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平穏の不等式〜始まりの妨げ〜
本社襲撃事件の傷跡も生々しいメインストリートを、戦車の団体が進んでいた。両脇の歩道は避難する住民達で溢れ、何体かのパワードスーツがそれを誘導しようと必死になっている。そんな大通りから一本離れた細い道を、ケイローンの車が疾走していた。
「じきにコーテックスだ! 全員そのへんに掴まれ!」
「え? 掴まれって……ケイ、うぉわっ!!」
前方にコーテックスの駐車場が見えたと思った瞬間、ケイローンはサイドブレーキを引き上げていた。後輪をロックされた車が細い道を抜け出すのと同時にドリフトし、車体を半回転させて尻の方から駐車スペースに滑り込む。スペース内にギリギリで停止した車から四人のレイヴン達が降り立った。
「おぅし、ピッタリだ。行くぞ!」
「ケイ……AC乗る前から酔わせる気かよ……くそっ」
若干ふらふらになりながらもセイルは走り出す。遠くに見えるガレージの入り口からはACを載せているらしい輸送車が次々と吐き出されていた。時折ACが直接出撃し、周囲にブースターの熱と突風を撒き散らしながら飛翔していく。
「うおっ!……今の機体、ブレイクショットか? シルエットも…………ったく、あいつらはた迷惑な……」
「いいから行こう。レナが準備してくれてる筈だ」
熱風によろめいて悪態をつくケイローンを促しつつ、セイルはガレージの中に入る。レナの姿はすぐに見つかった。なぜか『最後尾』と書かれたプラカードを振り回している。
「レイヴンのみなさ〜ん、出撃登録はこちらで〜す! 端末による登録は混雑しておりますので出来る限り……あ、セイル! ケイさん達も、貴方達は向こう! 登録が済んでいる方はターミナルへ向かってくださ〜い!」
仮設された受付にレイヴンを誘導しつつ、レナが叫んだ。セイル達はすぐにレナが指し示した方に向かう。ガレージのターミナルには何台もの輸送機やコンバットリグが並び、ACが慌しく動き回っていた。と、セイルの目に大きく手を振っているエディの姿が映る。傍らには大型のコンバットリグがエンジン音を響かせていた。
「セイルさ〜ん、こっちです。このリグに乗ってください! 他の方たちも一緒に。ACはもう積んであります!」
「エディ!」
エディに導かれるままにセイル達はタラップを駆け上がり、リグの中に入り込んだ。同時に入って来た扉が閉まり、リグが走り出す。
「この先の更衣室で着替えてください。終わったらすぐにハンガーへお願いします!」
「分かった、ありがとう!」
途中の扉でエディと別れ、セイル達は更衣室に駆け込んだ。何人分かのロッカーとパイロットスーツが置いてあり、それぞれのロッカースペースをカーテンで仕切れるようになっている。セイル達は話す暇も惜しんでパイロットスーツを着込むと、ハンガーへと急いだ。
「急いで暖機を! 装甲のチェックは後です! あ、ジャスティスロードのトリチウムリアクターは付属のマニュアルを参照して下さい。早く!……あ、みなさん、すぐにACに乗り込んでください。ブリーフィングは中で行なうそうです!」
ハンガーの中ではエディが整備員達に指示を飛ばしている。それを横目に身ながらセイル達はそれぞれの愛機に乗り込んだ。セイルは跳ぶ様にハンガーの階段を駆け上がると、ジャスティスロードのコクピットに滑り込む。ハッチを閉める間もなく専用のヘルメットを被り、ジャスティスロードと感覚を同調させた。
「はぁはぁ……こちらジャスティスロード、搭乗完了しました」
『……っと、フェアリーテール、準備OKよ』
『こちらサジタリウス改、待たせたな。ところで、オペレーターは……』
『レイヴン、準備はよろしいですか?』
ケイローンがオペレーターについて尋ねようとした時、ちょうど知らない女性の声が聞こえた。彼女が今回のオペレーターなのだろう。
『皆さんのオペレーターを担当いたします、ティリエル・アイリーンと申します。よろしくお願いします……』
『グラッジ、準備完了……彼女はわたしのオペレーターよ。能力に問題は無いわ』
少し遅れてアメリアが通信に入ってくる。同時にオペレーター・ティリエルの事を補足し、全員の準備が完了した所で説明を促した。
『ティリエル、説明をお願い。まずは事の発端から、詳しくお願いするわ』
『了解しました……今日正午ごろ、クロノスシティ郊外にあるコーテックスの施設が、複数連続して襲撃を受けました……コーテックスはそれぞれの施設にレイヴンを投入し、襲撃した部隊を排除する事に成功します……』
