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昭和17年(1942年)4月1日に運賃改正が行われ、神戸線と宝塚線の運賃が統一されました。
それまで神戸線・宝塚線別々であった区間境界駅を大幅に見直し、初乗りは7銭になりましたが、梅田〜神戸間は8区56銭(それまでは特4区43銭)、梅田〜宝塚間は6区42銭(それまでは4区40銭)と値上がりしました。
また、宝塚線に設定されていた大阪市内券・区内券、神戸線に設定されていた神戸市内券などは廃止され、特定運賃は梅田・神崎川・三国相互間10銭、神戸〜六甲間10銭、梅田〜夙川間28銭(4区扱い)の5区間だけになりました。
神宝統一期の区間境界駅は以下のとおり。最大区間は「神戸」〜「箕面」の10区です。 |
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普通片道乗車券は、19駅に増えた区間境界駅を表記できるよう、少し横長になりました。
地紋はこれまでの阪神急行電鉄社章の単独地紋から連続地紋に変わり、地紋の色は赤と緑の2色となりました。
以下に、1区券から10区券と特区券を掲載しておきます。1区券から8区券と特区券は2色とも揃っていますが、9区券地紋赤の券と10区券地紋緑の券はありません。 |
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神宝統一期券は以上のとおりです。
5区券までは区間境界駅全駅表記で、6区券で6区を売ることができない「仁川」「塚口」が消え、7区券では7区券を売ることができない「宝塚」「西宮北口」「伊丹」「園田」の4駅が消えました。8区券は「神戸」「西灘」「御影」「花屋敷」「箕面」「石橋」「服部」「梅田」の8駅、9区券は「神戸」〜「石橋」間、「西灘」〜「箕面」間の2区間となり、10区券は「神戸」〜「箕面」間だけの発行となりました。
特区券は10銭で、「神戸」〜「六甲」、「神崎川」「三国」「梅田」相互間の4区間がひとつにまとめられていました。
昭和17年から昭和18年まで発行された神宝統一期券ですが、昭和18年以降の京阪神急行電鉄時代も流用され、一部は昭和20年代まで使用されました。神宝統一期券の1区券から6区券と8区券、特区券は現存する乗車券が非常に多く、正式に使われた期間が短かい割には今でも入手し易い「阪神急行電鉄時代」の普通片道乗車券です。
以下に、当時の乗客数の区別の割合をグラフで示しておきます。 |
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上のグラフは昭和17年10月1日から昭和18年3月31日の区別の乗客数の割合です。
回数乗車券、定期乗車券利用者も含まれていますが、阪急内では長距離区間となる7区から10区、特に神戸線と宝塚線にまたがる9区と10区の利用者が極端に少ないことが分かります。(8区は利用者が多い「大阪」〜「神戸」間があるため、1日当たりの乗客数も多くなっています。)
9区は発行できる駅が多いにも関わらず、1日当たりの乗客数は973人、全体の0.27%しかありません。10区は神戸駅・春日野道駅・桜井駅・牧落駅・箕面駅の5駅だけでの発行で、神戸駅では箕面・宝塚方面への回遊乗車券(1円40銭)が売られていた影響もあったようで、1日当たりの乗客数は170人、全体の僅か0.05%となっています。
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