すばるの見え方 (すばるが私の標準星座で、これが気持ち良く見えるのが、私にとって良い双眼鏡です) |
口 径 | 双眼鏡・スコープ | 見え方の印象 (ただし、”すばる”を見る場合中心に・・・) | 個人的な好み |
(40mm) | ワイドビノ28
(ガリレオ式) | 市街地からの光害と老眼の目視ではボンヤリしか見えない"すばる"も、視力2.0の昔に戻って田舎で見るような感じに見える!
視界が極度に広く、オリオン座の大半が視界に入る!
口径は40mmだが、等級アップには20mm以下クラスと同等の印象。
(+2等級弱、程度?)
| 望遠効果が小さいだけに、広視界の中で暗い星まで浮かびあがるのは、自分の目が良くなったような感覚。
普通にイメージする双眼鏡とは別の世界。
双眼鏡は倍率じゃない! 一度使うと手放せなくなる。 |
10mm | ニコン 遊
4X10D CF | 星見に向いているとは思えないが、”すばる”や、比較的明るい星で構成されたメジャーな星座を眺めるには使える。
倍率4倍、実視界10度なので目標を捉えるのは容易だし、手ブレも気にならないが、さすがに口径10mmなので夜空に使うにはかなり厳しい。
しかし目視ではぼんやりとした夜空の淡い滲みに向ければ、すばるを構成している星々が浮かび上がってくる。 | 昼間なら低倍率で使い易く、視界も予想していたよりシャープで歪みも少なく、かなり使い易い。
しかしこの口径での星見には少々無理があり、無いよりはいいが、やはり昼間専用。 |
15mm | ミクロン 6×15
(ポロ) | まあ、これも本気で星見に使おうと思っている人はいないだろうけど・・・
すばるのような小さな星座を、ちょっと眺めるには意外と十分。
| 本当の事を言うと、星見には使ってみるまで期待していなかったけど・・・、小さくても双眼鏡!
しかし基本は昼間用。 |
18mm | ビクセン
ジョイフル M6×18 | 口径は僅かに18mmで、実視界も7.5度と さほど広くは無いが、倍率が6倍と低いので目視との双眼鏡視界との差が少なく、目標辺りに向ければほぼ確実に視界に入ってくる。
また低倍率に加えて165gと軽量なので、手ブレも気にならず落ち着いて眺めていられる。
| 6倍というスペック、期待に違わず実に使い易い。
実視界はさほど広くは無いが、倍率が低いので目標を捉え易く、手ブレもほとんど気にならない。
(光学性能がどうのこうの言っても、まず目標導入ができなければ始まらない。)
最安価の入門級だが、口径18mmは絶対等級で目視+2等級、ひとみ径は3mmあるので充分に実用スペック、視界の質も悪くない。 星座を追うには充分に使えている。 |
25mm | スポーツスターEX
10×25
(ダハ) | 目視(乱視+弱近視+労眼のフルセット))では薄く滲んでいるだけのすばるが浮かび上がる。 余分なものが見えない分、すばるの形ははっきりとわかる。 | あまり暗い星までは見えない分、かえって星座の形を見つけ易い。
”すばる”をはじめとした星座を眺めるだけなら、このクラスでも十分使える。 |
コーワ
BD25−8GR
(ダハ) | この口径では見える星の数は基本的にスポーツスターに同じだが、光学性能はワンランク上で、よりシャープに見える。
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30〜36mm | モナーク
10×36D CF
(ダハ) |
すばるを構成する7個(?)の星だけでなく、周りの小さな星がたくさん見える。
(”プレアデス星団”の中に”すばる”が浮かび上がっているような印象)
見える星の絶対量は、このクラスならどれを使っても大差はなく、ほぼ同等?
