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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜


〜 夢現 春 大銀杏 未来に繋ぐ 〜


物語を始める前に、簡単ですが、今回の物語に登場する神社やお店などの説明をします。

「岩船地蔵堂」

この地蔵堂には30cm前後のお地蔵様が祀られているそうです。

大姫の守り本尊として知られています。

一説には、大姫の妹の三幡姫の守り本尊ともいわれているそうです。

いつから在るのか確認は取れませんでしたが、源義高の死後に造られたと思われます。

2005年頃から数年ほど前に、新しい外装に建て替えました。

「鶴岡八幡宮」

鎌倉に在ります。

段葛を歩くと鶴岡八幡宮の鳥居の前に来ます。

境内には池や美術館などがあります。

大銀杏については、後書きで補足します。

一部の施設は、大姫や源義高や海野小太郎幸氏の時代に在った八幡様です。

「本宮」

鶴岡八幡宮の本宮です。

大姫が鎌倉に居る時代に造られています。

大銀杏を見上げながら階段を上った先に在ります。

「会話のみ、または、舞台として登場する、物語の中のお店や施設」

2010年3月中旬の時点で書きました。

「補足」

2010年3月中旬の状況で物語を書いたので、掲載時、または、皆様がこの物語を読まれている時には、状況が変わっている可能性があります。


では、本文へどうぞ。




*      *      *      *      *      *




今は平成。


三月。


ここは、鎌倉。


寒い日と暖かい日が訪れている。

暖かい春の気配が少しずつ増えている。


たくさんの観光客が変わらずに訪れている。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


大銀杏の傍。


大銀杏の葉は落ちて幹と枝の姿になっている。

大銀杏の大きい姿は変わらない。


大姫は大銀杏を不思議な様子で見ている。

源義高も大銀杏を不思議な様子で見ている。

海野小太郎幸氏も大銀杏を不思議な様子で見ている。


大姫は大銀杏を見ながら、源義高と海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。

「義高様。小太郎殿。大銀杏の様子が少しずつ違っています。」

源義高は大銀杏を見ながら、普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫と源義高に不思議な様子で軽く礼をした。

大姫は大銀杏に微笑んで話し出す。

「明日も来ます。」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


大姫は微笑んで、静かに居なくなった。

源義高は普通の表情で、静かに居なくなった。

海野小太郎幸氏は微笑んで、静かに居なくなった。


数日後の事。


ここは、鎌倉。


早朝。


暗さに包まれている。


ここは、岩船地蔵堂。


大姫は静かに寝ている。

源義高も静かに寝ている。

海野小太郎幸氏は静かに寝ている。


大姫は驚いた様子で起きた。

源義高は不思議な様子で起きた。

海野小太郎幸氏も不思議な様子で起きた。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に驚いて話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 鶴岡八幡宮で何か起きました!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に普通の表情で軽く礼をした。


大姫は慌てた様子で、静かに居なくなった。

源義高は普通の表情で、静かに居なくなった。

海野小太郎幸氏も普通の表情で、静かに居なくなった。


僅かに後の事。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


大姫は慌てた様子で、静かに現れた。

源義高は普通の表情で、静かに現れた。

海野小太郎幸氏も普通の表情で、静かに現れた。


大銀杏が根元から倒れている。


大姫は大銀杏を驚いて見た。

源義高も大銀杏を驚いて見た。

海野小太郎幸氏も大銀杏を驚いて見た。

大姫は大銀杏を見ながら、源義高と海野小太郎幸氏に驚いて話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 大銀杏が倒れています!」

源義高は大銀杏を見ながら、驚いた表情で頷いた。

海野小太郎幸氏も大銀杏を見ながら、驚いた表情で軽く礼をした。


鶴岡八幡宮の関係者が大銀杏の傍に来る気配を感じる。


源義高は大姫と海野小太郎幸氏を見ると、大姫と海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「大姫。小太郎。大銀杏が倒れた状況は、大変な出来事だ。直ぐに騒ぎになる。離れて様子を見よう。」

