このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

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十夜ヶ橋


鳥坂峠を越え、大洲を望む

・12月14日

師走14日、通算24日目。6時半になんとか起き、昨晩の間にコンビニで買っておいたパンとカップスープの朝ごはん。 7時過ぎに出発して国道56号を進む。

・十夜ヶ橋まで
8時過ぎだったろうか。宿を出てからしばらくパラついていた雨が上がって薄日が差し、進行方向に虹が現れた。 最近、虹を見る機会が多いような気がする。なんとなく二重にかかっているように見えるのは気のせいだろうか。 歩きながら、頭ん中で考える。

そもさん  せっぱ!

八時なのに虹とはこれいかに

いかに! ・・・うーむ。
余計なことを考えていた報いか、鳥坂峠の上りにかかるころ再び雨が降り出した。はい時間切れ。

鳥坂峠を旧街道の山道で越え、再び国道に合流して大洲盆地へむかって降りていく。 中島みゆきの「ホームにて」を口ずさみながら歩いていると、なぜだか目頭が熱くなってきた。 なぜにこんな感傷的な気分になる必要があるんだろうか・・・

さて、12時頃に大洲市街地へ突入。昨日の昼食が残念な結果に終わったので、 今日こそはまとまな昼ごはんにありつきたい ものと道路両側の店を眺めながら歩くと、うなぎ・川魚&郷土料理っぽい店があった。それほど格式ばった店構えでも なく、入口横に定食類のお品書きも値段込みで掲示されていたので迷わず飛び込み、840円の「さつま」を注文する。 宮脇俊三が言うところの、「カマボコになる前のドロドロをご飯にかけて食べる(途中下車の味)」やつである。 昨日の卯之町には「ひゅうがめし」の看板を掲げた料理屋があったし、どことなく九州とのつながりを連想させるような 名前ではある。
「さつま」の正体は、 焼いた白身魚(前述の本によるとアマダイらしいが)のすり身を出汁でのばし味噌で味付けをしたものを 麦を混ぜたご飯にかけ、薬味のネギ、糸コンニャク、シイタケをのせていただく汁かけ飯なのだが、 焼いた魚のよい香りと薬味の歯応えが楽しい一品であった。
紫電改を見に行った時に食べた「ひゅうがめし」は、鯛の刺身を卵を溶いただし汁に浸してご飯に乗せる 豪快な直球勝負だったが、「さつま汁」は変化球的なおいしさだ。

 

いかんいかん、本来の目的を見失うところだった。
食後のお茶をゆっくりと飲み干して再び国道56号を北へ進むと、大洲市街地の北端にあるのが十夜ヶ橋である。
四国を巡り修行をしていたお大師さんが、近くの民家全てに一夜の宿を断られて橋の下で野宿をした場所として 、例えていうならば12番焼山寺から下った衛門三郎終焉の地、室戸岬の御厨人窟と並んで 強制イベントが発生するくらいに重要っぽい場所である。
ちなみに野宿をした理由には、宿泊先が引く手あまたで、どの家に泊まっても角が立つので橋の下に寝ることにした 、というのもあるのだが、こちらは主に愛媛県地方で流布されている。曰く、伊予の人は一夜の宿を断るほど薄情じゃないぞ、と。
50円のエサでしばし 橋の下の鯉と戯れ てから内子へ向かって前進を再開する。

・内子まで
国道56号を進む。途中の五十崎付近でゆるやかな峠を越えて坂を下っていると、 斜面になんだか不思議な堤が現れた。レールらしきものが引かれているし、旧内子線の路盤だろうか。
そんなことを考えているうちに内子駅前に到着した。

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