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東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道

東武鉄道 100系
 1990年デビュー。日光線特急として投入された車両。愛称は「スペーシア」である。
 東武初の全アルミ合金製で、軽量化・低重心化が図られている。前面は非貫通式の流線形、ドアは外開式のプラグドアで側面がすっきりしている。車体色は白を基調にオレンジと深紅のラインで、窓周りは黒である。
 制御装置はGTO‐VVVFインバータを採用し、6両全車が電動車となっている。これは、ブレーキ装置に回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキが採用されており、130㎞/h運転に対応している事から、130㎞/hの高速運転時に全車両に回生・発電ブレーキを効かせるためで、滑走防止制御が行いやすくなるという利点がある。モーター出力は、6両編成として 651系 の2倍以上を誇る。
 車内は豪華な雰囲気が演出され、シートピッチは1100㎜でJRグリーン車並の快適性がある。6号車には4人用個室が6室設けられており、テーブルが大理石で出来ているなど、バブル景気最盛期に登場した車両ならではの豪華さを誇っている。
100系 スペーシアきぬがわ100系 きぬ
(左)撮影日:2006年03月22日撮影場所:大宮駅107Fスペーシアきぬがわ6号 新宿行き
(右)撮影日:2006年08月07日撮影場所:鬼怒川温泉駅101Fきぬ132号 浅草行き
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東武鉄道 200系
 1991年デビュー。急行(現・特急)「りょうもう」で使用されていた 1800系 を置き換えるために投入された。
  100系 のデビューにより引退した1700・1720系を種車とし、台車・モーターなどといった一部機器を流用して新製車体と組み合わせている。これは量産車の第1編成〜第9編成に関してであり、1998年に登場した最終増備車はVVVFインバータ制御装置を採用したため、足回りが新製されて250系として200系とは区別されている。しかしながら、運用は200系と共通である。
 200系・250系共に、前面は1枚の大型曲面ガラスを使用し、車体には白地にローズレッドの帯をまとった流線型の車両である。200系後期量産車(207F〜209F)にはシングルアームパンタグラフが採用され、側面表示機のLED化や前照灯のHID式化などといった前期量産車とは異なった点がある。250系は200系後期量産車に順じており、先に挙げたVVVFインバータ制御装置を採用した事以外に、ボルスタレス台車の採用やブレーキ方式の変更などといった点が異なるくらいである。
 200系は全車両、250系は3両が電動車である。また、200系・250系共に6両固定編成である。
200系
撮影日:2006年07月29日撮影場所:館林駅208Fりょうもう11号 太田行き

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東武鉄道 300系
 1991年デビュー。 1800系 を改造して登場した車両である。
 かつて日光線で運転されていた快速急行には、 6050系 が使用されていたため、車両のグレードなどといったサービス面での向上が求められていた。それに並行して、 200系 の増備で引退となった1800系の一部編成を改造した上で登場した車両である。
 車体は白地にオレンジと深紅のラインをまとった日光線優等色を採用している。また、1800系の時には装備していなかった発電ブレーキと抑速ブレーキを搭載した。これは、日光付近の勾配に対応するためである。
 300系は6両2編成が、350系は4両3編成がそれぞれ活躍している。
300系
撮影日:2006年08月07日撮影場所:東武日光駅302F団 体 専 用

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東武鉄道 800系
 2005年デビュー。 8000系 を短編成化し、同時に修繕工事を実施した車両である。
 8000系の8両編成からサハ2両を抜き、残りの6両を3両編成2本に改造したものである。元々の車両の連結位置により、800系と850系に分けられている。
 これらの編成はワンマン運転対応機器を搭載しており、5000系や 1800系 通勤型改造車の置き換え用として北関東地区のローカル線で使用されている。
 編成は3両で電動車が2両、付随車が1両である。電動車の比率が高くなった事で、加速性能も向上している。
850系
撮影日:2006年07月29日撮影場所:館林駅853Fワンマン 葛生行き