大姫は源義高を見ると、動揺して話し出す。

「はい!」

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、僅かに慌てて軽く礼をした。


大姫は慌てた様子で、静かに居なくなった。

源義高は普通の表情で、静かに居なくなった。

海野小太郎幸氏は普通の表情で、静かに居なくなった。


暫く後の事。


ここは、岩船地蔵堂。


大姫は考え込んで居る。

源義高も考え込んで居る。


大姫は源義高に心配して話し出す。

「義高様。大銀杏は大丈夫でしょうか?」

源義高は大姫に考え込んで話し出す。

「今の技術は物凄く進歩している。大丈夫な可能性はあるが、俺には分からない。」

大姫は源義高を心配して見た。


海野小太郎幸氏は普通の表情で、静かに現れた。


大姫は海野小太郎幸氏を心配して見た。

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫と源義高に心配して話し出す。

「専門家の方が大銀杏を再び植えられるか調べています。大銀杏を再び植えるのは無理と考える専門家、今の大銀杏の一部を再び植えて新しい銀杏が生える可能性があると考える専門家、がいるそうです。」

大姫は海野小太郎幸氏に考え込んで話し出す。

「大銀杏の今後は不明なのですね。」

海野小太郎幸氏は大姫に心配して話し出す。

「はい。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を考え込んで見た。

源義高も大姫と海野小太郎幸氏を考え込んで見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「義高様。小太郎殿。姫は大銀杏とたくさんの時間を過ごしました。大銀杏の今後に関係なく、大銀杏にお礼が言いたいです。」

源義高は大姫に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


翌日の事。


ここは、鎌倉。


早朝。


辺りは暗さを感じる。


人の姿はほとんど見えない。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


大銀杏は倒れている。


大銀杏の根元には保護するための幕が掛けてある。


人の姿は少ない。


大姫は微笑んで、静かに現れた。

源義高は普通の表情で、静かに現れた。

海野小太郎幸氏は微笑んで、静かに現れた。


大姫は大銀杏を見ると、源義高と海野小太郎幸氏に寂しく話し出す。

「大銀杏が再び元気に植わる姿は見られないかも知れません。」

源義高は大銀杏を見ると、普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大銀杏を見ると、寂しく軽く礼をした。

源義高は大銀杏を見ながら、大姫と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「銀杏は、古木から若芽が生えて次の世代に繋がる時がある。大銀杏も若芽が生えて次の世代に繋がる可能性がある。大銀杏を信じよう。」

大姫は源義高を見ると、源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は大姫と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

大姫は大銀杏を見ると、大銀杏に微笑んで話し出す。

「今まで鎌倉を守ってくれてありがとうございます。今までたくさんありがとうございます。姫と義高様と小太郎殿と再び過ごしてくれる銀杏の誕生を、再び鎌倉を守ってくれる銀杏の誕生を、楽しみに待っています。」

源義高は大銀杏を見ると、大銀杏に微笑んで話し出す。

「今までたくさんの時を共に過ごしてくれてありがとうございます。今まで鎌倉を守ってくれてありがとうございます。新たな大銀杏に逢える日を楽しみに待っています。」

海野小太郎幸氏は大銀杏を見ると、大銀杏に微笑んで話し出す。

「今まで様々な姿を見て過ごしました。今までたくさんの時を共に過ごしました。今まで鎌倉を守って頂きました。ありがとうございます。新たな大銀杏に逢える日を楽しみに待っています。」

源義高は大姫と海野小太郎幸氏を見ると、大姫と源義高に普通の表情で話し出す。

「出逢いが訪れると、別れが訪れる。別れが訪れると、新たな出逢いが訪れる。今回の大銀杏を見て改めて実感した。」

大姫は源義高に考え込んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に考え込んで軽く礼をした。

源義高は大姫と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「大姫。小太郎。少し経つとたくさんの人達が訪れる。戻ろう。」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。


