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大正15年(1926年)4月、通行税の廃止に伴い定期券の様式も大きく変わりました。
いままで折りたたみ型であったものがカード型に変わり、表面左側には線別・種別・区間・期間を表す略記号が表記されるようになり、裏面には金額も印刷されるようになりました。
この昭和期定期券ですが、昭和5年ごろに地紋と裏面の一部が変更となりましたので、その時期を境として前期と後期に分けました。詳細につきましては後述します。
券面に表記された略記号と地紋の変遷につきましては、以下のとおりです。
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略記号は定期券の表面左側に上から線別・種別・区間・期間の4つで表記されました。ただし、昭和17年(1942年)の神宝統一期までは普通定期券には種別が表記されず、上から線別・区間・期間の3つの略記号が表記されました。
昭和17年に神戸線・宝塚線の運賃が統一されると、線別の表記が消えました。それにかわって、種別に新たに普通・工員の略記号が増え、区間も10区まで増えたため略記号も10まで増えました。
戦後、普通定期券と工員定期券は通勤定期券に、学生定期券と小児定期券は通学定期券になりますが、ここでは関係ありませんのでその経緯は省略します。また、尋常小学生定期券と小児定期券につきましては後ほど紹介します。
地紋につきましては、右上画像内の説明のとおりです。
昭和期の定期券では、大正15年発行と昭和15年発行の定期券がともに「15年」となりますが、地紋と裏面の御注意欄の箇条数により区別することができます。(上の「梅田」=「石橋」の定期券は大正15年発行のものです。)
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上の定期券は昭和2年(1927年)の大晦日に発行された、宝塚線用普通定期券1区6ヶ月券です。
宝塚線の普通定期券の地紋は朱色で、券面左側の略記号は上から線別・区間・期間の3つとなっています。
定期券裏面の御注意欄のうち、4番目がイ・ロ・ハ・ニの4箇条であることが前期券の特徴です。
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上の定期券は昭和9年(1934年)に発行された、宝塚線用普通定期券2区1ヶ月券です。
昭和5年ごろから使用されはじめた後期券は、地紋が新しいものに変わるとともに、定期券裏面の御注意欄の4番目がイ・ロ・ハ・ニ・ホの5箇条となりました。
また、それまで黒が主流だった区間、有効期限、発行者印の色が青色に変わりました。
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上の定期券は昭和10年(1935年)に発行された神戸線用普通定期券2区1ヶ月券です。
神戸線の普通定期券の地紋は桃色で、それ以外は宝塚線用の定期券とほとんど同じ様式となっています。
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上の定期券は昭和2年(1927年)に発行された宝塚線用学生定期券3区3ヶ月券です。
宝塚線の学生定期券の地紋は緑色で、券面左側の略記号は上から線別・種別・区間・期間の4つとなっています。
普通定期券で「職業」と表記されていたところは、学生定期券では「校名」と表記されています。
普通定期券と同じく、定期券裏面の御注意欄のうち、4番目がイ・ロ・ハ・ニの4箇条であることが前期券の特徴です。
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上の定期券は昭和12年(1937年)に発行された宝塚線用学生定期券2区1ヶ月券です。
普通定期券と同じく、後期券は地紋が新しいものに変わるとともに、定期券裏面の御注意欄の4番目がイ・ロ・ハ・ニ・ホの5箇条となりました。また、区間、有効期限、発行者印の色も青色に変わっています。
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上の定期券は昭和11年(1936年)に発行された神戸線用学生定期券4区1ヶ月券です。
神戸線の学生定期券の地紋は青色で、それ以外は宝塚線用の定期券とほとんど同じ様式となっています。
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