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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜
〜 秋初の頃 露草の贈り物 〜
暦の上では秋を迎えたが、夏のような暑い日が続いている。
源義高と海野小太郎幸氏は、部屋に居る。
源義高は机の上に本を広げている。
海野小太郎幸氏は源義高を普通の表情で見た。
源義高が本を捲っている様子が無い。
弓の稽古の時間が近づいてきている。
源義高が海野小太郎幸氏に弓の稽古を確認する様子は無い。
海野小太郎幸氏は源義高に声を掛けるのを止めて、視線をもとに戻した。
それから少し後の事。
源義高は机に本を広げたまま、海野小太郎幸氏を見ると、小さい声で話し出す。
「小太郎。そろそろ弓の稽古の時間かな?」
海野小太郎幸氏は源義高を見ると、微笑んで話し出す。
「義高様。本日の弓の稽古は、中止にしませんか?」
源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「木曾から鎌倉に着て、落ち着かない事も多いと思います。たまにはゆっくりとお休みください。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎。気を遣ってくれてありがとう。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「今日は義高様のお傍にずっと居たいと思います。」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「義高様。お部屋で過ごされるのに、何か必要な物はありますか?」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎が傍に居てくれるのなら、気が付いた時に言うよ。小太郎も気が付いたら、俺に教えてくれ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「義高様の稽古や勉強の中止を伝えてきます。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をすると、部屋から出て行った。
それから少し後の事。
源義高は畳の上で横になって寝ている。
海野小太郎幸氏は障子の傍で、源義高の様子と外の気配を確認しながら座っている。
源義高の部屋の外で、元気の良い足音が聞こえてきた。
海野小太郎幸氏は源義高の様子を確認した。
源義高は畳の上で横になって寝ている。
海野小太郎幸氏は静かに部屋の外へと出て行った。
大姫は源義高の部屋に向かって元気良く歩いている。
海野小太郎幸氏は大姫のもとへと歩いていく。
大姫は海野小太郎幸氏を見ると、元気良く走ってきた。
海野小太郎幸氏は大姫の前に来ると、微笑んで話し掛ける。
「大姫様。こんにちは。」
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「小太郎殿! こんにちは!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「義高様のお部屋に参られるのですか?」
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「はい!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「義高様は、ただいま勉強の最中です。」
大姫は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「今日の大姫様のお話しのお相手を、私が務めさせて頂いてもよろしいですか?」
大姫は考え込んでしまった。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見ている。
大姫は海野小太郎幸氏に寂しそうに話し出す。
「帰ります。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「お部屋までお供いたします。」
大姫は海野小太郎幸氏に寂しそうに話し出す。
「一人で帰ります。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「気を付けてお部屋にお戻りください。」
大姫は海野小太郎幸氏に寂しそうに話し出す。
「はい。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は寂しそうに去っていく。
海野小太郎幸氏は大姫の姿を微笑んで見ている。
大姫の姿は見えなくなった。
海野小太郎幸氏は源義高の部屋の中へと、静かに入っていった。
海野小太郎幸氏は部屋に入ると、源義高の様子を直ぐに確認した。
源義高は畳の上に横になって寝ている。
海野小太郎幸氏は障子の傍に静かに座った。
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「大姫は帰ったのか?」
海野小太郎幸氏は源義高の傍に近づくと、静かに話し掛ける。
「はい。義高様は勉強の最中だと、大姫様にご説明をいたしました。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「寂しがっていただろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に申し訳なさそうに話し出す。
「はい。私が上手く説明が出来ないために、大姫様に寂しいお顔をさせてしまいました。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「小太郎の判断は正しかったと思う。余り気にするな。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「大姫様のご様子を、確認した方がよろしいでしょうか?」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「大姫が俺の部屋に来たがったら困るだろ。それに、後で何か起こっても困るだろ。今日は何もしなくていいよ。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「はい。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「明日はどういう状況でも、大姫の様子を確認する。小太郎に頼むかもしれない。その時はよろしく頼む。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「承知いたしました。」
源義高は畳の上に横になったまま、ゆっくりと目を閉じた。
海野小太郎幸氏は源義高の様子を確認すると、障子の傍に座った。
部屋の外の気配は、いつもと同じ。
源義高の部屋を訪れる者はほとんど居ない。
部屋の中は静かな時間が流れている。
それから少し後の事。
空が陽の落ちる気配を見せ始めた。
海野小太郎幸氏は障子の傍に座ったまま、源義高の様子を確認した。
源義高は畳の上に横になって眠り続けている。
海野小太郎幸氏は源義高に静かに近づいた。
源義高は畳の上に横になったまま、ゆっくりと目を開けた。
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「義高様。お体の調子はいかがですか?」
