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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 春山茶花 忘れむといへば益して思ほゆ 〜
〜 後書き 〜
ここまでお読み頂いてありがとうございます。
ここからは後書きになります。
沖田総司さんの気持ちが上手く伝わらないために、鈴ちゃんが悩んでしまいます。
沖田総司さんは鈴ちゃんの笑顔が見たくて、斉藤さんから教えてもらった花を見つける事になりました。
物語に登場する花は、「春山茶花」です。
「はるさざんか」といいます。
十二月から三月の頃に咲きます。
薮椿(やぶつばき)と山茶花の雑種といわれています。
春山茶花の種類はあまりないそうです。
新撰組の人達の時代にあったかどうかはわかりませんが、当時にはない花のように思いました。
この物語に登場する春山茶花の名前は、「笑顔」といいます。
ビンク色の綺麗な春山茶花です。
物語のなかに登場する歌は、「万葉集 第十巻 二三三七番」です。
「小竹の葉に はだれふり覆ひ 消なばかも 忘れむといへば 益して思ほゆ」
ひらがなの読み方は、「ささのはに はだれふりおほひ けなばかも わすれむといへば ましておもほゆ」となります。
作者は、「詠み人知らず」です。
意味は、『「ささの葉にうっすらと積もっている雪が消えていくように、私がいなくなれば、私のことなんか忘れてしまうのですよね。」などというので、いっそうかわいらしく思える。』という意味です。
原文は、「小竹葉尓 薄太礼零覆 消名羽鴨 将忘云者 益所念」です。
笹は、古代から神降しのための聖なる植物とされていたようです。
笹は、歌に詠まれるとき、「ささ」という音と、その風にゆれる音を意識していたのだろうと思われています。
楽しんで頂けると嬉しいです。
はじめに
本編
目次
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