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車窓を楽しむ
JR御殿場線の車窓から見た富士山大井川鉄道井川線の車窓から望む

☆風景色々

 列車で旅したときの楽しみの一つは車窓の眺めではないでしょうか。足を伸ばして、座席にもたれ、ぼんやりと窓越しに走り去る風景を見ていると、とてもくつろげるものです日常生活の煩わしさも、移り変わる景色と共に、遥かかなたに吹き飛んだような気分にさせられるものです。
 そんなときに見た、風景のなかには妙に印象の残っているものがいくつかあるのではないのでしょうか。
 車窓の風景は山、川、海などの自然のすばらしさばかりとは限りません。鉄道ファンならずとも、ループトンネルやスイッチバック、アプト式鉄道など鉄道施設そのものもみて楽しいものです。また、沿線の町のたたずまいも旅愁をかきたててくれます。


☆車窓の思い出

 新幹線や特急車両は窓が開かないので、ただ風景を眺めるだけですが、昔は、普通列車で窓を開けると、車外の気温や湿度、音、臭いまで感じることができました。しょっぱい潮風に海辺を走っているのを感じたり、「いなかの香水?」の臭いに田園ののどかさを感じる場合もあります。
 温かい日差しを受け、さわやかな風か吹き込んでくると、心なごんで春を感じます、初雪の降る窓から手を伸べて、雪の冷たさに冬を感じ取るなんてこともできますかなたから聞こえてくる太鼓や笛の音に、夏祭のにぎやかさを思い浮かべることもできます。しかし、現在では、普通列車でも窓が開閉できるものが少なくなってきているのが、残念です。
 地域や季節に限らず、それぞれの感じ方により、旅の旅情はいっそう深まるのではないでしょうか。

 

☆車窓七題

 私は、汽車旅が好きで、日本中の線路を乗り回り、その途中で色々な景色を眺めました。その中から特に印象に残った車窓の風景を北から順に7つ紹介しましょう。 

JR五能線 JR只見線 JR小海線 JR中央本線 大井川鉄道 JR飯田線 JR肥薩線

☆JR五能線(青森県・秋田県)

 この線は、秋田県能代市の東能代駅と青森県南津軽郡田舎館村の川部駅とを結ぶ全長147.2kmと比較的長いローカル線です。東能代駅〜鯵ヶ沢駅間は日本海沿いに走り、鯵ヶ沢駅〜川辺駅間は津軽平野を抜けていきますが、車窓がすばらしい路線として知られてきました。日本海から上る朝日を見ることができ、海岸線の千畳敷や津軽平野のリンゴ畑のバックに岩木山を望むことも可能です。土曜休日を中心に、快速「リゾートしらかみ」も運行されるようになりました。

JR五能線の車窓から見た千畳敷と日本海 JR五能線の車窓から見た深浦付近の海岸線

☆JR只見線(福島県・新潟県)

 この線は、全長135.2kmと比較的長いローカル線で、福島県と新潟県の山間部を結んでいますが、福島県側のかなり長い区間を只見川に沿って走ります。その間、いくつものダムや発電所を車窓から望むことが出来、ダム湖に映えた新緑や紅葉がとてもきれいなのです。のんびりと、車窓の景色を楽しむことが出来ます。

車窓から見た只見川(JR只見線)

☆JR小海線(長野県・山梨県)

  この線は、山梨県北杜市の小淵沢駅から長野県小諸市の小諸駅までを結ぶ全長78.9kmのローカル線です。八ヶ岳山麓の甲斐小泉〜海尻間は標高1,000 mを超える高所を走しる高原列車として知られてきました。清里 - 野辺山間には標高1,375 mのJR鉄道最高地点があり、標高1,345mの野辺山駅(JR鉄道最高所駅)の他、7駅が標高1,000 mを超える高所に位置しています。車窓から見る風景は美しく、西側に八ヶ岳連峰、南側に南アルプス、そして富士山も遠望でき、高原の牧場風景や畑地にも風情を感じられました。最大勾配33‰の急傾斜を線路をきしませながらゆっくりと走っていくので、情緒があり、信濃川上駅から北側では千曲川沿いの谷間を進むので、渓谷美も楽しめます。 
 
車窓から見た八ヶ岳連峰(JR小海線)車窓から見たJR鉄道最高地点(JR小海線)

☆JR中央本線の木曽谷区間(長野県)

 JR中央本線の西より、通称「中央西線」は長野県の木曽谷を通っていて、北アルプスと中央アルプスの 3,000m級の山々の間を流れる木曽川の渓谷美が美しく、名所「木曽八景」の内、“寝覚めの床”、“木曽の棧”、“小野の滝”なども車窓から眺めることができ、とてもすばらしいのです。 
 
車窓から見た寝覚めの床(JR中央西線)車窓から見た木曽川上流(JR中央西線)

☆大井川鉄道(静岡県)

 静岡県にある大井川鉄道の車窓からは、ゆったりと流れる大井川の風景もすばらしいものですが、ここは鉄道自体に面白いものがたくさんあります。1922年(昭和2)開業の大井川鉄道は、1949年(昭和24)に本線が全線電化されるまで、蒸気機関車(SL)が活躍していました。電化されて一度は姿を消したSLですが、1976年(昭和51)に国鉄最後のSL、C11-227を「SL川根路号」として再び運転して復活したのです。現在では運転日、運転本数ともに国内ではもっとも多く走っていて、とても興味深い景色が眺められます。それ以外に、井川線の急勾配を登るアプト式鉄道、鉄橋の上の駅、旧国鉄(現JR)をのぞく民鉄の中で日本一のノッポ橋(100m)といわれる関ノ沢鉄橋、トロッコのような車両など車窓の楽しみがたくさんあるので、お勧めです。 

車窓から見た大井川(大井川鉄道)井川線では眼下に深い渓谷が(大井川鉄道)

☆JR飯田線(長野県・静岡県・愛知県)

 この線は、愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県上伊那郡辰野町の辰野駅を結ぶ、全長195.7kmのローカル線です。当初民間で敷設されたために、94の駅があって駅間距離が短く、線路も曲がりくねっていて、とてものんびりと電車が走ってきました。伊那谷を走るときは、天竜川の河岸段丘を上ったり、下りたり、そして、長野・静岡・愛知の県境地帯を走るときは深い渓谷やダム湖を望みながらと、車窓が変化してとても良いのです。

車窓から見た天竜川(JR飯田線)

☆JR肥薩線(熊本県・鹿児島県)

 この線は、熊本県八代市の八代駅から鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶ、全長124.2kmのローカル線です。球磨川沿いに走っている時の車窓も面白いのですが、人吉駅を過ぎて、矢岳越えをする時の車窓は、「日本三大車窓の一つ」と呼ばれてきました。スイッチバックあり、ループ線ありの大畑を越えるところも興味深く、矢岳トンネルを抜けた後の車窓には、雄大な韓国岳を主峰とする霧島連山、晴れていれば、はるか彼方に桜島をも望むすばらしさに感動するのです。

 以上にあげた他にも車窓のすばらしいところがいくつかあります。そのような線を普通列車に乗って、できればのんびりと窓を開け、車外の空気を吸い込んで旅をすることをおすすめします。必ず心身共にリフレッシュできることをお約束いたします。
 
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