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東武鉄道 5050系
 1980年デビュー。5000系に次ぐ、7800系の車体更新車である。
 5000系の性能を見直し、当初から保安ブレーキ機構付き電気指令式ブレーキと台車ブレーキシリンダを採用した。また冷房装置を搭載したため、電動発電機は最初から大型のものを搭載した。4両固定編成である5157Fから側面行先表示機を設置し、後に全車に設置された。
 2両編成の中には、冬季における日光線や鬼怒川線での運用を考慮した結果、 6050系 同様に霜取り用パンタグラフの増設と抑圧ブレーキを装備した編成が存在し、野岩鉄道にも乗り入れる運用に使用されていた。
 首都圏の大手私鉄において、唯一運行されている吊り掛け駆動式電車として東武宇都宮線を走っているが、 50050系 の登場に伴う 30000系 の地上運用によって、引退が迫ってきている。
5050系5050系
(左) 2006年08月07日東武宇都宮駅5160F普通 栃木行き
(右) 2006年08月07日東武宇都宮駅5161F普通 栃木行き

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東武鉄道 1800系
 1969年デビュー。急行(現・特急)「りょうもう」用車両として製造された。
 5310系の陳腐化に伴い、取り替えを目的として、伊勢崎線系統の急行専用車両で登場した。登場時は電動車2両、付随車2両の4両編成であったが、乗客の増加により1979年には中間車に電動車、付随車1両ずつを増備して6両編成となった。
 足回りは同時期に製造された 8000系 とほぼ共通で、発電ブレーキが省略されている点も同様である。室内は回転式クロスシートが採用され、トイレや自動販売機も設けられた。
 1987年にはマイナーチェンジ車が増備された。これは、 6050系 に採用された角型ライトユニットを装備し、顔付きも多少異なっている。冷房室外機も8000系と共通の集約分散式のものに変更され、各車側面には行先表示機、先頭車正面には電動式愛称表示機が設置された。
  200系 の登場と共に、伊勢崎線急行から順次引退していった。引退後は、 300・350系 へと改造され、角型ライトユニットや電動式愛称表示機、発電ブレーキ、抑速ブレーキを搭載し、白地にオレンジと深紅のラインへと変更になり活躍している編成や、一般通勤車両へと格下げされ、改造された後に白地に青帯をまとって館林地区で活躍した編成もいた。
 現在は、館林地区の通勤車へと格下げされた編成は引退し、1800系自体の運用も数少なく貴重である。
1800系1800系 通勤型改造車
(左) 2006年07月29日東武動物公園駅1819F隅田川花火号 浅草行き
(右) 2006年07月29日館林駅1812F回 送

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東武鉄道6050系 野岩鉄道60100系 会津鉄道60200系
 1985年デビュー。6000系の車体更新と不足分新造によって登場した車両である。
 トンネルの多い野岩鉄道開業に伴い、長大トンネル対応工事を6000系に行い使用する予定であったとされる。しかし、新造されてから20年以上経過しており、車内設備の陳腐化及び冷房設備標準化時代となっていたため、車体新造による更新を行う方が得策とされた事で改造がなされたとされる。
 車体は片側2扉の鋼製で、1M1Tの2両編成で構成されている。塗装は後の東武イメージカラーとなる、白い車体に赤とオレンジの帯が入っている。
 車内は4人掛けボックスシートが採用され、折り畳み式テーブルが設置されている。また、混雑時対応としてドア付近はロングシートでつり革が、長距離運用前提のためにトイレが、分割時の誤乗車防止のために行先方向幕が設置されている。
 野岩鉄道と会津鉄道も車両使用料相殺のために所有しているが、車両の管理は東武が行っている。
6050系60100系
(左)撮影日:2006年08月07日撮影場所:東武日光駅6178F&6156F特急連絡 下今市行き
(右)撮影日:2006年08月07日撮影場所:新藤原駅61101F普通 新藤原行き
60200系車内行先方向幕
(左)撮影日:2006年08月07日撮影場所:東武日光駅61201F区間快速 浅草行き
(右)撮影日:2006年08月07日撮影場所:6050系車内車内行先方向幕快速 新藤原行き

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東武鉄道 8000系
 1963年デビュー。沿線人口急増による乗客増への対応と、旧型車両の置き換え目的として登場した。
 2・3・4・6・8両編成が存在し、組み合わせによってはローカル線区向けの2両から、伊勢崎線北千住口及び東上線向けの10両まで対応し、柔軟な運用が可能という利点がある。
 登場当初は非冷房であったが、途中から集約分散式冷房装置が標準装備となり、それ以前の車両にも順次冷房化改造工事が行われたのに伴い、室外機スペース確保のために下枠交差式パンタグラフに変更された。
 1986年からは経年による陳腐化解消のために車両修繕工事が行なわれている。腐食外板の張り替えや塗膜総剥離による再塗装などといった老朽化対策を主に、大掛かりな更新が行われた。また、近年の更新車にはLED式行き先表示機やHID前照灯など、最新車両並みの装備が備わっている。
8000系8000系
(左)撮影日:2006年07月29日撮影場所:草加駅8580F区間準急 南栗橋行き
(右)撮影日:2006年07月29日撮影場所:館林駅8556F普通 西小泉行き

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東武鉄道 9000系
 1981年デビュー。地下鉄有楽町線乗り入れ用の車両として登場した。
 初めは9101Fの試作車が製造され、東武初の10両固定編成、軽量ステンレス車体、1段下降式窓や東武の通勤車両初の自動式行先表示機、側面方向幕などが東武20年ぶりの新形式という事で数多く導入された。車体も東急車輛、アルナ工機、富士重工の3社が分担製造し、東急車輛開発の軽量ステンレス車体が採用された。
 1987年には有楽町線と相互直通運転が始まり、試作車は一部仕様を量産車と同様にする工事に入った。また、1987年と1991年には量産車が合わせて7編成増備され、1991年に増備された9108Fは側面のコルゲートが少なくすっきりしている。
 1994年の新線池袋開業に伴う輸送力増強のために、9000系をマイナーチェンジした9050系が2編成登場した。顔付きに変更点は無いが、窓枠周りや行先表示機の変更や、乗降促進ブザーと車外スピーカーの設置、ドアの高さの拡大、白色化粧版の採用などといった違いがある。また、3つに分離したタイプの冷房室外機を新たに採用している。過去には扉上に液晶式モニター案内装置が設置されていたが、指紋などによる劣化のため撤去された。
 制御方式は、9000系がチョッパ制御、9050系はGTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御を採用した。
9000系
撮影日:2006年05月30日撮影場所:和光市駅9108F普通 川越市行き

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東武鉄道 10000系
 1983年デビュー。 8000系 の後継として、 9000系 をベースに作られた地上専用通勤型電車。
 20m軽量ステンレス製車体の片側に4ドアを有し、集約分散式クーラーや下枠交差式パンタグラフを装備している。また、正面は左右対称で中央に貫通扉を有する。
 1988年には、10000系のマイナーチェンジ車として10030系が登場した。側面のコルゲートがビードなったなど、外見がとてもすっきりした。また、台車はボルスタレス式、補助電源装置はSIVが採用されたなどの違いもある。
 同時期には、東武初のGTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御装置を搭載した10080系が登場しているが、インバータ車ながら若干性能を落としている。しかし、後に 100系 をインバータ制御で登場させる契機となった。
 1992年には、室内にラインデリア、車椅子スペースを設置した10050系も登場した。名目上は10030系であるが、冷房装置のカバーが連続式になり、中期車からは雪害対策としての強制パンタグラフ上昇装置を設置、後期車は屋根上の吸出式通風装置が廃止された。さらには、1993年に増備された車両から電気連結器付密着式連結器を装備した車両も登場し、従来車も1994年までには改造された。
10000系10000系
(左)撮影日:2006年05月25日撮影場所:北千住駅11655F普通 浅草行き
(右)撮影日:2006年07月29日撮影場所:館林駅11608F普通 久喜行き

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東武鉄道 20000系
 1987年デビュー。地下鉄日比谷線直通用車両である2000系の老朽置き換え目的で製造された。
  10030系 に準じた軽量ステンレス車体で、 9000系 同様の電機子チョッパ制御を採用している。
 1992年には、編成の前後それぞれ2両を5扉とした20050系が登場した。制御装置にはVVVFインバータ制御を採用し、LED式行先表示機やドアチャイム付き液晶式車内案内表示機を搭載していた。しかし、液晶式車内案内表示機は老朽化のために、9050系と共に撤去された。
 1996年には、列車増発用として扉数を5扉から3扉に戻した20070系が登場した。VVVFインバータ制御やLED式行先表示機は20050系と同じだが、液晶式に代わりドアチャイム付きLED式車内案内表示機、シングルアーム式パンタグラフを搭載している。
20070系
撮影日:2006年05月25日撮影場所:北千住駅21872F日比谷線 中目黒行き

