いて4日後のことだった。館内の展示によって、彼の偉大な業績と先駆的な考えを知ると共に、戊辰長岡戦争の全貌を考える上では大変重要な施設だ。近くの医王寺には、火葬後の細骨を集めて、村人が建てた墓がある。
その後少し車を走らせて、「大塩温泉共同浴場」に入浴した。ここは、地元で管理している男女別共同湯で、国道252号線から細い道を只見川の方へ少し下っていった川端にある。小さな集会場のような平屋建で、注意しないと通り過ぎてしまいそうだ。靴を脱いでスリッパに履き替え、玄関にある箱に協力金200円以上を投入し、階段を下りていくと左右に男女別へ分かれる。浴室に入ってまず驚かされるのは、温泉成分が浴槽や床に析出して茶褐色になってこびりついていることだ。そして、源泉が惜しげもなく掛け流しになっていて、浴槽からあふれている。掲示されている温泉分析書によると源泉38.0℃、pH6.5、溶存物質総量9,646mg/kgの含二酸化炭素-Na-塩化物・炭酸水素塩泉(等張性・中性・温泉)で、二酸化炭素が2,856mg/kg含有されているとある。入浴してみると濃厚な温泉であることを感じられるが、炭酸泉独特の泡付きはあまりなかった。しかし、飲んでみると塩味と共に甘酸っぱさもある。窓の外には、浴室から流れ出た温泉が析出して、赤茶けた堆積物となっている。只見川が眼下にあってとても気分良く入浴できるのだ。内湯だけの小さな共同浴場だが、温めで長く浸かっていることも出来てとても気に入った。私が入ったときは源泉掛け流しのようだったが、気温の低いときなどは加熱されて注がれていることもあるそうだ。
★大塩温泉「共同浴場」に入浴する。<協力金 200円>
大塩温泉「共同浴場」の外観 | 大塩温泉「共同浴場」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病・高血圧症・動脈硬化症
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入浴後は、金山町活性化センター「こぶし館」という町おこしのために造った施設へ立ち寄った。併設されている金山町歴史民俗資料展示室を見学後、そこで山菜蕎麦を食べたのだが、蕎麦にコシがあり、これもなかなか美味しかった。食後は、少し車を走らせてから、「八町温泉共同浴場」にも立ち寄った。ここも地元で管理している混浴共同湯で、国道400号線沿いの徒歩で少し野尻川に急坂を下りていった河畔にある。小さな平屋建で、扉を開けるといきなり浴槽が見える。一応脱衣場は男女別に分かれていてアコーディオンカーテンで仕切れば、隠れて脱衣することもできる。入口には箱があって、まず協力金100円を入れた。浴槽はシンブルな長方形1つで、褐色に染まっている。湯口は2つあるのだが、元々の八町温泉の源泉が細ってしまったので、対岸の玉梨温泉の町営源泉を引いてきてブレンドしているそうだ。細い方のパイプが八町温泉亀の湯源泉で、掲示されている温泉分析書によると源泉43.6℃、pH6.8、溶存物質総量3,816mg/kgの含二酸化炭素-Na・Ca-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性・中性・高温泉)で、二酸化炭素が1,387mg/kg含有されているとある。太い方のパイプは、玉梨温泉の町営源泉で、源泉45.2℃、pH6.5、溶存物質総量3,423mg/kgのNa-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性・高温泉)とのことだ。ちょっと熱めだったが、源泉掛け流しでお湯がとうとうとあふれ出ていて、とても気持ちの良い湯だった。
★八町温泉「共同浴場」に入浴する。<協力金 100円>
八町温泉「共同浴場」の外観 | 八町温泉「共同浴場」の浴室(混浴) |
| *一般的適応症(浴用)