セイルは視界の隅に投影されたマップを見る。襲われたのは全て住民の生活に関わる重要な施設だったが、その殆どが小さな被害で済んでいた。しかし妙な事にそれらの施設は全てがシティの西側に集中しており、しかも襲われた時間がちょうど三十分ずつずれていた。
『しかし、この攻撃は陽動でした。時間差をつける事で大規模な襲撃である事を悟らせず、多くのレイヴン達をクロノスシティの西側におびき寄せたのです……そして先程、クロノスシティ東側にある主要発電施設『アポルオン』へ向けて、敵の大部隊が接近しているとの報告がありました……』
今度は発電施設の情報が表示される。平坦な砂漠地帯に降り注ぐ強い日光を利用した施設で、クロノスシティの電力の半分以上を賄っているらしい。
『幸い発見が早かったため敵部隊の到達までまだかなりの時間が有りますが、先刻の陽動によって動けるレイヴンの数は限られてしまっています……また、敵部隊の情報も非常に少なく、予断を許さない状況です……』
『なるほど、陽動だと気づかずに戦力を順次投入しちまった訳か……で、具体的な作戦内容は?』
『暫定的ではありますが、他のレイヴンと協働して戦線を形成し、敵の侵攻を妨害する作戦が提案されています……その間にシティガードや他企業に支援を要請し、最終的には熱核ナパームミサイルによる広域攻撃を……』
『ちょっと待って! 広域攻撃って、そんな物が必要なほど敵の数は膨大なの?』
不意にスキウレが素っ頓狂な声をあげる。一瞬遅れてセイルもその異常性に気がついた。熱核ナパームミサイルといえば、一発で一キロ四方を焦土と化す戦略兵器である。そんな物を持ち出さなければいけないほど敵部隊は大規模なのだろうか。
『……監視衛星が捉えた敵部隊の規模は、機体数だけなら本社襲撃事件のそれに匹敵します。しかも今回は砂漠地帯という平坦な地形ゆえ、侵攻ルートを限定する事も出来ません。事態は、見た目以上に切迫しています』
『はぁ!?』
「っ!!」
『そんな……レイヴンが減少した今の状態で、前と同じだけの敵を倒せって言うのか?』
『無謀すぎる! それに前回と違って、失敗すれば一般市民にも被害が及んでしまうわ』
セイル達はそれぞれ驚愕の声をあげ、口々にティリエルに問いかける。しかし彼女は淡々とした口調で、まるで機械のように返答した。
『そのための任意参加です。ご不満ならミッションを放棄しても構いませんが?』
『…………』
セイル達を痛々しい沈黙が包み込む。ティリエルの辛辣な、しかし真実に他ならない報告は、四人に発言を躊躇わせてしまう。そうしているうちにもリグはシティを抜け、郊外の砂漠地帯へと差し掛かっていた。旧世代に墜落した大型宇宙船の残骸を通り過ぎ、一路発電施設へとひた走っている。
「……了解した。到着し次第、ミッションを開始する。追って指示があれば連絡してくれ」
『…………了解しました』
セイルは不毛な沈黙を切り上げ、オペレーターとの通信を切る。同時に別の周波数で再び通信をいれた。事前に決めておいたヒーメル・レーヒェの秘匿回線に、セイルを含めた四人が集合する。
『クソッ、予想外にでかいヤマになっちまったな……』
『ええ……でもやるしかない。それにこんな状況なら、ミサイルによる支援はむしろありがたいわ』
『そうね……セイル、リーダーとして何か指示はあるかしら。私達は多分四人とも同じエリアに配備されると思うから、必要があれば連携する事も出来ると思うの。どう?』
「えっ?……指示って言われても……そんな……」
不意に会話の矛先を向けられ、セイルは狼狽する。創立者という立場から自動的にリーダーに祭り上げられてしまったが、彼に指揮官としての能力が有る筈も無かった。
『指示なら私が出すわ。着いてから状況を見て指示するから、みんな無線のバンドはこれにあわせておいてね』
『これが俺達の初仕事だ。気楽に全力で行こうじゃねぇか』
状況を見かねたのか、スキウレとケイローンが助け舟を出す。セイルは今更ながらからかわれたことに気づき、憮然とした表情になった。
「……まあいい。とにかく、今度は間接的とはいえ一般市民にも被害が及ぶんだ。アヴァロンの悲劇を繰り返すわけには行かない。みんな、改めてよろしく頼むぞ」
『……了解』
『おぅ!』
『了解よ』
三者三様の同意を返し、改めてチームの士気を高めあう。雲雀の巣立ちまで、もう少し猶予があるようだった。
砂嵐はいつの間にか止み、僅かに傾いた日は砂の海をじりじりと焼いている。この辺りは完全に砂ばかりで、大きな岩や隆起した丘などは殆ど存在しない。
