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今年も今日で半分終わり。6月最終日は涼しかったのに何度も汗をかくはめに。まずは毎年この時期恒例の人間ドック。朝、普段通りにでかけて、自転車でいつものクリニックへ。やることは毎回同じで段取りも慣れているので楽だ。いつも高めの血圧がここで計ると低いのが不思議。よほどリラックスするんだろうか。身長が1 cm伸びたのは成長したわけではなく、昨年の計測が低すぎた(骨折のせい?)のが元に戻ったということらしい。体重と体脂肪率は聞きそびれた。
4年前の異常所見以来入念な超音波検査の後、最後に胃の造影。これがいやだという人をよく聞くけど、ぼくは検査そのものは嫌いじゃない。バリウム飲むこと自体もどうってことないし、傾く台上であちこち向きを変えたりするのも宇宙遊泳みたいで楽しい。昨年は左肩が痛かったのでしんどかったけど今年はそれもない。が、やっかいなのはその後だ。バリウム排泄のためにもらった下剤。これがなかなかちょうどよく効いてくれない。昨年は効きすぎで翌日までひどい下痢をして、朝一番の講義が冷や汗ものだった。今年はそれに懲りたので曜日を考えて火曜日にしたものの、検査後午後から出勤しての会議中に腹痛に見舞われて今度は脂汗。
まだ終わらない。夜の実験ゼミの最中に、先週末に提出した学会発表要旨の構造式の重大な間違いに気づき、どっと大汗。これから訂正きくんだろうか。
国東半島100キロの招待状ではない案内が届いた。今年も無事に開催されるようでよかった。くりやま、しまなみとぼくの出られるレベルの大会が次々に廃止されるなかで貴重だ。今年は第10回の記念大会。他人事ながらあのマイナーさかげんでよく続いたものだ。今年は日程的にちょっときびしいのだけれどなんとか行くつもり。
6月にはいってずっと雨模様の天気が続いていたが、今週はやっと夏らしい晴天になった。今日は、午前中庭の芝刈りをしたあと、午後から20キロ走。暑いので、初めてボトルもって走る。暑い中を汗かきながら走るのは消耗するけれど、爽快だ。どこがどうということはないのだけれど、ここんとこ体が重くて今一つ走っても気が乗らないことが多かったのが少し吹っ切れた感じ、なんて偉そうに。
太美の田園風景の中を、札沼北線直通の583Dがやってきた。キハ40400代車を先頭の4両編成。この白っぽい塗装に緑扉の400代車がぼくは好きだ。眺めてもいいし、乗っても青モケットの2+2クロス車は今や希少価値で感涙もの。北海道医療大以北の閑散区間の単行用なので、当別以南では送り込み編成でしか見られないから、この583Dは貴重。ちょうど週末は走っている時間帯に合っているので、いつも見落とさないように気をつけている。学園都市線も今年度からいよいよ電化工事に着手するという話だけど、さて北線はどうなるんだろうか。
北海道には梅雨がないなんて誰が言ったのかっ、と思うようなぐずついた天気が続いている。今月に入って札幌で晴れたのは3日だけだとか。ことに週末は天気が悪く、昨日も今日も強風とにわか雨。午後になって日が差してきたので、久々に2時間ばかり走る。しかし疲れた。7月初旬にあったくりやま100キロが昨年からなくなってしまったので、この時期はなかなかモチベーションが上がらない。悪天ともあいまってしばらく怠けていたせいで、今日は最後の5キロくらいは息が上がって苦しかった。今年はまだまだレースを控えているのにたかが2時間でこれでは先が思いやられる。
録画してあったNHKの「いきものがかりの合唱部にエール!」を観た。今年のNHK合唱コンクールの中学校の課題曲「YELL」をいきものがかりが書いた。それにちなんで3人が中学校合唱部を訪ねて歩くという番組。昨年のアンジェラ・アキ「手紙〜拝啓十五の君へ〜」の番組の二番煎じじゃんという気もしないでもないけれど、これはこれでやはり感動した。
特に、熊本の菊鹿中学校のチェリーズの二人組がよかった。二人しかいない合唱部でもちゃんと二重唱で歌えてしまうところがすごい。末娘が合唱部だったので、あちこちの地区大会を聴いて歩いたときも、少人数で素晴らしいハーモニーを響かせる高校に感心したことがあるが、合唱は人数じゃないよなと改めて思った。
会議の後にまっすぐ帰れば十分日帰りできるけれど、せっかく東京へ出てきたので会っておきたい人もいる、というわけで昨夜は泊まり。今日は一日休暇をとって、願成就院の運慶仏を観に行くことにした。東京の仏像といえばつい先ごろまで人気の国宝阿修羅展をやっていたが、一足違いで終わったばかり。まあ、阿修羅像は好きだけれどあんなに行列してまで見る気はない。
関東地方は昨日梅雨入りして、朝はあいにくの雨。昼前には上がるという予報なので予定通り出向くことにして東京駅へ。がらがらの特急に2時間揺られているうちに雨も上がって日が差してきた。ふだんの心がけがいいからこういうことになると喜んでいたのもつかの間、事態は暗転する。
駅から15分歩いて願成就院へ。小じんまりと静かな境内が好ましい。でも人気がない。受付が閉まっていて貼り紙がしてある。なになに、耐震防災工事のため休館だとっ! せっかくはるばる北海道から(ではない東京から)やってきたのに...。知らなかった。というか知りようがない。寺のwebページなんて洒落たものはないし、googleで検索してもこんな情報はひっかからない。奈良や京都のメジャーな寺院ならともかく、このクラスになると事前に電話確認するくらいの手間はかけないとだめだったのか。というわけで願成就院で願成就できなかったトホホなおぢさんは力なく帰途に就いたのでした。
