このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

善光寺平かけあし一日周遊記

 

その1  善光寺御朝事編

 

 

■なぜか突然長野で合流

 当日は 4時に起床。タクシーでデニーズ県庁前店に向かいます。「デニーズにようこそ。一名様ですか」と問われても「いや相方がきているはず」と気もそぞろ。おられました、スモーカーの打越様がなぜか禁煙席にて熟睡されていました。この時点で 5時ちょっと前でした。

 聞けば、打越様が乗られた空港タクシーは 3時頃に到着したとか。 7名乗車ですから、大繁盛です。「休憩かと思ったら終点でびっくり」とは打越様も驚いた様子。打ち合わせどおりデニーズに入ったところ、こちらも大混雑を呈しており、しかたなく禁煙席にしたとのこと。

 
 長野市内で待機する中央タクシーの空港タクシー(平成15(2003)年撮影)。筆者はこれをかなり愛用しているが、このたびのオフライン・ミーティングにおいても、打越様と 551様が利用された。長野−首都圏・中京圏の移動において、夜行で使うと際立って便利な交通機関である。

 話に夢中になっている間に、「ちくま」の到着時刻が迫ってます。県庁の一隅にはまだ明かりがついてますね。御苦労様です。

 いつの間にか、県庁玄関前で張っていたタクシーが引き揚げてました。これでは長野駅での KAZ様の出迎えが間に合いません。携帯で連絡をとり、「二線路通りから中央通りに向かってください」とランデブー・ポイントを決めます。さすが土地勘がある KAZ様、話が早い。在長野歴がないというのが不思議なほどです。

 合流して中央通り(善光寺参道)を北上します。天気予報は雨でしたが、この時点での天候は良好、心地よい朝風のなか、長野市街を見渡しながらのんびりと歩きます。

 時刻は 6時を回ったばかりですが、大門から上には人通りがそれなりあります。わけても目立つのが参拝客で、要所要所で手を合わせながら進んでます。

 善光寺の参拝客は年間 600万人ほどおられるそうで。以前住職からうかがった話では、「人の世に苦しみがある限り善光寺に参拝する方は必ずやってくる」とのこと。若い時分には聞き飛ばしたであろう言葉、年をとってくるとなんとなく理解が深まります。

 かまにし様がなかなか到着しません。投宿先を出たとの連絡を受けたものの、ちょっと時間がかかってます。聞けば歩きでやってきて、しかも道がわからず昭和通りまで遠回りしたとのこと。ここで 4人が揃い、時刻は 7時ちょっと前となりました。

 

■善光寺早朝参拝

 さて本堂に上がろうかという時、係りの方から「折角ですから御数珠を頂戴されては」と勧められます。一瞬なんのことか理解できなかったのですが、夏場は 5時から行われる早朝参拝、冬季は 7時からなんですね。まさに折角の機会です。本堂廊下に膝をつき、目を閉じて合掌しながら、御数珠を頂戴しました。目の前を馥郁たる香が通っていき、なんだかありがたい心地です。

 ここまでくればと、本堂に上がって早朝参拝などしてみます。緞帳が上がって御本尊の厨子もうかがえましたし、なによりも読経がありがたい。善光寺の場合、詠唱に近い要素もあって、神仏が混淆しているような感じが見てとれます。

 なんのために長野に集まったのか、ほとんど主目的を忘れ去ってしまうほどありがたい心地となり、時間が経っていきます。読経が終わり、本堂を出たのは 7時20分でしょうか。当初行程からは思い切り外れてます。

 
 長野を、というよりも日本を代表する名刹、善光寺(平成15(2003)年撮影)。平年だと年間 600万人ほどの参拝客があるという。今年は7年に一度の「前立本尊御開帳」にあたる特別な年で、連日のように初詣なみの混雑を呈している。御開帳期間中だけでやはり 600万人を超える参拝客が集まるというから、その功徳を慕う方々が多いことがわかる。写真は回向柱の行列から本堂を眺めたところ。

 次に用意したポイント長野BTは、「日本一さびれたバスターミナル」「ビルを備えた操車場」「『草笛』の大盛り蕎麦は食べきれないほど多い」というのが売り(?)でして、飛ばすにはまったく惜しくありません。門前からすぐタクシーに乗ることにします。行先を安茂里駅と告げると、運転士さん曰く、

「そんな行先は初めてだ」

 との由。それは尤もなことで、こんな珍しい連中が揃わなければありえません。

 

■安茂里にて

 国道19号には「死ー止ベルト」なる看板が出ていて、打越様には妙に受けてます。目的地安茂里駅にはあっけなく到着しました。目の前を当初乗るはずだった川中島バスが空車状態で通過していきます。

  KAZ様の話によると、中御所を先頭とする国道19号の大渋滞に対応するために、P&R結節点として国鉄時代に安茂里駅ができた由。ところが、国鉄は列車をあまり止めないし、19号にバイパスができて混雑が緩和されるしで、P&Rの必要性が薄まってしまったそうです。結果として駅付近の空地はスーパーなどの駐車場スペースとなってます。

 また、民営化後にJRが普通全列車を止めるようになったため、主に周辺の住宅からの利用が伸びている様子。棒線の相対ホーム長野行側には駅員配置もあり、乗車券を売ってます。利用が多いという実態に即しながら、長野駅での紛れ(より遠方からの無人駅から乗った方との混同)をなくすための措置と見ます。

 目の前を松本行E257快速が通過。旧型車時代から特急車が充てられている運用で、松本口での混雑対応のようです。それにしてもなんだか勿体ない使い方ではあります。

 今度は長野行普通列車がきます。しなの鉄道からの直通 6連で、以後皆に共通する感想として一言。

「混んでますね」

 そうです。しなの鉄道は混んでいるのです。輸送密度は全線均して約 8,000人/km日。それでも営業段階で赤字だったというのは、不思議という以前に問題です。

 
 長野駅に到着したしなの鉄道直通快速列車(平成13(2001)年撮影)。しなの鉄道から(に)直通してくる(いく)列車は、たいてい混んでいる。

 

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