セイル達は比較的前線近くに配備されたらしく、アポルオンやそれを取り巻くコンビナートははるか後方に見える。そしてそれ以外は周囲360度ほぼ全てが地平線という、ある意味雄大な景色だった。
「すごいな、シティから一時間もかからなかったのにこんな……」
セイルは感嘆しながらもジャスティスロードを歩かせ、リグのハッチから外に出る。環境整備は殆どされておらず、資源採掘や気候観測などの施設がある以外はコロニーの一つも無い枯れた世界。レイヤードという揺り篭から飛び出した人類も、結局は複合都市という新たな揺り篭からは出られないようだった。
「それにしてもここまで障害物が無いと、なんだがっ! うおっ!」
不意にコクピットを衝撃が襲い、同時に体が横へと引っ張られていく。セイルが慌てて状況を確認すると、ジャスティスロードの左足が砂に足を捕られて地面にめり込んでいた。さっきまで乗っていたリグが後方へと下がって行ったときの振動で砂が流体運動を起こしてしまったのだ。
「おいおい、何やってんだセイル。砂漠は初めてか?」
四苦八苦するセイルを笑いながらケイローンのサジタリウス改が歩いてくる。四本の脚は機体の重量を巧みに分散させ、しっかりと地面を捉えていた。
「脚部の接地圧とフレームの負荷重量を調整しろ。それからスタビライザーとゼロモメントポイント、重力慣性制御機構もチェックだ」
「え、と……こうか?」
セイルはジャスティスロードとの同調を解き、コクピット内に視点を戻してコンソールを操作する。程なくジャスティスロードはバランスを取り戻し、元の姿勢に戻った。
再び感覚を同調させたセイルは、サジタリウス改の方へとジャスティスロードを旋回させる。脚部パーツは沈み込む事無く、スムーズに機体を向き直らせた。
「これで……よし、と。なんとかなったな。ありがとう」
「気ぃつけろよ。砂漠はACにとって苦手な地形の一つだからな。今みてぇに脚部を使った移動には大きな制限がかかるし、外気温が高いせいで熱暴走もしやすい。エネルギー兵器も屈折や減衰の関係でまともには使えねぇしな。初心者じゃまず…………いや、初心者じゃなくてもまずい奴は居るか」
サジタリウス改の頭部が見つめる方向に目をやると、地面に一体のACが倒れこんでいるのが見えた。
ACは地面に手を着いて立ち上がろうとするが、地面につけたその手がまた沈み込み、横転してしまう。
今度はブースターで機体を浮かせようとするが、ACは横倒しのまま砂の上をズリズリと移動し、他のACにぶつかって止まった。ぶつかられたACのパイロットは大声で怒鳴り散らし、ぶつかった方は平謝りしながら再び機体を起こそうともがいている。ハヤテの『アメノカザナギ』だった。
「あ、あれは……」
「昔っからそうだ。未だにシステムの調整も出来やしねぇ。セイルですら出来るようになったってのに……オイそこの阿呆、今行くからじっとしてろい」
ケイローンは溜息をつきながら疾風の救援に向かう。天颯那岐は右腕武装のハイレーザーライフルを杖にして立ち上がろうとしているが、今度はその銃身が地面にめり込んでしまっている。
「…………」
セイルは哀れみを含んだ目でアメノカザナギを見つめていた。ケイローンにはああ言われたが、実際の処理は殆どエディ謹製の補助AIにやってもらったのだ。まだまだ精進が必要かと考えていると、スキウレのフェアリーテールが近付いてきた。フロートタイプの脚部は砂漠など何の問題でも無さそうに悠々と機体を浮遊させている。
「どうもすぐそこが最前線みたいね。エリアの広さに反して配備されてるACが少ないわ。作戦についてだけど、出来る限り連携重視で行きましょう。カバーできる範囲が狭くなるのが苦しいけど、一部分だけでも敵の侵攻を押さえ込んだほうが良いと思うわ」
スキウレからのメールが届き、戦術画面に周囲の地図とメンバーのACの配置、そして行動が表示される。どうやらヒーメル・レーヒェのメンバーで敵の頭を押さえつけ、侵攻速度を遅くする心算らしい。
「結局は援護射撃までの時間稼ぎが目的なんだし、取りこぼしは他のACに任せましょう。幸い……ほら、レイヴンの質は良い方みたいだから」
スキウレが新しいメールを送ってくる。そこにはこのミッションに参加したレイヴンのリストが添付されていた。セイルはそれにざっと目を通し、感嘆の声をあげる。
セイル達と同じエリアには、エクレールの『ラファール』やアイアンマンの『ハイパーアロイ』など、腕利きのレイヴンが多数配備されていたのだ。チームメンバーであるキースの『ケルビム』は後方に下げられてしまっているようだが、彼の戦闘スタイルを考えれば施設の直衛に回すのは最善手だろう。
