このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


KATO キハ82系の実力を探る

キハ82
6月末に発売されたKATO製「キハ82系 6両基本セット」
旧製品は昭和50年に発売され、現在のKATOのNゲージの構造の基礎となった車両でもあります。
今回KATOではこのキハ82系気動車を全面的にリニューアルし発売しました。


◆何が変わったのか?

今回の製品でウリは「5大新機構」なるもので  
1、ボディマウント伸縮密自連カプラー
2、サスペンション機構
3、フライホイール
4、小型モーター
5、DCCフレンドリー

とある。
前評判でいろいろ聞いてはいるがとにかくよく観察してみることにする。
基本6両セット
6両基本セット 価格 16,485円
付属のHMは計5種類で
「白鳥」「おおぞら」「まつかぜ」「かもめ」「ひだ」いずれも文字HMのみ


◆セットの車両内容
キハ82
キハ82 側面
基本セットに2両入っている先頭車 車番は106と66 ヘッド・テールライトとHM点灯


キハ80(モーター車)
キハ80(M) 側面
普通車中間車の動力車 車番は136


キハ80
キハ80 側面
普通車中間車のトレーラー 車番は70


キロ80
キロ80 側面
グリーン車 車番は54 水タンク増設の後期型


キシ80
キシ80 側面
食堂車 車番は34


◆早速キハ82系をばらしてみる

まず、キハ82を分解してみました
キハ82床下(下回り)
下回り分解
目を引いたのがライトユニット。いつもの茶色い基盤ではなく乳白色。
DCC対応基盤のようで前灯・尾灯で電気的に分かれています。
集電板も特殊でSW部が折り曲げられ基盤と接触、そこへSWが入り込む仕組みに。
またウェイトもただの板状のものになっています。
ライトSWは床下DMH17H(別パーツ)の裏になっています。
キハ82ボディー(上回り)
キハ82 ボディー
上回りで特記すべき所は
写真では判りませんが窓ガラスに着色がされています。
薄いブルーで成形されており2重ガラスの雰囲気が再現されています。
前照灯の導光材はあらかじめクリアイエローで成形され白色LEDで点灯した際電球っぽく見える ように工夫はしてあるものの若干黄色みが強く黄色LEDで点灯してるかのように見えるの残念。

◆キハ80動力ユニット
動力ユニット
電車・気動車系動力ユニット初のフライホイール内蔵動力ユニット
基本的な構造は継承しているもののユニット筐体の材質が変更になっています。
台車も若干の仕様変更(車体集電板接触部の長さの変更)があります。
DCCは写真奥のフライホイール〜台車間の一段凹んだ所に設置する模様。
走行性能に関してはばらつきがあるようだが慣らし運転をすればかなり改善するようだ。

サスペンション機構台車サスペンション機構


動力はは台車受部に集電板を挟ませてその板をばねとしている。

◆車内
車内シート
普通車は「青」、グリーン車は「赤」、食堂車は「白」で成形されている。
そのままでも楽しめるがやはり枕カバーや食堂座席には色差しをしたいところ。
欲を言えば色を濃くして欲しかったと思う。ちょっと安っぽく見えてしまう。
室内灯点灯状態
今回、奮発してLEDの室内灯を組み込んでみました。
室内が着色してあるので良い雰囲気。
キハ82室内灯組み込み


◆先頭車を見てみる
キハ82前面
  先頭車キハ82
左は付属のホロ枠パーツに交換したもの、右はカプラー胴受パーツを取り付けた状態。
胴受パーツは黒色成形で写真ではわかりにくい。スカート部をグレーで色差しをすれば引き立つはず。
新機構の「伸縮式密自連カプラー」伸縮機構は313系・E257系等で使用されたものと同一で連結部が変更されたもの。また密自連は今までのカプラーに比べかなり小型で実感的、連結器周りが他の車両より引き締まっています。

ヘッドマークは交換式で白色パーツに文字を印刷済み。枠は銀色でメッキされています。
82の特徴であるネコひげの印刷も問題なし、またパノラミックウインドウもピカイチ。

残念なのはヘッドライトの銀縁印刷の跳ねが周りに付着していること、言われなければ気付かないかもしれませんが。


◆伸縮式密自連カプラーをつなげてみる
連結状態
左は中間車同士、右は先頭車+中間車。
連結面間隔もいい感じです。
連結した感触はTNよりも少し鈍い感じはしますがしっかりと連結されます。

◆旧製品と比較する
新旧比較(前面)
左:新製品 右:旧製品
旧製品(以下「旧」)と比べると若干新製品(以下「新」)は丸みを帯びた感じ。
塗色も旧は暗め。 しかしキハ82の特徴はしっかり捉えていますので今でも十分通用するモデルだと思います。

新旧比較(側面)
上が新、下が旧です。
旧は車体長が短く、一回り小さい感じがします。
各部の寸法もだいぶ差異がありトイレ小窓だけとってもだいぶ違います。

新旧比較(床下)
同じく上が新、下が旧
この写真ではちょっとわかりにくいので側面の写真と共に見比べてもらえばいいと思いますが床下の表現は雲底の差。 新はDMHの細部や細かい床下機器の表現があります。
新旧比較(台車)
台車の比較です。(左:新 右:旧)
当然の事ながら台車も完全な新規でブレーキシリンダーへ至る配管まで表現されています。
新の台車の車輪はディスクブレーキ表現付きの黒染車輪。

新旧比較(屋上)
キハ82の屋上ファン。(左:新 右:旧)
お得意のメッシュ奥のファンが表現されています。
30年前に発売されたにも関わらず手を入れれば素晴らしい車両になる。
このキハ82で確立された技法がこのあとのKATO製品の基本となっています。
例えば窓ガラス、それまでは車体側面に透明のクリアパーツを添えただけのものから窓の形に成形されはめ込み式となりました。
前照灯・尾灯や室内灯もオプションながら点灯するようになりました。

  まとめ
だいぶいい加減ですが取り急ぎまとめてみました。今後購入される方の参考になれば幸いです。

以前から103系(低運)共々リニューアル化が望まれていた車両で待ちに待った感があります。
価格もKATOらしく適当な値段で6両で16,485円、この内容では決して高くなくむしろ安いと思います。
欲を言えば色々ありますがNゲージとしては一級品だと思います。
今後予定されている製品(個人的には101系)も期待大です。



追記
キハ82用ライト基盤
製品のLEDは若干黄色味がかった色なのでLEDを交換してみました。
買って早々、ばらしてLED交換。ついでに抵抗をCRDに交換。
これによりヘッドライトとHMの色調改善ができました。

このページのライト点灯写真はこの加工後撮影 (その1)   (その2)


鉄道模型
コンコース
掲載日 2005-7-4 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください