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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜


〜 夢現 紫陽花の幻想 〜


物語を始める前に、簡単ですが、今回の物語に登場する神社やお店などの説明をします。

「鶴岡八幡宮」

鎌倉に在ります。

段葛を歩くと鶴岡八幡宮の鳥居の前に来ます。

境内には池や美術館などがあります。

本宮は大姫が鎌倉に居る時代に造られています。

本宮は大銀杏の傍に在る階段を上った先に在ります。

大銀杏については、後書きで補足します。

一部の施設は、大姫や源義高や海野小太郎幸氏の時代に在った八幡様です。

「長谷寺」

鎌倉時代より前から在るお寺と伝わっています。

天平八年(736年)の創建と伝わっているそうです。

観音様が有名です。

観音様の背景など、鎌倉時代や鎌倉時代以降に奉納された物もあります。

江ノ電の最寄り駅は「長谷」です。

「明月院」

永暦元年(1160年)の創建だそうです。

元は「明月庵」と呼ぶそうです。

後に「明月院」と改められたそうです。

更に後に、この場所に「最明寺」が建立され、更に後に「禅興寺」が建立されたそうです。

「禅興寺」は、明治になり廃寺となったそうですが、明月院は残りました。

別名で「紫陽花寺」と呼ばれるほど、紫陽花で有名なお寺です。

明月院の紫陽花は、ほとんどが青色です。

JRの最寄り駅は「北鎌倉駅」です。

「江ノ電」

鎌倉駅と藤沢駅を運行する電車です。

2〜4両の車両で運行しています。

江ノ電が運行を開始したのは、明治35年(1902年)です。

当時は、藤沢から片瀬の間の運行だったそうです。

「会話のみ、または、舞台として登場する、物語の中のお店や施設」

2007年6月の時点で書きました。

「補足」

2007年6月の状況で物語を書いたので、掲載時、または、皆様がこの物語を読まれる時には、状況が変わっている可能性があります。


では、本文へどうぞ。




*      *      *      *      *      *




時は平成。


ここは、鎌倉。


紫陽花や菖蒲が綺麗な季節が始まった。


今日は雨の降る気配の無い天気になる。


鎌倉は、たくさんの観光客と地元の人達で賑わっている。


ここは、鎌倉駅。


たくさんの人達が居る。

たくさんの人達が改札を通っている。


二人の少年と一人の少女が、たくさんの人達に混じって、改札を通った。


二人の少年の名前は、義孝と幸氏。

少女の名前は分からない。


少女は義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「紫陽花の季節が近付いたわね。」

義孝は少女に普通に話し出す。

「紫陽花が見頃になると、紫陽花の名所で落ち着いて見るのは難しいな。」

少女は義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「平日に都合を付けて紫陽花を見に行きましょう。」

義孝は少女に普通に話し出す。

「考えておく。」

少女は義孝を微笑んで見た。

幸氏は義孝と少女に微笑んで話し出す。

「歩きながら話そう。」

少女は幸氏に微笑んで頷いた。

義孝は幸氏に普通の表情で頷いた。


義孝は普通に歩き出した。

幸氏は微笑んで歩き出した。

少女も微笑んで歩き出した。


数日後の事。


ここは、鎌倉。


長谷。


今日も雨の降る気配の無い天気になる。


ここは、長谷寺。


境内。


紫陽花の見頃には少し早く、平日のために、訪れる人が少ない。


紫陽花の散策路。


紫陽花の見頃には少し早く、平日のため、散策路を歩く人が少ない。


散策路は細い路もあるため、一列になって歩いている。


僅かだが落ち着いて見られる状況になる。


義孝は普通に歩いている。

幸氏は微笑んで歩いている。

少女も微笑んで歩いている。


少し後の事。


ここは、長谷寺。


境内。


紫陽花の散策路。


散策路が広くなる場所。


義孝は普通に来た。

幸氏は微笑んで来た。

少女も微笑んで来た。


色とりどりの紫陽花の先に、由比ガ浜が見える。

由比ガ浜に向かって打ち寄せる波が見える。


少女は色とりどりの紫陽花と景色を微笑んで見た。

幸氏も色とりどりの紫陽花と景色を微笑んで見た。

義孝は色とりどりの紫陽花と景色を普通の表情で見た。

少女は義孝と幸氏を見ると、義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「綺麗な景色ね。」

義孝は色とりどりの紫陽花と景色を見ながら、普通の表情で頷いた。

幸氏は色どりどりの紫陽花と景色を見ながら、微笑んで頷いた。

少女は義孝と幸氏を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、北鎌倉。


今日も雨の降る心配の無い天気になる。


ここは、北鎌倉の駅。


幸氏は微笑んで改札を通ってきた。

少女も微笑んで改札を通ってきた。


幸氏は少女に微笑んで話し出す。

「義孝が一人で待っている。明月院に早く行こう。」

少女は幸氏に微笑んで頷いた。


少女は微笑んで歩き出した。

幸氏は微笑んで歩き出した。


時は戻る。


平成で暮らす人達が鎌倉時代と呼ぶ頃。


ここは、鎌倉。


鶴岡八幡宮。


大姫は微笑んで居る。

源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「義高様。小太郎殿。姫は紫陽花を見たいです。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「紫陽花は小御所の庭にも咲いている。鶴岡八幡宮は紫陽花がたくさん咲く場所ではない。なぜ鶴岡八幡宮に来たんだ?」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様と小太郎殿とお出掛けするために来ました。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「大姫の希望を叶える一番の選択は、小御所に戻って紫陽花を見る、になるな。」

