このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


長崎電気軌道(株)


1.概要

石橋付近の単線区間

 最近、各地でワンコインバスや電車が走り出したが、ここ長崎の路面電車は随分前から100円のままである。調べてみると1984年からというから今年で20年になる。ずっと値上げをしていないということは、経営状態が良い事を示しており、広島電鉄と並んで路面電車界の優等生に上げられる。広島、長崎という被爆都市という共通点だけではなく、両都市では、他の都市の路面電車の廃止が進んでいた時代から、軌道敷への車両乗り入れ禁止を行い電車優先の街作りを行っていた。また、どちらも民営であることは偶然の一致ではないと考える。
 長崎の路面電車は、市内観光に非常に便利な足で、私も中学の修学旅行のときも利用した記憶がある。また、市内中心部の繁華街の側も走っており市民の足として定着している。長崎の町は坂の多い町なので、自転車は利用しにくく、これも電車にとって有利な条件となっている。

2.路線概要

路線図

 ほとんどの路線は併用軌道であるが、岩屋橋から浜口町の間は専用軌道となっており、浜口町と松山町の間で長崎西洋館というビルの中を走りぬける。
大浦海岸通から石橋の間は、単線で道路と川に挟まれたところを走っており事実上専用軌道状態である。
賑橋から築町にかけては比較的狭い道を走り、車両は軌道敷に入れないが信号待ちなども多く運転速度は低下している。

3.車両

201形
201形 扉が前後にあるタイプの車両(浦上車庫前にて)
202形
202形 200番台の車は奇数と偶数で別形式、メーカーによって分けられている(浦上車庫前にて)
211形
211形 202形の増備車(諏訪神社前にて)
300形
300形 211形の増備車、登場時は外見に差があったようだが長い年月の間に200番台の車両とは一見差が無くなった(浦上車庫前にて)
360形
360形 この車両から扉が前中に変わった(石橋にて)
370形
370形 360形の増備車、よくみると尾灯が違っている(諏訪神社前にて)
500形
500形 大阪市電の機器を流用して車体を新造した車両(西浜町にて)
2000形
2000形 元祖軽快電車。広電3500形と同時に造られた、当時の最先端技術を満載した完全新車。鉄道友の会ローレル賞受賞。(長崎駅前にて)
1200形
1200形 車体は軽快電車風だが、台車等は中古品を利用。とても車体と台車がアンバランス(リニューアル車を除く)(浦上車庫前にて)
1300形
1300形 こちらも中古機器を使い車体を新製、1200形よりはスマートか(西浜町にて)
1500形
1500形 こちらも中古台車と新製車体の組み合わせ、デザインが変更されてより洗練されたか(浦上車庫前にて)
1700形
1700形 700形の部品を使い車体を新製(長崎駅前にて)
1800形
1800形 車体のデザインが丸みを帯びたものに変更された。しかし足回りは中古品を利用(浦上車庫前にて)
1800形1801
1800形 1800形の標準塗装は左の写真の通りだが、多くの電車は広告塗装となっている(浦上車庫前にて)(2004/11/23追加)
1050形
1050形 はるばる仙台から来た車両。1両のみ仙台時代の塗装になり残されているが、冷房化されていないのであまり動かない。(浦上車庫にて敷地外より撮影)
1050形
1050形 ラッシュ時に使われていた頃の様子。この車両は廃車になっている。1050形は仙台(1000台)から昭和51年にやってきたことから命名。仙台時代は100形。(長崎駅前にて)
150形
150形 箱根登山鉄道小田原市内線からの移籍車両。元を正せば王子電気軌道(現在の都営荒川線の前身)まで行きつくらしい。箱根登山時代の色に塗られている。ツーメン車で、現在は動態保存車両といったところか。(浦上車庫にて敷地外より撮影)
600形
600形 こちらはお隣の熊本市から来た車両。やはり熊本時代の塗装になっている。この車両も、動いているのを見たことがない。(浦上車庫前にて)
700形
700形 都電よりの移籍車。出生は杉並線用だったので軌間が2度変更されている。こちらも都電時代の塗装となっている。(浦上車庫にて敷地外より撮影)
160形 木造ボギー車で西鉄からの移籍車。かなりの骨董品で年に数回イベントで運行されることがある。私は、実物を見たことが無い。だから写真も無い。例年通りだと、路面電車の日には運転されるので、今年こそ見に行きたい。←と思っていたのですが、6月は仕事の関係で休みが取れずないていました。しかし、ついに、11月の 長崎路面電車祭り で見るどころか乗ることもできました。

長崎電軌の車両は、大きく分けて3つのグループに分けられる。時代順にいくと201形から500形までの自社新造グループ、600形から1050形までの移籍車グループ、1200形以降の中古機器利用の車体新製グループである。この中で、ちょっと異色なのが2000形である。久々の完全新車であったが、後に続く車両は造られず、車体のみが1200形以降に影響を与えた。そして今年、再び完全新車のノンステップ電車がデビューする。昨年末に搬入され調整中の3000形である。

4.運賃・運行

 冒頭にも書いた通り、運賃は100円で、後ろ乗り前降りの後払いになります。築町で5番系統と1番系統を乗りかえる場合は、乗換え券が発行されます。また、長崎電軌の特徴として料金箱は手動式で両替機がついていません。1000円や500円を両替する場合は、料金箱の脇にある皿にお金を置くと、運転手が袋に詰められた両替金を渡してくれます。また、カード類もありません。
1日乗車券は500円ですが、車内では購入できません。駅の観光案内所やホテルのロビーで発売されています。完全に観光客向けでしょうか。
 運転系統は、通常は以下の4系統になります。
1番系統 赤迫-築町-西浜町-正覚寺下
3番系統 赤迫-長崎駅前-公会堂前-蛍茶屋
4番系統 正覚寺下-公会堂前-蛍茶屋
5番系統 石橋-西浜町-正覚寺下
 この他に、浦上車庫への入出庫系統と、赤迫-築町-公会堂前-蛍茶屋の系統(2番系統)が朝とかに運転されています。


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2004/01/05作成
2004/11/23修正


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