学会関係の会議があり東京出張。少し早く出てきたので一時間ばかり坂巡りをすることに。文京、六本木、赤坂、目黒、目白とこれまで結構歩いているつもりだけど、まだまだ坂は多い。今回は山手線を日暮里で降りて千駄木までのコース。
駅前から跨線橋を西側へ渡るとすぐに坂だ。小高い丘一帯が谷中霊園という墓地になっている。墓地といっても有名人の墓碑が並んでいたりして、ちょっとした散策コースのようになっている。突き抜けたところから右手に折れて戻り、こんどは丘を西に下る。東京は坂の多いところだが、急な所では道が階段になっているところも結構ある。「東京の階段」なんていう本も出ているくらいだ。この日暮里駅裏から上って下りるところが「夕焼けだんだん」で谷中銀座商店街へつながっている。たしかに西向きの下り階段は見晴らしがよく、夕焼けがきれいそう。
谷中の細い小路をうろうろ歩いて三崎坂を下ると地下鉄の千駄木駅。坂や階段とともに細い路地というのも東京的だと思う。東京の坂歩きの必携書である昭文社の「東京山手・下町散歩」(最新の第3版はえらく見にくいので第2版がおすすめ)の散歩コースも、この先抜けられるのだろうかと不安になるような細道をたどっていくものがたくさんある。谷中は名の通りまさに谷の底。不忍通りを渡るとまた上りになって団子坂。ここは前に歩いたことがあるので、ここから会議へ向かう。
例年この時期に悩まされるシラカバ花粉症が、不思議なことに今年はほとんど現れないで終わりそうだ。特に昨年と変わったことしているわけではないのに、どういう加減なんだろう。おかげで、昨年は骨折はともかく咳が出るので自重した5月の札響定期に今年は行けた。
ジュピターを久々に生で聴いてつくづく感じ入る。なんというすばらしい名曲か。わりと速めのテンポの演奏もたしかにいいけれど、そもそも何よりも曲がいいんだよと思ってしまう。あの音楽史上の奇跡としか思えない終楽章。終わったすぐ後に尾高忠明がマイクもってしゃべり始めたのは余計だったけど。定期でしゃべるのは初めてです、なんて何度もしゃべってるって。
BBBの各種設定をはじめる。GmailとGcalendarが自動同期されるのはめちゃくちゃ便利だ。持ち歩くのに裸では不便なので通販でケースを買った。マグネットでスリープする仕様を生かすためにはフタ付きになるが、横開き、上開き、下開きと各種あって迷う。立ってキーボードを使うときにはどうしても小さい筐体を拝むように支えなければならないので、横や上にベロがあると不安定になりそうなので、一番マイナーな下開きのにしてみた。開いたフタを掌ではさんで支えの足しになりそうでもあったし。ただし値段の割にはディスプレイ保護のビニールが安っぽくてせっかくの美しい画面がスポイルされるのが今一つだった。切り取っちゃおうかな。
二年ぶりの洞爺湖マラソンは、調子が良かった割には今一つの結果に終わった。どうも洞爺湖は腹が減る。早起きして朝食後車で2時間走ってからのスタートというのもあるが、なによりエードステーションが貧弱なせいだ。20キロと30キロと二ヶ所にバナナがあるだけで、5キロごとのエードは水しかない。普通のテレビでやってるマラソンレースではのんびりバナナ食べている人はいないけど、あれはスペシャルドリンクでエネルギーを補給しているのであって、水だけでは走れないよ。これからはせめてアメ玉でももって走ることにしよう。千歳はあまり空腹に悩まされた経験がない。エードがもっと充実しているせいかな。
ウルトラマラソンを走るようになると、あちらはエードステーションごとにこれでもかこれでもかと食べるものがいっぱいあって、次は何かなとそれだけが楽しみで走っているようなものだから、スピード重視のマラソンでは勝手が違う。どうもぼくは走るために食べるのではなく、食べるために走っているのらしい(笑)。
一夜あけてみると、脚が張って痛い。不思議なことに太い左腿の方が右よりも痛みが強い。均等に走っていれば筋肉の少ない右脚によけい負担がかかりそうなのに逆だ。よほど左右不均等な走り方をしていて左にばかり負荷がかかっているのだろうか。自分では颯爽と走っているつもりなんだけど、バランス相当悪いのかも。一度シューズドクターでも行くかなあ。
雨の土曜日。連休以来、週末に用事があったり、天気が悪かったりして、ほとんど走っていない。明日はマラソンだというのに大丈夫だろうかと思いつつ、もうトシなんだから休養もトレーニングのうちだと都合よく解釈して、おとなしく家で読書。
隆慶一郎の「影武者徳川家康」が最終巻にはいった。筋立てはもちろん、相変わらず文章は達者で楽しめる。”ほとんど感動したといっていい”などの言い回しが随所に司馬遼太郎を思わせる。佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙」シリーズは29冊目。どこまで続くんだかしらないが、さすがに飽きてきた。そろそろ打ち止めにするかな。山口雅也「生ける屍の死」。この非現実的な設定は許容だけど、葬儀屋が舞台というのが気色悪いことこの上ない。前半は苦痛だった。東野圭吾「魔球」。「放課後」でも思ったけど、生徒の扱いがいまいちじゃないかなあ。宮部みゆきならもっと上手く書くだろう。パット・マガー「探偵を捜せ!」。いかにも古いし無理があるけど、こういう発想もあるんだ。