大姫は源義高に寂しく話し出す。

「姫は小御所の外に咲く紫陽花を見たいです。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「仕方が無い。鶴岡八幡宮に咲く紫陽花を見ながら、紫陽花を見る次の場所を決めよう。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

源義高は大姫と海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


時は戻る。


時は平成。


ここは、鎌倉。


鶴岡八幡宮。


境内。


人の姿はほとんど見えない。


静かな雰囲気になっている。


大姫は不思議な様子で居る。

源義高は普通に居る。


大姫は辺りを見ながら、源義高に不思議な様子で話し出す。

「義高様。いつもの鶴岡八幡宮と違います。」

源義高は辺りを見ながら、大姫に心配して話し出す。

「小太郎が居ない。」

大姫は辺りを見ながら、源義高に心配して話し出す。

「小太郎殿は何処に行ったのでしょうか?」

源義高は辺りを見ながら、大姫に心配して話し出す。

「遠くに行ったと思えない。動かずに待とう。」

大姫は源義高を見ると、源義高に心配して話し出す。

「はい。」

源義高は大姫を普通の表情で見た。


直後の事。


ここは、北鎌倉。


明月院の傍。


紫陽花の季節には早く、平日のため、訪れる人は少ない。


海野小太郎幸氏は辺りを不思議な様子で見ている。


義孝の穏やかな声が、海野小太郎幸氏の後ろから聞こえた。

「小太郎君。今日は一人なんだ。」


海野小太郎幸氏は後ろを不思議な様子で見た。


義孝が海野小太郎幸氏を微笑んで見ている。


海野小太郎幸氏は義孝に不思議な様子で話し出す。

「義高と姫と紫陽花を見る話をしました。気付いたら一人になっていました。」

義孝は海野小太郎幸氏に心配して話し出す。

「義高君と姫ちゃんも小太郎君を探しているよね。心配だね。」

海野小太郎幸氏は義孝を不思議な様子で見た。

義孝も海野小太郎幸氏を不思議な様子で見た。

海野小太郎幸氏は義孝に不思議な様子で話し出す。

「義孝お兄さんも一人なのですか? 幸氏お兄ちゃんとお姉ちゃんは、居ないのですか?」

義孝は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「一人だけ先に来たんだ。二人は後から来るんだ。」

海野小太郎幸氏は義孝を微笑んで見た。

義孝は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「二人が来るまでには少し時間がある。姫ちゃんと義高君を一緒に探そう。」

海野小太郎幸氏は義孝に微笑んで話し出す。

「今は待ち合わせの最中ですよね。待ち合わせの場所から離れたら、幸氏お兄さんとお姉さんに会えなくなるかも知れません。僕が一人で探します。」

義孝は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「姫ちゃんと義高君が早く見付かると良いね。」

海野小太郎幸氏は義孝に微笑んで話し出す。

「はい。」

義孝は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は義孝に微笑んで礼をした。

義孝は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。


海野小太郎幸氏は微笑んで歩き出した。


義孝は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


海野小太郎幸氏の姿が、静かに見えなくなった。


義孝は辺りを不思議な様子で見た。


幸氏の穏やかな声が、義孝の後ろから聞こえた。

「予定の時間に着いた。」


義孝は後ろを不思議な様子で見た。


幸氏は義孝を微笑んで見ている。

少女も義孝を微笑んで見ている。


義孝は幸氏と少女を不思議な様子で見た。

幸氏は義孝を不思議な様子で見た。

少女も義孝を不思議な様子で見た。

義孝は幸氏と少女に普通に話し出す。

「僅か前まで、小太郎君と話していたんだ。小太郎君は姫ちゃんと義高君と紫陽花を見に来たのに、姫ちゃんの姿と義高君の姿が途中で見えなくなって心配していた。小太郎君は姫ちゃんと義高君を探すと話した。小太郎君の姿が突然に見えなくなった。」

