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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜


〜 三つの願い 四つの願い 〜


〜 第三版 〜


今は夏の終わり。


ここは、鎌倉。


暑い日が続いている。


ここは、小御所。


縁。


源義高は普通に歩いている。

海野小太郎幸氏も普通に歩いている。


数人の男性の話し声が聞こえてきた。

「源平池に蓮の花が咲いていますね。」

「もう少し経つと見頃でしょうか?」

「見頃になったら、源氏池に蓮の花を見に行きませんか?」

「ぜひご一緒させてください。」

「綺麗に咲く蓮の花を見るのなら、見に行く時間は重要ですね。」

「帰りに源平池の蓮の花の咲き具合を確認します。詳しい話は明日に話しませんか?」

「分かりました。」

「よろしくお願いします。」


源義高は数人の男性の話を聞きながら、不思議そうに歩いている。

海野小太郎幸氏も数人の男性の話を聞きながら、不思議そうに歩いている。


それから少し後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏も普通に居る。


部屋の外から元気の良い足音が聞こえてきた。


海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


大姫は部屋の中の元気良く入ってきた。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! お元気ですか?!」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「見たとおりだ。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「源平池に蓮の花が咲きました! 明日にでも源平池に蓮の花を見に行きませんか?!」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。

海野小太郎幸氏は大姫を見ると、微笑んで話し出す。

「大姫様。義高様も私も明日が楽しみです。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「蓮の花を見るので、早朝に出掛けます! 約束を忘れないでくださいね!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 明日の早朝に逢いましょう!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は部屋から元気良く出て行った。


源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


その翌日の事。


今は早朝。


ここは、鎌倉。


空が薄っすらと明るさを見せ始めた。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。

源義高と海野小太郎幸氏は、着替えなどの準備は済んでいる。


大姫は部屋の中に元気良く入ってきた。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「おはようございます!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「おはようございます。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 出掛けましょう!」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は部屋を笑顔で出て行った。

源義高は部屋を普通に出て行った。

海野小太郎幸氏は部屋を微笑んで出て行った。


それから少し後の事。


ここは、鎌倉。


陽が登り切っていないので、僅かに涼しさを残している。


早い時間のため、人の姿はほとんど見えない。


ここは、鶴岡八幡宮。


鳥居の傍。


大姫は笑顔で来た。

源義高は普通に来た。

海野小太郎幸氏は微笑んで来た。


大姫は鶴岡八幡宮を指すと、源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 早く行きましょう!」

源義高は鶴岡八幡宮を見ると、不思議そうに話し出す。

「大姫。源平池は、鶴岡八幡宮に在る池で良いのか?」

大姫は鶴岡八幡宮を指すのを止めると、源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

源義高は大姫を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏も大姫を不思議そうに見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「鶴岡八幡宮の鳥居の近くに在る二つの池は、“東の池”と“西の池”、“源氏池”と“平家池”、と呼びます! “源氏池”と“平家池”を合わせて、“源平池”と呼びます!」

源義高は大姫に不思議そうに話し出す。

「“東の池”は、“源氏池”。“西の池”は、“平家池”。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

源義高は海野小太郎幸氏に小さい声で話し出す。

「だから、西の池は小さくて、池には島が四つ在るんだ。しかも、西の池は木に囲まれているよな。いろいろな意味が込められた西の池にも蓮の花は咲くんだ。」

海野小太郎幸氏は源義高に小さい声で話し出す。

「確かに、東の池は大きいですね。東の池には島が三つ在りますね。だから、東の池で蓮の花を見ると話す方が多いのですね。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「納得した。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 東の池に早く行きましょう!」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を不思議そうに見ている。

源義高は大姫と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「蓮の花を見に行こう。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。


大姫は笑顔で歩き出した。

源義高は微笑んで歩き出した。

海野小太郎幸氏も微笑んで歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


源氏池。


蓮の花は源氏池を覆うように咲いている。


大姫は笑顔で来た。

源義高は微笑んで来た。

海野小太郎幸氏も微笑んで来た。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「蓮の花がたくさん咲いていますね!」

源義高は大姫を見ると、微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。


それから少し後の事。


ここは、鎌倉。


陽は完全に登り、青空が広がり始めた。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


源氏池。


大姫は源氏池と蓮の花を笑顔で見ている。

源義高は源氏池と蓮の花を普通の表情で見ている。

海野小太郎幸氏は源氏池と蓮の花を微笑んで見ている。


源義高は平家池の在る方向を複雑な表情で見た。

大姫は源義高を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見た。

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

源義高は大姫を見ると、普通に話し出す。

「大姫。小御所に戻ろう。」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に両手を差し出すと、微笑んで話し出す。

「義高様。小太郎殿。手を繋いで帰りましょう。」

源義高は大姫の手を普通に取った。

海野小太郎幸氏は大姫の手を微笑んで取った。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏と手を繋ぎながら、微笑んで歩き出した。