大姫は微笑んで、静かに居なくなった。

源義高も微笑んで、静かに居なくなった。

海野小太郎幸氏も微笑んで、静かに居なくなった。


翌日の事。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


大銀杏の辺りは幕で囲まれている。


大銀杏の様子は分からない。

作業車の一部分が見える。


普段よりたくさんの人達が居る。


一人の少年が考え込んで居る。

一人の少年が僅かに心配な様子で居る。

一人の少女も僅かに心配な様子で居る。


考え込む少年の名前は、義孝。

僅かに心配な様子の少年の名前は、幸氏。

僅かに心配な様子の少女は、義孝と幸氏と良く居るが、名前は分からない。


少女は大銀杏の在る方向を寂しく見た。

義孝は大銀杏が在る方向を見ながら、幸氏と少女に寂しく話し出す。

「寂しいな。」

幸氏は大銀杏が在る方向を見ながら、義孝と幸氏に寂しく話し出す。

「樹齢千年。千年も無事に過ごしたんだ。俺が生きる間は大銀杏が見られると当然のように思っていた。」

義孝は大銀杏が在る方向を見ながら、普通の表情で頷いた。

少女は義孝と幸氏を見ると、義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「大銀杏を再び植えるのは無理らしいけれど、大銀杏の一部を植えて若芽の誕生を期待するそうよ。」

幸氏は少女を見ると、少女に微笑んで話し出す。

「大銀杏に再び逢える可能性を信じよう。」

義孝は幸氏と少女に微笑んで話し出す。

「落ち込まず、明るい気持ちで、可能性を信じよう。」

少女は義孝と幸氏に微笑んで頷いた。

幸氏は義孝を見ると、微笑んで頷いた。

少女は義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「大きな姿の大銀杏に逢うためには千年も待つのね。」

幸氏は少女に微笑んで話し出す。

「千年は物凄く長いな。」

義孝は幸氏に微笑んで話し出す。

「俺達は大きな姿の大銀杏に逢えないけれど、俺達の幾代も後の子孫は、大きな姿の大銀杏を見られる可能性があるな。」

少女は義孝に微笑んで頷いた。

幸氏は少女に微笑んで頷いた。

義孝は幸氏と少女を微笑んで見た。

少女は義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「大銀杏にお礼の気持ちを伝えるわ。」

義孝は少女に微笑んで頷いた。

幸氏も少女に微笑んで頷いた。

少女は大銀杏が在る方向に微笑んで手を合わせた。

義孝も大銀杏が在る方向に微笑んで手を合わせた。

幸氏も大銀杏が在る方向に微笑んで手を合わせた。


すると切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「時が止まらず動いていると実感する夢を見ました・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「私は義高様と小太郎と永久に過ごしたいです・・・」

「義高様も私と同じ想いですか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」

「私の見た夢は、後に起きる現の出来事なのでしょうか・・・?」

「私の見た夢は、夢の中だけの出来事なのでしょうか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

「大銀杏(おおいちょう)」についてです。

イチョウ科です。

神奈川県指定の天然記念物です。

鶴岡八幡宮の境内に在る御神木です。

本宮に続く階段の脇に植わっていました。

高さ30m、幹回り6.8mの大きな銀杏の木でした。

樹齢は、800年、1000年以上、と言われています。

2010年3月10日の午前4時30分頃に、境内に大きな音が響いたそうです。

関係者が境内を見ると、大銀杏が倒れていたそうです。

倒れた時間と方向が幸いして、怪我をした方も亡くなられた方もいないそうです。

倒れてから数日間の経過です。

大銀杏が枯れないように、根元にシートを掛けて、水をかけていたそうです。

再生できるか調査したそうです。

調査の結果は、大銀杏は根から倒れているため再び植えるのは難しいが、大銀杏から新しい若芽の誕生の可能性がある、との内容だったそうです。

大銀杏の一部を移植する事にしたそうです。

移植するならば、早い決断が必要なので、大銀杏の一部を移植すると決めたそうです。

大銀杏の一部は、大銀杏が植わっていた場所から少し離れた場所に移植したそうです。

後の経過と結果は、物語を書いた時点では不明です。

今回の大銀杏をめぐる出来事については、様々な考えがあります。

今回の物語は、様々な考えの中の一つとして、ご理解とご了承の上、お読みください。

「夢現(ゆめうつつ)」は「夢と現実。夢とも現ともつかない状態。」の意味です。

「夢現」を分けると、「夢(ゆめ)」と「現(うつつ)」になります。

「現」は「現実」の意味があります。

「現」は「夢」に対して良く使われる言葉です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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