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(九月市議会報告№2)

神田議員は、「町村の駆け込み事業の現状は目に余る」と合併をめぐる現状の問題点を明らかにし、辻田市長の姿勢を厳しく批判しました。この質問(9/10)と質疑(9/18)の内容をお知らせします。

 

白浜町の防災行政無線更新事業・2億6千5百万円

町の負担はたったの(!)3万6千円

補助金を除いた2億2千7百万円は新市に「付けまわし」

 

<行政一般質問9/10より>

神田)三芳村が役場仮庁舎建設を予算計上したことで「駆け込みではないか」との私の六月議会の質問に答えて辻田市長は、三芳村の意向を確認するとのことだったが、どうだったか?

また、丸山町の中学校建設では22億5千3百万円の巨額の事業費だが、九市町村の住民全体への背信行為だという批判もあるが、どうか。

 

辻田)それぞれ町村の基本計画事業である。駆け込みとの見方もあるが、町村の議会が正規に決めたことで、それに対して口を挟むことは内政干渉であり、すべきではないと考える。首長間で、駆け込みはしないと約束した。ウソはないと町村長を信頼している。

 

神田)「駆け込みはお互いにしない」という首長間の約束を信じているというが、提出された「主要事業計画表」は、実際には「駆け込み」だらけだ。例えば、白浜町では、265百万円かけて、防災行政無線更新事業を予定している。その事業で、白浜町の負担はいくらかご存知か。

答弁)承知していません。

 

神田)主要事業計画表をみるとたったの36千円に過ぎない。国の補助金を差し引いた227百万円は借金だ。合併すれば白浜町はなくなり、その借金は、新市が負担することになる。まさに、新市に付けまわしという事業だ。その新市の半分は館山市民だ。何で館山市民が白浜の防災無線の負担をするのか、市民に説明ができないと思うがどうか。

 

辻田)借金が館山市民にくるという話だが、そんなことはない。借金は館山市民ひとりあたり41万円で、九市町村では、鋸南町は68万円あるが、平均では45万円で、差は1割以下で大きな問題ではない。合併すれば経費の効率化で節減できるので市民が大きな負担を背負い込むことはないと断言する。

 

神田)辻田市長の断言は、いつもダメになる。断言されたので、本当に心配だ。

合併までに積立金は全て使い切るという三芳村や丸山町の例を指摘したが、同時に、白浜町の防災行政無線のように借金でやれることはどんどんやってしまえ、借金の支払いは新市に負担させればいい、こんな事業が許されるなら「昭和の合併」と同様、財政破綻必至の合併になると思う。

 

<参考資料>辻田市長の「断言」を検討しました。一人当りの借金残高は、八町村の方が館山市より27%も多く、一人当り地方税では、八町村の方が27%も少ないのです。合併して地方債残高を地方税の割合で負担すると館山市民が65億円も肩代わりすることになります。(平成14年度決算カードより)

 人口(A)(人)地方債残高(B)(千円)一人当り地方債(B/A)地方税(C)(千円)一人当り地方税(C/A)
館山市

51,511

19,932,949

387(千円)

6,091,166

118(千円)

八町村

57,625

28,295,984

491(千円)

4,989,019

87(千円)

 

<決算質疑9/18より>

新市は人口10万人で500億円の借金

合併すれば財政破綻の危機が現実に

 

神田)今、町村で起きていることは、目にあまる駆け込み事業だ。

「積立金は合併前に使い切れ、ハコモノは今のうちに借金してつくってしまえ、借金は、新市の負担にすればよい」、こんな考えで町村が走り始めた。駆け込み事業を止めることが必要ではないか

 

辻田)駆け込みはない。町村長を信頼している。それぞれの議会が決めたことで、口出しは内政干渉になるのでしない。

 

神田)駆け込みを止めなければ新市は500億円を超える借金を抱えるのは確実だ。人口12万の木更津でも280億円にすぎない。10万の市で借金500億円は全国的に見ても異常事態だ。これでは新市は財政破綻の危険度が大変高い。

 

辻田)500億円の借金でも問題ない。国が認めた借金なので心配はない。

 

神田)これでは話にならない。質問の角度を変える。新市が出発するにあたって、各市町村がその分に応じて積立金を持ち寄ることが必要とおもうがどうか。新市の財政運営では、出発にあたって、積立金はいくら必要だと考えているか。

 

エッ!と驚く、辻田市長の答弁

「各市町村が積立金をいくら持ちよるかを考えたことはない」

 

辻田)新市の財政運営を心配していただいて感謝するが、いくら持ち寄るかということを考えたことはない。

 

神田)驚いた。何も考えていない。そういう市長の姿勢が問題だ。新市に各市町村がもちよる積立金がいくらか、決めなければ、町村が今持っている積立金は合併前に全部使い切ってしまおうとなるのは当たり前ではないか。駆け込み事業を奨励しているようなものだ。

 

辻田)私が無為無策のように言われるが、神田さんとは立場が違う。私は合併協会長としてまとめる立場で一生懸命やっている。神田議員以上に、この問題を考えている。

 

神田)合併協会長だと強調するが、あなたは館山市民を代表する館山市長だ。館山市長という立場を忘れてしまっては困る。

 

<神田のコメント>

これでは本当に話になりません。館山市議会では、これらの論戦をふまえ、九月議会最終日に、前号でお知らせした駆け込み事業の抑制をもとめる決議を全会一致で決めました。

 

<参考資料>

県内の人口9万〜12万未満の市の地方債残(平成13年度決算より)

市名

成田市

茂原市

鎌ヶ谷市

君津市

合併新市

人口(人)

95,850

95,091

102,712

92,666

109,915

地方債残(百万円)

29,864

28,086

20,617

17,054

47,175

合併新市は、館山・安房9市町村の合計を単純集計したものです。

 

住民意向調査の中間報告より

安房九市町村の住民のアンケート調査中間報告から「合併において感じる不安」の項目について、紹介します。

 

2、合併において感じる不安

 

回答数

(%)

中心になる地域が発展し、周辺地域がさびれる不安がある。

2,274

41.2

地域の個性や歴史・文化・コミュニティが失われるおそれがある。

934

16.9

きめ細かいサービスが受けられなくなるおそれがある

2,808

50.8

議員の数が減り、住民の意見が届きになる。

558

10.1

役所が遠くなり、不便になるおそれがある

1,519

27.5

税金・水道料・保険料などが高くなるおそれがある

2,334

42.2

財政状況が今よりも悪くなるおそれがある

1,722

31.2

保育園・幼稚園や小、中学校が統廃合されるおそれがある

1,152

20.9

特に不安はない

492

8.9

その他

141

2.6

わからない

156

2.8

無回答

58

1.0

調査総数

5,525

100.0

 

合併すると「きめ細かいサービスが受けられなくなる」と半分以上(50.8%)の方が不安を感じ、また「税金・水道料・保険料などが高くなるおそれがある」(42.2%)とか、「中心になる地域が発展し、周辺地域がさびれる不安がある」(41.2%)など、九市町村の住民が合併に厳しい視点を向けていることがうかがえます。多くの住民が、合併に大きな不安を感じているということが示された調査結果だったと思います。

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