このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

TOMIXロコにKATOカプラーアダプターを装着




  1. MAXのキットを、今でも通用するように組み立てる
  2. 再度下地塗装、そしてオマケにもう1両
  3. とりあえずスロ53を完成

その1:MAXのキットを、今でも通用するように組み立てる
*思わぬものを入手
GMの前身MAXが、初めて客車キットを出したのは、1974年だったでしょうか。
当時は、「Nゲージは小さすぎるので工作は無理」などと言われていた時代です。
Nゲージにキットが出るという衝撃は、凄いものがあったのです。
また当時、市販の国鉄型客車は、関水のオハ31系と20系しかなかったので、
このキットは大歓迎されたのです。

中学生だった私とOKIも、早速板橋のMAXまで行って、1両ずつ買いました。
私が最初に買ったのは、ナハ10だったような気がします。
キットの出来は、今に比べればヒドイもので、パーツの平面性は悪く、合いも悪く、
しかもパーツは反っていました。。。
そのような状態で、ロクな工作をしたこともない子供に、ちゃんと作れるはずがありません。
屋根はそっくり返り、パーツの接合部には隙間ができ、接着剤ははみ出し、
ひどいものが出来てしまったのです。

そんなMAXキットの嫌な思い出を持ち続けたまま、35年近くが経過した2008年、
いつもの中古模型ショップで、そのMAXのキットが数種、売られていたのです。
未開封ですが中古品なので当時の定価(500円)よりも安いのです。
こりゃー、懐かしい!ってことで、スロ53を選び、
当時の出来のままのキットを今、組んでみることにしました。
このスロ53は、今でもGMのキットとして、基本的に同じ金型で売られているはずなので、
GMのスロ53にも共通の工夫があるかもしれません。


懐かしいMAXの客車キットとその中身。ウェイト固定用ネジ、幌、窓ガラス板も入っています

*意外としっかりした・・・でも時代を感じるキット
実はスロ53は、MAXの第一弾で出たものではなく、第二弾でした。
そのためなのか、パーツの合いは意外とよく、最近のGMの切妻客車キットにたまに見られる、
「側板が裏表でずれている」・・・なんてこともありませんでした。
当時の嫌な思い出に対するリベンジをしてやる!という意気込みで作り始めたのに、
意外なほどすんなりと組めたボディに、ちょっと拍子抜けしてしまったのです。

もちろん、現代の水準からすれば、物足りない部分はあります。
たとえば屋根板は、車端部付近でやや波打っています。
また、妻板よりも屋根の方がやや低かったのです。
そこで、屋根板は溶きパテを盛って修正します。
妻板と屋根との接合部は、屋根に合わせて妻板を削りました。

また、床下機器はウェイトを兼ねたダイカストで、くり貫かれた床板にネジで留めます。
この表現がかなり玩具的なのも、時代を感じるところです。
ただ、ここはMAXのキットの証ですから、このまま組むことにしましょう。

側面の車番表記が立体モールドなのも、さすがに今はいただけません。
これはノミと耐水ペーパーで削り、平らにしておきましょう。


左写真:意外と簡単に組めたボディと床板。
右写真:床下構造は独特です・・・MAXの刻印が格好いい。

*窓のバランスを考える
この、MAX時代から延々と続くGMの切妻型客車、なんか窓位置がおかしいと思いませんか?
KATO製品に比べると、側窓の位置が低く見えるのです。
このキットも、組んでみると・・・やっぱり窓が低く見える。。。

実際に低いのでしょうか?
KATOのスロ62、マニ60、スハ43といった切妻型客車と、雨樋、ウィンドウヘッダー、
ウィンドウシル、車体裾の関係を比較してみました。

その結果・・・いくつかわかったことがあります。

・屋根の厚みはMAXの方がある。
・雨樋表現はKATOが立体的な(斜めの部分がある)のに対し、MAXは平板。
 斜めの部分を足した寸法は、KATOの方が幅が広くなる。(0.25mmほどの違い)
・雨樋の上辺を同じ位置にすると、ウィンドウヘッダーの位置は同じ。
 しかし、雨樋が狭いぶん、雨樋とヘッダーの間は、MAXの方が広い。(0.25mmほどの違い)
・シルとヘッダーの幅は、MAXもKATOも同じ。
・窓の上下寸法も両者変わらず。
・ウィンドウシルと車体裾の寸法は、KATOよりもMAXの方が狭い。(0.25mmほどの違い)
・但し、KATOも形式によって、多少の違いが有る。

つまり・・・まとめるとこいういことです。

両者の雨樋の上辺を合わせると、両者の窓位置は同じになりますが、
MAXの方が窓上部分が0.25mmほど広く、窓下部分が0.25mmほど狭くなります。
このとき、屋根高さはMAXの方が高く、裾位置もMAXの方が高くなっています。
線路上の窓高さは同じでも、屋根の厚みと裾位置の差があるので、
MAXの方が車体に対する窓位置は下がっているのです。
窓上寸法と窓下寸法との比率が、KATOとMAXでは異なっていたのです。

この状態で両者の屋根高さを合わせると、窓上寸法と窓下寸法との比率は変化しないので、
MAXは側板全体が下がって、窓位置もそのぶん下がってしまうことになります。

つまり・・・もともと高いMAXの車高を下げれば、窓位置の差が余計に目立ってしまうのです。
これが原因です。

*窓位置を修正する
そこで、車高を下げてKATO製品の編成に組み込んでも、違和感がなくなるよう、
窓位置を修正してみることにしました。
正確を期するならば雨樋を削って窓上寸法も短くしたいところですが、
今回はもう屋根板を貼り付けてしまった後だったので、
車体裾に0.25mm×1.0mmのStripStyreneを貼り付け、窓下だけを延長してみました。
これで、車体裾をKATO製品に合わせたとき、窓の位置も揃います。
屋根全体を耐水ペーパーで削って少し低くしました。
雨樋の位置がKATOよりも少し高いのですが、窓下を延長したおかげで、
上下のバランスは改善することができたようです。


左写真:車体裾にStripStyreneを貼り、0.25mmぶん延長しました
右写真:このキットの特徴・・・立体的な車番表記は、削り落とします。

*屋根上と妻面の加工
屋根は先に書いたように、屋高さを少し減らします。
耐水ペーパーの上で水平にスライドさせてやや下げると同時に、
大袈裟なキャンバス表現(ボツボツ)もなくしておきます。
妻面との接合部も、滑らかになるように仕上げました。

ガラベンは、KATOのスハ43系用ASSYを使いました。
MAXキット付属のものは、何のディテールもないし背が高すぎるので。。。
床下機器はそのままなのにガラベンを変えた理由は、
やっぱり模型は上から眺める機会が多いからです。
他社の製品に混じったときに、違和感を感じたくありませんからね。

妻面は、屋根に合わせて削ったたね、屋根布押さえが細くなってしまいました。
そこで・・・0.25mm×0.5mmのStripStyreneを貼り付けて、太くしています。
0.25mmの細い面を、残った屋根布押さえモールドに合わせて貼り付けるという、
かなり微細な工作になりましたが、あらかじめ曲げ癖をつけておき、
サラサラタイプのタミヤセメントを面相筆で流し・・・なんとかできたようです。

また、 オハ35張り上げ屋根車の製作 でも好結果だった、
自製の幌吊りをこのスロ53でも再現するべく、
キットのモールドを削り取って、取り付けのための穴を開けておきました。


左写真:綺麗に整えた後、KATOのガラベンを貼った屋根
右写真:屋根布押さえを太く直し、幌吊りを削った妻面

*床板の加工
このキットの床板は中央に大きな長方形の穴が開いており、
そこにダイカスト製の床下機器兼ウェイトをはめ込んでネジ留めするという、独特なものです。
この構造には、ウェイトの両側の床板はかなり細く、強度がないし、
ネジ2本で床下とウェイトを固定しているため、水平になりづらい・・・という問題があります。
そこで、1.5mm角のStripStyreneを、床板の全周にわたって貼り付けました。
これが床の細い部分の補強となるし、床板の水平を出しやすくできます。
また、側面裏に接する面積も増えるので、摩擦による床固定がしやすくなる効果もあります。