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東武鉄道 30000系
 1997年デビュー。地下鉄半蔵門線乗り入れ用車両として設計され、 10000系 の後継でもある車両。
 30000系は、直通運転先の地下鉄半蔵門線・東急田園都市線が10両編成であるにもかかわらず、6両基本編成と4両付属編成で新造された。これは、地下鉄直通運用に入らない予備編成が自社線内運行時に、ホーム有効長の関係から入線できない区間がある事から、増解結される場合があるためである。
 この車両は、東武初のワンハンドルマスコン車両であるため、地下鉄乗り入れ運用開始の6年前に製造され、乗務員の習熟運転を行っていた。
 制御装置は日立製VVVFインバータを、全電気指令ブレーキを採用している。当初は回生ブレーキであったが、現在は全電気ブレーキに改造されている。
 10000系の後継車両であるという事もあってか、加速度が下がるが10000系列の車両とも併結が可能となっている。
  50050系 の投入により、乗り入れ用機器を供出した編成は地上運用に転じている。
30000系30000系
(左)撮影日:2006年05月30日撮影場所:北千住駅31402F急行 長津田行き
(右)撮影日:2006年07月29日撮影場所:久喜駅31612F普通 太田行き

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東武鉄道 50000系
 2005年デビュー。東上線系統は50000系、本線系統は50050系と区別されている。
 日立製作所の「A‐train」という製作システムを採用したダブルスキン構造のアルミ車両である。静音性が非常に高く、普通鋼製の前面をボルトで固定する工法は西武20000系と同じである。また、東武初のアルミ無塗装車両である。
 50000系は東上線系統で運転されている。1次車に当たる第1編成は非貫通式の正面スタイルであり、HID式前照灯は大きく下部に下げられ、運転台窓を1枚とした。前面、側面共にLED式行先表示機を採用し、側面行先表示機には停車中に号車番号が表示され、走行中には消灯する。第2編成では、前面貫通扉と運行番号を記すスペースが装備された。
 50050系は本線系統で運転されている。50050系は50000系第2編成に準じた車両であるが、10両固定編成である上に地下鉄半蔵門線・東急田園都市線の車両限界があるため、浅草方面や館林・南栗橋以北には入線出来ないと共に車体幅が50000系に比べ30㎜狭くなっている。
50050系50050系
(左)撮影日:2006年07月29日撮影場所:久喜駅51053F急行 中央林間行き
(右)撮影日:2006年09月15日撮影場所:押上駅51052F急行 中央林間行き

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会津鉄道 キハ8500系
 2002年デビュー。名鉄で誕生し、会津鉄道で再び活躍する気動車である。
 1991年にキハ8000系の老朽置き換えとして名鉄でデビューし、特急「北アルプス」等で使用されていた。しかし、2001年の特急「北アルプス」廃止に伴い、活躍の場を会津鉄道に移した。
 会津鉄道では、「AIZUマウントエクスプレス」といった愛称が与えられ、浅草駅発着の東武線急行「南会津」と連絡する会津若松〜会津田島間の快速列車に使用されていた。しかし、2005年に急行「南会津」が廃止されたため、野岩鉄道を経由して東武線鬼怒川温泉駅まで乗り入れるようになり、同時に浅草発着の東武線特急「きぬ」と接続する快速列車に使用されるようになった。また、新宿発着の特急「きぬがわ」にも接続するようになっている。
 車両は貫通型先頭車が4両、中間車が1両の計5両である。日本車輌製で、 キハ85系 の最高速度120㎞/hに匹敵する走行性能を有するため、キハ85系同様にカミンズ社製のエンジンを搭載している。車体はJRと名鉄の車両限界の違いから、キハ85系より少し小振りになっている。
 キハ85系とドア位置を合わせるため、車端部片側1箇所に片開き折り戸を採用し、キハ85系との併結に対応すべく、運転台側の貫通路の高さと連結器の長さを合わせている。
キハ8500系
撮影日:2006年08月07日撮影場所:鬼怒川温泉駅8504+8501AIZUマウントエクスプレス 会津若松行き

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