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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜


〜 季節はずれの秋の朝顔 天使の楽器 〜


〜 改訂版 〜


今は秋。


ここは、鎌倉の町。


小御所。


源義高の部屋。


源義高は一人で部屋の中に居る。


大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! 一緒にどこかに出掛けたいです!」

源義高が大姫に普通に話し出す。

「返事は後で良いか?」

大姫が源義高を不思議そうに見た。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は部屋の中を見回しながら、源義高に不思議そうに話し出す。

「小太郎殿が居ませんね。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「小太郎は用があって出掛けている。」

大姫が源義高に不思議そうに話し出す。

「義高様もどこかに出掛るのですか?」

源義高が大姫に普通に話し出す。

「俺は出掛ける予定は無い。小太郎が戻ってくるのを待っているだけだ。」

大姫は源義高に不思議そうに話し出す。

「小太郎殿が居ないと出掛けられないのですか?」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「俺一人だけで出掛けるのは、いろいろと面倒なんだ。」

大姫が源義高に笑顔で話し出す。

「分かりました! 真澄を連れてきます! そうしたら一緒に出掛ける事が出来ますね!」

源義高は大姫を僅かに困惑した様子で見た。


大姫は源義高の部屋から嬉しそうに去っていった。


源義高は僅かに困惑した様子で呟いた。

「小太郎は俺が用を頼んだから出掛けているんだぞ。小太郎が戻らない内に、俺が一人で出掛ける訳にはいかないだろ。」

呟き終わると、軽くため息をついた。


それから暫く後の事。


ここは、源義高の部屋。


源義高は僅かに困惑した表情で部屋の中に居る。


大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。

河越重頼の娘の真澄は、軽く礼をしてから、微笑んで部屋の中に入ってきた。


源義高は大姫と真澄を普通の表情で見た。


大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「戻ってきました!」

真澄が源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様からお出掛けしたいとのお話しがありました。私でよろしければ、お供いたします。」

源義高が真澄に僅かに困惑した様子で話し出す。

「小太郎に用を頼んだ。小太郎の帰りを待っているので、直ぐに出掛ける事は出来ない。」

真澄は大姫を見ると、微笑んで話し出す。

「小太郎殿の帰りをみんなで待ちませんか?」

大姫が真澄に笑顔で話し出す

「はい!」

真澄は大姫を微笑んで見た。

源義高は大姫と真澄を普通の表情で見た。


それから少し後の事。


ここは、源義高の部屋。


大姫、源義高、真澄は、海野小太郎幸氏の帰りを待っている。


源義高は大姫に普通に話し出す。

「小太郎が戻ってこない。今日は出掛けるのを止めないか?」

大姫は源義高を残念そうに見た。

源義高は大姫に普通に話し出そうとした。


海野小太郎幸氏の穏やかな声が、部屋の外から聞こえてきた。

「小太郎です。遅くなりました。」


大姫は源義高を笑顔で見た。

源義高は部屋の外に向かって、普通に話し出す。

「早く入ってこい。」


障子が普通に開いた。


海野小太郎幸氏は微笑みながら部屋の中に入ってきた。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「遅いぞ。」

海野小太郎幸氏は源義高に申し訳なさそうに話し出す。

「申し訳ありませんでした。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

大姫は海野小太郎幸氏に嬉しそうに話し出す。

「小太郎殿! お帰りなさい!」

海野小太郎幸氏は大姫を見ると、微笑んで話し出す。

「お気遣い頂きありがとうございます。」

大姫が海野小太郎幸氏に嬉しそうに話し出す。

「みんなで出掛けしましょう!」

海野小太郎幸氏が源義高を確認するように見た。

源義高は大姫に普通に話し出す。

「出掛けるといっても、時間が無いから近くになるぞ。」

大姫は源義高を見ると、嬉しそうに話し出す。

「はい!」

源義高は大姫を普通の表情で見た。


大姫は源義高の手を取ると、元気良く部屋を出て行った。

源義高は大姫に手を引かれながら、部屋を出て行った。

真澄は大姫と源義高を見ながら、微笑んで部屋を出て行った。

海野小太郎幸氏は源義高と大姫と真澄を見ながら、微笑んで部屋を出て行った。


それから少し後の事。


ここは、鎌倉の町。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、楽しそうに話をしながら歩いている。


大姫は立ち止まると、不思議そうに上を見た。

源義高は立ち止まると、大姫の見ている方向を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏と真澄は、一緒に立ち止まると、大姫の見ている方向を不思議そうに見た。


