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ダブル・ダブル・スター
   双眼鏡で見た、こと座のベガと二重星 (本当は四重星の ダブル・ダブル・スター)
60mm望遠鏡で見た、こと座εの ダブル・ダブル・スター (眼視編)
こと座周辺の二重星、四重星をみるために必要なスペックは?

 双眼鏡で見た、こと座のベガと二重星 (本当は四重星の ダブル・ダブル・スター) 

 星見には、ひとみ径7mmの7X50が最適! と言われているけど昔の真っ暗な空ならともかく、最近の光害の空では状況が多少変わっているように思え、こと座のベガ周辺で比較してみた。

 左の画像は、ひとみ径7mm (7X50) のアルティマでの見え方をイメージしたもの、 右の画像は、ひとみ径4.2mm (12X50)のニコンSEでの見え方をイメージしたもの。 (注:実写ではない!) 

 ひとみ径7mmのアルティマでは薄明るくなってしまったバックグランドの暗い星が紛れてしまい、 ひとみ径4.2mmのニコンSEの方がバックグランドが暗く引き締まり、結果的に暗い星まで見易い。
 もちろん、田舎の暗い空では7mmのアルティマも実力発揮! 星団・星雲など有る程度大きさのある物はひとみ径の大きい方がやはり優位。

 で、何でこと座のベガ? 
 ベガ周辺を眺めたのは、三つの星が正三角形に並んで見えるので、この日もたまたまこの方向を眺めただけ。 
 今までも何回かこの辺りは、何となく漫然と眺めていたけど、12倍のSEではブレてしまうので三脚に載せて見て、εが二重星と気づき、他の双眼鏡ではどうか、と見比べてみた。 
 あらためて双眼鏡を変えて見ると、7倍アルティマでも分離して見える。  更に30mm級でも・・・余裕で見える!  じゃ、いっその事、ビクセンジョイフル6X18でなら! 見えたぁ!

 部屋に戻り、Stella Theater で確かめ、ネットで調べてみて、結構有名な二重星、実は四重星だと知った。 
 しかし、双眼鏡では二重星まで、82mmのフィールドスコープで所有アイピース最大の105倍まで倍率を上げても分離できない・・・。

 こうなったら意地でもっ! ってな訳ではないけど、衝動買いした口径60mmの天体望遠鏡(タカハシ FS−60Q)で、ついに、密着ダンゴと 逆さダルマ の四重星にご対面! 
双眼鏡で見た、こと座ベガ周辺での ひとみ径4.2mmと7mmの、バックグランドの暗さのイメージ (光害のある夜空。) 

ビクセン アルティマZ7×50 の視界イメージ
  対物レンズ有効径 : 50mm
  倍率 : 7倍
  実視界 : 6.6°見掛視界 : 46°1000m先視界 : 115m
  ひとみ径 : 7.1mm 明るさ : 50.4
 ※ 背景の空まで薄明るくなってしまうので限界近くの星が埋もれがちになってしまう。


   


ニコン 12x50SE・CF の視界イメージ
  対物レンズ有効径 : 50mm
  倍率 : 12倍
  実視界 : 5.0°見掛視界 : 60°1000m先視界 : 87m
  ひとみ径 : 4.2mm 明るさ : 17.5 
 ※ 背景が暗く引き締まるので限界近くの星が浮き上がり易くなる。


   



夏の大三角(10月の22時頃、西の空: ベガは西北西の方向) 

こと座のベガとは、夏の大三角の左下の星

そして今回眺めたのは、そのこと座の[ε]と[ζ]、
どちらも4等星なので市街地では目視は難しい時が多いが、双眼鏡を使ってベガを眺めれば、その視界に、丁度正三角形の位置関係で入ってくる。

ζは見掛けの二重星との事だが、今まで気づかなかった。
あらためて眺めて双眼鏡で眺めてみれば、30mmは勿論、25mmでも楽勝で分離して見える。
しかし6X15のミクロン、4X10の「遊」ではどちらもさすがに無理。
最低スペックとして18mmのビクセンジョイフル(6X18) でさえ見えた事から、口径20mm、6倍程度以上のスペックの双眼鏡なら、よほど劣悪な双眼鏡でさえなければ見えると思われる。

※ εは、実は二重星でなく、二重星が二つ並んだ四重星で、ダブル・ダブル・スターとも呼ばれているらしいが、双眼鏡では12X50のニコンSEでも四重星に分離するのは無理だった。

※ ついでに、どうやらζも二重星。 
これは望遠鏡で見て、双眼鏡でも見えるはず!と確信し、三脚にガッチリと固定して眺めれば分離して見える。
50mm12倍(ニコン12X50SE)→楽勝で分離 
50mm7倍(Vixen 7X50 アルティマ)→ 一応分離して見えるが倍率的に少々苦しい。
30mm8倍(Vixen 8X32 Vixen ApexPro ) → 何とか分離して見えるが手ブレするとかなり苦しい。


こと座εとζの位置(ベガのすぐ近く、黄色の円が双眼鏡の視界)


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 60mm望遠鏡で見た、こと座εの ダブル・ダブル・スター (眼視編)  

60mm天体望遠鏡のFS−60Qで見た、ダブル・ダブル・スター (画像はイメージ。実際の視界ではもっと小さい。) 

2010.09.28 19:30 頃 ( ほとんど天頂近くなので縦に見えた ) のダブル・ダブル・スターを根性で凝視する。

望遠鏡は口径60mm、焦点距離600mm (天頂プリズム使用したので、
上下正立、左右は逆像
まず、目視。 かなりモヤってた空で夏の大三角は見えるが、周辺には他に2つ3つ。
Stella Theater でイメージを合わせてみると、ほぼ4等星までの夜空。 目視では ζもεも見えないので5等星未満の空。(4〜4.5等星程度?)
双眼鏡(7x50)をベガに向ければ、正三角形の位置にζとε、もちろんεは2重星として見える。

続いて望遠鏡のファインダー(7x30)・・・ 二重星として見えるような、見えないような・・・
まずベガを、そして怪しく膨らんだようなボケたような星に十字線(私の場合×線)を移し・・・ 

おもむろに20mmのアイピース(30倍)で覗くと、おめでとう! 二重星導入成功!
  しかし30倍では4重星としての分離はやはり無理。 
10mmアイピース(60倍)では・・・横と縦に広がっているようにも思えるけど・・・
  これも、やはり分離は無理。 根性入れて凝視してもダメ・・・

これでダメなら後は無い・・・ 120倍の5mmアイピースでなら、どうだっ、・・・
  ピントを慎重に、慎重に合わせていくと・・・   見えた! 確かに見えた! 

しかし完全に2つの点までには分離できず、2つの星が密着したような感じ・・・ もう少し倍率が欲しい・・・
上側(ε2?)は、ほぼ同じ大きさ(見がが僅かに小さい?)の密着した団子、
下側のε1? は、下側がやや小さい、逆さダルマ。  

それにしても可愛ゆいねぇ〜 密着ダンゴと逆さダルマの、ダブるダブるスターず。 

(追記: 2012.07.08)
口径 85mm の FSQ−85ED でチャレンジしてみた。
焦点距離はエクステンダー ED1.5x を付けているので 680mm。
12mm アイピース(57倍) では二つ密着状態だったが、5mmアイピース (136倍)で見事に分離成功、ダブルダブルスターとご対面! 
小さな星粒と星粒間に空間が見える。 左上のイメージ画像のまま!
(西の空で天頂プリズムを付けていたのでε1とε2の位置関係は上下反対だったけど。)
直焦点写真撮影では?・・・残念ながらダブルダブルスターには分離できなかった。 
 

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 こと座周辺の二重星、四重星をみるために必要なスペックは?
こと座周辺の二重星、四重星を見るための限界スペック?
※ テスト時の空は、この頃としては比較的良条件で、4〜4.5等星程度まで見えた。

【難易度 C】 こと座εダブルスター 
必要な機材は、ふつーの双眼鏡以上。  
さすがに 6X15のミクロン、4X10の「遊」では さすがに分離は無理だったが、意外にも手持ち最安価の Vixen ジョイフルM6X18 で分離できた!
よって、見分けるのに必要な最低スペックは、「口径18mm以上、倍率6倍以上」 で、これが見えなければ粗悪品と独断と偏見で断定。
夏の大三角(もちろん秋でもまだ見える)からベガを探して双眼鏡を向ければ、普通の双眼鏡なら ほぼ確実に2つ並んだダブルスターが楽しめる。 
 これでも見られた!


【難易度 B】 こと座ζダブルスター (ζ分離レース!) 