星々を詳しく観察するのは50mmクラスに譲るとして、星座めぐりするには丁度いいサイズ。
倍率6〜10倍の範囲であればひとみ径は3〜5mm程度なので、光害のある市街地の夜空には使い易い。
また、このクラスでは高倍率を求めるより、広視界(実視界・見掛け視界)の双眼鏡の方が気持ちよく使える。 | 星がやや大きく見えるのでアルティマより視界は賑やか。
星が完全に点になりきらないので、明るい星はやや大きく、暗い星は小さく見える。星座を見るには、かえってメリットかも。
旧規格で見掛け視界は60度あるが、倍率10倍なので実視界は6.0度。 | 30mm級と50mm級を比較すると極限等級で1等級違うので見える星の数は約3倍近くになる。
しかし市街地からの光害の影響を受ける自宅では、3倍を実感するほどの差はないように思える。
7X50など瞳径の大きな双眼鏡では、せっかく口径で稼いだ暗い星も、薄明るくなった背景に紛れて見えづらくなってしまう。
どうやら光害の影響を受けた空では瞳径を4〜5mm程度に抑える方が結果として良く見えるようだ。
口径を優先して50mmを使うなら倍率10〜12倍、倍率を8倍程度にに抑えるなら口径を落として30〜40mmクラスが使い易く感じる。
しかし光害のない暗い空では、ひとみ径7mmの7X50が全く別物になって威力を発揮し、やはり定番は定番。
純粋に”すばる”を眺めるなら25〜30mmクラス、”プレアデス星団”を眺めるなら50mmクラス。
”すばる”だけでなく、星座めぐりするのに倍率は特に必要はない。
昼間の用途なら見上げる角度が小さいので10×でも手持ち可能だが、星見だと見上げる角度が高いので不安定な姿勢になって手プレして見づらくなる。
手持ちで使うなら6〜8倍。高くても10倍まで。
10倍を超える倍率の双眼鏡を購入する場合、三脚に載せるのを前提で考えた方がいい。
また7〜8倍の双眼鏡でも三脚に載せ、安定した視界の中を眺めていると、手持ちでは気づかなかった部分が見えてくる。
もちろん三脚に載せるなら高倍率(ただし大口径)もいい。 (私には12倍でも高倍率。)
また、ポロとダハと比較すると、私の持つ双眼鏡で比較する限り、30m級でも、50mm級でも、ダハよりポロの各機種の方が星が引き締まって見えるように思う。
(追記)
このページでは、星見でも”すばる”などを対象とした星座めぐりに使う双眼鏡について書いたが、重星などを見ようとすると、やはり ある程度の倍率が必要となる。
しかし高倍率になると手ブレで使い物にならないので、三脚必須。
三脚を使っても、50mmなら12〜16倍程度までに押さえないと、ひとみ径が小さくなりすぎて使いづらくなる。
口径28mmで倍率50倍、なんてものは問題外。
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アルティマ
Z8×32(W)
(ポロ) | モナークより星ひとつひとつか小さな粒で、キリッ、とした見え味はダハ各機種に勝る。
旧規格で見掛け視界は66.4度の広視界。 実視界8.3度。
周辺部はEⅡと比べればかなり乱れるので三脚に載せると不満が生じるが手持ちなら不満はない。
中央部はシャープでコストパフォーマンスは非常にいい。
ただし非防水。
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ニコン
8×30EⅡ
(ポロ) | アルティマと同様にシャープで、よりコントラストはいい。
広視界(旧規格見掛け視界は70度)あり、手持ちはもちろん三脚に載せても周辺まで気持ち良く見える。
実視界が8.8度あるので星座を追い易く、バードウォッチングだけでなく星見にもいい。
光学的な性能に不満は無いが、防水でない事と、接眼部の可動部が露出しているので取扱いには気を使う。 |
勝間光学GLORY
WP6×30SB-D
(ポロ) | 周辺部はやや乱れるが、中心部は非常にシャープ。
倍率が低いので星座を探し易い。
広視界仕様でない(見掛け視界は旧規格51度)ので迫力に欠けるのが残念だが、実視界は8.5度ある。
更に型式はポロでもMILスペックの完全防水・完全防塵なので、どこでも安心して使える。 |
ニューフォレスタ
HR8X32WP
(ダハ) | ビクセンの新型ダハ。 逆光に強くなり満月が近くにあっても影響が非常に少ない。
星像のシャープさも40mmのモナークXには及ばないがモナークには勝っている印象。