例の「虚数の情緒」はやっと第一部を読み終わった。125頁も読んだのにまだ1/8。しかし覚悟はしていたものの著者の説教には辟易。ここで8割くらいの人がぶん投げたとしてもぼくはうなずける。「できるポケット+ BlackBerry Bold」。高い割に内容がない。しかもwebでも無料で中身が読めてしまうというふざけた本だ。当のBBB本体はもうすぐ入手予定。
絶版になって久しかったトレンクルの新型が今春発売になっていたのを今頃知った。その名もトレンクル6000。おお、ついに6キロになったかと感動。で、気になるお値段は33万円。ぎょえ〜。5000円でママチャリが買えるご時世に、単に軽くて小さく折りたためるというだけで33万か。ところが、よくよく見て驚いたのは、その重さ。6.9kgと書いてあるではないか。前のモデル6500は名前のとおり6.5kgだったはずだから、てっきり6000になってより軽くなったのだと思っていたら400gも重くなったのだ。それでいて価格は15万円のアップ。チタンが品薄だとか高騰しているという話ではあったけれど、なんだかなあ、誰が買うんだろう。
軽いといえば、韓国UMIDのmbook M1。Intel Atom搭載32GBSSDでWinXPが動いてなんと335g。3月に日本でも発売予定とのことだったけど、まだ話を聞かないな。内蔵メモリ512MBが惜しいところだが、今年後期には1GBモデルが出るということだし、相当気になる。
でも、その前に何といってもBlackBerry Bold。iPhoneは全然興味ないけど、BlackBerryは親指プチプチできそうなフルキーボードなのが魅力だ。しかし、スマートフォンお定まりのiモード、おサイフケータイ非対応には耐えられそうもないので、買うとしたら回線増になるのが痛いところ。毎月の通信費もさることながら、筋金入りの電話嫌いのぼくが携帯を2台持ち歩くのもねー(笑)。
昨日から5連休に突入。NHKによればもう大型連休後半なのだそうだ。前半はどこにあったろう(笑)。ジュンク堂の数学書コーナーで「虚数の情緒」発見。なんだこれは。1000頁超の大冊。中学生向け?数学を学ぶための言葉、考え方から説き起こす文化論・人生論というか小宇宙のような内容。拾い読みしてみると、あまりに独善的で思想的にどうかというところもあり、とても中学生には薦められないが、おもしろい。何より5.6cm厚1001頁1.4kgという重厚さに衝動買い。
品揃えの豊富なリアル大型書店での楽しみの最大のものは、書棚をブラウズしてこういう予期せざる掘り出し物を発見することに尽きる。ネット書店は、ほしい本の情報がある程度わかっているときには便利だが、お、これは、という発見の本買いにはまったく無力だ。
それにしても、なんでネット書店のレイアウトってああも画一的なのだろう。致命的なのは一覧性の欠如だ。検索結果は一画面にせいぜい10-20冊、しかもそれすらスクロールしなければ全部は閲覧できない。配列順序は変えられるといっても、時系列、価格順、おすすめ順(大きなお世話だ)くらい。たとえば書店で新潮文庫の棚を端から順に見てゆくみたいなことができない。webの画面上の本棚に背表紙をぎっしり並べれば簡単に同じことができそうに思う。そうすればバーチャル書店のブラウジングでも思わぬ発見ができるかもしれないのに。
先週は雨模様の日が多かったけれど、今週は天気がいい。このまま連休中も好天が続きそうとのありがたい予報だ。おかげで月曜、火曜と夕空に美しい三日月が堪能できた。というのは正しくなく、正確には三日月と四日月というべきか。いかにも、という四日月は暗い西空に目立つし在天時間が長いのでよく目にするけれど、はかなげな本物の三日月は薄暮のうちに低くなってしまうのでなかなかきれいに見るのは難しい。1年に13回は間違いなく巡ってくるのだけれど、好天と暇と運に恵まれる必要がある。月曜日はまだ寒かったけれど、こいつは春から縁起がいいわいとうれしくなった。
今日はまた快晴の休日。もう朝から1日中走り回りたい気分だけれど(犬か?(笑))、昼に町内会の総会があり、今年度は役員があたっていて準備から後始末まで追われていたので、走り出したのは15時をまわっていた。でも、もうTシャツに短パン。快適この上ない。ジョギング、ではないランニングはこうじゃなくてはね(ぼくのデータ解析ソフトではキロ6分以下をランニングということになっている)。
昨年はジャージを脱ぎ捨てて走ったのはいつだったかなと調べてみると...、ああそうだよ、今頃は骨折で走るどころではなかったのだ。今年は膝痛も完治したし、幸せなことに今のところ気になるところはない。昨年の分もいい思いをさせてもらってもバチは当たらないだろう。
草彅君どうしちゃったんだろうね。なんて芸能ネタはここでは珍しい。だいたいぼくはSMAPが何人のグループかすら知らないのだから。でも地デジのCMやってる彼はよく知っている。まあ酒飲んであばれたくなることだってそりゃあるだろうさ。裸はちょっとまずかったけど、これが無名人だったらニュースにも何にもならないていどのことなのに、この大騒ぎ。有名人はかわいそうだ。
