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秘湯めぐりの旅(51)
<富士山周辺の5湯めぐり−山梨県>
2002.12.14-15
インデックス
12/14(土) | 12/15(日) | |||
山中湖温泉 | 富士青木ヶ原樹海温泉 | 赤石温泉 | 十谷温泉 | 甲州鰍沢温泉 |
*2002年12月14日(土) 山中湖→青木ヶ原→精進湖→赤石温泉
・富士五湖を目指す
急に思いついて、富士山の写真を撮りながら、温泉めぐりの旅をすることにした。8時前に自宅を出たが、出発がやや遅れたので、首都高速では早くも渋滞が報じられていた。仕方がないので、迂回して下道で八王子インターまでいって、そこから中央自動車道に乗った。すでに、高速道路上の所々から富士山が顔を見せ始めていて、旅の期待が膨らんだ。心配したほどの渋滞もなく、大月ジャンクションから分かれて、一路富士五湖を目指していったが、空も澄んで、くっきりと富士山がその全貌を現しつつある。徐々に大きくなる勇姿に、今日は、良い写真が撮れるのではないかと、胸が高鳴った。その後、河口湖インターチェンジで下りて、有料の富士五湖道路に乗り継ぎ、山中湖へと至った。
山中湖温泉「紅冨士の湯」の外観 |
まず、山中湖温泉「紅冨士の湯」で一浴したが、ここは、富士山麓のナラや白樺の樹林の中に立地していた。山中湖の北にある山中湖平野温泉「石割の湯」と同じ、山中湖村営の温泉で、1998年(平成10)にオープンしたという。玄関を入ると大きなエントラスホールとロビーがあり、ここで受付をする。浴室は2階にあって、2つの浴槽にジェットバスや寝湯、打たせ湯、などがあり、ミストサウナ・ドライサウナも附属している。しかし、なんといっても特筆すべきは、全面ガラス張りの窓から、雪を頂いた富士山が大きく見えて、すばらしい景観を堪能できることだ。内湯から、階段を下りていくと、庭園の中にあづま屋をしつらえたぬるめの檜の湯とちょっと熱めの岩の湯の2つの露天風呂がある。そこから仰ぎ見る富士山もまた素晴らしい。日の出の時に富士山が赤く染まるのを紅富士と呼ぶのだが、これを望めるように、12月〜3月末の土日祝は朝6時から営業しているとのことだ。ちなみに、雪のない富士山が赤く染まる現象は、赤富士と呼んで区別している。この温泉は、源泉25.6℃、pH9.73、溶存物質総量177.4mg/kgのアルカリ性単純温泉(アルカリ性・低張性・低温泉)で、やわらかなお湯で入りやすい。2階には250畳の大広間(内個室3室は要予約で別料金)があって休憩できるし、1階にはレストラン「四季彩」があって食事することも可能だ。冬季(12月〜3月)の土日祝には、9時半まで朝市が開かれ、地元の産品が販売されるというのも、大きな特徴になっている。今度来るときは、冬季の早朝訪れて、紅富士を見ながら温泉に浸かってみたいと思った。
★山中湖温泉「紅冨士の湯」に入浴する。<入浴料 700円>
山中湖温泉「紅冨士の湯」の露天風呂 | 山中湖温泉「紅冨士の湯」から見た富士山 |
| *一般的適応症(浴用)
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山中湖温泉「紅冨士の湯」の公式ホームページへ |
・山中湖から富士山を撮る
入浴後は、山中湖を一周しながら、湖越しに見える
富士山を連写した
。前日に雪が降ったみたいで、湖周辺は一面雪化粧していて、結構絵になる写真になったと思うが...。湖の東の端、平野の湖岸に、白鳥が一羽いて、近づいても逃げないし、いろいろとポーズをとってくれたので、そのバックに富士山を写し込んでみたり、雪をかぶったボートを前景にしてみたりといろいろな構図をねらってみた。ただ、少し富士山が霞んで、輪郭がぼやけてきたのが残念だ。
昼食は、湖畔の「小作」という店で、山梨名物のほうとうを食べた。豚肉のたくさん入ったもので、とても美味しかった。
山中湖から見た富士山 |
富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」の外観 |