源義高は畳に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「大丈夫だ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「義高様。そろそろ夕飯の時間になります。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「わかった。」
海野小太郎幸氏は源義高から静かに離れると、障子の傍に座った。
源義高はゆっくりと体を起こした。
部屋の外では夕飯を配っている音が聞こえている。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「義高様。お時間を掛けてゆっくりと食べても構いません。何かありましたら私が代わりに話しをいたします。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで頷いた。
それから僅かに後の事。
源義高は、普段より少し長めに食事の時間を使って食べている。
海野小太郎幸氏は、源義高の様子をさり気なく確認をしながら座っている。
源義高の食事が終わった。
源義高の食事の器などが提げられた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「お食事を全部召し上がられたのですね。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで頷いた。
海野小太郎幸氏は部屋の外へと出ていった。
源義高は普通の表情で部屋の中に座っている。
海野小太郎幸氏は、部屋に直ぐに戻ってきた。
源義高は畳の上に横になった。
海野小太郎幸氏は源義高の様子を一瞥すると、障子の傍に座ろうとした。
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「小太郎。何の話しをしていたんだ?」
海野小太郎幸氏は源義高の傍に来ると、微笑んで話し掛ける。
「大姫様の事です。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に心配そうに話し掛ける。
「大姫に何か遭ったのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「大姫様がどこかにお出掛けをされていたようです。かなりお疲れだったらしく、戻ってきてから直ぐにお休みになってしまわれたそうです。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に心配そうに話し掛ける。
「大姫は体の具合でも悪いのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「眠そうなご様子だったそうですが、しっかりとお食事はされていたそうです。」
源義高は畳の上に横になったまま、安心した表情になった。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「大姫様がずっといらっしゃらなかったので、小御所の方達のほとんどが、私達三人で出掛けたと思っていたようです。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「小太郎。さっき話をした明日の用件だが、忘れないでくれ。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「承知しました。」
源義高は畳の上でゆっくりと目を閉じた。
それから少し後の事。
空の色が、橙色から黒色へと変わり始めた。
海野小太郎幸氏は部屋の中に明かりを灯した。
源義高は畳の上でゆっくりと目を開けた。
海野小太郎幸氏は源義高の傍に静かに座った。
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「小太郎。戻らなくてもいいのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「もう暫くお傍に居させてください。」
源義高は畳の上に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「もう大丈夫だから、心配せずに帰っていいよ。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「部屋の中に起きて居る人の姿がないと、不思議に思う方がいるかもしれません。義高様がお休みになられても不思議でないお時間まで、お傍に居たいと思います。」
源義高はゆっくりと起き上がると、海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「今日は少し早く休む事にする。この時間なら、寝る準備を始めても、怪しむ人はいないだろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に静かに話し掛ける。
「承知しました。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎。ありがとう。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「では、床の準備の話をしてきます。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ながら微笑んで頷いた。
海野小太郎幸氏は静かに部屋を出て行った。
その翌日の事。
空が薄っすらと明るくなっている。
海野小太郎幸氏は源義高の部屋に向かっている。
海野小太郎幸氏は源義高の部屋の近くに来た。
大姫が何かを大事そうに手に持ちながら、源義高の部屋の近くに居る。
海野小太郎幸氏は大姫の傍に来ると、微笑みながら静かに話し掛ける。
「大姫様。おはようございます。」
大姫は何かを大事そうに手に持ったまま、海野小太郎幸氏を見ると、微笑んで話し出す。
「小太郎殿。おはようございます。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し掛ける。
「義高様にお会いになられるのですか?」
大姫は手に持っている物を差し出すと、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「露草を摘んで来ました。義高様にお渡しするためにお部屋に来ました。義高様はお休みのようなので、お部屋の前に置いて帰ろうかと思いました。小太郎殿から義高様に渡してもらっても良いですか?」
海野小太郎幸氏は大姫から露草を受け取ると、微笑んで話し出す。
「大姫様。綺麗な露草をありがとうございます。義高様もきっとお喜びになると思います。」
大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「今日は姫からは義高様のお部屋には行きません。準備が出来たら呼びにきてください。」
海野小太郎幸氏は露草を大事に手に持ったまま、大姫に微笑んで話し掛ける。
「大姫様のお話しは、私から義高様に伝えます。」
大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「姫は部屋に戻ります。」
