このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



実践!模型工房

STAGE1
さぁ、では早速始めましょうか。

基本
 まず、最初にすることといえば資料を集めることです。実はこれが一番、金がかかったりなんかするのです(笑)。その証拠に中央の図面集はなんと!15000円もしました。1500円じゃないよ。い・ち・ま・ん・ご・せ・ん・え・んです!まあ、こんなことはごくまれですが、他にも写真集などの書籍をあさり、CD−ROMやインターネットで調べ、一番いいのは実物を取材すること。もちろん箱絵なんかも参考になります。そして、塗装はどんな色あいで艶(つや)はどんな感じだとか、どこを改造しようか、それにはどんな素材を使おうか、などイメージを膨らませておきましょう。ついでにそのモデルの歴史なども勉強しちゃうと、いっそう模型作りが楽しくなります。
基本
 モデラーは必ずしも、組立て説明書の順番どおりに組み立てるとは限りません。一番時間がかかりそうな部分や、一度に塗装したいパーツなどを先に作ることも多いのです。例えばカーモデルなんかは、ボディの塗装に時間がかかりますので、最初に手をつけます。ボディ色のスポイラーやバックミラーも忘れずに塗装します。ただし、順番を間違えると、組み立てられなくなるようなパーツもありますので、このような失敗をしないように、説明書には何度も目を通しておきましょう。
 では、今回はボイラーから組み立てるとしましょうか。・・・と、と、と、なんだコリャ?砂箱と蒸気溜めの位置が箱絵と前後が逆だぞ。資料をあさって調べてみる。う〜ん、砂箱が前についてるのもあるし、後ろになってるのもある。SLに関するホームページの掲示板で質問をしたところ、製造年の違いなどで両方存在するらしい。前に砂箱、後ろに蒸気溜めのものが多いようなのでやはり説明書とは逆に設置することにしよう。(といって、これがまたくつがえされますが→後述)
応用
 模型のディテールアップには定番ともいえる、金属線による改造。ハッチの取っ手や、パイプ類、手すりなどは金属線を使うとシャープになり、実感が増します。モールドを削り取り、ピンバイスなどで穴をあけ、曲げた金属線を接着する。このようなちょっとした工夫で見栄えが違ってくるのです。そのアイデアは無限大。意外なところにそのヒントは転がっています。
応用
 う〜ん、やっぱり手すりは真鍮線でシャープに決めよう。でも、その手すりの取付け部分はどうしよう。はて、困った・・・。いやいや、そんな難しいことじゃないよ。取り出したるは一本のエナメル線。こいつを、虫ピンに巻きつけ、ねじった部分に瞬間接着剤をつければ、はいできあがり。
応用
 もう、こうなったら徹底的にやっちゃおうかな。完成した手すりがわかるだろうか。ナンバープレートは実車では角の4個所でとまっている。これを再現するために、モールドは削ってしまおう。穴をあけ、ピンを刺せばこれでよし。その前に、ヒンジも新造するためについでに削ってしまおう。
高等
 ヒンジを新造する。ピンの頭、ステンレスパイプ、プラ板で作成。非常に小さいので、ちょっと難しいかな。他にもいろいろな材料で試作してみたが、この組み合わせが一番うまくいった。このように、いかにして目的の部品を作り出すかを考えるのもけっこう楽しい。通勤電車に乗っているとき、仕事中(^_^;)、寝る前などついついぼーっと考えてしまう。
 ここらでなんでキットがグレーに塗装されているのか、疑問に思う人も多いはず。これはサーフェィーサーといって、下地処理をするためのものです。(くわしいことは 模型用語辞典 で)写真のように接着の継ぎ目を消したり、細かい傷を埋めるなどの下地処理に使用します。また、塗料(本塗装)の食いつきを良くする役割もします。なぜグレーなのかというとキットの成形色がどんな色でも、傷の発見が容易なこと(写真でもへこんでいるところや傷にサーフェィーサーが残っているのがわかるでしょう)と、隠ぺい力が強い(下地が透けにくい)ためです。プラスチックは実は思っているより透明な素材なのです。車のキットのボディなどを塗装するときには必ず吹付けましょう。吹付けてはペーパーで傷消しを繰り返すことで、表面を平坦にします。