源義高は大姫と手を繋ぎながら、普通に歩き出した。

海野小太郎幸氏は大姫と手を繋ぎながら、微笑んで歩き出した。


海野小太郎幸氏は大姫と手を繋ぎながら、源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。源氏池に咲く蓮の花を再び見に来ましょう。」

源義高き大姫と手を繋ぎながら、海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏と手を繋ぎながら、源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。

海野小太郎幸氏は大姫と手を繋ぎながら、源義高と大姫を微笑んで見た。

源義高も大姫と手を繋ぎながら、大姫と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


それから暫く後の事。


ここは、鎌倉。


月の光と星の光が辺りを綺麗に照らしている。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


障子の傍。


障子は半分ほど開いている。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏も普通に居る。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。今日は遅くまで俺と一緒に居て大丈夫なのか?」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。

源義高は夜空を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は、源義高と夜空を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、静かに話し出す。

「平家池の呼び名を知ってから、西の池を見たら怖さを感じた。」

海野小太郎幸氏は源義高を不思議そうに見た。

源義高は海野小太郎幸氏に静かに話し出す。

「頼朝様が討ちたい相手は、平家だけなのか? 平家池に在る四つの島に込めた思いの相手は、平家の他に、父上や俺も含まれているように思えた。小太郎は、どのように思う?」

海野小太郎幸氏は源義高に心配そうに話し出す。

「義高様は源氏の方です。心配しなくでください。」

源義高は海野小太郎幸氏に静かに話し出す。

「俺は平家池を見たくない。」

海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見た。

海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し出す。

「小太郎。俺は西の池側と東の池側のどちらに居ると思う?」

海野小太郎幸氏は源義高を心配そうに見ている。

源義高は海野小太郎幸氏に静かに話し出す。

「小太郎。俺は源氏池の側に居たい。」

海野小太郎幸氏は源義高の背中に微笑んで手を置いた。

源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は源義高の背中に手を置きながら、微笑んで静かに話し出す。

「義高様は源氏池の側の方です。仮に、義高様が平家池の側の願いに含まれているならば、私が代わりに平家池の側に行きます。私も義高様と共に平家池の側に居るならば、私が何としてでも義高様を平家池の外に出します。義高様の許婚の大姫様は、源氏池の側に居る方です。義高様は源氏池の側に何としてでも居てください。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑みながら、静かに話し出す。

「小太郎。鎌倉に共に着たから、平家池の側に一人で残さない。小太郎も源氏池の側に行こう。仮に、俺も小太郎も平家池の側に居るのなら、協力して平家池から出よう。」

海野小太郎幸氏は源義高の背中に手を置きながら、微笑んで静かに話し出す。

「義高様は、義高様ご本人と大姫様を一番に考えてください。義高様は、私の心配はせずに、源氏池の側に居る状況を優先してください。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑みながら、静かに話し出す。

「小太郎。ありがとう。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高も海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は夜空を見ると、源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。綺麗な夜空ですね。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、微笑んで話し出す。

「義高様。寝る準備を始めた方が良いかと思います。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


海野小太郎幸氏は微笑みながら、障子を静かに閉めた。


すると、切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「私には義高様が平家池を悲しそうに見ていたように感じました・・・」

「同時に、私には義高様が平家池を寂しそうに見ているようにも感じました・・・」

「私は源氏の義高様が平家池を見た時の表情の理由が分かりませんでした・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「何を考えていたのですか・・・?」

「何を知っていたのですか・・・?」

「何に気付いていたのですか・・・?」

「私は何も知りませんでした・・・」

「私は何も気付いていませんでした・・・」

「ごめんなさい・・・」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

鎌倉の鶴岡八幡宮の入り口近くの参道の両脇に池があります。

「東の池」を「源氏池」、「西の池」を「平家池」と呼んでいます。

両方合わせて「源平池」と呼ぶ事が多いです。

源氏池の方が、平家池より大きいです。

源平池には、三つの島が在ります。

「三」は「産」で、祝い事をさしているといわれています。

平家池には、四つの島が在ります。

「四」は「死」で、平家の滅亡を祈ったとされています。

源平池は、寿永元年(1182年)に、源頼朝が大庭景義に命じて造らせたそうです。

源義高が鎌倉に着た時には在った池と思われます。

源義高が源平池を見た時は、複雑な思いを抱いたように考えました。

源義高が鎌倉に着いた時に源平池で蓮の花が見られたかは不明ですが、現在の源平池には蓮の花が咲いています。

「蓮」は、仏教では「蓮華」といいます。

権楽浄土を象徴する花です。

源義高が一面の蓮の花が咲く様子を見たら、尚更に複雑な思いを抱くように考えました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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