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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜
〜 十五夜 花月 〜
〜 改訂版 〜
お月見が近づいてきた。
そんなある日の事。
ここは、鎌倉の町。
小御所。
源義高と海野小太郎幸氏は、小御所を普通に歩いている。
小御所のどこかから楽しそうに話をする声が聞こえてきた。
「お月見が近づいてきましたね。」
「楽しみですね。」
源義高と海野小太郎幸氏は、源義高の部屋の中へと普通に入っていった。
ここは、源義高の部屋の中。
源義高と海野小太郎幸氏は、部屋の中に居る。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「小太郎。お月見をしようと誘われるかな?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「政子様からお誘いの話しがあるかも知れませんね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「もう一人いるだろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「確かにもう一人いらっしゃいますね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
それから少し後の事。
ここは、小御所。
海野小太郎幸氏は小御所を一人で普通に歩いている。
大姫の明るい声が海野小太郎幸氏の後ろから聞こえてきた。
「小太郎殿! こんにちは!」
海野小太郎幸氏は立ち止まると、微笑みながら後ろを見た。
大姫は海野小太郎幸氏の前に笑顔で来た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様と小太郎殿と一緒に、お月見をしたいです! ご都合は大丈夫ですか?!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様の都合は大丈夫だと思いますが、念のために確認をさせてください。お返事は後程という事で良いですか?」
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「良い返事を待っています!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は海野小太郎幸氏の元から笑顔で去っていった。
それから何日か後の事。
今夜はお月見の日となっている。
ここは、小御所。
台所。
大姫は河越重頼の娘の真澄と一緒に、お月見団子を作っている。
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。上新粉と片栗粉と砂糖を器の中に入れてください。」
大姫は上新粉と片栗粉と砂糖を真剣な表情で器の中に入れていく。
真澄が大姫に微笑んで話し出す。
「これから器にお湯を入れます。危ないので少し離れていてください。」
大姫は真剣な表情で頷くと、器から少し離れた。
真澄は器の中にお湯を微笑みながら入れた。
大姫は真澄の様子を真剣に見た。
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「器の中身を少しかき回します。」
大姫は真澄の横に来ると、真剣な表情で頷いた。
真澄は菜ばしを使い、微笑みながら器の中身をかき回し始めた。
大姫は真澄の様子を真剣な表情で見た。
真澄はかき回す手を止めると、大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。器の中身をかき回す続きをお願いします。」
大姫は真澄に真剣な表情で頷いた。
真澄は大姫に菜ばしを手渡した。
大姫は真澄から菜ばしを受け取ると、真剣な表情で器の前に立った。
真澄は大姫を微笑んで見た。
大姫は菜ばしを使い、器の中身を真剣な表情でかき回し始めた。
真澄は器の中身の様子を確認すると、大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。器の中身が良い感じになりました。こねようと思います。少しだけ力が必要なので私がこねます。」
大姫は真澄に真剣な表情で器の前から離れた。
真澄は器の前に立つと、丁寧に中身をこね始めた。
大姫は真澄の様子を真剣な表情で見た。
真澄は良い感じに器の中身をこね終わると、大姫に微笑んで話し出す。
「中身をこね終わったので、これから中身を小さく分けて台に置きます。大姫様には分けた物を丸くし頂きたいです。丸め終わった物は、台の上に戻してください。私がお湯の中に入れていきます。」
大姫は真澄を見ながら真剣な表情で頷いた。
真澄は器の中身を小さく分けて、台に置いていく。
大姫は台の上のこね終わった物を手に取り、真剣な表情で丸めていく。
真澄はお湯の沸いた鍋を確認した。
大姫は小さく丸め終わると、台の上に置いていく。
真澄は大姫が小さく丸めたお団子を、お湯がたくさん入っている鍋の中に入れていく。
大姫は真澄がこねた物を全て小さく丸め終わった。
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「お湯が熱くなっています。念のために、少し離れて確認してください。」
大姫は鍋から少し離れた。
お湯の入った鍋の中では、大姫ガ小さく丸太目お団子が、次々に浮かんでくる。
真澄は大姫と鍋の中の様子を見ながら、浮いてきたお団子をすくっていく。
大姫は真澄に微笑んで話し出す。
「お団子が浮いてきます。面白いです。」
真澄は大姫を微笑んで見た。
大姫は真澄と鍋の中の様子を微笑んで見た。
真澄は浮いてきたお団子を水の入った器に入れていく。
鍋の中のお団子を全てすくい終わった。
大姫は真澄を微笑んで見た。
真澄は水の入った器の中に入れたお団子の様子を微笑んで確認した。
水の入った器の中のお団子の様子はちょうど良い感じになっている。
真澄は水の入った器からお団子を取り出すと、丁寧に水気を切った。
大姫は真澄に微笑んで話し出す。
「お月見団子の出来上がりですね。」
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様もきっと喜ばれると思います。」
大姫は真澄に笑顔で頷いた。
それから暫く後の事。
ここは、鎌倉の町。
暗い色の空に綺麗な月の姿が少しずつ見え始めた。
ここは、源義高の部屋。
源義高と海野小太郎幸氏は、部屋の中で普段どおりに過ごしている。
大姫はいつもの様に元気良く部屋の中に入ってくると、源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「今夜は十五夜です! 一緒に月を見ましょう!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏は、部屋の外へと出て行った。
ここは、源義高の部屋の前に在る縁。
夜空には綺麗な月が浮かんでいる。
縁にはお月見団子や薄が置いてある。
源義高は月を微笑んで見た。
大姫は月を笑顔で見た。
海野小太郎幸氏は月を微笑んで見た。
源義高の月を見る表情が、僅かに寂しそうな表情になった。
海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、微笑んで話し出す。
「大丈夫。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
大姫は源義高を不思議そうに見た。
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫は源義高を笑顔で見た。
源義高は海野小太郎幸氏と大姫に微笑んで話し出す。
「縁に座って月を見ようか。」
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏は、源義高の部屋の前の縁に座って月を見始めた。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「月が綺麗だな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
