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 岩戸金山林道/ Iwatokaneyama林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.08.12 / No.AK-023 
 [ 所在地 ]上小阿仁村 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ] 大蔵又林道根子沢支線林道
 近寄り難き深山地帯のピストンながらも路面はいたって快適、驚くほどの山深さで楽しめる!

小阿仁村にある「小阿仁湖」の入口にやって来ました。R285号線(五城目街道)から県129号線へと進み、最奥集落「八木沢」を過ぎた先の隧道入口手前で左折すると「萩形ダム」のある小阿仁湖ですが、この辺りは上小阿仁村の中でも特に山深い地区。役場のある村の中心部からかなり離れた遠い場所なんですね。目指す岩戸金山林道の入口はダムを渡った対岸にありますが、林道入口に行くだけでもそれなりの距離を走ってしまうので、直前に役場付近でガスを満タンとしてきたのは言うまでもありません。
道から「小阿仁湖」の看板のある入口を左折すると、すぐに「萩形ダム」です。左折路はそのままダムサイトの堤に直結しており、堤の上は冬期以外は林道として解放されているのですが、これはダム建設で元々の林道入口が水没してしまった結果でしょう。現在はダムの堤を通らないと対岸へは渡れないので堤の解放はそのための処置ですなぁ。
→小阿仁湖(右)を眺める!
→萩形ダム(左)を眺める!
ムサイトの堤を渡って対岸に渡ると、右に曲がったすぐ先でダートが出現! なお、秋田県の地図を眺めればすぐに分かりますが、萩形ダムを中心としたこのエリアは訪れるだけでも大変な全国屈指の山深き遠隔の地。そしてただでさえ山深いこの山岳地帯で、さらに深山へと分け入る沢筋ごとに存在するピストン群に気がつきますが、情報のほとんど皆無なそれら林道群が以前から気になっていたんですね。今回そんなピストン群の1本である岩戸金山林道の入口にようやく立つことができたというわけ。訪れる機会を得られぬまま過ごす失意の日々もこれまでであり、当然ながらこれは猛烈にテンションが上がります!
阿仁湖右岸に渡って路面がダート化すると、まずは湖岸に沿って進みます。すぐに湖面を望める地点が現れますが、その後は枝状に細長く分かれるダム湖の谷間に沿って深い樹林の中へとすぐに進んでいきますよ。
→小阿仁湖を眺める!
長いダム湖の谷間の岸辺伝いにダートは延びていますが、すぐに湖面は見えなくなりました。地図上ではすぐ右手に湖岸が位置しているものの、実際には夏の濃密な緑に囲まれた状態で樹林の中を前進していくのみ。まあ、これはよくある展開ですね。
戸金山林道はピストンなので多少の荒れを覚悟していたのですが、今のところその気配はありません。うっすらと雑草のワダチが形成された路面はフラット。固く締まった路面上につぶての大きな小石がまぶされたりもしますが、多少のガタガタ感はあっても走りにくいことはなかったです。十分に路面維持がなされているようでした。
岸区間でありながら景観的なものがまったく望めない緑の回廊状態が続きますが、路面状態は意外にも良好。そんな感じで延びる岩戸金山林道ですが、気になる点が一つ。ここまで進んできながらも、未だに林道標が見当たらないんですね。ここが「林道」であることは間違いないのですが、ちょっと小骨が喉に引っかかったような気分でした。
んなわけでどこか釈然としないままダートを進んでいきますが、やがて左手に登坂していく分岐ダートが出現。残念ながら林道標は無かったですが、その代わりに薮に埋もれた「水源かん養保安林」看板を発見しました! それによって左折しているのは大蔵又林道であることが判明したと同時に、ここで「岩戸金山林道」の名をようやく知ることができたんですね。水源かん養保安林看板・・・林道ライダーには本当に有り難い存在です!
→「水源かん養保安林」看板を眺める!
→大蔵又林道に突入!
→大蔵又林道の様子を眺める!
