このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

普通乗車券
普通片道乗車券
阪神急行電鉄 時代その6
神戸駅発着券について 昭和11年〜昭和17年
 昭和11年(1936年)4月1日、神戸市内延長線(西灘〜神戸(三宮)間)が開通しました。
 この神戸市内延長線の開通で神戸(三宮)駅発着の乗車券は神戸線の運賃制度を適用せずに特定運賃を採用することとなり、神戸線用券の料金に3銭を加えた特1区券(13銭)・特2区券(23銭)・特3区券(33銭)・特4区券(43銭)が発行されました。

 これらの特区券は神戸線用券の区間境界駅「春日野道」を飛び越しての区間制を採用しました。
 さらに神戸駅発着の特定運賃として神戸〜六甲間には専用片道券を発行、神戸市内(神戸〜西灘・上筒井間)には神戸市内券を設けるなど、神戸駅利用者にはきめ細かい運賃体系となりました。
 文章では分かりづらいと思いますので、以下に阪神急行電鉄発行沿線御案内の運賃区間図を掲載しておきます。
阪神急行電鉄 沿線御案内 昭和13年阪神急行電鉄 沿線御案内 昭和15年
 画像左上は阪急上筒井線が営業していたころの阪神急行電鉄沿線御案内の神戸市内部分です。西灘から神戸、上筒井まで市内6銭、御影から上筒井まで1区10銭と表記されています。画像右上は阪急上筒井線廃止後の阪神急行電鉄沿線御案内で、西灘から神戸が市内6銭となっています。
神戸特区前期券 昭和11年
神戸特区前期2区券  神戸特区前期4区券赤神戸特区前期4区券緑
 昭和11年(1936年)の神戸(三宮)駅開業後に発行された神戸特区の特2区券と特4区券です。
 神戸線用券と同じく波型の赤線加刷で区間数を表示するとともに、特区を表す赤い色の横帯も加刷されていました。
 しかし、上の画像のとおり、波型の赤線加刷と横帯の加刷が重なっていてはっきりと分かりません。おそらくそれが原因で波型の赤線加刷が変更になったようです。
 昭和11年の神戸(三宮)駅開業後、数ヶ月だけ発行された珍しい波型赤線加刷の神戸特区券です。

神戸特区後期券 昭和11年〜昭和17年
神戸特区後期1区券  神戸特区後期2区券
神戸特区後期4区券赤神戸特区後期4区券緑
 区間数表示が波型の赤線加刷から赤い縦線に変更となった神戸特区券です。
 神戸線用券と簡単に見分けることができるこの様式が神宝統一期まで続きました。
 大阪〜神戸間の利用者が多かったためか、神戸発着券は特4区券の現存数が多いです。

神戸・六甲間専用片道券 昭和11年〜昭和17年
神戸・六甲間専用片道券黄土色神戸・六甲間専用片道券灰色
 神戸市内延長線開通後、神戸・六甲間に設定された片道券で、運賃は10銭となっていました。
 地紋の色が神戸線用券、神戸特区券とは違い、黄土色と灰色の2色でした。

神戸市内券 昭和11年〜昭和17年
神戸市内券
 このページ一番上、阪神急行電鉄沿線御案内の運賃区間図のとおり、神戸市内延長線開通後、神戸と西灘経由上筒井間に設定された神戸市内券です。昭和15年の上筒井線廃止後は神戸〜西灘間となりました。
 上の画像はまだ上筒井線が営業していたころの神戸市内券です。
阪神急行電鉄 沿線御案内 昭和12年阪神急行電鉄 沿線御案内 昭和13年
 画像左上、右上はともに阪急上筒井線が営業していたころの阪神急行電鉄沿線御案内の神戸市内部分です。
 阪急系列の六甲登山架空索道(六甲登山ロープウェイ)と競争的な存在であった阪神系列の六甲越有馬鉄道(六甲ケーブル)は阪神急行電鉄の沿線御案内では消されることが多かったのですが、摩耶鋼索鉄道(摩耶ケーブル)は阪神急行電鉄がその株式を保有していたこともあり、系列会社のように描かれています。
今津特区券 昭和12年〜昭和17年
今津線特1区券  今津線特2区券
 昭和12年(1937年)7月20日、西宮北口〜今津間が1区から区内に変更されました。
 それにともない今津駅発着券が発行されましたが、区内券ではなく特区券として発行されました。
 上は今津特1区券と特2区券です。地紋が神戸線用の普通乗車券とは異なり、定期券と同じ阪神急行電鉄の社章の連続地紋となっています。
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