その後は、青木ヶ原の樹海へ場所を移し、そこにある富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」にも立ち寄った。国道139号線沿いの道の駅なるさわの裏側にあり、富士緑の休暇村に隣接している。ここは、1997年(平成9)に出来た日帰り入浴施設で、富士山の北麓標高1,000mに位置し、樹海の入口といった雰囲気が漂っている。建物は3階建で、2階から入ると受付がある。建物の1階から3階までに16種類の多様な風呂が用意されている。1階には塩釜蒸し風呂(低温サウナ)、洞窟風呂、砂むし風呂(別料金)の内湯と外には露天風呂、ジャグジー、水風呂、香り風呂がある。2階は高見風呂と五右衛門風呂、3階は別料金の貸し切り風呂が6タイプ(幸福の石風呂、目薬の木風呂、炭風呂、桧風呂、かまど風呂、水晶風呂)ある。なんでも、風水と波動術を取り入れた設計になっているとか...。温泉は、源泉30.4℃、pH7.7、溶存物質総量1,428mg/kgのカルシウム・マグネシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉(弱アルカリ性・低張性・低温泉)だが、なんと言っても眼前に富士山の勇姿を見ながら入浴できるのがここの売りであろう。私としては、ちょっと入浴料が高い気もしたが、2階の1人用の五右衛門風呂に入りながら、富士山を仰ぎ見られるのが一番気に入った。1階には、囲炉裏のある個室のお食事処「お狩り場」があり、注文するとSLの模型列車が料理を運んでくれるそうで、地鶏鍋が名物とのことだ。
★富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」に入浴する。<入浴料 1,200円>
富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」の露天風呂 | 富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」の五右衛門風呂 |
| *一般的適応症(浴用)
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富士青木ヶ原樹海温泉「ゆらり」の公式ホームページへ |
・精進湖で富士山を撮る
それから、富士山の写真も何枚か撮り、なるさわ冨士博物館も見学してから、精進湖へと移して、さらに 富士山を撮りまくった 。特に、精進湖では、夕暮れの湖面に映った富士山が、さざ波に揺らいでいて、変わった写真が撮れたと思う。
精進湖から見た富士山 |
その後は、上九一色村を経由して、赤石温泉へと向かった。ここは、南アルプス山麓の戸川渓谷の奥にある一軒宿で、「日本の秘湯を守る会会員」にもなっている。私が泊まった日を最後に雪のために冬季休業に入るとのことだった。風呂は、内湯として岩風呂(混浴)と女性用の2つがあり、そして宿から5分ほど歩いたところに名物の混浴露天風呂がある。しかし、この日は、すでに露天風呂は雪に埋もれてしまって入ることが出来なかったのは残念だった。通常、露天風呂は夏季以外は土日祝のみ入浴することが出来るはずなのだが...。すでに、周辺は一面の雪化粧で、夜も寒く、冬の装いとなっていた。しかし、内湯の岩風呂(混浴)に入ると、芯から暖まり、リフレッシュすることが出来た。入浴後、食堂での夕食となったが、虹鱒の塩焼き、鯉のアライ、鰻の蒲焼き、煮貝、山菜など地物ばかりでおいしくいただき、お酒も2合ほど飲んで良い気分になった。後は、部屋に戻って、テレビを見ながら明日のコースを考えたりしながら、床に就いてしまった。
★赤石温泉「赤石温泉」に宿泊する。<1泊2食付 8,865円(込込)>
赤石温泉「赤石温泉」の外観 | 雪に埋もれた赤石温泉の混浴露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用) 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進 *泉質別適応症(浴用) 慢性皮膚病
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赤石温泉「赤石温泉」の夕食 | 赤石温泉「赤石温泉」の朝食 |
*2002年12月15日(日) 十谷温泉→甲州鰍沢温泉→考古博物館→帰途へ
冬の戸川渓谷 |
・朝の散歩へ出かける
翌朝は、散歩に出かけたのだが、もう寒い。防寒に気を付けながら、戸川渓谷沿いに徒歩10分ほどの妙連の滝まで行こうとしたが、遊歩道が雪に埋もれていて途中で断念せざるを得なかった。この先には、大小48もの荘厳な滝が点在すると書かれていたのだが...。仕方がないので引き返して、釣り堀、プール、露天風呂のある方へと歩いていったが、いずれも雪の下に埋もれていた。こうしてみると、夏季に来た方がいろいろな楽しみ方の出来る温泉だということがわかる。それでも、それらを巡りながら、冬の訪れを感じて、妙に神妙な気分になった。宿に戻ってから、しばらく部屋で暖をとって、一浴し、その後朝食をすませた。後は、手早く荷物をまとめて出立しようとしたが、車のフロントガラスが凍り付いていて、すぐには動かすことが出来なかった。ほんとうに冬の旅を感じさせてくれた宿に、なぜか心を残しながら山を下っていった。