地デジの所轄大臣が最低の人間だと激怒したとか。それほどのもんかよ、あんたに言われたくないよ、とぼくが別に弁護する義理もないのだけれど。人をだましたとか傷つけたとかじゃなく、単に1人で騒いだだけじゃん。正体なくなるまで酔っぱらえるなんて若いねー、うらやましいよ。いかん、どうも酒飲みには寛大になってしまうな(笑)。
そういえば後日譚。骨髄移植推進財団からオレンジ色の封書がまた届いた。コーディネート開始の通知から1週間もたってない。次のコンタクトは電話があるはずだし、何より今度は親展ではあるものの速達でも至急でもない。ある予感を覚えつつ開封すると、やはりコーディネート終了のお知らせだった。理由の詳細は書かれていないが、患者さんの都合だそう。また急な。まあそういうこともあるんだろうけど、節制しはじめるヒマもあらばこそだ。ホッとしたような残念なような複雑な気持ち。もうこれで機会はないだろうな。なんだかどっと疲れた。
骨髄移植推進財団から速達至急親展の郵便が届く。ドキドキしながら開くと、案の定適合者が見つかったのでコーディネートを開始したいという連絡だった。7年前にドナー登録はしたものの(02.3.12日記)、55歳の年齢制限まであと4ヶ月、もうこのまま終わってしまうものと思っていたので本当に驚いた。だけど、こんなおじさんの骨髄でちゃんと役に立つのだろうか。患者さんが若い人だった場合、うまく定着したとしてもテロメアとかの細胞寿命で何年か後にじきに機能しなくなるんじゃないだろうかと心配だ。まあ、そんなことはぼくが心配することではないので、そういう制度になっている以上は大丈夫なんだろう。
取り急ぎ、意思確認とアンケートを返送した。意思はともかく健康状態が大事だ。いまぼくは一応元気だけれど、血色素量はこれから走り込みするとギリギリに下がるよな、白血球数は下限に近いし、血圧も少し高いし、(飲み過ぎなのか)γGTPもちょっと高いし、といろいろ考えてしまう。なんとかお役にたてるように少し節制しなければ。
今年度の札響定期1回目。なんと昨年4月と同じ指揮者でヤナーチェク、モーツァルト、ドボルザークという顔ぶれも同じ。もちろん曲目は違うけれど、ボーっと聴いているとシートで左肩の激痛をこらえていた昨年のことを思い出してしまう。健康のありがたみをしみじみと感じる。1人でも多くの人が健康でありますように。
新年度がまた始まって1週間。今年は1年生のクラス担任があたっているので、そのオリエンテーションやガイダンスがあっててんてこまいだった。オリエンテーションの配付物の多いこと。大きさも厚みもまちまちな資料やら注意書きやらが、重要なものもそうでないものも手提げ袋にごちゃっとはいっているので、ひとつひとつ確認するだけでえらい時間と手間がかかる。昔もこんなにいろいろ配られたんだったろうか。この学校ではその昔、クラーク博士が校則はただ一つ「Be gentleman」だけでいいといったはずではなかったか。
そうはいっても、現在の全学教育科目の履修の仕組みは複雑怪奇でそのシステムの説明が多くなるのはやむを得ない。それを慣れない担任が新入生に説明しなければならないのだから大変だ。ちゃんと理解して期限のある必要な手続きをみんなちゃんとこなしていけるだろうか、と心配性なぼくは気がかりで、いくら説明してもし足りないような気になる。まあ、おそらく学生の方はしっかりしていて、別にどうということもなく新しい生活にすぐに慣れていくのだろうけれど。
外は風が強くてちょっと肌寒いけれど走りに出る。そういえば鎖骨骨折からちょうど1年。昨年の今頃は好天の週末にもかかわらず身動き不自由で走るどころではなかった。この1週間は好天続きだったので、あいの里公園周回の雪も消え、ミズバショウがそろそろ見頃になっていた。
隆慶一郎「一夢庵風流記」はおもしろかった。前田慶次郎、聞いたことなかったけどこんな人間が実在したのか。司馬遼太郎の「城を取る話」の主人公車藤左のモデルというので二度びっくり。この型破りさ、誰かに似ていると思ったら、榎木津礼二郎だ。周囲の思惑、常識など完全に無視していながら、めちゃくちゃ強い。うーん、あの奇天烈キャラのモデルはここにあったのか。
今日は、風が強いがまずまずの好天。車のタイヤをやっと換えた。庭木の冬囲いをはずし、自転車の空気圧調整。とりあえず春仕様になった。午後は5ヶ月ぶりに外を走る。入手したばかりのForerunner405を初使用。205を一年前に買ったばかりだけど、これくらい小さく腕時計サイズになると使ってみたくなる。今回はWestMarineに発注したら4日で届いた。送料関税込みで35kくらい。
そのFR405。小型化しても機能は205とほとんど変わらないところはいいが、ベゼルタッチの操作性がいま一つ。洒落たことしないで普通にボタンつければいいのに。それと、PCへの無線接続も問題。インストールソフトはフリーズするし、インストができてもペアリングができない。web上のWikiにも類似の不具合例がたくさん上がっていて、決定的な対処法は不明のまま。幸い何かの拍子に一度うまくいったらあとは大丈夫でデータの転送もできたけれど、さすがはGarminという感じ、なかなか楽しませてくれる。
宮脇俊三が出版社を辞めてフリーの鉄道作家になったときに、好きなだけ汽車に乗れる境遇になったにもかかわらず、案に相違して時刻表を見るにも気合いがはいらない、ということを書いていた。制約があって不自由ななかをやり繰りするところに計画を立てる妙味もあるのだ。ぼくも、退職後に自由になったら、好きな時に好きな所へ行けると楽しみにしているけれど、そうなったら却ってつまらないことになるのかも。