この星の二重星への分離は双眼鏡の口径・倍率によってかなり違う。 
今日 (2010.10.06) はこの辺りとしては比較的条件の良い空 (良いとは言っても4等星以上、4.5等星未満程度の空) なので、ζ分離レースを開催。
ただし審判員は、乱視+弱近視+めっきり老眼、おまけに全部手で持っての見比べなので、独断と偏見に満ちた、かなり怪しい判定なので悪しからず。  
 
分離レースの先頭は、ニコン12X50SE、 続いて小型フィールドスコープのVixen ジオマED52S(14倍)。 
   双眼鏡の12X50SEの方が倍率では若干不利にも関わらず、両眼視できるので落ち着いて見える。
    トップグループ 
 

続いて第2グループは、モナークX 8.5X45と、以外にもニコン8X30EⅡ。 
  この第2グループまでは視界の中にベガとεとζを入れた状態で分離でき、ダブルスター2組が同時に認識できる。
    第2グループ 

 30EⅡが予想外の大健闘! 

第3グループは、7倍X50組と、30mm級ダハ組が続く。
  このグループ第2グループとの差は僅か。 審判員によっては判定は変わるかも。
  分離はしているもののの、少しの手ブレでも見づらくなり、ζに集中して凝視しないと分離しづらいレベル。
  アルティマ7X50が第三グループで僅かに先頭、続いて ApexPro 8X32 、ニューフォレスタ8X32、勝間7X50がダンゴになって続く。 
第4グループはかなり離され、口径25mmと6倍機が続く。
  手ブレが止まった時に分離して見えたような気がするレベルで、口径25mmのコーワのBD25−8と、
  視界の中心部で凝視して見えたような気がしたが錯覚かもしれない、倍率6倍の 勝間6X30。 
大差の周回遅れクラス
  ホームセンター級のLO−MAX 10X25は、εは分離できた、ζも見えるが分離は無理。
  6X18のvixen ジョイフルでは、εの分離は何とかできたが、ζは見えたというレベル。
6X15のミクロンと、4X10の「遊」、それとワイド・ビノ28は出走辞退。

特に注目したのは第2グループ。 12倍50mmのSE、8.5倍45mmのモナークXが第2グループなのは当然としても、意外だったのは8倍30mmなので期待していなかったニコン8X30EⅡ。
他の第3グループ租眼鏡との違いは、視界の中にベガと共に入れたε、ζ共に視点を動かさなくとも同時に二重星と認識できる事。
もちろん第3グループの双眼鏡ならε、ζとも分離可能だが、ζは意識して視線を向けないとと二重星として認識できない。 しかし30EⅡではεに注目した反対側でζも二重星として見えている見易さがある。  

※ このζという星は口径差、倍率差、そして同スペックでも性能差によって分離できるかどうか微妙なところなので、双眼鏡のテストスターとしても面白い星に思える。
  (三脚などで固定すれば第3グループ以上では問題なく分離できるが、第4グループは口径不足あるいは倍率不足で少々苦しい。) 

【難易度 A】 こと座ε1、ε2 のダブル・ダブル・スター 

こと座εのダブルスター、ダブル・ダブル・スター(四重星)として楽しむには、口径・倍率とも必要。
双眼鏡ではエースのニコン12X50SEでも惨敗し、所有している双眼鏡群は全滅。 まあ、普通の双眼鏡では無理。
しかし小口径望遠鏡のテストスターとして面白い存在。 
FS−60Q、天体望遠鏡とはいっても60mmのミニスコープだが、60倍では縦あるいは横に広がった程度、120倍で ようやく密着した団子のように見えた。
また後日、口径85mmのFSQ−85ED、57倍では縦横に膨らんだ状態まで、しかし136倍でで星粒と星粒の間に空間が確認できるまでにハッキリと分離できた。
両テストの時期が違うので全く同じ条件ではないが、少なくとも口径60mm120倍あれば限界程度の分離は可能、口径85mm136倍あれば完全分離できる、と断定。

    テストした望遠鏡 

悪戦苦闘の跡・・・
 悪戦苦闘の跡・・・

ははははぁっ、 はぁぁ〜 
 また、アホなことしたぁ〜 

 キャップ合わせるだけでも、大変だぁ〜
  

※ こと座周辺の、干上がった天の川 ・・・

こと座ベガから はくちょう座デネブ(夏の大三角の上側の星 1.25 等星)へと望遠鏡の視界の高度を上げていくと、目視では閑散としていた辺りだが、望遠鏡の視界には小さな星々がかなり賑やかに湧きあがってくる。 
ふと考えてみれば、丁度この辺りは今や干上がってしまった天の川のど真ん中。 しかし望遠鏡で眺めれば星が無くなったのではなく、ただ見えなくなっているだけと実感する。
まあ、宇宙の歴史137億年、地球の歴史46億年、これがここ僅か20〜30年で第宇宙が消滅してしまう筈はないけど・・・  何事でも表面だけ見ていてはダメ・・・と言う事かな・・・ 
  
   

 

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