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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜
〜 十三夜 後の月に繋ぐ想い 〜
〜 改訂版 〜
今は秋の終わり。
十三夜が近づいて来た。
ここは、鎌倉の町。
日中は過ごしやすいが、夜になると肌寒さを感じる日がでてきた。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
源義高と海野小太郎幸氏は、一緒に居る。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「十三夜が近づいてきたな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫が十三夜の約束の確認をしにくる頃だな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 十三夜の約束を確認に来ました! 大丈夫ですよね!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「楽しみですね!」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「十三夜の当日にも何か作ります! 楽しみに待っていてください!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「張り切って菓子などを作って、途中で寝たら意味がない。だから、何も作らなくても良いよ。」
大姫は源義高に不思議そうに話し出す。
「十三夜に食べる物が無くても良いのですか?」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「誰かに頼んで作ってもらえば良いだろ。」
大姫は源義高に不思議そうに話し出す。
「分かりました。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高の部屋から不思議そうな表情のまま出て行った。
海野小太郎幸氏は源義高を不思議そうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、普通に話し出す。
「十五夜の日に、大姫がお月見団子を作っただろ。お月見団子作りに疲れたせいだと思うが、途中で寝てしまっただろ。今回も張り切って菓子などを作って、途中で寝たら可哀想だと思っただけだ。」
海野小太郎幸氏は源義高を申し訳なさそうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏に考え込みながら話し出す。
「大姫に何かを作って欲しいと頼んだ方が良かったのかな?」
海野小太郎幸氏は源義高を不思議そうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「来年の十五夜と十三夜に、俺と大姫と小太郎が一緒に居るとは限らないだろ。特に、俺や小太郎は、来年には何が起こるか分からないだろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に心配そうに話し出す。
「義高様。その様な事を言ってはいけません。」
源義高は海野小太郎幸氏に寂しそうな微笑みで話し出す。
「父上が俺や小太郎を、鎌倉から連れ出すかも知れないだろ。その時は、大姫を鎌倉に置いて木曾に戻る事になると思うんだ。」
海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏に寂しそうな微笑みで話し出す。
「来年の十三夜と十五夜には、何が起こっても不思議ではないよな。」
海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見た。
源義高は海野小太郎幸氏を寂しそうな微笑みで見た。
海野小太郎幸氏は源義高を困惑した様子で見た。
源義高は海野小太郎幸氏を寂しそうに微笑みで見ている。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。先の事を暗く考えるのは止めましょう。義高様が木曾に戻られる事があるとしても、約束をしていれば、翌年か翌々年の十五夜や十三夜を過ごす事は出来ますよね。」
源義高は海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「俺と大姫が離れていたら、十五夜や十三夜に何かを作る事は出来ないな。だから、大姫が途中で寝てしまっても構わないから、大姫の望み通りに何かを作らせた方が良いかと考えたんだ。逆に、十五夜や十三夜は年に一度しかないから、何も作らせずに一緒に月を見ながら過ごした方が良いのかなとも考えたんだ。」
海野小太郎幸氏は源義高に申し訳なさそうに話し出す。
「義高様のお考えが理解できずに、意見してしまいました。申し訳ありませんでした。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「小太郎。気にしないでくれ。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
それから何日か後の事。
ここは、小御所。
大姫の部屋。
大姫は河越重頼の娘の真澄と話しをしている。
大姫は真澄に考え込みながら話し出す。
「義高様と小太郎殿に、十三夜を一緒に過ごしたいと話しをしました。その時に何かを作ると言いました。義高様は十五夜の時に途中で寝たから、十三夜には何も作らなくて良いと言いました。でも、何も用意しないのは寂しいですよね。」
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様は、大姫様が十五夜の日にお月見団子を作られたから、途中で寝てしまわれたと考えられたのかも知れません。そのために、十三夜も途中で寝てしまわれる可能性を考えて、何も作らなくて良いと言われたのだと思います。」
大姫は真澄に考え込みながら話し出す。
「十三夜の当日は、みんな忙しいと思います。何かを作って欲しいと頼む事の出来る人が居ないと思います。」
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「たいした物を作る事は出来ませんが、私が十三夜に何かを作ってもよろしいでしょうか?」
大姫は真澄に笑顔で話し出す。
「本当ですか?! 嬉しいです!」
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「努力して美味しい物を作りたいと思います。」
大姫は真澄に嬉しそうに話し出す。
「楽しみにしています!」
真澄は大姫を微笑んで見た。
大姫は真澄に嬉しそうに話し出す。
「これから義高様の部屋に行ってきます!」
真澄は大姫に微笑んで話し出す。
「お供します。」
大姫は真澄に笑顔で話し出す。
「一人で行きます!」
真澄は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高の部屋へと元気良く歩き出した。
それから僅かに後の事。
ここは、源義高の部屋。
源義高と海野小太郎幸氏は、一緒に居る。
大姫は部屋の中に元気良く入ってきた。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 真澄が十三夜の日に何かを作ってくれるそうです!」
源義高は大姫を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見ている。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「話しは終わりました! また後で来ます!」
源義高は大姫を不思議そうに見ている。
大姫は元気良く部屋から居なくなった。
源義高は笑いを堪えながら海野小太郎幸氏を見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
それから何日か後の事。
十三夜の当日を迎えている。
ここは、鎌倉の町。
少し経つと陽が落ちそうな空になっている。
ここは、小御所。
大姫の部屋。
真澄は十三夜のために用意したお菓子を持って、大姫の部屋を訪ねてきた。
大姫は真澄を笑顔で見た。
真澄は大姫の前にお菓子を置くと、微笑んで話し出す。
「大姫様。先日の話しの通り、お菓子を作りました。」
大姫は真澄の作ったお菓子を笑顔で見た。
