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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜


〜 弓張り月 星語り 〜


〜 改訂版 〜


ここは、鎌倉の町。


夏とは違う暑さや涼しさを感じるようになってきた。


そんなある日の事。


ここは、小御所。


源義高と海野小太郎幸氏は、小御所内を普通に歩いている。


小御所内の人達が話しをしている声が聞こえてきた。


「今度の流鏑馬を行なう人達は誰ですか?」

「私も詳しい事を知らないので後で確認します。」

「分かったらぜひ教えてください。」

「はい。」


海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「近い内に流鏑馬を行なうのですね。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私が流鏑馬についての確認をしてきます。義高様は先にお部屋にお戻りください。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。


海野小太郎幸氏は流鏑馬の話をしていた人達の元へと向かって歩き出した。

源義高は自分の部屋へと戻っていった。


それから少し後の事。


ここは、源義高の部屋。


源義高は書物を読みながら、海野小太郎幸氏が戻るのを待っている。


海野小太郎幸氏が部屋の中に入ってきた。

源義高は書物を読むのを止めると、海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「近い内に由比ガ浜で流鏑馬を行なうそうです。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「流鏑馬を見に行く事は出来るのか?」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「しかし、頼朝様や政子様に流鏑馬を見に出掛けたいとお話をすると、気軽に出掛ける雰囲気ではなくなりますよね。」

源義高は海野小太郎幸氏に考え込みながら頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「出掛ける直前に、急に流鏑馬を見たくなったとお話しをするのは、どうでしょうか?」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は考え込む仕草を見せた。

海野小太郎幸氏は源義高に不思議そうに話し出す。

「義高様。何かありましたか?」

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、微笑みながら小さく首を横に振った。


由比ガ浜で流鏑馬を行なう当日の事。


ここは、鎌倉の町。


綺麗な青色が広がっている。


ここは、小御所。


小御所の人達は、流鏑馬に関する準備のためか、忙しそうにしている。


源義高と海野小太郎幸氏は、小御所の様子を普段通りの表情で見ている。


海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「由比ガ浜に流鏑馬を見に出掛けたいと話しをしたら、気軽に出掛ける事が出来そうですね。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「由比ガ浜に流鏑馬を見に行くという話しをしたら、直ぐに出発しよう。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。


源義高と海野小太郎幸氏は、その場から居なくなった。


ここは、源義高の部屋。


源義高は海野小太郎幸氏に出掛ける準備を頼んだため、一人で先に部屋に戻ってきた。


それから僅かに後の事。


ここは、源義高の部屋。


源義高は海野小太郎幸氏が戻るのを一人で待っている。


大姫が源義高の部屋に元気良く入ってきた。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! 今はお一人ですか?! 小太郎殿はお出掛けですか?!」

源義高は大姫に普通に話し出そうとした。

海野小太郎幸氏が部屋に戻ってきた。

源義高は大姫に話しをするのを止めると、海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「今日は由比ガ浜で流鏑馬を行なう日です。みんなは忙しそうにしています。姫は一人なので、義高様に逢いに来ました。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を困惑した様子で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に寂しそうに話し出す。

「義高様と小太郎殿は、これからお出掛けされるのですね。姫は部屋に戻ります。」

源義高が大姫に普通に話し出す。

「これから小太郎と一緒に流鏑馬を見に行きたいと思っているんだ。大姫も一緒に出掛けるか?」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。三人で由比ガ浜の流鏑馬を見に行きたいと伝えてくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「承知しました。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。

海野小太郎幸氏は部屋から出て行った。


それから少し後の事。


ここは、由比ガ浜。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏は、由比ガ浜に到着した。


流鏑馬を行なう人達や見物の人達で活気付いている。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「既に流鏑馬が始まっていますね! 普段と違って、たくさんの人達が由比ガ浜に居ますね!」

源義高は大姫を見ると、微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高と大姫に微笑んで話し出す。

「義高様。大姫様もいらっしゃるので、少し離れた場所で流鏑馬を見ませんか?」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。


ここは、流鏑馬を行っている場所から少し離れている場所。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏は、流鏑馬の様子を見ている。


源義高と海野小太郎幸氏は、流鏑馬の様子を真剣な表情で見ている。

大姫は、流鏑馬などを含めた周りの様子を珍しそうに見ている。


源義高は海野小太郎幸氏を見ると、真剣な表情で話し出す。

「小太郎が流鏑馬を行なえば、小太郎の弓の腕前の凄さにみんな驚くぞ。小太郎も流鏑馬に参加する事が出来たら、みんなから褒められていたと思うと残念でならない。」

海野小太郎幸氏は源義高に恥ずかしそうに話し出す。

「お褒め頂いて、とても嬉しいです。」

大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎殿は弓が上手なのですか?」

源義高が大姫に微笑んで話し出す。

「小太郎は弓がとても上手なんだ。」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様も弓が上手なのですか?」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「義高様は、弓だけでなく、武芸に関する全てが上手な方です。」

