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目
今使っている運転主君は千里眼ではないかと思っている。狭い曲がりくねった山道を相当なスピードで突っ走るのである。片側が山のカーブで追い越し禁止のラインがあるにもかかわらず平気で前の車を追い越してしまう。地方では小型車がまだ少なく、山道をのそのそ走っているのは大型トラックがほとんどである。もちろん先は見えないが果敢にも追い越してしまう。カープの先から対向車が来たらどうしようかと心配するのは我々だけで、彼らは全く気にしていないようだ。カーブで追い越して先を見ると対向車はいない。
片側の山を見通して対向車がいないことがわかるようである。
その割には車幅の間隔がない。だから、バイクを追い越すときには対向車線に大きくはみ出している。事故がおきない方が不思議なほどだ。
また、バイクに乗っている人たちは後方から近づいてくる自動車を一切感知せず、堂々と国道の真ん中をのそのそ走っているのである。
「後ろにも注意しろよ」といいたいが、前ばかりに注目しているから後ろまでは目が届かないのであろう。
したがって、バイクでも自動車でもバックミラーは全く使われていないといっても過言ではない。
耳
道路を走っていると自動車やバイクのクラクションがやたらけたたましい。おまけに、手間を省くためなのか一回押すとパパパパパァーと連続して鳴るクラクションもある。
走行中にクラクションを多用するのには二つの理由がある。
一つは、「自己主張」のための「そこのけそこのけ」のである。
もう一つは、「やたらに飛び出しくるんじゃないよ、俺はまだ運転が下手だからよけ損ねるかもしれないからだ」という「そこのけそこのけ」である。
今使っている自動車は至って普通、というより大古車であるから、第一の理由は見当たらない。となると、第二の理由しかなくなる。こちらも相手も運転が下手だからお互いに知らせあう、というのかもしれない。しかしこれには論理的矛盾があるのだ。耳だけ考えればこうなのだが、耳はマイクロフォンにしか過ぎず全ての感覚は脳で処理されているのである。頻繁に同じ刺激があると脳はその刺激には麻痺してしまうので、その信号はまるで役に立たなくなってしまうからである。ベトナム人はギャーギャーわめきたてるのが好きだから、耳から入る信号にはかなりフィルターがかかっていると思ってもいいだろう。
約30年前のインドネシアでも運転が下手なドライバーはクラクションを多用していた。インドネシア人はベトナム人ほどギャーギャーいわないのにである。
したがって、クラクションを多用するドライバーは運転が下手。すなわち、ベトナム人は平均して運転が下手であるという結論に至る。
呼吸器
別なページ でも書いたがベトナム人の体型から呼吸器が弱いように感じられる。だから、鶏の数に比べて鳥インフルエンザ患者がおおいのだろう。
バイクに乗っている人たち、特に女性、はほとんどがマスクをしている。埃や排気ガスでのどを痛めないように用心しているのだろうし、T-シャツや腕カバーとおそろいのマスクもあるから一種のファッションとなっている。
しかし、しかしだよ。
埃で呼吸器を傷めるというのなら、我々の先祖は全員のどを痛めていたはずだ。排気ガスによる大気汚染は大型ディーゼル車が多いジャカルタやバンコクの方がひどいのにベトナム人ほどマスクはしていない。ということは最初に書いたように、ベトナム人は呼吸器官が弱いのではないかという結論に至らざるを得ない。
ところが、トンネル工事などで換気が不良な環境でも彼らは平気で働いている。酸素が少々不足しても大丈夫なのだろうし、しばらく呼吸しなくても生命には別段影響がないとしか思えない。不思議である。ベトナム人のこの特長を生かしてベトナム戦争では長い長いトンネルを掘って戦えたのだろう。
総括と結論
聴覚はにぶいが、千里眼をもっていて、しばらく息をしなくても平気なこんな「超人的」ベトナム人を相手に何年間も戦ったアメリカはバカであったということにならざるを得ないのである。
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2008-06-08 作成
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