東経128度36分。五島最西端大瀬崎は、平戸島から五島列島へと連なる海中の脊梁が東シナ海に没する突端に位置する。車道の尽きた半島の最高部から15分ほど歩いた断崖上の裸地の丘に灯台が立つ。この雄大な天地にぼく以外人っ子一人いない。見はるかす渺々たる大海原が南西の空高くきらめく午後の太陽を照り返して眩く輝く。この先70キロほどに日本最後の有人灯台だった男女群島。その先はなにもない。
いつの頃からかあこがれ続けていた五島へやっと行ってきた。北海道からはあまりに遠くて不便であるがためになかなか機会に恵まれず、その分だけ夢がかなったときの感動もひとしおだった。すぐに来られなくてずっと心に温めていてよかった、とさえ思った。海が、島が、断崖が、砂浜が、そして教会が、すべてが美しい。たった一日しかいられないのが残念。しかも島一つだけ、五島の1/5しか見ていない。また来たい。絶対に来るぞ。
先週末からスタートしたKitacaとSuicaの相互乗り入れサービスを体験してみた。といっても単にSuicaカードを使うだけでは芸がないのでモバイルSuica。この日のためにイオンカードをイオンSuicaカードに切替え手続きをしていたのが昨日到着。そのカード情報でさっそく携帯にモバイルSuicaアプリをインストールした。
Kitaca定期を使えばタダのところを、篠路駅の簡易入場処理機に携帯をタッチ。ピッと音がして無事に認識された。下車駅のあいの里教育大駅は通常の改札機。こちらも問題なく、きちんと運賃200円残額1800円の表示が出る。Kitacaには携帯で乗れるモバイル版はないので、札幌圏で携帯で乗り降りできるのは今のところモバイルSuicaだけ。というか、ぼくはモバイルSuica自体が初体験なので、初めて携帯で鉄道に乗ったわけだ。コンビニなどでの携帯の電子マネー支払いはよくするけれど、改札機をタッチして通過するのはちょっと感動だった。
ただし、そもそもKitaca定期券をもっているから、区間外乗越しするときはKitacaを使うしかないので、せっかくのモバイルSuicaも札幌圏ではほとんど出番がない。まさかSuica定期券を買うわけにはいかないし。モバイルSuicaだとオンラインチャージができて便利なんだけどな。札幌地下鉄のSapicaは登録すればオートチャージができるけれど、Kitacaはできない。ICカード化したのはいいけれどソフト的にはまだまだだ。
壺中の天か。ぼくの壺って何なんだろう。主要登場人物たちがもっている「濃い」壺の存在がうらやましく見える。壺の中では生きられないけれど、壺がない人生というのも空しい。茫洋とした棚橋正太郎が語っている壺の重要性こそが作者がいいたかったことなのかも。さすがにフィギュアというわけにもいかないので盆栽でも始めるかな(笑)。
「壺中の天国」。本格ミステリ大賞受賞作と思って読むと、肩すかしをくらう。「葉桜」のあとなのでつい身構えて読んでしまうけれど、謎解き要素はあるもののそのあたりは地味であり、驚愕の真相などというものには程遠い。ましてや初のしりとりミステリーでもない(最後はGちゃんつながりってことで)。著者の銘によれば「家庭諧謔探偵小説」というから、まあ探偵小説ではあるのだろうけれど、家庭諧謔の方に重みがあるのだろう。というかその部分が十分面白い。だからネットにある、関係のない日常描写が長すぎる、という評は的外れだ。
それはそうと、初めて読んだ倉知淳。宮部みゆきの変名?ぼくが知らないだけ、と思わせるほどよく似ている。登場人物がみんな生き生きと書けているし、なにしろ文章がうまい。知子と実歩母娘のやりとりなんかおかしすぎ。こういう日常風景を書ける人が他にもいたとは。二重丸つけておこう。ただし、この文庫カバーはどうにかならないもんか。ちょっと引いてしまう、というか中身のイメージと全然合ってない。
朝日夕刊のニッポン人脈記。ゴシック体の人名に年齢が書いてないので物故者とわかる。それが切ない。付された写真もいかにも生前のというスナップ。まだ若そうなのに。今夜の心の鉄路シリーズ最終回「通勤電車 父さんの贈り物」には感動した。こんな話が実際にあるのかと思えるほどのできすぎのストーリー。まるで珠玉の掌編小説を読んでいるよう。いや、こんな筋書きは考えて書けるものではない。いったいどうやって見つけてくるのだろう。まあ屋上で母娘が目の前で奇天烈な衣裳の演奏を聴いている写真はやらせっぽいけど、それは愛嬌ということで。
web版にここからリンクを張ろうとしたら、各シリーズ初回だけしかwebには公開されていなくてがっかり。今の時代になんというケチくさい。以前リンクしたことのある飛鳥の壁画発掘の話(2007.5.7)はたまたま初回だったのだ。というわけなので、ぜひ夕刊を探し出して読んでください。
ぼくも毎日揺られている通勤電車(気動車だけど)。まさかビルの屋上パフォーマンスがあるはずもなく、文庫本を読むのがささやかな楽しみ。ちょうど宇江佐真理「幻の声」を読み終わった。あんまり期待してなかったし、正直最初の2話くらいはもういいかなという印象だったのが、後半3話でぐっと盛り上がった。いずれもしみじみと泣かせる話になっている。これはめっけものだった。続編も読んでみようという気になる。