・富士山を眺望
途中の平林の集落からは、富士山を眺望することが出来るのだが、天気は良かったものの、ちょっと霞のかかったような感じで、輪郭がぼやけていた。それでも、何枚か富士山に向かってシャッターを切ってみた。その後、鰍沢町の十谷温泉(じっこくおんせん)へ向かったのだが、その途中からも富士山が遠望でき何枚かの写真をカメラに収めた。
十谷温泉「源氏荘」の外観 |
そして、前から一度行ってみたかった山中の秘湯、十谷温泉「源氏荘」の露天風呂とガマ風呂に立ち寄り入浴したのだ。ここも、大柳川をさかのぼって、山中へどんどん入っていき、十谷集落を過ぎ、さらに奥へ、渓谷沿いの細く曲がりくねった山道を慎重に走っていく。その道沿いに湯宿が点在するが、一番どん詰まりにあるのが「源氏荘」だ。玄関を入って、受付で入浴料1,000円也を払ったが、内湯か露天風呂のどちらかを選択しなければならないとのこと、私は躊躇なく露天風呂の方を選んだ。少し歩かなければならないが、玄関を出て、駐車場から吊り橋を渡っていくとその温泉がある。手前に、バンガロー風の男女別脱衣場があるが、浴槽は渓谷沿いの野趣満点の露天風呂、その隣にある名物のガマ風呂いずれも混浴だ。ガマ風呂は天然の大岩が屋根になった洞窟のような風呂で、全体がガマガエルのように見える。中の浴槽の中央には、太くて立派な石の男根が佇立していて、その先端からお湯が注がれている。とても土俗的な感じがして、ユニークさが気に入った。露天風呂の方は、裸身の女性像の持つ器からお湯が注がれているが、カルシウム・ナトリウム−塩化物泉(アルカリ性・高張性・温泉)で、なめると塩辛い。とても開放的な造りで広く、大柳川渓谷を望んで眺望も良い。ゆったりと足を延ばしながらお湯に浸かり、目を閉じると渓谷のせせらぎが心地よく聞こえる。秋の紅葉の時期は、さぞかしすばらしいだろうと思った。ただ、脇が渓谷散策の遊歩道となっていて、そこかから丸見えなのが少し気にかかったが...。
★十谷温泉「源氏荘」に入浴する。<入浴料 1,000円>
十谷温泉「源氏荘」の混浴露天風呂 | 十谷温泉「源氏荘」のガマ風呂(混浴) |
| *一般的適応症(浴用)
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ついでに、その帰路にある甲州鰍沢温泉「かじかの湯」にも立ち寄った。ここは、町営の日帰り入浴施設で、1996年(平成8)9月にオープンしたという。浴室には、大浴槽、ジャグジー、寝湯、サウナがあり、そこから隣接する露天風呂に出ることが出来る。お湯は、源泉38.0℃、pH7.7、溶存物質総量4,580.0mg/kgのナトリウム・カルシウム−塩化物泉(弱アルカリ性・低張性・温泉)で、湧出量は毎分150リットルとのことだが、加熱循環させているようで、浴感には乏しかった。これだけの湧出量があるのだったら、ぬるめでも源泉掛け流し浴槽を造って欲しいと思ったのだが...。
★甲州鰍沢温泉「かじかの湯」に入浴する。<入浴料 500円>
甲州鰍沢温泉「かじかの湯」の外観 | 甲州鰍沢温泉「かじかの湯」の露天風呂 |
| *一般的適応症(浴用)
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甲州鰍沢温泉「かじかの湯」の公式ホームページへ |
釈迦堂遺跡博物館 |
・博物館を2つ見学する
入浴後は、昼食に美味しい天ざるそばを食べ、その後山梨県立考古博物館を見学した。ここは、甲斐風土記の丘・曽根丘陵公園の中心施設として1982年(昭和57)11月に開館したとのことだ。館内には、山梨県内での発掘の成果をもとに、土器や石器といった考古資料を数多く展示してあった。旧石器時代の石器、縄文時代のみごとな土器、博物館周囲に広がる古墳の副葬品から江戸時代の甲府城の発掘品に至るまで、幅広い時代の遺物を見ることが出来て、良い勉強になった。その後、甲府南インターから中央自動車道に乗ったが、途中釈迦堂(しゃかどう)パーキングエリアに立ち寄って、隣接する釈迦堂遺跡博物館も見学していくことにした。この博物館は、中央自動車道の建設に先立ち発掘調査された、日本有数の縄文集落遺跡の出土品を展示してある。みごとな土器や石器が展示されていたが、この遺跡が高速道路によって破壊されてしまったかと思うと、残念でならない。
・帰途につく
見学後は、さらに中央自動車道を東に走っていったが、帰路もあまり渋滞がなく、結構早く帰ってこられた。今回の旅では、各所で富士山をカメラに収め、5つの温泉に入りと、結構良い旅行となった。
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