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TOMIXロコにKATOカプラーアダプターを装着その1


  1. その1 :箱型DLを電機にすると・・・
  2. その2 :スカートを作って屋根を仕上げる


その1 :箱型DLを電機にすると・・・
*プロローグ
ある日、いつもの中古模型ショップに行くと、ビニールにくるまれたジャンク車両が目にとまりました。
手にとって見ると・・・なんと!永大の「DD54タイプ」ではないですか!
車体の状態は(ビニールの上から見る限り)まぁまぁだったので、
格安価格につられて、購入してしまったのです。

帰宅後、ビニールから取り出し、ボディや走行状態を確認してみると・・・
・台車間の燃料タンク状パーツ(ボディ一体)が切り取られている
・両側のカプラーが欠損
・車体側面に少々色剥げあり
・走行は永大らしい騒々しさ、しかし滑らかで問題なし
という状態でした。
これは、お買い得品だったというべきでしょう。

ところが、この製品、私は既に1両持っています。
そちらの方が状態はいいので、そのまま保存することに決めていました。
なので、この新たな1両を、かねてから考えていた改造に使おうと考えたのです。

改造着手前(KATOカプラーアダプターは装着済み)

*電化計画!
かねてから考えていた改造とは・・・なんとこれを「電機」にしてしまう、というもの。
DD54って、日本型DLらしからぬ箱型デザインだし、EF66とのデザイン上の共通点も見られます。
しかも永大のDD54タイプは、同社のED75の動力にEF65の台車を流用したものなので、
DD54よりも腰高になっていて、ますます電機っぽいアレンジになっているため、
以前からパンタグラフが似合うだろうなぁと・・・ずっと思っていたのです。

*スカートの切断
それに先立ち、KATおカプラーアダプターの装着を試みました。
永大のカプラーは、カプラーの柄が復元バネの役割を果たす構造になっており、
KATOカプラーアダプターをはめ込めるような、垂直のピンがあるのです。
ここにKATOカプラーアダプターの短軸タイプをきゅっと入れることが可能です。
同社のキハ40系やキハ58系には、全てこの方法でKATOカプラーを装着していました。

なのでこのDD54タイプも・・・って、おやおや、スカートの開口部に干渉してしまうじゃないですか・・・
走行は可能ですが、このままだと、勾配を上ることは不可能でしょう(笑)

そこで!後でKATOの何かのASSYを改造して使うことにして、
スカートは切り取ってしまうことにしました。
何しろこの車両は、燃料タンクもスカートも、ボディ一体構造なんですからね・・・


スカートを切り取ったところを裏面から
スカートは後でどうにかします。台車間の隙間には、エアータンクを置きましょう

*屋根を「ツルン」とさせる
DLらしさを消す、まず第一の方法は、屋根上のファンをなくすことでしょう。
この車両にも、大きなファンが2つ、屋根上に表現されています。
これを削り取って「つるん」とした状態にして、モニターや高圧引込み線、パンタ、避雷器を設ければ、
もともと電機のようなデザインが、そのまま使えるはずです。

早速ボディの裏を見てみるると、ファンの部分ははそのまま削り取れるようです。
しかし、ファンと反対側の角ばった部分・・・ここは、屋根の裏側が凹んでいました。
なのでこの部分はピンバイスでたくさんの穴を開け、デザインナイフで切り抜いてしまいます。
そして出来た開口部はプラ板で塞ぎ、滑らかに整形する、という方法を用いました。
開口部とプラ板の隙間には充分に瞬間接着剤を充填し、
耐水ペーパーを用いて、ツルツルになるまで磨いておきました。


屋根を切り抜き、プラ板で塞いだところ。既にファンは削り取っています。

続いては、パンタの位置を決めます。
手元にあったKATOのPS22を使って、バランスを見ながら位置を決めました。
作例では、車端部から20mmくらいのところに装着用の穴を開けています。
これを仮に装着してみると・・・



