“復刻版”駄知線時刻表

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“復刻版”東濃鉄道駄知線時刻表

過去の時刻表を集めてみました。『時刻表復刻版』(JTB)を揃えれば簡単なのですが、分冊不可で１セット１万円以上する高価な書籍のため、貧乏人の私にはとても手に入れられません。少しずつ資料収集を続け充実させる予定です。

【戦前編】NEW!!
1942年（昭和17年）以前の時刻表は、現在の掲載方法（24時間制）と異なり12時間制（午前・午後）になっています。当ＨＰでは書式については変更している場合がありますが、時刻表示については24時間制に改めず、出典資料のまま12時間制で表記します。
1929年（昭和4年）／ 1933年（昭和8年）

【戦後編】
1969年（昭和44年）／ 1971年（昭和46年）／ 1972年（昭和47年）／ 1973年（昭和48年）

1929年（昭和４年）の時刻表 （出典：『土岐郡状勢一般・昭和四年版』塚本幸之助、大野兼十、1929年）

土岐津	618	718	822	905	1006	1155	127	250	429	557	754	1010
新土岐津	620	通過	824	通過	1008	通過	129	通過	通過	559	通過	1012
神明口	622	723	826	910	1010	1200	131	255	434	601	759	1014
土岐口	625	727	829	914	1013	1204	134	259	438	604	803	1017
下石	638	737	842	924	1026	1214	144	309	448	617	813	1026
山神	648	748	852	935	1036	1225	154	320	459	627	824	1036
駄知	656	757	858	944	1044	1234	202	328	508	635	833	1044
東駄知	700	801	−	948	1048	1238	206	332	512	639	837	1048

東駄知	505	614	714	804	−	951	1241	−	333	515	−	923
駄知	512	622	721	826	908	1010	1247	128	341	522	601	930
山神	517	628	726	832	913	1016	1252	134	347	527	607	935
下石	525	637	738	841	923	1025	100	143	356	535	616	943
土岐口	532	645	745	849	930	1033	107	151	404	542	624	950
神明口	535	649	748	853	933	1037	110	155	408	545	628	953
新土岐津	537	通過	750	通過	935	通過	112	通過	通過	547	通過	955
土岐津	539	653	752	857	937	1041	114	159	412	549	632	957
【補足】黄枠＝４月１日〜10月30日運転。赤枠＝11月１日〜３月31日運転。

前年に中央線の土岐津駅乗り入れを実現させた駄知鉄道は、土岐津〜神明口間に新土岐津駅を設置しましたが、列車の半数は通過していました。

1933年（昭和８年）の時刻表 （出典：『土岐津町誌』1998年）

土岐津	546	707	934	1134	130	401	550	703	1026	1103
神明口	550	711	938	1138	134	405	554	707	1030	1107
土岐口	552	713	940	1140	138	407	556	709	1032	1109
下石	558	719	946	1146	142	413	602	715	1038	1115
山神	606	727	954	1154	150	421	610	723	1046	1123
駄知	612	733	958	1158	156	427	616	729	1052	1129
東駄知	615	736	−	−	159	430	619	732	1055	1132

東駄知	511	631	757	−	−	222	452	627	751	954
駄知	518	638	804	959	1159	229	459	634	758	1001
山神	521	641	807	1002	002	232	502	637	801	1004
下石	527	647	813	1008	008	238	508	643	807	1010
土岐口	533	653	819	1014	014	244	514	649	813	1016
神明口	535	655	821	1016	016	246	516	651	815	1018
土岐津	539	659	825	1020	020	250	520	655	819	1022

これ以降、２代目新土岐津駅の表記が消えてしまいました。廃止になったのかどうかはわかりません。

1969年（昭和44年）の時刻表 （出典：『交通公社の時刻表』1969年10月号）

土岐市	運賃	632	711	741	この間土岐市発、802.836.901.937.1018. 1054.1123.1237.1339.1439.1459.1545. 1640.1706.1744. 1823.1852.1947.2033	2127	2225
下石	30円	648	721	758		2137	2235
東駄知	50円	704	736	812		2150	2248