幸氏は義孝に微笑んで話し出す。

「小太郎君は義高君と姫ちゃんを見付けたんだよ。」

義孝は幸氏を微笑んで見た。

少女は義孝と幸氏に微笑んで話し出す。

「紫陽花を早く見ましょう。帰りにホットケーキが食べたいな。」

義孝は少女に普通に話し出す。

「今日は北鎌倉で紫陽花を見るだろ。ホットケーキを食べるのは別な日が良いと思う。」

少女は義孝に微笑んで話し出す。

「分かったわ。北鎌倉に在るお店の可愛い和菓子を食べてから帰りたいな。」

義孝は少女に普通の表情で頷いた。

幸氏は少女に微笑んで頷いた。

少女は義孝と幸氏を微笑んで見た。


義孝は普通に歩き出した。

幸氏は微笑んで歩き出した。

少女も微笑んで歩き出した。


直後の事。


ここは、北鎌倉。


明月院の近く。


海野小太郎幸氏は辺りを不思議な様子で見ている。


源義高の普通の声が、海野小太郎幸氏の後ろから聞こえた。

「小太郎。明月院の近くに居たんだ。」


海野小太郎幸氏は後ろを僅かに驚いて見た。


源義高が海野小太郎幸氏を普通の表情で見ている。

大姫は海野小太郎幸氏を笑顔で見ている。


海野小太郎幸氏は大姫と源義高に申し訳なく話し出す。

「大姫様と義高様と離れてしまいました。申し訳ありません。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「直ぐに逢えた。気にするな。」

大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「義高様は小太郎殿の居場所を直ぐに見付けられます。気にしないでください。」

海野小太郎幸氏は大姫と源義高に微笑んで軽く礼をした。

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

大姫は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は源義高に不思議な様子で話し出す。

「義高様。私が明月院の近くに居ると分かった理由は何ですか?」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「俺と大姫は、小太郎が何処に居るか考えた。明月院と小太郎の姿が、同時に思い浮かんだ。小太郎は明月院の近くに居ると思った。俺と大姫は、明月院の近くを探した。」

海野小太郎幸氏は源義高を不思議な様子で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「義高様。小太郎殿。紫陽花を早く見ましょう。話の続きは、紫陽花を見ながらにしましょう。」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏に大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は笑顔で歩き出した。

源義高は普通に歩き出した。

海野小太郎幸氏は微笑んで歩き出した。


すると、切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「紫陽花を見ようとした時に、不思議な出来事が起きましたね・・・」

「青色の紫陽花と緑色の葉の茂る木々が、とても綺麗でした・・・」

「義高様は楽しんでいる様子に見えました・・・」

「私は、とても楽しくて、とても嬉しかったです・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「夢の中の出来事だったのでしょうか・・・?」

「現の中の出来事だったのでしょうか・・・?」

「紫陽花を見たいと話したら、不思議な出来事は再び起きるのでしょうか・・・?」

「義高様と再び逢えるのでしょうか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

「大銀杏(おおいちょう)」についてです。

イチョウ科です。

神奈川県指定の天然記念物です。

鶴岡八幡宮の境内に在る御神木です。

本宮に続く階段の脇に植わっていました。

高さ30m、幹回り6.8mの大きな銀杏の木でした。

樹齢は、800年、1000年以上、と言われています。

2010年3月10日の午前4時30分頃に、境内に大きな音が響いたそうです。

関係者が境内を見ると、大銀杏が倒れていたそうです。

倒れた時間と方向が幸いして、怪我をした方も亡くなられた方もいないそうです。

倒れてから数日間の経過です。

大銀杏が枯れないように、根元にシートを掛けて、水をかけていたそうです。

再生できるか調査したそうです。

調査の結果は、大銀杏は根から倒れているため再び植えるのは難しいが、大銀杏から新しい若芽の誕生の可能性がある、との内容だったそうです。

大銀杏の一部を移植する事にしたそうです。

移植するならば、早い決断が必要なので、大銀杏の一部を移植すると決めたそうです。

大銀杏の一部は、大銀杏が植わっていた場所から少し離れた場所に移植したそうです。

2010年4月下旬現在の状況です。

大銀杏の残った根からのヒコバエ(切り株や木の根元から出る新芽)は元気に成長し、銀杏の葉の形が確認できるようになりました。

大銀杏の根元からのヒコバエも元気に成長し、銀杏の葉の形が確認できるようになりました。

大銀杏の横枝から新芽も元気に成長し、銀杏の葉の形が確認できるようになったそうです。

後の経過と結果は、物語を書いた時点では不明です。

今回の大銀杏をめぐる出来事については、様々な考えがあります。

今回の物語は、様々な考えの中の一つとして、ご理解とご了承の上、お読みください。

「紫陽花」関連についてです。

紫陽花を詠んだ歌が「万葉集」に撰ばれています。

日本では古くから見られる花です。

大姫の時代には既に紫陽花は見られた事になります。

この物語には、鎌倉周辺の紫陽花で有名な場所が数ヶ所ほど登場しています。

鎌倉周辺の全ての名所が登場していません。

ご了承ください。

「夢現(ゆめうつつ)」は「夢と現実。夢とも現ともつかない状態。」の意味です。

物語の最後の方のセリフは、「夢(ゆめ)」と「現(うつつ)」と読んでいます。

「現」は「現実」の意味があります。

後は、「現」は「夢」に対して良く使われる言葉です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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