いいじゃないですか!なんか、電機に見えてきませんか?
期待は一気に高まります。

*モニターとランボード
さて・・・この電機は、直流機にします。
交流機や交直流機は、屋根上の配線が大変で面倒だからです。
直流機なら屋根上は至ってシンプル・・・
ここには、EF65PFのジャンクボディから拝借したモニターを置きましょう。
モニターの長いほうを若干カットして、短いほうと一緒に置いてみると・・・これがピッタシ!
カットした面をプラ板で塞いで修正した後、瞬間接着剤を用いて屋根に固定しました。

続いては、屋根の端にランボードを設けます。
これは、モニター底面のカーブと屋根カーブが合っていないのを、隠す意味合いもあります。
1mm×0.75mmのStripStyreneを用いました。
屋根の勾配に貼り付けたため、ランボードが傾いてしまいますが・・・後でどうにかしましょう。
いや、このまま「気にしない」という方法もありますね。


モニターパーツはKATOのPFのジャンクボディがか拝借しました。

*とりあえず・・・
今回はここまでにしておきます。

この状態でも、ボディを動力に戻して走行させてみると・・・
なかなか「ユニークな電機」といった感じで、悪くないのです。
なのでしばらく眺めてしまい、工作が中断してしまった・・・というのが本当のところです。

まだボディは全くの手付かずですが、実物に有り得る構造にこだわって工作を困難にしたくはないし、
このままでも充分に電機らしい雰囲気を漂わせていると思うので、あまり手は加えない予定です。

それよりもむしろ、ちゃんと最後まで仕上げること、今回はここに注力してみようと思っています。
(つづく)


スカートがないと、「歯抜け」みたいですが・・・今後に期待できる風貌だと思いませんか?


その 2:スカートと屋根を仕上げる
こんな雰囲気になったんですよ!

*スカートの構想
この改造の一番のポイントは、スカートです。
もともとボディ一体成型だったスカートは、開口部が大きく欠き取られていたし、
カプラーと干渉してしまうし、ディテールが何も表現されていないため、
前回に切り取って廃棄してしまいました。
そこで・・・新たにスカートを新調する必要があるのです。

簡単なのは、最近のKATOの電機用ASSYパーツを利用すること。
これを、ボディ前端と動力ダイカストの間に 挟みこむ加工 をすればいいのです。
しかしたまたま、手持ちに手ごろなものがストックされていなかったため・・・
ジャンク箱を漁って、首振り構造のパーツを発見したのでした。

これ、何のスカートだか、実はよくわかっていません。
裾形状を見る限り、交流機のようで・・・しかもEF70とは違います。
とすると、動力リニューアル前のED75用でしょうか?
なんでこんなものを持っていたのでしょう???

まぁ、いずれにしても、これを使うことにしましょう。
スカートの目処が立ったので、まずは台車に付いていたカプラーポケットを、
ニッパーで切ってしまいました。

*スカートの加工
一番の難題は、これを「挟み込める構造にする」ことです。
以前EF70でやったように、 平らな上面に挟み込み部分を作る のは、結構手間がかかります。
そこで今回は、スカートの裏面を全て切削して、そこに挟み込み用のプラ板を貼ることにしました。
こうすれば、徹夜で仕上げるなどということはしなくて済みそうですから。。。

首振り構造のスカートの裏側には、カプラーポケットなどが一体で作りこまれているので、
これをデザインナイフやヤスリで全て削ってしまい、「スカートだけ」の状態にします。
これをボディにあてがってみると、幸いにも、裏にプラ板を貼ると、ちょうどいい位置関係になりそうでした。
そこで1.0mm×4.0mmのStripstyreneを瞬間接着剤で固定し、
ボディ前端と動力ダイカストの隙間にきつく挟み込めるまで、ヤスって厚みを調整しました。
厚みがほどよくなれば、きちんと挟み込めるようになります。
このスカートがこの前面にジャストフィット!!・・・」はい、いつものご満悦タイムになってしまったのです・・・

しかし続いては、カプラーの固定方法を考えなくてはいけません。
適当に真鍮線でも立ててカプラーを通せばいいジャンとか考えていたところ、
これも幸い、やはりジャンク箱に、おそらくEF60かEF65のものと思われるスノープロウがありました。
ATS車上子に交換した際の余剰品なのでしょう。
嬉しいことに、これにはカプラー固定用のピンがあるので、それがそのまま利用できるのです。