「この分ならミサイル発射まで十分凌ぎきれると思うわ。まぁ、若干一名不安なのが居るケド……」
フェアリーテールの頭部がアメノカザナギの方をチラリと盗み見る。セイルは苦笑したが、すぐに表情を引き締めた。視界の隅の方から一体のACが近付いてくるのが見えたのだ。
がっちりとした、しかし軽快そうに見えるオレンジ色のボディに、不死鳥のエンブレムが輝いている。見覚えのある、懐かしい機体だった。
「よぉ。また会ったな、セイル」
「カロンブライブ!」
二体のACは互いに接近すると、互いに手持ちの武装が無い左腕部の拳をぶつけ合う。オレンジ色のACは『ファイヤーバード』。かつてセイルのレイヴン試験を監督していたレイヴン、カロンブライブの機体だった。
「肩を並べるのはこれで二度目だな。ジャスティスロードの性能、期待してるぞ」
「ああ、よろしく。にしても懐かしいな……あのレイヴン試験が昨日の事みたいだ」
セイルの脳裏に過去の記憶が去来する。
まだレイヴンになっていなかった自分と、レイヴンとして終わりを迎えようとしていた彼。今考えれば随分不釣り合いな二人だったのだろう。
その後自分は無事レイヴンになり、彼もレイヴンをやめることは無かった。そして今、成長した自分とかつての気概を取り戻した彼は、再び二人で戦場に立っている。
「まぁ、せいぜい頑張れよ。俺はもうちっと後ろに居る。やばくなったら下がって来てもいいぜ。じゃあな」
最後に優しさ交じりの軽口を残し、カロンブライブは去って行った。セイルはそれを微笑みながら見送った後、機体を前線のほうへと向ける。ああ言われては余計に撤退する気など無くなってしまった。
「……よし! スキウレ、敵はどの辺まで……」
「セイ×カロ…………いえ、逆かしら……」
「……まぁいいや。オペレーター、敵部隊の侵攻具合は…………?」
何処まで本気なのか妙な妄想を始めたスキウレを無視し、オペレーターに無線を入れるセイル。しかしいつまでたっても応答は聞こえす、代わりに何人もの人たちが慌てて走り回っているような音が聞こえる。焦燥と驚愕とが、無線機を通して伝わってきていた。
「……オペレーター? 一体何が……」
『セイル、聞こえてる?』
「!? アメリアか? そう言えば今何処に……」
無線機にアメリアの通信が割り込んでくる。セイルはチューニングを合わせながら周囲を見渡してみる。今更ながらアメリアの機体、『グラッジ』が見当たらない事に気づいた。彼女の声からは僅かながら焦燥が感じられ、さらに声に混じって僅かながら砲声や爆発音が聞こえてくる。
『コーテックスからの指示で、他のレイヴン達と一緒に強行偵察に出ていたの。敵部隊の情報を掴んだから、落ち着いてよく聞いて。まずい事になったわ……』
「何があったんだ? オペレーターの方もなんだか慌ててるみたいで……そうだ、みんな、アメリアから連絡。周波数合わせてくれ」
外部スピーカーで他のメンバーたちにも通信を促し、アメリアの声に耳を傾けようとする。しかし、彼女の声はまたも割り込んできた別の通信———オペレーター・ティリエルの声によってかき消されてしまった。
『レイ———、緊急連絡……す。敵部隊の……』
『奴……の詳細ザッ、分かった。スキウ……戦の再検討……』
『事態……深刻、ウジ……部隊、構成は……』
「待ってくれ、聞こえない。アメリア、ちょっと通……?…………っ!!」
その時、レーダーの端にこちらへ向かってくる緑色の光点がいくつか映った。おそらくアメリア達偵察部隊が戻ってきたのだろうと思ったが、視線を戻そうとしたセイルの表情を驚愕が包み込む。
その緑色の光点から僅かに遅れるようにして、大量の赤い光点が移動してきたのだ。それはすでに点では無く面といった様相で、まるでレーダーを塗りつぶさんとするように侵食してくる。
それと同時に、セイルはまるで自分の意識までもが同じように浸食されていく感覚を覚えた。まるでノイズのような暗い闇が、自分の脳に入り込んでくるような悪寒。
覚えのある感覚だった。ジャスティスロードのセンサーの働きか、以前より幾分柔らかではあるものの、これはかつて生体兵器と戦ったときに感じたもの……自分とはかけ離れた命への嫌悪感がもたらす拒絶反応だった。
そしてそれを裏付けるかのように、アメリアとティリエルの声が交錯する。
『敵部隊は、ザザッ存……る未確認機ザッ! 『ディソーダー』と確認ザザーッ!!』
『…………、火星に存在する未確———郡体、『ディソーダー』……認しました!!』
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