真澄は大姫を微笑んで見た。
大姫は真澄を見ると、嬉しそうに話し出す。
「真澄! ありがとう! これから義高様の部屋に一緒に行きましょう!」
真澄は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は元気良く部屋を出て行った。
真澄はお菓子を持ちながら、大姫の部屋を微笑んで出て行った。
それから僅かに後の事。
ここは、源義高の部屋。
大姫は元気良く部屋の中に入ってきた。
真澄はお菓子を持ちながら、部屋の中に微笑んで入ってきた。
源義高は大姫と真澄を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は大姫と真澄に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 十三夜のために、真澄に頼んでお菓子を作ってもらいました!」
源義高は真澄に申し訳なさそうに話し出す。
「ありがとう。」
真澄は源義高に微笑んで話し出す。
「私の出来る範囲でお菓子を作りました。義高様のお口に合うと良いのですが。」
源義高は真澄に微笑んで話し出す。
「十三夜の月を見ながら食べます。」
真澄は源義高に微笑んで話し出す。
「私はこれで失礼いたします。」
源義高は真澄を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏は真澄を微笑んで見た。
大姫は真澄を笑顔で見た。
真澄は大姫と源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで軽く礼をすると、部屋を出て行った。
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「陽が落ち始めていますね。もう少し経つと、月を見る事が出来ますね。」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様はお食事を召し上がられましたか? お食事を済ませてから月を見た方が、落ち着いて過ごせると思います。」
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔話し出す。
「分かりました! 食事をしてきます!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は元気良く部屋を出て行った。
それから暫く後の事。
ここは、鎌倉の町。
月の輝きが夜空を明るく照らしている。
ここは、小御所。
源義高の部屋の前に在る縁。
縁には、真澄が作ったお菓子や栗などが置いてある。
源義高と海野小太郎幸氏は、縁に座りながら、大姫が来るのを待っている。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏の傍に元気良く来た。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。
大姫は源義高の横に笑顔で来た。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫はお菓子を手に取ると、嬉しそうに食べ始めた。
源義高はお菓子を手に取ると、微笑んで食べ始めた。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高の様子を確認すると、お菓子を手に取り、微笑んで食べ始めた。
虫の声が月夜の下で静かに響いている。
大姫はお菓子を食べ終わると、源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 虫の声が綺麗ですね!」
源義高はお菓子を食べ終わると、大姫に微笑んで頷いた。
大姫は虫の声を微笑んで聞き始めた。
源義高は大姫を微笑んで見た。
虫の声は月夜の下で静かに響いている。
海野小太郎幸氏は微笑んで大姫を見た。
大姫が眠そうな仕草を見せている。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。大丈夫ですか?」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に、眠そうだが微笑んで話し出す。
「大丈夫です。虫の声が綺麗です。」
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫は気持ち良さそうに目を閉じると、源義高に寄り掛かってきた。
源義高は大姫を微笑んで受け止めた。
大姫は気持ち良さそうに眠っている。
源義高は大姫を抱きながら、海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「結局は途中で寝てしまったな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「虫の声を聞いている内に、眠くなられたようですね。」
源義高は大姫を抱きながら、海野小太郎幸氏に苦笑しながら話し出す。
「結局は寝てしまうのなら、菓子を作って欲しいと言ってあげれば良かったかな?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様には義高様のお気持ちは、しっかりと伝わっていると思います。十三夜は来年もあります。来年は大姫様に菓子を作って頂くというのはどうでしょうか?」
源義高は大姫を抱きながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「来年は大姫も少し大きくなっているから、今年より美味しい菓子を作ってくれるよな。」
海野小太郎幸氏は源義高を苦笑しながら見た。
源義高は大姫を抱きながら、静かに話し出す。
「大姫。そろそろ部屋に戻ろう。」
大姫は眠そうに目を開けると、源義高に微笑んで頷いた。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏は、大姫の部屋へと向かって縁を歩き出した。
それから少し後の事。
ここは、源義高の部屋の前に在る縁。
源義高と海野小太郎幸氏は、大姫の部屋から戻ってきた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。二人だけとはなりますが、虫の声を聞きながら月を見ませんか?」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。
十三夜の月は、夜空を綺麗に照らしている。
虫の声は十三夜の月の下で静かに響いている。
源義高と海野小太郎幸氏は、虫の音を聞きながら、十三夜の月を微笑んで見た。
すると切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「真澄の作ったお菓子は美味しかったですね・・・」
「私も義高様のためにお菓子を作りたかったです・・・」
「義高様と一緒に十三夜の月をもっと見たいです・・・」
「今なら寝ないで一緒に月を見る事が出来ます・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きなります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。
大姫と源義高と海野小太郎幸氏の「十三夜(じゅうさんや)」の物語です。
番外編として掲載しました。
「十三夜」は、「陰暦十三夜の夜。または、陰暦九月十三日の夜。」を差します。
「十五夜」に対しての「十三夜」の場合は、「陰暦九月十三日の夜」を差します。
陰暦九月十三日は、陰暦八月十五日に次いで月が美しいとされています。
「十三夜」の別名には、「後の月(のちのつき)」、「豆名月(まめめいげつ)」、「栗名月(くりめいげつ)」があります。
「十三夜」は日本独自の風習になります。
「十三夜」は、貴族や宮廷では、行事として行なわれていなかったようです。
「十五夜」か「十三夜」の片方しか行なわないのは、「片見月」といって嫌われたそうです。
「十三夜」は、現在の暦にすると、毎年十月頃になります。
そのため、毎年の日付に開きがあります。
改訂前の「十三夜」は、「2005年10月15日」でした。
改訂後の「十三夜」は、「2007年10月23日」です。
念のためにご確認ください。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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