ただ、スノープロウの脚をスカートの裏側に直接貼り付けると、スカートが前面に出すぎてしまいます。
なのでまず、Stripstyrenの小片を貼り、それにスノープロウを貼り付けました。
これで位置関係もバッチリです。

スカートを切ってしまったときにはどうなることかと思いましたが、まぁ、どうにかなるもんですね。


ジャンク箱で見つけた「何か」のスカートを加工。
裏面の余分な箇所を全て切削し、挟み込む部分を接着して整形、
EF65用?のスノープロウを接着してカプラーを固定、さらにEF66用の開放テコを装着。

さらにここで、EF66用のカプラー開放テコを見つけたので、これも取り付けてみることにしました。
これは(ボディではなく)スカートに固定するタイプだし、青い樹脂でできているので、好都合です。

EF66は流線型の前面をしているので、開放テコもかなり大柄です。
OKIには「EF66用スカートを使うか、開放テコを小さなものにしたほうがいいんじゃない?」と言われましたが、
EF66用スカートは後退角が大きくて、このボディには合わなかったし、
KATOカプラーアダプターが大柄のため、むしろこの開放テコが似合う・・・という理由で、
このままにすることにしました。

*屋根上の小物を作る
次は屋根上の小物です。
避雷器、ホィッスル、信号炎管・・・いずれもKATOのASSYパーツを用いて、それらしい位置に取り付けました。
こういった演出を施すと、また一歩電機に近づいたって感じになります。
ただ、このときはまだ塗装前のため、穴を開けて差し込んでいるだけです。

続いて、ふと思い立って、ヒサシを作ることにしました。
EF66後期型の雰囲気を出そうと思ったのです。
前面窓上には水切り状の出っ張りがあったので、これをガイドにして、
1.5mm×0.25mmのStripstyreneを貼ってみました。
貼った後にヤスリで整形してみると・・・これもなかなかいいんじゃないでしょうか!

・・・でも、この薄さのプラ板は、強度が不安です。
ちょっとした不注意で、曲がってしまったり、取れてしまったり・・・
これからまだ加工は続くので、ヒサシを気にしながらの作業は精神衛生上も好ましくありません。
なので一旦仕上げまでしたのに、結局は取り外してしまいました。

まぁ、こういった試行錯誤も、行き当たりばったり工作では楽しいものです。
どのように仕上がるのか自分でもわからない・・・それが私の個性(?)でもありますからね。


KATOのASSYパーツから、避雷器、ホィッスル、信号炎管を取り付けます。
ご覧のとおりヒサシも付けてみましたが、強度が不安なので、やっぱりやめました。

*床下機器を作る
DD54には軸重軽減のための1軸トレーラー台車があり、個性となっています。
しかし永大のDD54タイプではこれが省略され、代わりに燃料タンクのような表現がありました。
しかもこれ・・・ちゃんとタンクになっておらず、側面だけが壁のようにそそり立っていました。
このジャンク品は、購入時に既にこの部分が切り取られていたので、
結果として動力台車間はスカスカの状態です。
なのでここに、電機の床下機器らしきものを設けることにしました。

ただ、(機器の多い)交流機に比べれば、直流機の床下はシンプルなものです。
EF65などはほとんど何もありませんし、ED61などはエアータンクがあるくらいです。
なのでこのフリー電機も、直流らしいシンプルさを追求し、エアータンク+αにすることにしました。

使用したのは、タミヤのφ2.0mmプラ丸棒と、1.0mm×4.0mmのStripstyreneです。
これを適当に並べて床下機器らしくし、床面にゴム系接着剤で固定しました。
丸棒2本はエアータンクだけど、直方体状のものは・・・何なのでしょうか?
まぁ、どうせフリーなんだから、いいでしょう。

塗装は、後でハンブロールの筆塗りをしようと思います。


床下機器はプラ丸棒とStripstyreneで製作し、床板に接着しています。

*窓ガラスの取り外し、屋根上モニターの加工・・・そして塗装
さて、ここで塗装工程に入りますが、難問がひとつ残っていました。
それは前面窓・・・これがなかなか取り外せないのです。
ボディ裏から見ると、前面窓ガラスはヘッド・テールライトパーツと一体で、裏からはめこんであります。
これを取り外すためには、窓が側面に回りこんでいる部分を内側に押し曲げ、
さらに前面から押して、かなり曲げた状態で取るしかないようです。

しかし・・・経年変化もあるのか、もともと固い永大の透明樹脂がさらに固くなっていて、
にっちもさっちもいきません。。。
仕方なく、取り外すのを諦めてマスキングテープを貼ろうかとも考えました。
しかしこれでは、窓ガラスとボディとの隙間に、元のオレンジ色が残ってしまうでしょう。

結局、折れてしまうのを覚悟で、無理矢理取り外してしまいました。
案の定、回り込んだ部分が折れたり、正面がちょっと曇ったり、
ライトレンズが折れたりしてしまいましたが、仕方ありません。
取り外したパーツは正面窓だけを切り出し、外側から入れられるように仕上げておきます。
また、折れてしまったライトのレンズは、銀河のパーツを使うことにします。

さらに塗装前に、もうひとつの加工をしています。
前回は下枠交差型のPS22を取り付けていましたが、デザインの
バランスがいまひとつだったので、手持ちにあったGMのPS16に変更することにしました。
このとき、屋根上モニターと大柄になったパンタが干渉してしまったのです。

なので、短い方のモニターを、楕円窓1個分短く加工します。
モニターは瞬間接着剤で固定していたため、ちょっとこじれば外すことが出来ました。
加工が終わったモニターを再度取付ける前に、屋根全体に0.3mmプラ板を貼り、
黒(屋根色)と青(ボディ色)の塗り分けを明確にできるようにしました。
そして、モニターの底面を屋根のカーブに合わせる修正もして、
今回はタミヤセメントで、しっかり密着固定しました。

屋根全体をプラ板で覆い、短くしたモニターを密着させました

また・・・幅が狭く、傾いていた両肩のランボード、これも修正しました。
できるだけ水平になるように削り、上に1.5mm×0.25mmのStripstyreneを貼っておいたのです。
これで、ランボードも実感的になりました。
職員が屋根から転落する事故も、防ぐことができるでしょう(笑)

塗装はまず、スカ色青を吹きます。GMのスプレーを用いました。
発色を考えたら、クリームが先かとも思いますが、
後のマスキングの手間を考慮すれば、青を先にした方が楽ですから。

ちなみに・・・前面の塗り分けをどうするかは、まだ決めていません。
出来る限り、ごく普通の直流機一般色にしたいのですが・・・
ヘッドライトケースが腰部にあるため、EF66のような感じになるかもしれませんね。

このまま青一色でも充分に見栄えがする姿になったため、進捗が遅れそうですけど。。。

実はこの段階になって、ナンバーを削り取ることを忘れていました・・・(^-^;
今はまだ、DD54という表記が浮き彫りになって残っています。
仕方ないので、前面はEF66のようにナンバーをケース(?)に入れた状態で隠し、
側面は・・・削り取ってで、点検蓋のようなものを貼り、削り痕を隠すことにしましょう。


左写真:窓ガラスパーツは切り出して前面から入るようにしています
右写真:短くなったモニター、幅が広くなったランボード、GM製PS16に交換したパンタ。
 ランボードも、らしくなったでしょ?ちなみにホィッスルは取り外しています。

*ところで・・・形式名は?
ナンバーの話が出たところで、形式名についてお話しておきましょう。
全体の雰囲気は、EF66の流線型をおとなしくし、D型にアレンジしたような感じです。
確かにDD54の面影が一番大きいのですが、電機だという先入観で見ると、EF66そっくりです。
国鉄の直流D型電機はED62までで終わっているので、66という番号は空いています。
なので、安直な感じもしますが、「ED66」という形式名にすることにしました。
一昔前、カツミが16番の入門用に用意していた、ショーティみたいな形式ですね(苦笑)

さあ次は、ナンバー周りと塗り分けにチャレンジすることにしましょう。

このままでも活躍できそうな完成度です

(つづく)







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