源義高は大姫に微笑んで話し出す。

「小太郎は俺を立ててくれているけれど、小太郎は俺と比較にならないくらい、弓の腕前は上手だよ。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿も義高様も凄いです!」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「お褒め頂いてありがとうございます。」

源義高は大姫を微笑んで見た。

大姫は流鏑馬を笑顔で見た。

源義高は流鏑馬を真剣な表情で見た。

海野小太郎幸氏も流鏑馬を真剣な表情で見た。


馬は一直線に駆けていく。

馬上の主は、矢を番えて弓を引く。

馬は休む事なく、一直線に駆けていく。

馬上の主は、木の的に向かって矢を放つ。

矢が木の的に当たった瞬間に勢い良く割れた。

馬は休む事なく、一直線に駆けていく。

次の的へと近づいていく。

馬上の主は、次の的を射るために矢を番える。

馬は休む事なく、一直線に駆けていく。

馬上の主は、的へ向かって矢を放つ。

矢が木の的に当たった瞬間に勢い良く割れた。


大姫は源義高に不思議そうに話し出す。

「義高様や小太郎殿は、弓が上手なのに、なぜ流鏑馬に参加しないのですか?」

海野小太郎幸氏は大姫を見ると、微笑んで話し出す。

「私達はもう少し大きくなったら参加できると思います。」

大姫は海野小太郎幸氏を納得した様子で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様と小太郎殿が流鏑馬に参加したら、姫は絶対に見に来ます! 楽しみです!」

源義高は大姫を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏も大姫を微笑んで見た。


その日の夜の事。


鎌倉の町には月と星が浮かんでいる。


ここは、小御所。


源義高の部屋の前に在る縁。


源義高と海野小太郎幸氏は、月と星を見ている。


源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「俺も流鏑馬を行ないたいな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「さほど遠くない日に、流鏑馬を行なう事が出来ると思います。」

源義高は月と星を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様は義高様が流鏑馬を行なうお姿を見たいとお話しをされていました。義高様も大姫様と約束をされていました。私も義高様の流鏑馬を行なうお姿を見たいです。」

源義高は月と星を微笑んで見ている。

海野小太郎幸氏は源義高に心配そうに話し出す。

「義高様。今更となりますが、私は経験不足な事ばかりです。至らないところも多いと思います。何かお気付きの点があったら、隠さずに言ってください。」

源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は月と星を不安そうに見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎は頼りになるから、何も言う事はないよ。」

海野小太郎幸氏は源義高を安心した様子で見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎に心配かけるなんて駄目だな。俺も更にしっかりとするから、何かあった時は遠慮なく言ってくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様はしっかりとしていらっしゃいます。何か遭ったら一人で悩まずに私に話をしてください。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


源義高と海野小太郎幸氏の上には、綺麗な月と星がゆったりとした様子で浮かんでいる。


すると、切ない声が聞こえてきた。


「ねぇ、義高様・・・」

「義高様の流鏑馬を行なうお姿が見たいです・・・」

「義高様が流鏑馬を行なう姿を何度も想像しています・・・」

「想像している内に、寂しい気持ちになります・・・」

「想像している内に、辛い気持ちになります・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「私の想いは叶わない夢なのでしょうか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」

「どちらにいらっしゃるのですか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

「弓張り月(ゆみはりづき)」は、「弓を張った様な形をしている月」の事を言います。

「弦月(げんげつ)」とも言うそうです。

「弦月」は「上弦の月、または、下弦の月」の事を言います。

「弓張り月」や「弦月」という言葉は、秋の季節の言葉になります。

「流鏑馬(やぶさめ)」についてです。

騎射の一つです。

綾藺笠(あやいがさ)をかぶり、弓懸(ゆが)け・弓籠手(ゆごて)・行縢(むかばき)を着けた狩り装束の射手が、馬を走らせながら鏑矢(かぶらや)で木製の正方形の三つの的を射るものを言います。

平安時代後期から鎌倉時代にかけて盛んに行なわれていたそうです。

現在は、鎌倉鶴岡八幡宮などの神事として残っています。

鎌倉で流鏑馬が盛んに行なわれるようになったのは、鎌倉幕府が出来てから直ぐの事らしいです。

鶴岡八幡宮の流鏑馬の神事は、源義高が亡くなってから後の事のようです。

そして、源義高が鎌倉に着た頃は、流鏑馬を行っていたとは思います。

しかし、流鏑馬をどの程度の回数を行っていたのかは良く分かりませんでした。

一度だけ、鶴岡八幡宮に流鏑馬の神事を見に行った事があります。

たくさんの人達が流鏑馬を見に来ていました。

流鏑馬が見えない場所で、友達と「流鏑馬を見たい」という内容の話しをしていたら、一組のご夫婦が隣に来るように言ってくれました。

ご夫妻の言葉に甘えて隣に来ました。

前の方だったので、かなり見やすくなりました。

勢い良く駆けていく馬、弓を番える姿、的に当たった時の音、などを見る事が出来ました。

ご夫婦にはお礼を言って別れました。

若い人達が流鏑馬を見たいと言っていたので、見てもらいたいという事で気を遣ってくれたようです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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