このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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3月13日

朝起きると、やはり鈍い感覚は残ったままだった。

立ち上がって歩いてみると、その感覚はやや抑えられる。
寝る姿勢に問題があるのかもしれない。
でも、どうやって改善すればいいのだ?
退院を控え、不安ばかりがつのってきた。


頭の中の予定が、
もうすっかりよくなって、
退院したい気持ちに満ちあふれていたはずだっただけに、そのギャップに苦しむ。

メールチェックに玄関に行った時、通勤してきた主治医に会った。
白衣を着ていない主治医は、街中の若者そのものだった。
手には「BRUTUS」が。
若いねえ。
昨日から感じるこの鈍痛について話を聞いてみた。
やはり神経に触れて手術をしたから、
それなりの痛みは続くもので、そのうちになくなるのだそうだ。
今は信用するしかない。
あとで看護師さんにも言われたが、
リハビリをがんばりすぎて、筋肉痛になっていることもあるそうだ。
そんな簡単なものであればいいのだが。

確かに、切開した腰の痛みはずいぶんと和らいできた。
痛みに隠れていた、ガーゼのテープによるかゆみがかなり目立ってきた。

午前中はがんばって歩いた。
一階のぐるりは、歩数にして約250歩。100メートル強といったところか。
それで計算していると、毎日けっこう歩いていることに気がついた。
ちょっと歩き過ぎかもしれない。
ぼちぼちいかねば。

午後になり、ヘコえもんがコヘ太郎とココ次郎を連れてきた。
やはりかわいい。
離れて暮らすのは、もうこりごりだ。

何をしても許してしまいそうなくらい、愛おしい。
許さないけど。

同じ病室に来た若いお兄さんから、ケーキをもらった。
このお兄さんには、昨晩もお姉さんからプリンをもらっていた。
こちらからは何もしていないのに。
いつしか部屋の最古株になっているのに、だらしないものである。
コヘ太郎たちも部屋に少し慣れてきて、
うるさくなってきたので下に行くことにした。

まあ、どこに行ってもコヘ太郎たちは遊びまくってしまう。
外来はお休みだといっても、病院内だから、
点滴をつけたまま歩いている人、休憩している人はたくさんいる。
そんなところにコヘ太郎たちが走っていって引っかけでもしたら、
大変なことになる。
コヘ太郎の方は、さすがに5歳。
言えばそんなに歩かない。
しかし、ふとっちょココ次郎は、
全身のお肉を揺らしながら嬉しそうにあちこち歩き回る。
転げ回る。
さすがに走って追いかけられないので、
それらの処理はすべてヘコえもんがすることになるのだが、
しばらくしていくと、ヘコえもんもストレスがたまっているのだろう、
火山が見えてきた。
早く退院して、平和な家庭に戻さないと
と思ったのだった。

退院が平日になってしまったので、
今のうちに大まかな荷物は持って帰っておかなければならない。
部屋に戻って、荷物の整理をした。
先週末は雪も降っていたというのに、もう暖かい。
上着なんかも持って帰ってもらった方がいいかもしれない。
でも、帰るのはきっと夕方かそれ以降になるだろうから、
上着だけは置いて、あらかた持って帰ってもらうことにした。

ヘコえもんたちが帰ったあとは、ボーっとしていた。
昨日予想した通り、仕事がはかどらない。
というか、仕事をする気にならなかった。
テレビを見たり、iPodで楽しんだりしているうちに消灯時間になってしまった。
ボーっとしていた時間が長かったため、
夜もあまり寝つけない。
本当にiPodがあってよかった。

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