大姫が源義高にもたれ掛かってきた。
源義高は大姫を不思議そうに見た。
大姫は源義高にもたれ掛かりながら、気持ち良さそうに眠っている。
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「自分から誘っているのに寝ているよ。」
海野小太郎幸氏は大姫の様子を確認すると、源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は真澄様からお月見団子の作り方を教わりながら、一緒に作られたそうです。きっとお疲れになられたのだと思います。」
源義高はお月見団子を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様の喜ぶ姿が見たくて真剣に作られていたそうです。お月見団子を作る時間は余り掛からないので、大姫様のご負担も少なかったようです。」
源義高は大姫を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏は源義高と大姫を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、微笑んで話し出す。
「大姫を部屋に連れて行こう。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
源義高は大姫を優しく起こした。
大姫は源義高にもたれ掛かりながら、眠そうに目を開けた。
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫は気持ち良さそうに再び目を閉じてしまった。
源義高は大姫を苦笑しながら見た。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を微笑みながら起こした。
大姫は源義高にもたれ掛かりながら、眠そうに目を開けた。
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫。部屋に連れて行く。」
大姫は源義高に眠そうに頷いた。
大姫は眠そうに立ち上がると、ゆっくりと歩き出した。
源義高と海野小太郎幸氏は静かに立ち上がると、大姫の様子を確認しながら、ゆっくりと歩き出した。
ここは、大姫の部屋の前。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏の三人は、部屋の前に居る。
大姫は源義高に眠そうに話し出す。
「義高様。また来年もお月見をしましょうね。来年は寝ないでたくさんお話ししたいです。お休みなさい。」
源義高は大姫に微笑んで話し出す。
「分かった。お休み。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に眠そうに話し出す。
「お休みなさい。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は眠そうに部屋の中へと入っていった。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「二人でお月見の続きをしよう。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
源義高と海野小太郎幸氏は、縁を静かに歩きながら、源義高の部屋の前に縁へと戻っていった。
ここは、源義高の部屋の前に在る縁。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「お月見団子を食べようか。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高はお月見団子を手に取ると、微笑んで食べ始めた。
海野小太郎幸氏もお月見団子を手に取ると、微笑んで食べ始めた。
源義高は月見団子を食べ終わると、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「美味しいな。」
海野小太郎幸氏は月見団子を食べ終わると、源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「でも少しだけ甘いかな。」
海野小太郎幸氏は源義高を苦笑しながら見た。
源義高は月見団子を手に取ると、美味しそうに食べ始めた。
海野小太郎幸氏も月見団子を手に取ると、美味しそうに食べ始めた。
その翌日の朝の事。
ここは、源義高の部屋。
源義高と海野小太郎幸氏は、部屋の中に一緒に居る。
大姫が元気良く部屋の中に入ってきた。
源義高は大姫に普通に話し出す。
「お月見団子を食べた。美味しかったよ。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「美味しかったですか! 嬉しいです! また何か作ります!」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は元気良く部屋を出て行った。
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「さっそく何か作って持ってくる様子に見える。それに、これからたくさんの菓子や食べ物を作りそうな気がする。」
海野小太郎幸氏は源義高を苦笑しながら見た。
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「どうしたらいいと思う?」
海野小太郎雪幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「その時になってから考えましょう。」
源義高は海野小太郎幸氏を苦笑しながら見た。
すると、切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「一緒にお月見が出来て楽しかったです・・・」
「お月見団子を褒めてもらえて嬉しかったです・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
「義高様とお月見が出来る日を楽しみに待っています・・・」
「今は、どちらにいらっしゃいますか・・・?」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
「十五夜(じゅうごや)」、「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」は、中国の唐の時代以降に盛んに行われたそうです。
「中秋の名月」に関する詩文も多くあるそうです。
日本では平安時代の延喜九年(909年)に、醍醐天皇が月見の宴を開いたのが初めてと言われています。
その後ですが、貴族社会では詩歌や管弦の催しがあったそうです。
しかし、お供え物はなかったそうです。
一般的にお月見が盛んになったのは、江戸時代からだそうです。
鎌倉時代の「仲秋の名月」については、確認が取れませんでした。
推測となりますが、お月見団子などの現在では良く見掛ける物は、鎌倉時代には形が違うか一般的ではない可能性があるのかなと思いました。
そのため、番外編として掲載しました。
風習に合わせて「十五夜」に続いて、「十三夜(じゅうさんや)」の物語も掲載しています。
「十五夜」ですが、改訂前の日付は、2005年9月18日でした。
改訂後の日付は、2007年9月25日です。
ご確認ください。
今回は物語の中で「お月見団子」を作っています。
簡単な手順ですが、お月見団子はこういう感じで作ると想像しながら読んでください。
題名の「花月(かげつ)」は、「花と月。自然の景物、または、風流な遊び。」という意味だそうです。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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