このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
巡航船、カツオ、峠道
手ブレすれど、撮りなおす気にならない峠道
・7月19日
文月19日、通算15日目。毎度のことながら「しまんと」1号で善通寺を出発する。 この列車、あと何回乗ることになるのだろう。
車内でしばし寝こけた後、朝倉で下車。高知県交通の9:02の宇佐行きに乗車。 9:34、宇佐営業所に到着。そういえば、前回のセーブポイントってどこになるんだろうか。 前回バスに乗った横浪スカイライン入口のバス停は通過してしまったし・・・。 じゃあ、前回待ちぼうけをくった、松ヶ崎の巡航船乗り場か。
宇佐営業所でウロウロしていると、須崎の方へバスが出て行った。日・祝日以外は、 コミュニティバス見たいなのが走っているらしい。ちょっと気を魅かれるけれど、初志貫徹して 巡航船乗り場へ向う。乗り場を勘違いして危うく乗りそこなうところだったが、無事に10:05の便に乗船。 乗員は船長さん1人のワンマン運行。客も自分1人で貸切である。 船は湾内の両岸の入り江をたどってひたはしる。船長さんの話によると普段は朝夕の通学輸送が主体で、 どこで誰が乗るのか、だいたい決まっているそうである。 今日は土曜日。通学にも中途半端な時間であり、途中の各乗り場は、入り江に入ってみて お客さんの姿が見えないのを確認すると、接岸せずにUターンして通過。松ヶ崎も、もちろん通過。
どこにも止まらず、潮風に吹かれながら海と山と青空を眺めてすごす。横浪までの1時間は 意外と短く感じられた。11時。横浪に上陸して、次の寄港地へ向かう巡航船を見送って歩き出す。 日光・気温とも、先月よりさらに強烈になっている。12時に休憩した東屋で、時計と並べて掛けてあった 温度計を見ると、37℃を示していた。
さらに1時間程歩き、住友セメントの工場を左に眺めながら須崎市街地へ。 道端の標語が妙に生暖かい涼しさを送ってくれる。
曰く。「ポイ捨ては遺憾」 そうですねー。いかんですよねー。
駅前を経由し、土佐藩砲台を見物し、14時前に須崎の道の駅へ到着。 お土産に恒例の「ゆずしぼり」500mlPETを2本買い、カツオのタタキ実演販売コーナーで 一皿480円のカツオを食べる。旨いもんだ。冷えたビールが欲しくなるが、まだまだ今日の行程が 残っているので、ぐっと我慢。
30分ほど休憩して、国道56号を出発進行。おや、? 道路の反対側、山の方へ向かう坂道に「へんろ道」の標識が出てますわよ?
「あらいやだ。車の往来が激しくて、道が渡れませんわ」
山道を無視してそのまま国道を前進すると、歩道が無くなって、トンネルが現れた。 追い越していく大型トラックに身を竦め、時には内壁にへばりつきながらトンネルを歩いて抜けると またトンネル。生きた心地がしない。素直に遍路道を歩けばよかったか。 この先、焼坂峠の国道トンネルは長さが1km以上あるようなので、坂道が嫌いでも 素直に峠越えの遍路道を通ろうと思った。
15時、土讃線の安和駅付近。ここから焼坂峠への遍路道が分岐する。自販機で500mlPETの水を買い、 ついでに1缶飲み干して、無駄に水分を補給。いざ峠道へ、と覚悟を決めた。
途中、作業をしていた人から、「この坂、きついでぇ! ガンバレ」と声援を受けたが、 道は未舗装ながらも幅2mくらいの幅があり、勾配も緩い。持参の地図を見ると、こんな感じの 道がうねうねと曲がりくねってサミットへ続いている。ところが安心したとたんにお約束。脇へそれ、一直線に斜面へ突撃する細道に見慣れた 「↑へんろ道」の標識がついていた。
なんじゃこりゃ〜、と心の中で叫び、箱根八里を口ずさみながら坂道へ足を踏み入れる。 石畳が、コケむして滑る。クモの巣が顔にかかる。仕舞いには、下草どころか両脇から伸びた草が 足元を覆い隠す。倒木有り、ぬかるみはデフォルト。アスファルト高速仕様(自称)で金剛杖も持たず、 運動靴の足元が恨めしい。気がつけば、Tシャツに覆われていない腕に、蚊が何匹もとまっている。 首から掛けたタオルを振り回して追い払い、ついでにタオルを絞ると水滴が地面に落ちる。 暑いよ〜。
30分ほど登り、ようやく峠に着いたので、リュックを下ろして水分補給。 須崎方向の視界が開け、山と海が見えたので、他に人が居ないのをよいことに、 高笑いをしながら用を足す。
下りに入ると汗も引き、こころなしか日が翳って涼しくなってきた。 とたんに、セミの声がヒグラシに変わった。 ♪ヒグラシの鳴く〜(お察し下さい)
国道へ合流したのは16時20分ごろ。看板によると、約4.9kmの「自然豊かな遍路道」だったそうである。 ここから土佐久礼の駅まで歩いて今回はお仕舞い。次回は七子峠を登って 37番札所岩本寺へ向かうが、高知道建設工事のために遍路道が通行止めになっているらしい。
いずれにしても、もう少し涼しくなってからにしよう。
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