床板補強のための1.5mm角材を全周にわたって貼り付け

続いては・・・側面裏にある床板固定用リブを加工します。
床板に1.5mmの補強材を貼ったぶんと、車高を下げるぶん、上につけなくてはなりません。
もともとキットでは、床板の線路側の面と車体裾がツライチになっていて、
これが・・・今のGMに続く「腰高」の要因となっています。
だいたい0.5mm〜1mmほど車高を下げると、ちょうどいい感じになります。

今回、KATO製品と裾位置を同じにするために私が出した位置は・・・裾から3.5mmでした。
0.25mmだけ延長した裾からの位置なので、キットそのままよりも0.75mm下がることになります。
固定用リブがすいぶん上の方になるので、窓ガラス貼り付けの邪魔になりそうです。
なので少しでも細い方がいいだろうと思い、1mm角にしておきました。

床板固定用のリブは裾から3.5mmです

*ボディの下地塗装
ここまでできたところで、タミヤのサーフェサースプレーを吹いてみました。
これなら、面の乱れや傷を発見できるし、同時に細かい傷や凹みは埋めてくれます。
しかし、側面裾延長部分の継ぎ目を消すために磨いているうち、
そこのサーフェサーはほとんど落ちてしまいました。
面がきれいになったら、あらためてサーフェサーを薄く吹いてあげることにしましょう。

サーフェサーを吹いた後、裾の継ぎ目消し

その2:再度下地塗装、そしてオマケにもう1両
*幌吊りを付けて、さぁ、下地ができた・・・と思ったら
さて・・・少し時間が開いてしまいましたが、製作は続けています。

まず、妻板に幌吊りを作りました。
張り上げ屋根オハ35の製作 のときに考えた方法です。
外径0.6mm、内径0.4mmの極細真鍮パイプ(エコーモデル製)に、0.3mm燐青銅線を通したものです。
これを元のモールドがあった位置に穴を開けて差込み、瞬間接着剤で固定しました。
この幌吊りは、我ながらうまい方法を思いついたもんだと思っています。
手間はかかりますが、既製品もこの方法で細密化してみたいものです。

自慢の(?)自作幌吊り

そして・・・側面裾の継ぎ目も充分に消えたと判断し、
ウィンドシルより上をマスキングして、サーフェサースプレーを吹いてみました。
ところが・・・・うーむ、まだダメでした。
うっすらと延長した裾部分に継ぎ目が残っている箇所がある・・・
ということで、再々度継ぎ目部分に溶きパテを流しました。
乾燥を待って、また磨かなくてはなりません。。。

側面を全長にわたって裾延長するというのは、やっぱり大変ですね。
きれいにまっすぐ貼ったつもりでも、StripStyreneが微妙に曲がっていて、
特に、オリジナルの裾よりも引っ込んだ位置に固まってしまうと、スジが消えにくい。。。
耐水ペーパーで根気よく撫で、誤魔化していくしかないようです。
裾部分にこのようなスジが・・・

*気分転換にもう1両・・・
スロ53の溶きパテの乾燥を待つ間、気分転換にもう1両の製作に入りました。
スロ53と同じ時期に同じ店で同様に入手した、MAXのスハニ61キットです。

スハニ61は、MAXの客車キットの第一陣のうちのひとつでした。
スロ53にあったMAXの初期キットならではの難点に加え
第二陣のスロ53では「改善」されたであろうさらなる難点が、このキットにはあります。

①屋根接着のガイド(雨樋内側の段差)がほとんどないため、側板との接着位置が決めにくい
②妻板やドアの成型が薄く、かなりヨレている
③車番以外にも「車掌」「荷物」という文字まで浮き彫りになっている
④床板固定ネジが同梱されてない



①は仕方ないので、側板の上端(雨樋上端)を、完全に水平に削りました。
ガイドがないので、雨樋が屋根から均等に「はみ出す」ように気をつけながら、
屋根を接着する必要がありました。