海野小太郎幸氏は露草を大事に手に持ったまま、大姫に微笑んで話し掛ける。
「お部屋までお送りいたします。」
大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「姫は大丈夫です。義高様の傍に居てあげてください。」
海野小太郎幸氏は露草を大事に手に持ったまま、大姫に微笑んで礼をした。
大姫は静かに歩きながら去っていった。
大姫の姿は見えなくなった。
海野小太郎幸氏は露草を大事に手に持ちながら、どこかへと居なくなった。
それから直ぐの事。
海野小太郎幸氏は源義高の部屋に静かに入ってきた。
源義高は床の中で静かに寝ている。
海野小太郎幸氏は机の前に来ると、水の入った小さな器を静かに置いた。
源義高は床の中で静かに寝ている。
海野小太郎幸氏は水の入った小さな器に露草を入れた。
源義高は床に横になったまま、海野小太郎幸氏に静かに話し掛ける。
「小太郎。おはよう。」
海野小太郎幸氏は源義高を見ると、申し訳なさそうに話し出す。
「申し訳ありません。騒がしかったでしょうか?」
源義高はゆっくりと体を起こすと、海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「騒がしくないよ。ちょうど目が覚めたとこなんだ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「義高様。おはようございます。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎。ありがとう。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「大姫様にもご挨拶をしてあげてください。」
源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「大姫様から露草を頂きました。」
源義高は机の上に乗っている露草を普通の表情で見た。
露草が小さい器に活けてある。
源義高は露草を微笑んで見ながら、海野小太郎幸氏に話し掛ける。
「出来るだけ長く咲いているといいな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「大姫が部屋に来たら、部屋に入れてくれ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「大姫様からの伝言です。今日は大姫様からは義高様のお部屋には来ないそうです。準備が出来たら呼んで欲しいとお話しをされていました。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「小太郎。食事が終わって落ち着いたら、大姫を呼びに行ってくれ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「承知したいしました。」
源義高は小さな器に活けてある露草を微笑んで見た。
それから暫く後の事。
源義高の食事も終わり、部屋も片付いた。
海野小太郎幸氏は大姫を呼ぶために、部屋を出て行った。
それから少し後の事。
ここは源義高の部屋。
部屋の外から元気の良い足音が聞こえてきた。
源義高は元気の良い足音を聞くと、微笑んだ表情になった。
大姫が元気良く源義高の部屋に入ってきた。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! おはようございます!」
源義高は大姫を見ながら普通の表情で黙って頷いた。
大姫は机の上に在る小さな器に活けてある露草を見ると、源義高に笑顔で話し出す。
「露草が咲いています! 綺麗ですね!」
源義高は大姫を見ながら普通の表情で黙って頷いた。
大姫は机の上に在る小さな器に活けてある露草を、微笑んで見ている。
源義高は大姫を微笑んで見た。
それから少し後の事。
源義高は大姫が話し掛けてこないので、不思議そうに様子を見た。
大姫は机の上に在る小さな器に活けてある露草の傍で、微笑んで寝ている。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し掛ける。
「せっかく部屋に来たのに寝ているよ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し掛ける。
「朝早くに露草を摘みに出掛けられたので、疲れていらっしゃるのだと思います。」
源義高は大姫と露草を微笑んで見た。
すると切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「義高様とお話出来ると、とても嬉しかったです・・・」
「義高様に元気になって欲しくて、綺麗な露草を摘みにいきました・・・」
「義高様は露草を嬉しそうに見ていましたね・・・」
「とても嬉しかったです・・・」
「でも気が付いたら寝ていましたね・・・」
「起きた時の義高様の呆れた顔が、今でも忘れられません・・・」
「恥ずかしかったけれど、嬉しかったです・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
「あの日の露草は、ずっと綺麗に咲いていましたね・・・」
「露草を見ると、あの日の出来事を思い出します・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
「露草(つゆくさ)」ですが、別名がたくさんあります。
「月草(つきくさ)」、「帽子花(ぼうしばな)」、「蛍草(ほたるぐさ)」などです。
他にも呼び方はあるようです。
私は「露草」と呼んでいます。
そのため、物語でも「露草」を使っています。
着物などを染める時の染料に使っていたそうです。
「露草」は万葉集にも登場する、古くからある花という事になります。
朝のうちから咲き始め、午前中のうちにしぼんでしまう花です。
日差しのない所では、午後でも露草を見る事が出来るそうです。
源義高が体調を崩す話しですが、普段から体を鍛えていると思います。
そのため、体調を崩すかどうかと訊ねられると、答えには迷うところはあります。
ただ、源義高も木曾から鎌倉に着て、気候や環境が変わり、体調を崩してもおかしくないかなと考えて物語を書きました。
源義高の立場や状況を考えると、仮に体調が悪くても、「体調が悪い。」と鎌倉の人に言う事は無かったと思います。
木曾から付いて来た人にも、父親である源義仲の立場や状況を考えると、体調が悪いと話をする事は出来なかったように思いました。
大きな病気などをしない限り、誰にも気が付かれないままに終わったように思いました。
そんななか、「鎌倉夢語り」の海野小太郎幸氏ならば、気が付くと考えました。
「鎌倉夢語り」の源義高も、海野小太郎幸氏の前でなら、気を許す事があったように思えました。
「鎌倉夢語り」の大姫なら、源義高と海野小太郎幸氏の雰囲気から何かを気が付いただろうなと考えました。
もし、実際にこの物語のような状況になった場合、この三人ならば、物語のようなうな展開になっても不思議ではないと思いました。
「初秋」ですが、「はつあき。しょしゅう。」と読みます。
この物語では「しょしゅう」と読んでいます。
「秋の初め。陰暦七月の異称。」などという意味があります。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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