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こうやけの雌淵から200米程の上流に行くと、誉蒼とした木々に覆われ、青黒い水をたたえた深い大きい淵があり、大きな石の奥に龍神さんが祀られています。
日照りの夏になると近郷のあっちこっちから、雨乞いにやって来ていたそうです。
旱魃(かんばつ)になると、讃岐のお百姓さん達が雨乞いに来たそうです。黒蔵の神主さんが裸で淵へ飛び込み祈りましたが、どうしたものか淵から上がって来ません。やがて読経の声が淵の底から異様な声となって響いて来ました。雨乞いに来た人達は「霊験あらたかなり」と手を合わせ共に祈りました。そして持って来た竹筒のお神酒を淵に流し、代わりに淵の水を入れて持って帰りました。竹筒の水はこぼれたらそこに雨が降るというので、皆で大切に持って帰りました。村に帰ると早速それを田畑に撒き散らすと、一天俄かにかき曇り大粒の雨が降るというので、人気があったそうです。
黒蔵の『若葉橋』の袂に狛犬さんと鳥居がありました。そこから道が続いていましたが、とても1人では怖くて行けない所だったそうです。
昭和4年、大掛かりで雌淵を干したから、牡淵の龍神さんが怒って雨を降らしてくれなくなったとの事でした。
神主さんが飛び込み、淵の底から裏側へ這い上がると、そこに人1人が座れるくらいの場所があります。ですから異様な声になるとの事でした。 今では淵の上に道路が出来て淵は見えませんが、関助のお墓が、近くの道路のそばにあります。
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13.熊おすの秘話
嶺南のふるさと 中之川
こうやけの牡淵(おんぶち)の話
平成10年7月5日 記 石川美代子
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