好天。3月になったからってそんなに急に律義にしなくてもいいのに、と思ってしまうほどさわやかな青空が広がる。日差しがまぶしい。もう暗い冬は金輪際終わりですよ、と神様が微笑んでいるかのような天気だ、と宮部みゆきなら書くところだろう。こんな天気の日はTシャツに短パンで外へ走りに出よう、ってさすがにそれは無理なのが残念。外へ出てもウインドブレーカー上下ではせっかくの陽光が台なしなので、いつもの日曜のように屋内のジムでトレッドミルに乗る。でももったいないな。この天気を貯金しておきたい。
春の訪れとともに今年の洞爺湖マラソンの案内が届いた。マラソンの後に温泉で1泊というのが春の楽しみだったのに、昨年はエントリーしながらアクシデントで行けなかったから今年は走りたい。幸い、右膝はほぼよくなって今のところ走るのに支障はないし、骨折した左肩もさすがにもう動きは不自由なく、一時筋肉の落ちていた左上腕も大分もどってきた。何にせよとりあえず今年は1年間ケガのないように無事に走りたいものだ。
そういえば、海宝さんのウルトラ遠足シリーズのしまなみ海道が昨年を最後に終了という知らせがwebページに載っていた。ぼくはどっちにしても出られなかったのだけれど、昨年はくりやまが中止になって残念な思いをしていたところへ、またひとつだ。あとは宮古島が残っているだけか、なんか先行きどうなるのだろうか。
う〜ん、そうかぁ。ちょっと違うような気もするけど、まあ悪くないかな〜。2011年春から新大阪ー鹿児島中央間を直通する新幹線の愛称名を公募していて、その結果選ばれたのが「さくら」。「かもめ」や「つばめ」が九州のローカル特急になって久しいから、「さくら」が大阪以西限定の愛称になってもなんの不思議もないか。応募者中トップの得票だったというから、まあそれだけ九州方面にはなじみある愛称なんだろうな。だけど投票した人のうちどれだけが往時の「さくら」に乗ったことがあったのだろう。
3月末の学会出張にそなえて時刻表3月号を買ってきた。この3月改正号では「さくら」はおろか「はやぶさ・富士」も姿を消している。増強されるのは新幹線ばかりで在来線は縮小される一方だから、ダイヤ改正号といってもつまらない。唯一おおっと驚いたのは、スカイマークが4月から札幌旭川便を運航するという予報。ありえないだろうとよくよく調べてみると、真相は羽田旭川便を千歳経由にするということらしい。それにしても大胆というか無謀というか、札幌旭川なんてHACですら考えもしないだろうに。
さて、お約束の春の青春18きっぷが明日から通用開始だ。今回のポスターは飯田線。チョイスは悪くないけれど、ここんとこずっと配色が地味過ぎやしないか。天竜川の崖っぷちに桜が枝を張り出す下を行く、なんて都合のいい場所はまあないのだろうけど。
雪が少ない少ないとか書いといてなんだけど、このところ荒れ模様の天気が続き、今日も吹雪。今週は3回も千歳空港が雪で部分閉鎖になって空の便が大きく混乱した。1日50便以上欠航が出たのは今冬6回目だそうだ。来週は大学入試があるのでなんとかおだやかな天気になってほしいものだ。
昨年は悪天の影響で史上はじめて入試が1日延期になって大変だった。とてもこんなところには住めないと志望校を変更した人もいたそうだ。天候に左右される冬に来道するのは大変なので、東京で入試をやってほしいという声も根強くある。でも事務的に大変なのと、昨年のように札幌が1日遅れになったら試験問題をどうするかなど問題もあって、なかなか実現しそうもない。もう梅が咲こうかという南国の人にはこの時期の北海道の天候は脅威だろう。梅雨がなく1年で一番美しい6月くらいに入学試験をしたらもっと志望者が増えるかも。
というわけで、珍しくジムに行くのはやめて家でエアロバイクをこぐことにする。このEZ101というバイク、買って11年にもなるがまだ現役だ。モデルチェンジもせずにまだ販売され続けている。この時勢にすごいロングセラーなのだ。だけど、固定されて進まないのはともかく、1時間こげば400kcalもの運動量になるのにそれはどこかへ消えてしまって、逆に給電しないと使えないというのは、この省エネの時代に納得いかない気がしないでもない。
う〜む、やられた。そうきたか。歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」。ぼくは完璧にだまされた。それどころか、終わりの方で真相が明らかにされてもまだその瞬間は意味がわからなかった。ワンテンポ遅れて、あ、そういうことだったのか。思わず前の方をパラパラ読み返して納得。すごいトリック(というんだろうなやっぱり)だ。
Amazonの読者評をみると、おもしろいことに賛否両極端にわかれている。ぼくのように、いやあ見事にだまされた痛快痛快と感心している人がいる反面、何これ事件と関係ないじゃんていうか肝心の事件はどこいっちゃったんだよとけなす人もいる。確かに、あと少し後日譚を書き足してほしいような気がしないでもない。けれど、この作品はミステリーじたてではあるもののタイトル通りの純愛小説なのであって事件小説なのではない、と思えばこれでいいのかも。ミステリーにもいろいろあって、ぼくの志向は、非現実、つくりもの、意外性であり、どちらかというと社会派は苦手だから、こういうのは全然許容範囲だ。フェアじゃないとか設定が無理だとか、それを言ったら宮部みゆきの超能力やお化けなんてさらに読めなくなってしまう。