見掛け視界は新規格58.4度だが旧規格換算で64度あり、実視界8度はダハでは最も広いクラス。
三脚固定はできないので手持ち専用。 |
アペックスプロ
HR8×32SP
(ダハ) | ビクセンの復刻再販売双眼鏡
実視界7.5度、見掛け視界55度。
やや重いが他に欠点らしい欠点はなく、とても見易いので常用の1台。 |
40〜50mm | モナーク
8×40
(ダハ) | たくさんの小さな星の中にすばるの星座を構成する星が浮かんでいる感じ。
空の条件が良すぎると星団の中に”すばる”が紛れてしまうので、”すばる”を眺めるというより、”プレアデス星団”を眺める、という感じになる。
また、このクラスになるとひとみ径も大きくなるので、同じ双眼鏡でも夜空の条件(光害)により印象が随分と変わる。
星見の定番と言われる7X50(ひとみ径7mm)を使用した場合、光害のある空ではバックグランドまで明るくなってコントラストが落ちてしまうので、ひとみ径4〜5mm程度まで倍率を高くした方が気持ちよく眺められる。
しかし光害の無い夜空で、アルティマなど、ひとみ径7mmで見る”すばる”はいつまで見ていても見飽きない。 | モナ36mmと同じく、賑やかで濃い印象で、星が完全に点になりきらず明るい星はやや大きく、暗い星は小さく見える。
”すばる”なと゜の星座を眺めるにはかえって好都合だが、詳細な観察・観測するには使っているうちやや不満が芽生えてくる。 しかし防水防塵のメリットは大きい。
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モナーク X
8.5x45D CF
(ダハ) | モナ36mmと同じく、賑やかなで濃い印象だが、星像はより小さくシャープ。
星座はもちろん木星衛星の観察程度までなら不満は無い。
防水・防塵だが構造上、三脚に載せにくいのが弱点か。 |
アルティマ
Z7×50
(ポロ) | キリッ、とシャープな星像はモナークXより更に優れた印象。
しかしひとみ径7mmの仕様は光害の空では活かせず、かえってバックグランドまで明るくなってしまうので市街地では実力が発揮できない。 |
ニコン
12X50 SE
(ポロ) | アルティマより倍率が高い(12倍)分だけ、より大きく、またひとみ径が小さい(4.2mm)分だけ、より背景が暗く引き締まって見える。
星はとてもシャープ。
しかし落ち着いて見るには三脚必須。 |
勝間光学
WP7×50SB−D
(ポロ) | 印象は同じ7X50のアルティマとよく似た感覚。
シャープさも平坦性も互角。
MIL規格の完全防塵防水なので安心して使える。 |
60〜80mm | フィールドスコープ
ビクセン ジオマ
ED82-A,
ED67-S
ED52-S | 双眼鏡と比べ口径が大きくなる分、見える星の数が一気に多くなる。
視界が賑やかになるのはいいけど、かえってたくさんの星々の中にすばるを構成する星が紛れてしまい、慣れるまでは、すばる独特の星座の形は追いにくい。
”すばる”など、コンパクトにまとまった星座を眺める程度なら52mmで必要十分。
52mm なら見える星の数も双眼鏡とさほど変わらないが、GLH20(52mmでは倍率14倍)で視界の半分近くに広がり、星像もキリッと収束して気持ちよく見える。
片目だがニコンの12X50SEといい勝負。 また、軽いので短時間なら手持ちで何とかなるが、すぐ手ブレで視界がふらついてくるので、三脚使用が基本。
価格的にも旧タイプEDのアウトレットなら今日現在(H22.2)でもアイピース付きで2万円以下。
一方、大口径の82mmとなると暗い星まで見えすぎて賑やか過ぎ、どれがすばるの星か分からなくなる。 (しかし異常に賑やかなのもそれなりに楽しめる。)
フィールドスコープの長所は、通販やホームセンター出身の怪しげなものでなければ防水・防塵が一般的なので取扱が楽な事と、アイピース交換で14〜80倍の高倍率が得られる事。
一方、欠点は三脚必須だし、10倍以下の低倍率が得られないので、星座を追って楽しむには不向き。
月や惑星、星雲なんかを眺める(観察する)のにはいい。 ただし低倍率・広視界の双眼鏡と併用が望ましい。
また、フィールドスコープにはファインダーが無い(ビクセンには素通しファインダーがあるが昼間用で、真っ暗な空には全く無力なので、別付けのファインダーが必要。
(厚紙を丸めた紙筒でも無いよりはいい。)
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