大姫の見ている先には、白色で縁取りが淡い桃色の不思議な花が咲いている姿がある。


大姫は白色の不思議な花へとゆっくりと近づいた。


源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、大姫の後を歩き出した。


大姫は白色の不思議な花を指しながら、源義高に不思議そうに話し出す。

「義高様。不思議な白い花は、何と言う名前ですか?」

源義高は白色の不思議な花を見ると、大姫に普通に話し出す。

「分からない。」

大姫は白色の不思議な花を指しながら、源義高に不思議そうに話し出す。

「不思議な白い花は、夏の頃から咲いていました。夏の花なのでしょうか? それとも秋の花なのでしょうか?」

源義高が大姫を見ると、普通に話し出す。

「大姫の話から判断すると、夏から秋に掛けて咲く花かも知れないな。」

大姫は白色の不思議な花を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は白色の不思議な花を見ながら、真澄に不思議そうに話し出す。

「百合のような花ですね。」

真澄は白色の不思議な花を見ながら、海野小太郎幸氏に不思議そうに話し出す。

「確かに百合のような花ですね。でも、木に咲いているので、百合の花とは違いますよね。」

大姫は源義高を見ると、微笑んで話し出す。

「白色に淡い桃色の縁取りが綺麗な花ですよね。」

源義高が大姫を見ると、普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、普通に話し出す。

「義高様。小御所に戻る時間が近づいています。」

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、素っ気無く話し出す。

「小太郎が戻ってくるのが遅かったから、もう帰る時間なんだ。」

海野小太郎幸氏は源義高に申し訳なさそうに話し出す。

「ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。」

源義高は海野小太郎幸氏に僅かに驚いた様子で話し出す。

「小太郎。ごめん言い過ぎた。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大丈夫です。気にしないでください。」

大姫は白色の不思議な花を不思議そうに見ている。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高を見ると、笑顔で話し出す。

「義高様! 白色の大きな朝顔に見えますね!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

真澄が源義高に微笑んで話し出す。

「この花の名前が知りたいですね。」

源義高は真澄に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は白色の不思議な花を不思議そうに見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「夏から秋に掛けて咲く花なら、来年の夏にはたくさん咲く様子を見る事が出来るな。」

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、微笑んで話し出す。

「はい。来年の夏がとても楽しみですね。」

大姫が源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! 来年の夏になったら、みんなでこの花がたくさん咲く様子を、一緒に見ましょうね!」

源義高は大姫に普通の表情で話し出す。

「そうしたいな。」

大姫は源義高を笑顔で見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎。この花の名前を調べてくれないか?」

海野小太郎幸氏は源義高に僅かに困惑した様子で話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎。困った顔をしているぞ。」

海野小太郎幸氏は源義高に僅かに困惑した様子で話し出す。

「私もこの花の事を知りたいのですが、誰に聞けば良いのか全く分かりません。」

真澄が海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「私もお手伝いいたします。」

海野小太郎幸氏は真澄を見ると、微笑んで話し出す。

「よろしくお願いします。」

大姫が源義高に笑顔で話し出す。

「来年の夏がとても楽しみですね!」

源義高は大姫に微笑んで頷いた。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、楽しそうに話しながら小御所へと戻って行った。


すると切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「夏になると、あの不思議な白い花が綺麗に咲き始めます・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「あの不思議な白い花の名前がやっと分かりました・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「あの不思議な白い花から、とても綺麗な音色が聴こえてきます・・・」

「あの不思議な白い花から、とても優しい音色が聴こえてきます・・・」

「あの不思議な白い花から、とても澄んだ音色が聴こえてきます・・・」

「義高様にも、あの不思議な白い花から、何か聞こえませんか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を加筆訂正するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

大姫、源義高、海野小太郎幸氏、河越重頼の娘の四人が見ていた花は、当時は見る事が出来ない花だと思われます。

和名は「木立朝鮮朝顔」、または、「朝鮮朝顔」です。

洋名は「ダチュラ」です。

この花の別名は、「エンゼルトランペット」です。

文字通り「天使が吹き鳴らすラッパ」をイメージしています。

花の形も「天使が吹き鳴らすラッパ」を連想する形をしています。

だいたい6月〜9月頃にかけて咲きます。

私が最初に「エンゼルトランペット」という名前と花を知った場所は、鎌倉でした。

そのため、私が初めて知った名前は「エンゼルトランペット」になります。

私は名前から感じるイメージも含めて、「エンゼルトランペット」という名前が気に入っています

私が「エンゼルトランペット」を初めて見た時期は、この花では季節はずれの11月でした。

そのせいか、ほとんどの花は既に咲いていませんでした。

綺麗に見られる時期は、10月頃までと思います。

「エンゼルトランペット」は、白色以外の花もあります。

私としては、白色で一部が淡いピンク色というのが、イメージに一番近いと思います。

掲載時期や開花時期やその他の状況から考えて、詳しい場所は秘密にしたいと思います。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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