側板上端がまっ平らなので、側板と屋根板の接着には苦労します。

②は、側面ドア部分と妻板は薄く、平面であるべきところが・・・痩せて凹んでいます。
ほとんど同じ型を使用しているはずの最近のGMキットはしっかりと平面が出ているので、
当時の茶色い樹脂の材質が影響しているのかもしれません。
パテで凹みを直すこともできなくはないですが・・・かなり面倒なので、このままにします。
でも、客用ドアだけは交換することにしました(後述)

③これは平刀とヤスリで削り落とすしかありません。
当時はインレタがなかったので、ご親切に浮き彫りにしてくれていたんですが、
今となっては邪魔なだけなんですよねぇ。

④は、説明書には「接着してください」と書いてありました。
第一陣キットにはネジは入っていなかったということでしょう。
仕方ないので我がジャンク箱を漁り、
KATO・・・というより関水の、103系旧動力のネジを発見、使いました。


左写真:①に「接着してください」と書いてあります!
右写真:関水の旧モハ103用動力のネジで固定。きつくねじ込んだら、床板が白くなっちゃった(笑)

*ボディを組んだ
上記のような難点はあったものの、ボディは形になりました。
側板、妻板、屋根の合いは意外とよく、時代を感じさせません。
中学生当時にまともに組めなかったのは、
屋根のガイドがないことや、各パーツの反り、不十分なバリ修正のせいだったんでしょう。

ここでもスロ53との違いを発見。
妻板を正規の位置に貼ったとき、キャンバス押さえがちゃんと「残った」のです。
本来あるべき幅ではありませんが、明らかにスロ53よりも残りました。
同じような妻板なのに、設計が違うのでしょう。
しかし幅が狭くなってしまったことに変わりはないので、
こちらには市販パーツを使用してみることにします。

やっぱりキャンバス押さえが狭くなりました

続いて・・・スロ53同様に、裾を0.25mm延長します。
同じく、StripStyreneの0.25mm×1.0mmを貼りました。
これをしないとKATOの客車と窓高さが合わず、側面の印象が全く異なってしまうため
(詳細はその1に書いたとおり)、
今のGMキットでも、KATO製客車と混成させる場合には、必要な改造でしょう。
・・・継ぎ目修正はかなり面倒ですけどね。

さらに、側板内側の床板固定用リブも削りました。
言うまでもなく、実感的な車高にするために、MAX(→GM)のキットでは、必須の加工です。

*客用ドアを交換・・・TOMIXオハ61系のドアを活用
もう既にネタはバレバレだと思いますが・・・
モールドがヤレヤレな(笑)このスハニ61のドアを、どうにかしたいなぁと考えた私は、
2008年の年末に発売された、TOMIXのオハ61系に着目しました。
この製品は客用ドアをオプションパーツに交換できるようになっていて、
私も何両か交換してみたので、余剰となったオリジナルのプレスドアを、このキットに活用したのです。


拡大すると、ドア部分のプアさが際立ちますね。この2枚は交換しなかったドア。
(荷物、車掌の文字は削り途中)

細工は説明するほどのこともないほど、簡単です。
キットのドアをくり貫いて、代わりにTOMIXのドアをはめ込み、タミヤセメントで固定しただけです。
ドア部分にピンバイスでたくさんの穴を開け、デザインナイフで穴同士を繋いでいくと、
簡単にくり貫くことができます。
くり貫いた後は、細密ヤスリとデザインナイフで整形し、
TOMIXのドアがきちんとはまるようにしました。

さすがに・・・35年の時を越えた最新のドアはとてもシャープで、
MAXのキットを少しだけ(この部分だけ?)グレードアップしてくれました。
但し、反対エンドのドアや荷物用ドアは、手元に手ごろなものがなかったので、そのままです。
これらもヨレヨレなので、どこかのパーツがあれば、ここも交換したいところです。

尚、第二陣スロ53の客用ドアは、モールドが改善されていて、
TOMIXのドアと比較しても見た目は大差なかったので、交換しませんでした。

TOMIX製ドアをはめこみ。ここだけが妙にシャープ!(笑)

*進捗が遅い・・・
今回はここまでです。
実は今、同時進行の工作がいくつもあり、移り気な私はあっちをやったりこっちをやったり・・・
その上、ちょっと手こずると、急にやる気をなくしたり・・・
なので進捗はきわめて遅いですが、少しずつ着実に進めては、います。
この2両は同時進行で行きたいので、どちらの面だしも完璧になった状態で
、塗装と仕上げに入るつもりです。
・・・いつになるかはわかりませんが。

その3:とりあえずスロ53を完成
*スロ53を再開、塗装からやりなおし
長らく放置していたMAX客車、久しぶりにいじり始めました。
スロ53はボディ塗装まで進んでいたものの、塗装が乾く前に傷をつけてしまい・・・
それでメゲてしまったことが、放置のきっかけだったのです。
ところが、模型仲間の運転会のお題が「非電化」と決まったため、
この際、スロ53も直そうという気になったのです。

ボディ側面に2mm四方でついた傷は、1000番の耐水ペーパーで慎重に水砥ぎをしました。
これで傷の段差をなくした後、全体にもう一度ぶどう色2号を吹いて、調子を整えました。
しかも今回は少したっぷり目に吹いて、艶を強くしてみました。
KATOの客車に混じっても違和感があにように、という計算です。

これで完璧、修正痕は全くわかりません。
続いてボディをマスキングして、屋根をタミヤのジャーマングレーに塗りました。
屋根の色はそのときの気分で決めていますが、旧型客車はもう少し暗い色でもいいでしょう。

運転会に持参したときには、工作時間がなく、ここまででしたが・・・

*苦行のサッシ塗り
その後、まずサッシ塗りに挑戦しました。
近代化改装でアルミサッシ化されたものの、まだぶどう色2号だった時代です。
いつもながらサッシ塗りは苦行ですね。
面相筆を使い、息を殺してエナメル塗料を塗っていくのですが・・・
どうしてもはみ出しができてしまいます。
しかもこういう濃い車体色は、はみ出しが目立ってしまうのです。
工作途中で放置してしまったのは、このサッシ塗りが嫌だという理由もありました。
今回も慎重にやったのですが・・・やっぱりはみ出してしまいました。
そこで、はみ出した部分をぶどう色2号の筆塗りで誤魔化す、という手間もかけました。
それでも完璧にはできないのですが、それが自分の実力ですから、仕方ないところでしょう。


修正した塗装は綺麗になりました。苦労したサッシ塗りは・・・もうひと頑張りしなきゃ

ところで、ここまで来ると、スロ53の雰囲気はバッチリになってきますね。
裾を0.25mm延長し、屋根を少し薄くし、車高にも気を遣った効果は抜群でした。
KATOのスハ43系、オハ35系などと混結しても、違和感はないのです。
艶を多めに塗り直したのも、効果があったようです。

*室内を作る
MAX時代の客車キットは、オプションで標識灯を点灯させることができました。
室内に置いた米粒球から透明プラで導光しますが、
台車からの集電に難があり・・・しっかり集電しようとすると車輪が回転せず、
走行性を重視すると点灯しない・・・そんな製品だった記憶があります。

それはさておき、ウェイト兼用の床下機器の室内側には、
米粒球を固定するための突起があります。
組立て途中までは、この突起もMAXらしさのひとつだと思い、
そのまま残そうと思っていたのですが。。。
やはり他の車輌と編成を組んだときに、窓越しに見える室内に違和感を感じました。

そこで・・・ダイカストの突起は全て切り取って平らにしてしまい、
簡単な室内表現をすることに変更しました。

ダイカスト突起は糸鋸で半分ほど切り込みを入れてから、ヤットコでもぎ取りました。
もぎ取った痕は、ヤスリで平らに整形します。
また、床板にダイカストを固定しているネジも邪魔になるので、取り外してしまいました。
瞬間接着剤をたっぷり使用して固着してあるので、なくとも大丈夫でしょう。
次に0.5mmプラ板を全面に貼り、室内の床を平らにしました。
かなり床面高さがありますが、まぁいいでしょう。
この上に、キングスホビーの二等客車用座席パーツを、窓ピッチにあわせて並べました。

車内とデッキとの仕切りも、適当なプラ板で簡単に作ります。
オハ35のとき はトイレの仕切りや貫通扉まで再現したのですが、
ほとんど見えないということもわかったので、今回は省略しています。
室内塗装も簡単に済ませました。
実物とは異なりますが、西武のベージュ一色にしました。

この程度の工作でも、走行中でも外から座席がちらちら見えて、いい感じになります。
座席パーツは正解だったようです。


座席を一個ずつ並べるのは面倒でした。まぁ、自己満足の世界ですね。。。

*仕上げ
①貫通幌と床下
貫通幌はタミヤのマットブラックで塗りました。
この時代の幌はスチロール製なので、塗料は乗るし接着もしやすいのがいいですね。
また、自慢の自作幌吊りがいい感じです。
但しこの時点ではまだ接着はしません。

床下も同じく艶消し黒です。
但しMAXの床下機器は甘いダイカストなので、塗装する前にバリを削り、
機器のエッジを出来る限りシャープにしておきました。
こうして黒く塗ると目立たなくなるので、さほど違和感はないものですね。
プラ製の床下も、それほど精密というわけでもないですしね。

ダイカストの床下も、黒くなるとそれなりです。

②グリーン帯とナンバー
続いて側面窓下には、グリーン帯を入れます。
最初はTOMIXキロ28の余剰の帯を貼ろうとしたのですが・・・
車体長一杯もの長さがあるインレタは、ただでさえ真っ直ぐに貼るのが難しいのに、
ウィンドウシルが邪魔をしているので、綺麗にできませんでした。。。
なにぶん余剰を使ったので、失敗したらもう、予備はありません。

そこで・・・塗装で表現することにしました。

先にグリーン帯色で全体を塗ってから、
帯をマスキングしてぶどう色を吹いた方がラクなのですけどね。。。
ウィンドウシルの真下に1mm幅のマスキングテープを貼り、
その上下に密着させながら通常のマスキングテープも貼ります。
そして、1mm幅のマスキングテープを剥がし、そこに帯色を吹き付ける・・・
という、方法を試してみました。
結果は、とてもうまくできました♪
尚、グリーン帯には、京阪のライトグリーンを使用しています。

ナンバーは、レボリューションファクトリーにずばりのインレタがあったので、
それを使用しました。
大きすぎず、書体の感じもよい、実感的なインレタでした。
番号にこだわりはないので、適当なものを選んであります。


1mm幅でグリーン帯を塗装しました。ナンバーも貼って、外観は完成。

③総仕上げ
この後、屋根をマスキングしてボディに半艶クリアを多めに吹きました。
繰り返しますが、今回は市販の客車との連結時に違和感のないことを目指したので、
艶は多めにしてります。
最後に幌を接着して・・・ボディは完成となりました。

窓ガラスは、キット付属の塩ビ板をゴム系接着剤で接着しました。
ところが、トイレ窓部分を曇りガラス化するのを忘れてしまったので・・・
後から、裏に白いプラ板を貼り重ねて誤魔化してあります。

*スロ53完成!
下地塗装が済んですぐに塗装をしたものの、表面に傷をつけてしまうという失態を演じ・・・
その後数ヶ月放置してしまtったスロ53でしたが・・・
なんとか完成までこぎつけられてよかったです。

サッシ塗りはもう一歩、改善したいところです。
烏口の使用とか、マスキングして塗り分けるなど、他の方法も試してみましょうかね。
でも、編成に入れて遠めに見たら全く気になりません。
35年近くも前(自分が中学生の頃です!)のキットが、
今こうして・・・そこそこ満足できるレベルで完成したことに、大いなる満足を得られたのでした。

おっと・・・ここで終わってしまってはいけませんね、スハニ61の方も仕上げなきゃ。




(つづく)







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