お次は意識して避けていた社会派東野圭吾のパロディ「名探偵の掟」。登場人物が大河原番三警部に天下一大五郎探偵というところからもう笑える。こういうのも書いてるんなら少し読んでみよう。
今年はほんとに雪が少ない。1ヶ月季節がすすんでいるのじゃないかと思うほど。感覚だけでは頼りないので過去20年の統計をちょっと見てみたが、やはり積雪量は最低だ。例年なら屋根からの落雪によるボイラーの排気筒の埋没で裏庭の雪除けをしなければならないところが、今年は裏の物置き前の地面が顔を出しているほど。気温も高く、今日はなんと8℃。こんな冬なら楽だけど、どうなっているんだろう。
不覚にもというかやっと人並みというか、数日前から風邪気味で今日はトレーニングも休みで休養とする。ぼくの場合流行というものに縁がないので、すわインフルエンザかと色めきたったものの、熱も上がらず鼻水と喉がガラガラいうくらいで単なる風邪のようだ。修論、院試と終わったけれど、まだまだ2月後半も重要な行事が目白押しで、穴を開けられないから用心せねば。
流行といえば、今日はバレンタインデー。今年は折悪しく土曜日になったので売り上げが落ちているのだそうな。曜日によって減らしてもいいものならばそもそもやめてしまえばとは思うものの、ぼくはチョコ好きなので義理だろうがありがたくいただく。なかでは宇治園のほうじ茶生チョコが秀逸だった。抹茶はともかくほうじ茶がチョコになるか?というようなものだが、これがなかなかの出来で感心。ただ欲をいえばこれを普通のチョコでつくってほしかったかも。
修士論文提出〆切日。今年は人数が少ないから楽勝だと思っていたけれど、直前になって単離化合物の構造訂正がはいったりして間際にドタバタした。いかんなあ、まったく。スペクトルはウソをつかない。勝手読みせずに虚心坦懐に読みなさいという教訓。そういえば6年前にも似たようなことで冷や汗をかいたことがあった。日記に書いたかなと思って見返してみたが、触れてなかった。恥ずかしくて書けなかったのだろう(笑)。
ともかく一段落。折よく今夜は札響定期だ。ボーっと高い天井を眺めながら音楽に身を委ねていると心の垢が洗い流されてゆく。にしても空いているなあ。プロコフィエフとブルックナーというぼく的にはお薦めのプロなのに。不況のせいだろうか。ニュースでは企業の赤字、撤退、削減、破綻、縮小といった話題ばかり。こういうときこそ、憂き世を忘れるには芸術やスポーツが一番だと思うけど。
ちゃんとした歩数計を入手して今週5日間の歩数をカウントしてみた。52000歩28Exと出た。職場内を歩き回るのは大したことないように見えて結構多く、演奏会に出歩いたりもしたので平均1万歩を越えている。歩数の割にエクササイズが多いのは歩行速度が速いせいで、今どきの歩数計は自動でこういう換算をやってくれる。これだと休日分を足すと週に50Exくらいにはなるはずで健康には十分だ。なのにやせないのは、むむ、食べ過ぎなのか。
冬はやはり運動不足で体重が増える。試みに職場への行き帰りの歩数を数えてみるとJRをはさんで6500歩しか歩いていない。キャンパスの北方である会議に往復するとちょうど1万歩になることがわかった。夏なら自転車ですぐなのに冬の会議は憂鬱だなと思っていたけど、貴重な運動機会になっていたわけだ。しかし毎日会議があるわけではないので、何か考えねば。
ところで1日1万歩とよくいうけれど、その根拠は何なんだろう。ぼくは休日ごとに走ってはいるけれど、それは走るために走っているのであって、健康のために運動するという意識がないから、こういうことには疎い。調べてみると運動量は強度によってMETという単位で定義されており、1METの運動1時間を1Ex(エクササイズ)として週に23Exの運動が望ましいのだそうだ。速歩きが3METsなので1万歩を1時間で歩けば3Ex、1週間に21Exになって週末に少しおまけすれば足りる。なるほどうまくできているのだ。
ぼくの場合は、平日が2Exで休日はジムで6METsのマシントレーニングを20分に8METsのランニングを1時間なので計10Ex、週合計が30Ex。意外と足りてたりして。しかし、今日のニュースによれば、国立がんセンターの追跡調査ではBMI25-27の小太りが一番死亡率が低いのだとか。25はあんまりではなかろうか。やせるどころかあと9キロも太らねばならない。長生きするのも楽じゃない。
復活のVおめでとう。って、朝青龍ではないぞ、渋井陽子大阪国際優勝。まあこの顔ぶれでは勝って当然という気もするけど、彼女の場合勝ち方というか勝つという経験を思い出すのが大事だったからな。とりあえずやっと借りを返した気になっただろう。ゴール後のあのパフォーマンス。あんな余力あるんならもっとタイム縮めろよとはいかないのがマラソン。というのは走ってみればよくわかる。しかし相撲の方はといえば、ロクにけいこもしていない力士がぶっちぎって優勝できるのだから、その他大勢は何をやっていたのかということだよな。どうだ文句あるか、とこっちも意気軒昂だろう。
納得いかないけどスポーツはまだましで、このところのニュースといえばオバマ一色なのはどうしたことか。日本はアメリカの州の一つだったっけ、と思ってしまう。よその国の大統領よりも自分のところ政治はどうなってるんだよ。隣の花は赤いというレベルではなく、オバマの登場でわれわれの生活の何もかもが好転するような錯覚を起こしているのでは。うちらの首相は何やってるんだろう。就任式のテレビみてるとか?