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その後、野尻川を渡ったすぐ近くにある玉梨温泉の国民保養センター「せせらぎ荘」にも立ち寄った。30年ほどの歴史を刻む町営の施設で、現在は宿泊できないが、日帰り入浴と休憩が出来、食堂もある。受付で、入浴料250円也を払って左手に進むと、浴室は男女別に分かれる。源泉がゴボッゴボッと音を立てて掛け流しになっていて、浴槽はタイル張りだが、析出物によって褐色になっている。湯に入るとやや白濁し、肌に少し泡がまとわり付く感じが心地よい。赤っぽい湯の花が浮かんでいて、濃厚な湯の感じを与えている。やや熱めだが、良い湯だと感心した。
★玉梨温泉「せせらぎ荘」に入浴する。<入浴料 250円>
玉梨温泉「せせらぎ荘」の外観 | 玉梨温泉「せせらぎ荘」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病・動脈硬化症
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入浴後は、国道252号線に復し、東へ走って柳津の町を通り過ぎ、坂下町に至り、その日は津尻温泉「滝の湯」に泊まった。1泊2食付き7,500円(込別)だったのだが、ほんとうに山里の宿で、前は田圃、後ろは山、そして、浴場からは自然の滝が見え、昔から何百年も変わらない農山村の原風景を見るようだった。そこの宿のお婆さんが話していたが、創業55年になるけど、その当時と周辺の風景はほとんど変わっていないそうだ。これはこれで、とても貴重なことだと思う。懐かしい田舎に来たような風情がみちみちていたのだ。ほんとうにもてなしも良く、農山村の原風景といった景色も、周辺の自然環境もすばらしくて、とても気に入った。夕食は、鯉の甘露煮、アラの煮付、肉鍋、長芋、コゴメ、アスパラガス、刺身と並び、そして、最後には美味しい蕎麦も出てきて満足した。
☆津尻温泉「滝の湯」に泊まる。<1泊2食付 8,025円(込込)>
津尻温泉「滝の湯」の全景 | 津尻温泉「滝の湯」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
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津尻温泉「滝の湯」の夕食 | 津尻温泉「滝の湯」の朝食 |
*2003年5月5日(月) 一ノ木温泉→相川温泉→帰途へ
・朝、写真を撮りに出かける
次の日は、早朝起き出して、小1時間の周辺散策をした。空気は澄み、裏山は新緑が萌え出、畦には春の野草が咲き乱れていて、まことに清々しい。ヒメオドリコソウやカキドオシ、タンポポなどが朝露を浴びて、輝いている。そんな細やかな美しさを接写でカメラに収めた。経塚山を背景に新緑も広角レンズで捉えてみた。なんか、心が洗われるような気分で、足取りも軽い。のんびりと、気ままに足を向けながら、思い思いに写真を撮って、宿へと戻ってきた。すぐに、朝食をとり、荷物を整えて8時半過ぎに宿を出立した。
ヒメオドリコソウ | タンポポ |
・飯豊山の山懐へ
まず、車を北に向け、白い山塊を見せている飯豊山の山懐にどんどんと入り込んでいった。山都町の中心部から一ノ戸川に沿って北上していったのだが、一ノ木集落を過ぎる辺りから、道は急に細くなり、車一台がやっと、曲がりくねって上っていった。飯豊鉱泉のある川入集落を目指したのだが、途中道を間違え、支流の方へ入り込んでしまい、山中の秘境藤巻集落まで至って、通行止めとなっていた。小学校と思われる建物は廃墟のようだったが、数軒は生活の跡が見えた。しかし、こんな山奥にも少し開けたところがあると、人が住み着き歴史が刻まれていくのだ。なにか感慨深いものを覚えて、周辺の風景をカメラに収めてから、来た道を引き返した。渓流が深い谷を抉っていて、美しい景観をなしている。時々車を停めては、渓谷に下りてまたシャッターを切っていった。
その後復路にある、一ノ木温泉「いいでのゆ」へ立ち寄り入浴した。一ノ木集落のはずれにある山都町営の温泉保養センターで、宿泊も出来るという。ふるさと創生事業の一環として掘削が始まり、1991年(平成3)に地下1,300mから湧出したとのこと。源泉60.9℃、pH7.2、溶存物質総量9,722㎎/㎏のナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(等張性・中性・高温泉)で、源泉浴槽には、茶褐色の熱いお湯が掛け流しになってあふれいる。入ってみると、塩分を感じられ濃厚な感じがする。その他に、一般浴槽、ジェットバス、露天風呂などがあるが、他は濾過しているのか無色透明のお湯で、浴感は乏しかった。以前は、露天風呂も源泉が掛け流しにされていたそうだが、私が入った時は、違っていた、露天風呂は「青空星空風呂」と名付けられており、杉木立に囲まれて、結構開放感のある造りとなっている。休憩室なども整い、食堂では午前11時から午後7時まで、山都名物の本格手打ち蕎麦を味わうこともできるそうだ。
★一ノ木温泉「いいでのゆ」に入浴する。<入浴料 500円>
一ノ木温泉「いいでのゆ」の外観 | 一ノ木温泉「いいでのゆ」の露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病・動脈硬化症
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山都町の「いいでのゆ」の公式ホームページへ |
それから少し下って、相川温泉「滝富旅館」にも立ち寄り入浴した。一ノ戸川渓流沿いの閑静な一軒宿で、飯豊連峰の福島県側の登山口にあたり、登山休憩の宿、釣りの宿として利用されているとのこと。玄関で呼ぶと、女将が出てきて、入浴料500円を払って、浴室へ案内された。浴槽はひょうたん型をしたシンプルな内湯が一つだけだが、加熱掛け流しのお湯が溢れ出して、床をぬらしている。入ってみると、ぬるぬる感の強い、やわらかな良い湯でとても気に入った。湯温もちょうどよく、長湯に向いており、眼下の一ノ戸川のせせらぎも聞こえてきて心地よい。のんびりと湯に浸かりながら汗を流し、今回の旅の締めくくりの湯とした。
★相川温泉「滝富旅館」に入浴する。<入浴料 500円>
相川温泉「滝富旅館」の外観 | 相川温泉「滝富旅館」の浴室 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
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・山都の蕎麦を食べる
その後、近年蕎麦の産地として有名になった山都町の「萬長食堂」で十割蕎麦の手打ちを食べた。山都のそばの特徴は、一番粉を主に使用してつなぎを一切使わないそば粉100%のコシが強く透明感のある手打ちそばとのこと。この蕎麦も、ほんとうに美味しかったのだ。私は、とにかく蕎麦が大好きで、日本中を旅しながら食べ歩いたが、今回も3日とも昼食は蕎麦だった。蕎麦は、もともとは山間の痩せ地に育ち、中部地方や東北地方の山間地の貧しい人々の食物だったそうだ。つまり、米や麦の食べられない人々の常食だったのだ。その点、うどんは、小麦粉を原料としているので、特に西日本の平野部で、二毛作として裏作に作られた麦を材料に使った。蕎麦に比べ、平野部で余裕のある農民の食物だったそうだ。それで、昔から蕎麦の美味しいところは中部地方や東北地方の山間地に多く、うどんの美味しいところは、西日本の平野部に多いとのこと。従って、新潟県や福島県の山間地には美味しい蕎麦が多く、その方面を旅した時は、どうしても立ち寄って食べてみたくなるのだ。
・帰途につく
昼飯を早めにすませた後は、帰路についたのだが、渋滞を避けるため、高速道路を使わず、猪苗代湖畔から国道294号線(茨城街道)で白河に出て、そこからは旧奥州街道、新4号線と下道だけを走ってきた。そのために、都合7時間もかかって疲れてしまった。でも、天気にも恵まれ、すばらしい風景にも出会えたし、9湯に入浴し、宿も良くて、美味しいものも食べられたので良い旅となった。
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