このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 
ジョイフルは須崎の次、土佐新荘に近いのでそこから出発。歩いて来るかもしれなかった安和は、駅の前に海が、砂浜が広がり、これまた最高のロケーション。新鹿に近いものを感じ、駅寝候補地にリストアップ。

四国一のローカル線、予土線沿線のサクラは満開に近い。それにも増して、四万十川の渓谷美が私を惹きつけて止まない。30分で折り返すなんてもったいない(実は半家の手前駅で折り返す予定の列車が発車—時刻表を読み間違えたらしい)。

途中駅からおばあちゃんが乗ってきた。だけど様子がおかしい。じっとこちらをにらみ続け、じりじりと近寄ってくる。

お前は外国人か?

!!!
現役時代にOBや新入生、あるいは教師と間違えられたことは多々あったが、まさか外国人に間違えられることは無かった。

—お前は中国人か?
—いえ、(一応)日本人ですよ!
—最近は中国人や朝鮮人が◎△■※!%*・・・

・・・納得。しかし肝心の語尾は方言で私には聞き取れない。きっと不審者がどうこう言っていたのだろう。出雲の人たちに比べて土佐の目は鋭い。いつまでもじっと見てくるのは怖い。そしてそのおばあちゃんは次の駅で降りてしまった。何とも珍奇な数分間であった。

〜・〜・〜

半家で吸い込まれそうな妙な感覚に陥る。今まで訪れたどんな場所ともスケールが違う。見たことのあるような光景だが、やはりどことも違う。山と川、空が一体となって春の訪れを享受している。ともかく、地名をバカにしてはいけない(が、半家の水だけは飲む気になれない)。
※ちなみに、半家の由来には諸説あるようで、
・平家がこの土地に住み着いた(“平”の字をいじると“半”になる)
・半家とは「ガケ」のことをさす
・公家に由来する
などなど、ネットでは色々な情報が飛び交っている。


風が強い。四万十川の沈下橋あたりは危険ですらある。もし雨が降っていたら3時間ガマンできずに死んでいたかもしれない。晴れてくれてよかった…
崖の感覚は、江口に似ている。まぁトサオサはオオオサの亜種(当時はそう思っていた)なんだから似たような場所におるやろ。余裕の中にも結果はついてこない。いない。
崖を崩すことへの罪悪感が募り、視点を変えてみる。するとあんなところから・・・

アオオサとオオオサを足して2で割ったような深い緑色

トサオサムシが現れた。今まで見たことも無い悩ましい輝き。長い脚、触角。細身の体躯。
このあとの追加は1匹にとどまったが、採れただけでありがたい。
迷いは無い。もう一度チャレンジしよう。



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