このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ローカル駅セクション

憧れの583系。。。



*久しぶりに取り出したDF50
TOMIXのDF50は、1970年代から改良を重ねて販売が続いている長寿製品。
私の持っている標準色の2両は2000年を過ぎてから、中古で購入したものですが、
茶色の2両は、発売と同時に購入したので、もう四半世紀も前に買ったことになります。
しかし最近では・・・所有車両も増えたこともあってか、なんとなく忘れられた車両となっていました。

そんなDF50を久しぶりに注目することになったきっかけは、2006年のKATOの製品化です。
KATO渾身の力作を手に入れたら、古豪TOMIX製品と比べてみたくなるというもの。
するとTOMIX製品も、決してベーシックな部分の出来は悪くないということを再認識するとともに、
KATOが発売したメークアップパーツをTOMIX製品にも使用できるのでは?
部分的に手を加えれば、TOMIX製品の魅力をUPすることができるのでは?
・・・と思うようになったのでした。


TOMIX製DF50後期製品。スカートがボディと別パーツとなっている他は、初期ロットと大差ありません。
本来、茶色塗装には長い煙道の方が似合うはずです。。。

*メークアップパーツの何を使うか
まずはKATOのメークアップパーツを早々に手に入れ、TOMIX製品に活用できそうなものを確認しました。
側面フィルタの交換には物凄い手間がかかるし、
床下機器は、既にTOMIX製品についているものと同じだったし、
スノープロウも(台車とスカートの構造が異なるので)、簡単には取り付けられません。

そこで・・・登場時に採用されていたという、長い煙道を茶色機に装着してみることにしました。
もともとTOMIX機でも煙道は別パーツになっているので、交換は容易だろう、と読んだのです。



*煙道の交換
TOMIXのDF50後期製品は、ボディを膨らませると動力とボディを簡単に分解できます。
茶色機の発売当初はスカートとボディが一体構造でしたが、同様に分解できます。
外したボディを裏返してみると、煙道パーツは簡単な「はめ込み」構造でした。
これを取り外します。
尚、もし標準色の初期製品を使う場合には、 スプリングウォーム機のメンテナンス に書いたように、
屋根パーツをスライドして外し、現れたネジを外して分解します。

煙道を外したあとの四角い穴を確認すると、KATOのパーツにはちょっと大きすぎるようです。
なので、この穴はプラ板で塞いでしまいました。
パーツ側のはめ込み用取り付け足は折り取って平らに整形し、屋根に接着することにします。
メークアップパーツの煙道は、KATO製品へ取り付ける際にもピンバイスでの穴あけが必要なので、
TOMIX機の屋根にも同様の穴を開け、裏から瞬間接着剤を流して固定することにしました。

屋根の凹凸と煙道パーツの下面は少し干渉したので、現物合わせで仕上げ、
煙道を固定したときに、横から見て水平になるように仕上げました。


煙道を外すと現れた大きな四角い穴は、1.2mmプラ板で塞ぎます。煙道取り付け用の穴にも注意。

*塗装して質感を向上する
当初は煙道交換のみを行い、無塗装で済ませようと思っていたのですが、
白いプラ板を使用したため、そうもいきません。
しかも取り付けてみると、TOMIX屋根とKATOパーツとの色合い差も気になったので、
屋根全体を艶消し黒スプレーで塗装することにしました。
製品の屋根は完全な黒ではなく、グレーがかった無塗装パーツだったので、
こうすれば質感の向上も期待できます。
都合の良いことに、屋根部分は簡単に取り外せるのでマスキングの必要もありません。

煙道を交換し、屋根を黒く塗装したところ

その結果は!・・・実に落ち着いた感じで、しかもシャキッとした感じになりました。
交換した煙道パーツも屋根に見事に調和し、全く違和感がありません。
屋根の色が真っ黒くなるだけでも見違えるほど効果があるので、
改造とは関係なく、塗装はするべきかもしれませんね。

ただ、ひとつ・・・難点もありました。
TOMIX機の屋根はモニター窓も一体になっていて、
屋根とガラスの質感の違いがうまく表現されていたのです。
せっかくの「艶々」の窓ガラス部分もスプレーで艶消し黒になってしまうのが、ちょっと残念です。
しかし実物のモニター窓は汚れていて、屋根と区別がつかないことも多いので、
納得することにしました。

*そのほかは塗装で

結局、ここまででメークアップパーツを利用したのは煙道だけです。
他のパーツは折を見て、バラエティをつけるために使用することにしましょう。
でもせっかく分解し、屋根塗装までしたので、もうちょっと・・・塗装でいじってみました。

①屋根上ファン:
KATO製品と同じように、ファンカバーの真ん中部分を銀色にしてみました。
エナメル塗料のクロームシルバーを面相筆で塗っただけですが、
黒1色の屋根では、とてもいいアクセントになります。

②正面窓Hゴム:
面相筆を使って、灰色を色差ししてみました。
筆に含んだエナメル塗料が生乾きに近い状態で、筆の腹を使ってすすっと塗れば、結構うまくできます。
ポイントはかなり濃いめの塗料にすることです。
薄めの塗料では、思わぬところに流れてしまって失敗します。
まぁ、どんなに気を遣ってもはみ出てしまいますが、そこは後で拭き取ればいいのです。
爪楊枝の先端に綿がついた、色差し専用の綿棒(模型店で市販されている品)で拭き取って仕上げました。
茶色と黒の車体なので、このHゴムのグレーは結構目立ち、顔が一気に引き締まります。
ちょっとコツはいりますが、これはやっておいたほうがよいでしょう。
しかし・・・正面がうまくいって有頂天になったせいか・・・運転室側面に入れるのを忘れてしまいました(^-^;

それから、KATO製品のように、屋根上のモニター窓のHゴムにも色入れをしたいところです。
しかしここは数が多く、綺麗に仕上げるのは骨が折れるため、今回は見送っています。
屋根パーツがグレーの樹脂だったら、 削り出して表現 できるんですけどね。。。
いずれ何らかの方法で実現したい部分です。

③軽いウェザリング:
粘度の高いウェザリング用パステルを新たに購入したので、
今回、これのテストを兼ねて、使用してみました。
屋根周りにはススっぽさを出すために黒、下回りには錆色を使いました。
屋根の黒い部分に黒を塗っても全くわかりませんが、運転席真上の茶色い部分には効果的です。
付属のスポンジを用いて塗りこんでいくと、
まるでクレヨンのように付着し、結構豊かな表情を作ることができました。
しかも、失敗したら拭き取れるのが、パステルのよいところ。
これは結構使えるかもしれません。

プラの質感丸出しのスカートは、薄く溶いた艶消し黒のエナメル塗料を表面に塗った後、
拭き取っています。
これにより艶を抑えて、プラらしさを消せるとともに、
ジャンパー栓などのディテールを浮き上がらせることができます。

④運転室内を黒塗装:
TOMIXのDF50後期製品は、スカートと一体の遮光パーツで運転室部分が覆われています。
前面窓から薄い灰色プラが見えるのは、なんとも非実感的。。。
運転台がシースルータイプであれば、コクピット色(灰緑)を塗るところですが、
それもまた非実感的になってしまうので、窓から見える部分を艶消し黒に塗装してみました。
結果は、運転台部分が落ち着き、随分と表情が引き締まります。


左:無加工の初期ロット(奥)と。
煙道変更、屋根の塗装、ファン中央の銀、運転席内の黒塗装だけで、これだけ雰囲気が変えられます。
右:KATO製品(標準色)と。
やはり屋根上モニター部分のHゴムが塗り分けられていると、いい感じですね。
TOMIX機でも実現したいものです。

*これからもDF50
実車が引退して、もう20年にもなるというのに、
マイクロエース、KATOと製品化が相次ぎ、Nゲージの世界では今になって加熱しているDF50。
実車が現役だった頃からの・・・旧い製品であるTOMIXも、今回あらためて見直しました。
旧い製品には旧い製品の良さがある、をモットーに、
手を入れる部分には手を入れて、まだまだ活躍させていきたいと思います。






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