 ここでちょっとしたテクニックを紹介しましょう。リベットの表現に困ったことはないでしょうか。飛行機などを組み立てるとき、機体の接着部分の継ぎ目を消したときなど、せっかくのリベットのモールドがつぶれてしまったりすることがあります。そんなときは思い切ってリベットを一度全部消してしまいます。では次にリベットを作るための道具を作りましょう。まず、使い古した水生ボールペンを用意してください。次に、一度ペン先を分解して、内側から針などで突っつき、先端のボールを取ってしまいます。当然ですが、中の残ったインクも抜き取っておきましょう。もとどおり組めば、これで道具は出来上がり。次に進みましょう。
 このように、この道具でキットにグリグリッと押し付けるだけで簡単にリベットの表現ができるわけです。正確には凸リベットではありませんが、雰囲気がでると思いませんか?金属パイプでいろいろな径の道具を自作することも可能ですが、やはりお手軽度からすると、ボールペンで作るのが一番手っ取り早いでしょうな。
 煙突はプラスチックの強度からすると、成形時にこれぐらいの厚みを持たせるのは仕方ないことでしょう。しかし、これでは実におもちゃっぽいですね。右半分の写真のようにルーター(くわしくは 模型用語辞典 で)などで薄く削りこみます。削るといってもやはり強度を考えれば、ふちだけを削ればそれで十分です。見えないところに気を配るのもひとつの面白さですが、最低限、見えるところ(ここでは「ふち」)だけでも手を入れれば、作品を見る人の目は違ってきます。今回は形状の関係からルーターを使用しましたが、何を使ってもかまいません。これだけは言えますが、部品のふちを削って厚みを薄く表現するのは、ディテールアップの基本です。たとえば、オートバイのカウルやフェンダーなどのふちを薄く削りこむことで、スケール感がずいぶん増します。
 砂箱の砂まき菅の基部の表現として、市販のディテールアップパーツを使ってみましょう。最近ではこのようなディティールアップパーツもさまざまなものが手に入るようになりました。ロボットのセンサーなどに使うディテールアップパーツに、それっぽいのがあったので使ってみました。ストックしているジャンクパーツにいいのがあったらそれを使うのもひとつの手です。自作するより簡単にディティールアップができるので、お手軽改造だといえます。ちょうどいいパーツがなかなか見つからないことも多いのですが、このように、まったく形がいっしょでなくてもそれっぽく見えればそれでいいのです。
 こんな感じで、ビニールコードで砂まき管を再現してやります。ボイラー上にモールドされていた砂まき管を削り取ったのはこのためでありました。このようにビニールコードで再現することにより、立体感がいっそう増すというわけです。もちろん、このビニールコードはキットには付属してませんので、各自手に入れましょう。オートバイのプラモデルなどについている、ビニールチューブのあまりでもかまいません。また、太さもいろいろあるのでスケールに合ったものを選ぶようにしましょう。ところで、砂箱と蒸気だめの位置ですが、いろいろ調べていくうちに、また位置が逆転しました。それは、このキットがC11の一次形をキット化したものらしいというのがわかったためです。一次形はたしかに蒸気だめが前で、砂箱が後ろです。ということで、説明書のイラストが正しくて、箱絵が間違っていたようです。まだまだ、勉強不足でした。



大丈夫?みんなしっかりついてきてるかな?
よ〜し、次(STAGE2)へ行ってみよう!


工作レベルを3段階表示しています。
基本応用高等




わからない模型用語は こちら
    

ご質問はこちらにお願いします。
h_wakaizumi@ybb.ne.jp



このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください