ローカル駅セクション
完成した姿
Part1
*プロローグ
OKIがEF65をコレクションしているのを見て、ついつい私も買ってしまうとか、
私がエンドウのキハ30を買い集めていると、OKIもいつの間にか探していたりとか・・・
こと模型に関しては、互いに影響しあっているようです(笑)
実は、KATOのDD13もそんな1両。
初期ロットの製品番号
N701を絶賛
し、探し求めているOKIの影響で、私もついに手に入れたのでした。
しかし、ロットは異なるとは言え、KATOのDD13が3両にもなると、
何かいじりたくなってくるのが私の習性・・・
「エンドビームを実感的にしよう」
そう思ってしまったのです。
実車は板のようになエンドビーム、なのに模型では、
カプラーの首振りスペースを確保するための大きな欠き取りがあって、
そこにあるはずのジャンパー栓もないという不恰好さ。
KATO、TOMIXのDD51旧製品でも同様でしたが、
両車ともリニューアル後は、実感的なエンドビームになりました。
なのでDD13も、これら最近の製品と同じような見栄えにしてみよう、
開口部を塞いでエンドビームを実感的にするとともに、カプラーをエンドビームにマウントするのです。
加えて、この製品では再現されていない色も加え、より実物に近い雰囲気にしたいと思いました。
ランボード側面と手すりに白、ランボード上面に灰色、サッシやヘッドライト枠に銀・・・
これらは最近の製品ではきちんと塗り分けられている部分ですからね。
改造前のN701。但し右手前ステップに注目(後述)
*その前に・・・思わぬ修正が・・・
当初は、高校生の頃手に入れ、大学生の頃に汚いウェザリングをしてしまったDD13、
これの修正も兼ねて実施するつもりでした。
ところが・・・一番後に手に入れた「美品」のN701を眺めていた私は愕然!
「ステップの一個が欠けてるジャン!」
・・・そうなんです。
おろかなことに、今まで気づきませんでしたが、ステップのひとつの最下段がなかったのです。
そこでやむなく、ステップの修正が必要なN701を素材にすることに変更しました。
ステップの白い箇所が補修部分
さて、ステップの欠落部分は、0.3mmプラ板を適当な大きさに切り、
プラ用瞬間接着剤で固定した後で細密ヤスリで仕上げました。
寸法を測ったりしない、全くの目分量工作です。
それでもほぼ、違和感のないように作ることができました。
塗装をした後では、ほとんどわからないと思います。
(強度的にはちと不安があるので、取り扱い要注意ですけどね)
*改めて本題・・・まずは分解
続いて・・・では気を改めて本題に入ります。
まずはDD13の分解方法を書いておきましょう。
DD13は、同社のDD51なんかに比べれば、分解はかなり容易です。
まずはキャブ。これをつまんでちょっと左右にねじるようにして上にひっぱれば、簡単に外れます。
するとボンネット部を外すことができ、ランボード上の「箱」(正式名称知りません)も外れます。
余談ですが、この「箱」を紛失した中古のDD13をよく見ます。
それだけ外しやすいということで・・・紛失には要注意ですね。
続いてランボードと手すりが一体になった無塗装のパーツ、燃料タンクを外します。
ちなみに台車は、動力部ダイカストのネジを緩めると取り外すことができます。
ここまでほんの2,3分
*エンドビームと台車の加工
先にも書いたとおり、実物にはない大きな開口部のあるエンドビーム、
見ると、開口部の裏側の方が若干大きくなっています。
そこで、まずは1.0mmのプラ板を裏からあてがうように接着してみました。
これで、エンドビームの厚み分だけ引っ込んではいるものの、開口部を塞ぐことができます。
そしてそれをベースにして、表面側に0.5mmのプラ板を貼り重ねます。
但しそのまま密着させると、ちょっとだけ引っ込んでしまうことがわかったので、
心持ち浮かせた状態で瞬間接着剤を用いて固定しています。
隙間には、たっぷりと瞬間接着剤を流しておきました。
0.6mm厚のプラ板なら、ちょうどいいのでしょうが、手元になかったので。。。
左写真:裏側から貼った1.0mmプラ板と、表側から貼った0.5mmプラ板の様子
右写真:まだ継ぎ目を未修正ですけど・・・こんな雰囲気になります
台車は、例によってカプラーポケットのある部分をカットします。
台車とエンドビームとの間には結構余裕があるので、大雑把なカットでも大丈夫です。
ただ、この後新たにカプラーをエンドビーム側に固定するので、そのスペースは考えておく必要があります。
台車側の加工はこれだけですが、どうせここまで分解したら、
ギアまで全てバラし、内部を清掃しておくことをお奨めします。
意外なほどに糸くずや黒い汚れがあるので、びっくりすると思います。
カプラーポケットをカットした台車
*仮装着と確認
ここまでできた段階で一旦仮組みをします。
新たにできたエンドビームの下端に、KATOカプラー(アーノルトカプラーポケット使用タイプ)を、
ゴム系接着剤で仮接着してみました。
DD13の実物写真を見ると、エンドビームに小さな欠き取りがあって、そこに連結器が収まっています。
でも模型のカプラーの線路上の位置はスケールよりやや低めになっているので、
このままでもいいかもしれないのです。
って・・・おー!なかなかの雰囲気になるじゃないですか!
いつものようにこの段階で小躍り・・・眺めてしまって、しばし作業は中断しました。
しかし、しかし、仮組みの目的を果たさねばいけません。
カプラーの高さの確認と、曲線通過に対応するためのカプラー取り付け方法を考えるのです。
仮取り付けしたKATOカプラー
確認の相手に選んだのは、マイクロエースのDE10です。
KATOカプラーはアーノルトカプラーと同じ高さだし、このDE10は既に
KATOカプラー化
しています。
高さの確認だけなら相手は何でもよかったんですが、
このDE10はカプラーがエンドビームに固定され、首を振らないという特徴があるので、
DD13で同じことができないかどうかを見極めるために選びました。
さて、連結してみると・・・DD13のカプラーの方が、コンマ数ミリほど低くなることがわかりました。
エンドビームをそのくらいだけ欠き取ればよいでしょう。
ただ、カプラーの首を振らせるためには(台車マウントほどではないにしろ)、
ある程度の大きさに欠き取らなくてはなりません。
せっかく塞いだものをまた欠き取るなんて・・・・
そこで一考察。。。
DE10はカプラーが全く首を振らないのに、貨車を牽いて何事もなくR282を通過できます。
これは車端部の車輪とカプラー先端との距離(オーバーハング)が短いからこそ可能なのです。
比較してみると・・・DD13のオーバーハングはDE10よりも若干長いのですが、
そのぶんカプラー取付位置を台車側に寄せれば同じにすることができます。
また、これによって連結面間も狭くなって、一石二鳥となることがわかりました。
微妙なカプラー高の差に注意・・・っていうより、ボンネットの高さがこんなに違うとは!(笑)
*そしてPart2へ
なので結論は・・・・
KATOカプラーの柄がはまるくらいの幅で、0.5mmほどエンドビームを欠き取り、
KATOカプラーを接着固定する、ということにしました。
その前提で、塞いだ部分の継ぎ目修正をして、ジャンパー栓を設け、塗装をすることにしましょう。
すぐ近くに手すりの付け根部分の表現があって・・・継ぎ目修正が大変そうですけどね。。。
Part2
*ランボード部品の継ぎ目消しと塗装
さて、いよいよランボード部品を仕上げます。
まずはPart1で確認したカプラー高さを修正するため、
新たに取り付けたエンドビームに、KATOカプラーの柄がちょうどはまる大きさで、
0.5mmほどの窪みを付けました。
これで、計算上、カプラー高さはぴったりになるはずです。
窪みができたら、一旦カプラーを少量の瞬間接着剤で仮止めして、高さの確認をしておきます。
続いてエンドビームの仕上げ。
不自然な開口部をプラ板で塞いだのはよいのですが、
なにぶん、継ぎ目が手すりの根元にかなり接近しているため、仕上げには気を遣います。
そこで今回は割り箸の先端を削り、耐水ペーパーを瞬間接着剤で貼りつけた、
自家製のヤスリを用いました。
割り箸なら先端加工が簡単だし、握り部分も長く、安定しやすいからです。
平面を仕上げるためのもの、細かい部分を仕上げるためのものの2本を製作しました。、
継ぎ目に慎重に少量の瞬間接着剤を流した後、慎重に慎重に継ぎ目を消していきました。
この自家製ヤスリは、形状、大きさ、ペーパーの番数などを自由自在にできるし、
目が詰まったら交換も容易なので、工作がかなりはかどりました。
左写真:割り箸と耐水ペーパーで作った、自家製の仕上げ用ヤスリ。
右写真:大活躍のハンブロール
尚、継ぎ目は9割方消すことができたのですが・・・完全には消えませんでした。
しかし、まず全体にシールプライマーを筆塗りしてから、
その上に塗膜の厚いハンブロールの灰色を塗ったので、
塗り終わってみれば、継ぎ目は完全に消すことができていました。
(ランボード上の滑り止めパターンのモールドも、少し甘くなってしまいましたが・・・)
おっと、ランボード上にある箱の上面も、同じ灰色に塗っておかないといけません。
ここも無塗装で、プラの質感丸出しの部分ですから。。。
尚、ランボード部品の塗装に、シールプライマーは必須です。
これを塗っておかないと、塗料の食いつきが悪い素材なので、
せっかくきれいに仕上げても、あっという間に剥げてしまいます。
(そういう個体をよく見ます)
灰色がある程度乾いたら、いよいよランボード側面と手すりに、白を入れます。
塗るというよりも、置いていくような感覚で、はみ出さないよう慎重に。
擦ったらまだ完全に乾いていない灰色が溶け出してしまうし。。。
しかも白は下地の色が透けてしまいがちなので、2,3回塗り重ねました。
まぁ、どんなに気をつけていてもちょっとはみ出してしまいますが、
あまり気にしないのが私の性分です・・・(^-^;
さぁ、ここまでできたら、もうガマンができません。
いったん組み立てて、全体の様子を伺ってみました。
継ぎ目は全くわからなくなりました。
ランボードとエンドビームに灰色、ランボード側面と手すりに白が入ると、俄然格好よくなります!
「スバラシイ!」
いつものパターンですが、ここですっかり自己満足し、しばし眺めることになります。
ハンブロールは乾きが遅く、完全に乾くまでは数日(!)を要するので、
迂闊にさわると指紋がつくので・・・眺めるときも要注意ですが。。。(^-^;
で、このとき気づいたのは、エンドビームが塞がったという見た目の効果ももちろん大きいのですが、
ランボード側面と手すりの白、これはもっと効果的だということです。
この塗装で一気に、「これぞ国鉄形DL!」という雰囲気になるのです。
もしもエンドビーム加工をしなくとも、この塗装だけでもすることをお薦めします。
*細部への色入れと仕上げ
続いて、カプラーです。
先ほどエンドビームに作った0.5mmの窪みに、KATOカプラーを接着しました。
ここは簡単に、多めのゴム系接着剤で済ませました。
これで、実用上は全く問題がありません。
瞬間接着剤を使って曲がって付いてしまうより、多少の融通がきく、ゴム系接着剤の使用がおすすめです。
もちろん、接着するときは、接着面の塗料は剥いでおきます。
左写真:カプラー取り付けの様子を裏から
右写真:マイクロエースのDE10と。カプラー高さもバッチリです。