東駄知	604	635	654	この間東駄知発、727.745. 821.905. 936.1014.1051.1138.1310.1425.1515. 1542.1638.1706.1740.1818.1907	1932	2059	2156
下石	618	649	709		1945	2112	2211
土岐市	628	659	721		1958	2122	2221

最盛期から斜陽期に入ろうとしている頃のダイヤです。１時間に１〜２本運行で土岐市駅発最終が22時 24分というのは、駄知線沿線人口を考慮すると信じられない充実ぶりです。

1971年（昭和46年）の時刻表 （出典：『交通公社の時刻表』1971年10月号）

土岐市	運賃	632	724	800	859	1239	この間土岐市発、 1455.1547.1649.	1714	1742	1822	1859	1957	2135
下石	40円	642	734	812	910	1249		1727	1755	1836	1909	2007	2144
東駄知	70円	656	748	825	923	1303		1741	1809	1850	1923	2021	2158

東駄知	606	657	720	749	827	この間東駄知発、 945.1308.1544.1644	1714	1741	1812	1854	1947	2200
下石	619	710	734	802	840		1727	1755	1825	1909	2007	2216
土岐市	629	720	744	813	850		1737	1805	1836	1919	2018	2226

２年間の間に20％強の大幅な運賃値上げがあり、データイムを中心にの運転本数が大幅に減少しています。この頃、県道66号（多治見恵那線）の土岐市下石町〜多治見市下沢町間が改良され、自動車往来及び多治見駅から土岐市の駄知・下石・妻木への直通バスの利便性が向上したため、遠まわりで時間のかかる駄知線の利用者はさらに減少傾向に進行していきました。

1972年（昭和47年）の時刻表 （出典：『交通公社の時刻表』1972年10月号）
太字＝休日運休

土岐市	運賃	水害により鉄道が不通の為代替バスで運転しています	550	630	この間土岐市発、650.655 730.805.925.1150.1320.1550. 1620.1640.1730.1755.1830	1910	2000
下石	40円		609	651		1930	2020
東駄知	70円		623	705		1944	2034

東駄知	720	748	820	910	1015	この間東駄知発、 1510.1555.1655. 1715.1745.	1830	1910	2000	2055
下石	736	803	836	926	1031		1845	1925	2014	2110
土岐市	754	821	854	944	1049		1903	1943	2032	2128

駄知線とって致命傷となった、1972年（昭和47年）7月12〜13日の集中豪雨による、土岐川鉄橋流出後の代替バス時刻表です。バスでは電車より1.3倍の所要時間を要したため、利用者離れを加速させる結果になりました。東濃鉄道は運輸省に駄知線の休止を申請し、２年間の期限付きで認可されました。

1973年（昭和48年）の時刻表 （出典：『交通公社の時刻表』1973年10月号）
太字＝休日運休

土岐市	運賃	700	736	815	855	この間土岐市発、925.955.1010 1200.1255.1330.1400.1502. 1555.1645.1710.1740.1820	1850	1955	2115
下石	40円	711	752	832	912		1907	2012	2131
東駄知	70円	732	808	848	928		1923	2028	2147

東駄知	548	625	700	725	この間東駄知発、735.810.905. 930.1010.1035.1245.1316 1350.1420.1505.1550.1700.	1730	1750	1820	2030
下石	606	642	717	742		1747	1807	1837	2046
土岐市	620	658	733	758		1803	1823	1853	2102

東濃鉄道は駄知線の運行再開を目指したものの、再開には流出した土岐川鉄橋の再建などのため、当時の金額で15億円かかるうえ、赤字線であった駄知線に経営のメドがたたないこともあり、運輸省が認可した２年間の休止期限が切れる1974年(昭和47年)７月に廃止許可申請を提出し、同年10月に静かに駄知鉄道時代から数え、52年の歴史にピリオドを打った。

参考資料
『土岐郡状勢一般・昭和四年版』塚本幸之助、大野兼十、1929年
『土岐津町誌』土岐津町誌編纂委員会、1998年
『交通公社の時刻表』日本交通公社
『中日新聞縮刷版』1972年７月13日朝刊、1974年７月13日朝刊
『多治見市史』通史編下、多治見市、1987年

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