何となく機嫌が悪いのは、「密閉教室」に感心したのに「生首に聞いてみろ」で見事に裏切られたせいかも。長いだけ。読者評をみても賛否極端に分かれているから、読み手によるんだろうな。ぼくとしてはミステリーはおとぎ話じゃないと。全然楽しくなかった。
津村記久子さん、芥川賞おめでとう。なんて、今日まで全然知らない人だったんだけど。今日の朝日新聞に「はじめてC席で帰った日」という受賞エッセーが掲載されていて、一読感心しきり。受賞エッセーを依頼されてこんな味のある日常風景を書ける人は稀有だろう(WEBでも ここ で読めます)。
C席というのは新幹線の3人がけの通路側のC席のことだ。珍しく昼間の新幹線に乗ったので「これは思う存分沿線を見られるぞ」、とは尋常ではない。新幹線の乗客の過半は窓側に座ってもカーテン閉めて寝ているか何か読んでるかで、景色見ている人など希少価値だ。それもC席からは窓外は見にくかろうに、なんという根性。でも記久子さん、受賞記者会見なんかで疲れていて結局寝てしまうんだよね。かわいそうに。それでも目覚めた大阪到着間際には「あっ、あんなところに旅行ガイドで有名な「昭文社」がっ」と身を乗り出したりしている。わかるわかるその気持ち、ほんと。
ぼくは鉄ネタだから喜んでいるわけではない。新幹線を降りてからのほか弁のとり肉弁当の話がまたほのぼのと笑える。この人、なんて素朴でいい人なんだろうと思ってしまう。小学生の日記ではない、芥川賞作家のエッセーなのだ。計算して書かれたものだとしたらそれはそれですごいし、たくまずして日常そのままを綴ってこうなったのであれば、吉田秀和級ではないかと思う。
連休最終日は完全休養。フィジカルなことは何もしない。録画してあった「街道てくてく旅〜四国八十八か所を行く」の総集編を観る。全7回のうち最後の2回分。1回90分だけど、適当に飛ばしながら観ると1時間ほどで済む。去年の春と秋、毎日うらやましく観ていた頃のことを思い出す。
珍しく真面目な顔で歩いている四元奈生美の遠いカットにかぶさる“しょーおじょじーだいよさようなら〜”というスローバラードが心に沁みる。何という曲だろうと気になった。NHKの番組webページでテーマ曲をさがして聴いてみるけど違う。さんざん探した末、真形テルコの「新しいモチーフ」とわかった。毎日のように聞いていた曲なのに情報が少なすぎる。今度TSUTAYAでサントラCDでも借りて来よう。
あとはミステリー。講談社文庫の新装版シリーズで「長い家の殺人」から法月綸太郎「密閉教室」、有栖川有栖「マジックミラー」ときて、殊能将之「ハサミ男」をはさんで、我孫子武丸「8の殺人」まできた。中では「密閉教室」。トリックは荒唐無稽だけどノスタルジックな青春小説として楽しめた、なんていうのは年寄りの証拠か。「8の殺人」はまだ途中だけど、いかにも現実感に乏しいおかしなキャストや筋立てが楽しい。社会派よりはこういうつくりものの方がぼくの好みだ。そういえば京極夏彦の新刊「南極(人)」も入手。ふざけたタイトルだ。また抱腹絶倒が楽しめるかな。
例によって例のごとく1年の初めは箱根駅伝。今年はなんと東洋大の初優勝で幕を閉じた。往路山登り5区の柏原の激走はすごかった。あの山の神と呼ばれた今井の記録がこうもあっさり更新されてしまうとは。ましてや1年生というからびっくり。
だがしかし。もちろん1人が図抜けていたってリレーは勝てない。モグスが区間新で快走しようが、ダニエルが20人抜きを演じようが、律速段階はそこではないからだ。東洋大は今日の復路でも全23チーム中最高タイムで往路・復路ともの完全優勝だった。いかに全員の力が総じて高かったかがわかる。例年とは違って、今日のゴールは移動中の車内で小さいワンセグ画面で観戦していたのだけれど、3年前の亜細亜大の優勝の時くらい感動した。
感動といえば、忘れちゃいけないのが年末の紅白歌合戦。白組大差で優勝?うっそだろー。ぼくが審査員だったら、アンジェラ・アキ1人だけで断然紅組の勝ちだけどな。昨年のNHK合唱コンクール中学校の部の課題曲だった「手紙〜拝啓十五の君へ〜」。このとびきりの感動的な曲を、彼女は1人で作詞・作曲し、かつピアノを弾き、歌った。こういうのを1人勝ちというのだろうに。この歌を贈られた全国の十五の君がうらやましい。今年の卒業式ではあちこちで歌われるという話だが、きっと親も子もともに歌いながら涙を流すのだろう。まさにいつまでも歌い継がれてゆく名曲だと思う。
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