蔵又林道との分岐は右手に進み、まずは本線である岩戸金山林道の探索を優先します。未知なるピストン林道探索では、途中で現れる支線林道の探索は、まずは本線林道を行けるところまで探索した後に、帰りがてらに立ち寄っていく方が実は都合が良かったりします。道すがらに支線を見つけ次第そのつど飛び込んでいくと、本命たる本線探索の時間が無くなってしまう事態も大いにあり得ます。それに一度進める所までいった方が、支線が何本あるか把握できて、その後の行動の時間配分がしやすくなるといった利点もあります。その結果、当日のプランAでは回りきれないほどの支線の存在が明らかとなれば、回りきれない支線は次回の探索時のお楽しみとしておくなど、プランBの計画も容易に立つんですね。
して現れたのが小阿仁湖へと注ぐ「大倉又沢」を跨ぐこの橋でした。おそらく岩戸金山林道での最大の魅せ場ポイントだと思いますが、人里離れた深山の険しい林道に相応しく、野趣に溢れた橋の趣に魅惑されてもうメロメロ状態! 橋は谷底まで恐ろしいまでの高さでありながら、弛みきった欄干代わりの鋼索の危うさが実にイイ感じ! 加えて橋から眺める景色の豪快さも素晴らしく、ここは必ずや立ち止まってしまう地点ですよ。
→谷を見下ろす!
→大倉又沢(上流方向・左)を眺める!
→大倉又沢(上流方向・右)を眺める!
山の険しい趣で林道ライダーを魅了する大倉又沢の橋。そこから眺める沢筋の谷間の光景は言うに及ばず、周囲を取り囲む山の圧倒的な存在感もまた凄まじかったです。視界を遮るものなに一つない天然の展望台とはまさにこのことであり、そこからの圧倒的な迫力の眺めは一度眺めたくらいでは全然物足りなかったです!
→さらに谷を見下ろす!
→谷間の斜面を眺める!
上にてしばし時を過ごしてからようやく前進再開。深山の凄まじい険しさを見せつけられて林道の山深さを実感させられましたが、しかしダートはあくまで快適状態でした。察するに岩戸金山林道の前身は林鉄軌道だと思われます。すなわち、小阿仁川沿いに源流部まで通じていた県内有数の長大さを誇った「小阿仁森林鉄道」であり、ここは小阿仁川伝いの本線から分岐する膨大な支線軌道の一つであったとみるのが妥当でしょう。
のなだらかさから元は軌道敷であったと思われる岩戸金山林道ですが、ここで林道名についてささやかな疑問が発生。林道が敷設されているのは小阿仁湖へと注ぐ「赤沢」伝いの左岸です。林道名由来の「岩戸金山沢」は、右手の山から赤沢へと合流してくる支流の沢の一つであり、岩戸金山林道は岩戸金山沢に沿って延びているわけではありません。ならば赤沢林道とされるべきところが、なぜかそうは命名されていないのが不思議でした。なお、そんな岩戸金山沢の合流地点ですが、残念ながら林道から眺めることはできなかったです。
「岩戸金山」林道なのに、ひたすら「赤沢」左岸の樹林を進んでいく平坦なダート。途中の数カ所で左手の斜面から右手の赤沢へと注ぐ支流の沢を跨ぎますが、とある橋のたもと地点でお約束の立て看板を発見しました。ゲートがあるわけでもなく、ただ「危険 通行止 上小阿仁支署」とのみ記されているだけです。その遵守率、限りなくゼロに近いとみた!
こは赤沢左岸の沢沿いコースといっても、水辺をまったく感じさせない鬱蒼と茂る樹林状態が続きます。そして気がつけばいつの間にか路面はどことなく砂地っぽい状態に変化。砂というよりも細かな砂岩質といったところでしょうか。その僅かな変化が、その先で現れるかもしれないピストンにありがちな路面状況を予想させます。
→景色を眺める!
→さらに岩戸金山林道を進む!
→探索中止!
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