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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜
〜 初月を迎えて 雪の祭 〜
鎌倉にしては珍しく、雪が空からたくさん降っている。
周りは少しずつ白い世界になり始めた。
大姫が源義高の部屋に楽しそうにやってきた。
源義高は微笑んで大姫を見た。
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 雪が降っています! 雪の日の遊びを教えてください!」
源義高は微笑んで大姫に話し掛ける。
「今から小太郎と話しをしようと思っていたところなんだ。少し待っていてくれるかな。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を不思議そうに見ている。
海野小太郎幸氏は大姫を見ながら微笑んで話し掛ける。
「大姫様。申し訳ありません。少しだけお待ち頂けますか?」
大姫は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで返事をする。
「はい。待っています。」
源義高は微笑んで大姫に話し掛ける。
「部屋で待っていてくれるかな? 話しが終わったら直ぐに大姫の部屋に行くよ。後で雪の日の遊びを三人で遊ぼう。」
大姫は笑顔で海野小太郎幸氏と源義高を見ながら返事をする。
「はい! 姫はお部屋で待っています! 早く呼びに来てくださいね!」
源義高は大姫を見ながら普通に頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫を見ながら、微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高の部屋を出て行った。
大姫が部屋を出て行って直ぐの事。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。お話しする事など何かありましたか? 大姫様がせっかく遊びに来られたのですから、お相手をされた方が良かったのではないですか?」
源義高は微笑んで海野小太郎幸氏に話し出す。
「小太郎に話しはあるよ。大姫と遊ぶのはかまわないんだ。だけど、大姫は居るとうるさいけど、静かに遊ばないといけないだろ。女の子って気を遣う事が多いよな。」
海野小太郎幸氏は苦笑しながら源義高を見ている。
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで話し出す。
「小太郎。雪が積もっているだろ。外に出掛けないか?」
海野小太郎幸氏は不思議そうに源義高に話し掛ける。
「お話しはどうされるのですか?」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「話しはするよ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「出掛ける準備をしてまいります。」
源義高は海野小太郎幸氏を呼び止めて話し出す。
「小太郎。そのまま出掛けよう。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ながら軽く礼をした。
二人は一緒に立ち上がると、部屋から出て行った。
外は雪が降っている。
鎌倉は辺り一面白い世界になっている。
源義高が海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「誰も居ないな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「雪の降る日に外に出掛けている人は、用事がある人くらいだと思います。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎。昔みたいに雪の玉を作って投げ合って遊ばないか?」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ながら話し掛ける。
「はい。でも、手加減しませんよ。」
源義高は海野小太郎幸氏に笑顔で話し掛ける。
「俺だって手加減しないからな。」
海野小太郎幸氏は源義高に笑顔で話し掛ける。
「場所はここで良いですか?」
源義高は周りを見ると笑顔で海野小太郎幸氏に話し掛ける。
「ここは広いし誰も居ないな。ここで良いよ。早く始めよう。」
海野小太郎幸氏は源義高に笑顔で返事をする。
「はい。」
二人は少しだけ離れている木の近くに行った。
雪はずっと降っている。
源義高と海野小太郎幸氏の二人は、真剣な表情で雪の玉を作り始めた。
それからほんの少しだけ後の事。
源義高は海野小太郎幸氏に笑顔で声を掛ける。
「小太郎〜! そろそろ始めるぞ〜!」
海野小太郎幸氏は源義高に笑顔で返事をする。
「承知しました〜!」
源義高が笑顔で海野小太郎幸氏に笑顔で雪の玉を投げた。
海野小太郎幸氏は笑顔で源義高の雪の玉を避ける。
源義高は笑顔で海野小太郎幸氏に笑顔で雪の玉を投げる。
海野小太郎幸氏は、笑顔で源義高の雪の玉を避けると、直ぐに雪の玉を源義高に向かって投げる。
源義高と海野小太郎幸氏の二人の戦いは続いている。
笑顔だった二人もいつしか真剣な表情に変わっている。
源義高が真剣な表情で、海野小太郎幸氏に向かって雪の玉を投げた。
海野小太郎幸氏も真剣な表情で、源義高に向かって雪の玉を投げた。
海野小太郎幸氏は、源義高が雪の玉を避けた。
しかし、腕に雪の玉が当たってしまった。
源義高は海野小太郎幸氏の様子を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は黙って雪の玉が当たった自分の腕を見ている。
源義高は笑顔で大きな声を出した。
「小太郎に勝ったぞ〜!!」
海野小太郎幸氏は源義高に笑顔で話し掛ける。
「義高様の勝ちです! おめでとうございます!」
源義高は海野小太郎幸氏に笑顔で話し掛ける。
「小太郎! ありがとう!」
海野小太郎幸氏は不思議そうに源義高に話し掛ける。
「何の事ですか?」
源義高は海野小太郎幸氏に笑顔で話し掛ける。
「いろいろと。」
海野小太郎幸氏は源義高を笑顔で見ている。
源義高と海野小太郎幸氏は空を見上げた。
今も空から雪が降っている。
源義高は空を見上げながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎と思いっきり遊べて良かった。」
海野小太郎幸氏も空を見上げながら、微笑んで源義高に返事をする。
「私も義高様と思い切り遊べて嬉しいです。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると微笑んで話し掛ける。
「次にこうやって遊べるのはいつになるのかな?」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ながら話し掛ける。
「そうですね。大姫様とご結婚されたら無理ですよね。そうすると、いつまで大丈夫なのでしょうか?」
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで話し掛ける。
「小太郎。そろそろ戻らないと俺の許婚の大姫が騒ぐよな。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ながら頷いた。
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見ながら話し掛ける。
「小太郎。ここで遊んだ事は、二人だけの秘密だからな。」
海野小太郎幸氏は源義高を見ながら微笑んで返事をする。
「承知しました。」
源義高は空を見上げると、海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「木曾に戻りたいな。」
海野小太郎幸氏は源義高を真剣な表情で見た。
源義高は空を見上げながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「父上の居る京でも良いな。」
海野小太郎幸氏は源義高を真剣な表情で見ている。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると微笑んで話し掛ける。
「大姫の所に戻ろう。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ながら返事をする。
「お供します。」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見ながら話し掛ける。
「ありがとう。」
海野小太郎幸氏は源義高を笑顔で見ている。
源義高は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「小太郎! 行くぞ!」
海野小太郎幸氏は源義高に笑顔で返事をする。
「はい!」
源義高と海野小太郎幸氏は、お互いを笑顔で見た。
空からは雪がずっと降っている。
源義高と海野小太郎幸氏は、大姫の待っている小御所へと戻っていった。
源義高と海野小太郎幸氏の二人が小御所へと戻ってきた。
源義高と海野小太郎幸氏は、直ぐに大姫の部屋を訪れた。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を見ると笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! お話しは終わったのですね!」
源義高は大姫を見ながら微笑んで頷いた。
大姫は源義高に笑顔で話し掛ける。
「義高様! 遊びましょう!」
源義高は大姫を見ながら微笑んで頷いた。
大姫は源義高の手を取った。
源義高は大姫を微笑んで見ている。
大姫は源義高に心配そうに話し掛ける。
「義高様。手が冷たいです。」
源義高は大姫に微笑んで話し掛ける。
「大丈夫だよ。早く遊ぼう。」
大姫は両手で源義高の手を握ると、心配そうに話し掛ける。
「義高様。大丈夫ですか?」
源義高は大姫に微笑んで話し掛ける。
「大丈夫だよ。」
大姫は両手で源義高の手を握ったまま、微笑んで話し掛ける。
「義高様。手が少し温かくなりました。」
源義高は大姫に微笑んで話し掛ける。
「大姫。ありがとう。」
大姫は両手で源義高の手を握ったまま、微笑んで見ている。
海野小太郎幸氏は微笑んで源義高と大姫の様子を見ている。
外はずっと雪が降っている。
鎌倉の白い世界は続いている。
すると、切ない声が聞こえてくる。
「ねぇ、義高様。あの時、私の部屋になかなか来てくれなかったですね・・・」
「あの時、本当は寂しかったの・・・」
「義高様に寂しいと言おうと思ったの・・・」
「でも、義高様のお顔を見たら、嬉しくて寂しい事を忘れてしまいました・・・」
「ねぇ、義高様。あの時、義高様の手は冷たかったのは、なぜですか・・・?」
「ねぇ、義高様。お二人で何を話していたのですか・・・?」
「あの時の私は何も知りませんでした・・・」
「僅かな事でも知っていたら、今とは違う事がたくさん出来たのでしょうか・・・?」
「それとも、何も変わらなかったのでしょうか・・・?」
「でも、違う毎日を生きていたような気がします・・・」
「ねぇ、義高様。みんなで一緒に遊びたいな・・・」
「今でも手が冷たかったら暖めて差し上げます・・・」
「今ならば、悲しい事があったらお話しを聞いて差し上げられます・・・」
「今ならば、あの時より出来る事がたくさんあると思います・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
源義仲ですが、寿永三年(1184年)の正月十日に征夷大将軍となります。
ただ、その時には、源義経などが京へと向かっていました。
そして、正月二十日に討たれて亡くなります。
これは、そんな時期の物語です。
鎌倉では、頻繁に雪が降る事はありません。
当時もおそらくそんなに雪は降らなかったと思います。
今回の物語は、源義高と海野小太郎幸氏の二人だけの雪合戦です。
源義高が鎌倉に居る時には、おそらく他の人には見せる事のない姿のように思いました。
それは、海野小太郎幸氏も同じ様に、他の人に見せる事のない姿だったと思います。
二人だけしか知らない姿のような気がしました。
少しだけいつもの雰囲気の違う源義高と海野小太郎幸氏の物語です。
この物語で、源義高と海野小太郎幸氏の二人が雪合戦をしていますが、当時からこのような遊びがあったのか、あった場合の呼び方などについての確認は取っていません。
「初月」ですが「しょげつ」と読みます。
ここでの意味は、「初めの月。一月。」という意味で使っています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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