さらに、標識灯に赤、ラジエータとファン部に薄墨、窓サッシとヘッドライトのリングに銀、
床下タンクと台車に黒、そしてステップに黒と白を入れます。
標識灯の赤は、透明カラーの赤の方がよかったかもしれません。
艶消しの赤では、ちょっと玩具っぽい感じになってしまいました。
ラジエータとファンの薄墨は、模型店で買い求めた、極細の墨入れ用ペンを用いてみました。
塗料を薄く溶いて面相筆で流すよりも、簡単です。
ただ、広い面積ではムラが出やすいので、
乾いてからエナメルシンナーを含ませた綿棒で拭き、全体に馴染ませるようにしました。
床下の塗装は、そのうち軽くパステルウェザリングするのもいいかなと思い、
パステルの食いつきをよくさせるために行ったものです。
ステップ部は、マイクロエース製DE10の塗り分けを参考にしました。
実際のDD13がこうなっていたかどうかはわかりませんが、
ステップの全体は黒で、ステップの端だけに白が入った塗り分けが格好よかったので、採用したのです。
この部分に白を入れるのには・・・息を止めて集中して面相筆を当てる必要があり、
かなり苦労しましたけど。。。
ヘッドライトのリングは、ライトのレンズパーツを抜いて、円の内側に面相筆を入れるようにして塗りました。
しかし・・・残念なことに、周囲が灰色のため、銀色がまったく目立ちません。
これはやらなくともよいかも。。。
窓サッシの銀は、一番目立つ、真ん中の縦枠だけにしておきました。
*いったん完成!
以上で、KATO製DD13の加工は完成です。
エンドビームにジャンパー栓を付けたかったのですが、
銀河モデルのパーツが手に入らなかったので、まずは見送る事にしました。
もともと・・・エンドビームにほとんど何もないのが特徴のDD13ですから、これでも充分です。
KATOのDD13は、既にカタログ落ちしてしまい、この先リニューアルされるかどうかもわかりません。
なので・・・手持ちの旧い製品を活用するか、中古品を求めるしかないのですが、
さすがに最近の製品と比べれば、見劣りする部分があるのも事実です。
しかしその見劣りする部分に手を加え、このように改善してやれば、
もともと基本的なディテールは素晴らしいし、走行性もよい製品なので
(動力構造上、ギア磨耗などの状態の悪いものも多いため、注意は必要)、
他の新しい製品と混じっても、決して見た目でヒケをとらないようにすることができるのです。
製品では省略されている細かい部分の色入れだけでも、効果は抜群だと思います。
・・・ハンブロールの乾燥の遅さを考慮し、数日間はケースに入れず、
しっかりと乾燥させる必要がありますけどね(^-^;
未改造品との比較。どちらの写真とも、左が今回の改造車、右が製品のままの状態。
ここまで雰囲気を変える・・・というか、DD13らしい雰囲気を出すことが可能です。
*ジャンパー栓をつけて、ほんとの完成
いったん完成してから半月ほど経過した頃、模型店で銀河モデルのジャンパー栓を見つけました。
これで本当の完成にすることができます!
早速、エンドビームに取り付けることにしました。
取り付け位置は、実物写真を参考にしました。
ピンバイスを用いて0.5mmの穴を開けますが、この位置がカプラーにかなり近かったため、
カプラーを外して作業しています。
こういうとき、剥がすことができるゴム系接着剤は便利ですね。
穴が開いたらパーツを差込み、裏から瞬間接着剤で固定し、
シールプライマーを塗ってから、ハンブロールの濃灰色で塗装しました。
コックの部分は当初白にするつもりだったのですが、
実物写真を見るとホースも含めて全て黒っぽかったので、そのままにしています。
その結果、位置がカプラーに近いこともあって、ほとんど目立たなくなってしまいました。
あらためてコックを白くしておきましょうか。。。
カプラーすぐ横に付けたジャンパー栓