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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 月夜のなかの桜達の宴 〜
〜 改訂版 〜
「この花の 一節のうちに 百種の 言ぞ隠れる おほろかにすな」
「万葉集 第八巻 一四五六番」より
作者:藤原広嗣(ふじわらのひろつぐ)
「この花の 一節のうちは 百種の 言持ちかねて 折らえけらずや」
「万葉集 第八巻 一四五七番」より
作者:娘子(をとめ)
今は春。
今夜は満月。
ここは、京の町。
桜の花が綺麗に咲いている。
夜空には綺麗な月と綺麗な星が輝いている。
ここは、屯所。
庭には、桜が綺麗に咲いている。
縁。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、月と星と桜を普通の表情で見ている。
土方歳三の傍には、皿に載った沢庵と幾つもの杯がある。
斉藤一は普通に歩いている。
斉藤一は土方歳三から少し離れた場所で立ち止まると、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、月と星と桜を普通の表情で見ている。
斉藤一は静かに戻ろうとした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を見ると、普通に話し出す。
「斉藤。酒を飲まずに去るのか?」
斉藤一は戻らずに、土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。時間は空いているのだろ。嫌でなければ付き合え。」
斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は土方歳三の横に普通に来た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に杯を微笑んで渡した。
斉藤一は土方歳三に軽く礼をすると、土方歳三から杯を普通に受け取った。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯に酒を注ぐと、土方歳三に普通に話し出す。
「今日の土方さんは一人で酒を飲みたい様子に見えたので、酒を飲まずに挨拶戻ろうとしました。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤は若いんだ。気を遣うな。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。
「杯がたくさん有りますね。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「酒を一緒に飲む話になった時に、杯が無いと困るから先に用意をしたんだ。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。俺は一人で酒を飲みたいのに、斉藤を見付けたから仕方が無く誘ったと思っただろ。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見ている。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「一人で酒を飲みたいと思った時は何度もある。一人で酒を飲みたいと強く思った時は、誰にも声を掛けないし、誰かが声を掛けたとしても、断る。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。
「土方さんが一人で酒を飲みたいと話すのは珍しいですね。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に不思議そうに話し出す。
「珍しいか?」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。
「土方さんが、たくさんの人達が話の聞ける場所で、一人で酒を飲みたいと思う時があると話すのは珍しいと思います。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤の言う通りだな。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一の傍に沢庵の載る皿を微笑んで置いた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沢庵を普通の表情で見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「遠慮せずに食べろ。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。
「土方さんは沢庵を酒の肴にして飲むのが好きですね。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「酒と沢庵は、とても良く合う。沢庵を酒の肴にして飲むと楽しい気持ちになる。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、沢庵を普通の表情で食べた。
土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、沢庵を美味しく食べた。
斉藤一は沢庵を食べ終わると、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は沢庵を食べながら、斉藤一に微笑んで頷いた。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んだ。
土方歳三は沢庵を食べ終わると、杯の酒を微笑んで飲んだ。
井上源三郎は土方歳三と斉藤一から少し離れた場所を微笑んで歩いている。
井上源三郎は立ち止まると、土方歳三と斉藤一を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を微笑んで飲んでいる。
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。
井上源三郎は微笑んで戻ろうとした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで話し出す。
「源さん。黙って去るのか? 予定が無ければ一緒に酒を飲もう。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に普通の表情で軽く礼をした。
井上源三郎は戻らずに、土方歳三と斉藤一に微笑んで軽く礼をした。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を普通の表情で見た。
井上源三郎は土方歳三と斉藤一の傍に微笑んで来た。
井上源三郎は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「二人で静かに酒を飲んでいたので、迷惑を掛けないために、挨拶をせずに去ろうと思いました。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで話し出す。
「源さんはいつも気を遣うな。」
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、井上源三郎に微笑んで話し出す。
「源さん。早く酒を飲もう。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に普通の表情で軽く礼をした。
井上源三郎は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、井上源三郎に杯を微笑んで差し出した。
井上源三郎は土方歳三から杯を微笑んで受け取った。
土方歳三は杯の酒を飲むと、井上源三郎を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三と井上源三郎を普通の表情で見た。
井上源三郎は杯に酒を注ぐと、杯の酒を微笑んで飲んだ。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沢庵を美味しく食べた。
井上源三郎は杯の酒を飲みながら、沢庵を見て、土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。美味しい沢庵に見えます。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで話し出す。
「さすが。源さん。美味しい沢庵だ。ぜひ食べてくれ。」
井上源三郎は杯の酒を飲むのを止めると、土方歳三に微笑んで話し出す。
「頂きます。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで頷いた。
井上源三郎は沢庵を取ると、沢庵を美味しく食べた。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を微笑んで見た。
井上源三郎は沢庵を食べ終わると、土方歳三に微笑んで話し出す。
「想像以上に美味しい沢庵です。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで話し出す。
「源さんも美味しいと思ったんだ。嬉しいな。」
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三と井上源三郎を普通の表情で見ている。
井上源三郎は杯の酒を飲みながら、土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「今夜は綺麗な月ですね。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎に微笑んで頷いた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、夜空を普通の表情で見た。
井上源三郎は杯の酒を飲みながら、夜空を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、夜空を微笑んで見た。
元気な足音が聞こえた。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を微笑んで見た。
井上源三郎も杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、夜空を普通の表情で見ている。
沖田総司は包みを持ちながら、土方歳三、斉藤一、井上源三郎の傍に元気良く来た。
沖田総司は斉藤一の横に来ると、包みを笑顔で置いた。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司を微笑んで見た。
井上源三郎も杯の酒を飲みながら、沖田総司を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は、土方歳三、井上源三郎、斉藤一に、笑顔で話し出す。
「土方さん! 斉藤さん! 源さん! こんばんは!」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司に微笑んで頷いた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
井上源三郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。こんばんは。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。少し前まで良い雰囲気だったんだぞ。総司が元気過ぎて、少し前と全く違う雰囲気になったぞ。」
沖田総司は土方歳三を不思議そうに見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司を苦笑して見た。
井上源三郎は杯の酒を飲みながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。明るい雰囲気の中で酒を飲むのも良いと思います。」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を見ると、微笑んで頷いた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三と井上源三郎を不思議そうに見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司を見て、微笑んで話し出す。
「総司。持ってきた包みは何だ?」
沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。
「沢庵です! 土方さんが酒を飲んでいたので、一緒に飲みたくて見付けてきました!」
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は包みを笑顔で広げた。
包みの中には、沢庵がたくさん入っている。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、包みを見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。ありがとう。」
沖田総司は土方歳三を笑顔で見た。
土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、沢庵を美味しく食べた。
沖田総司は土方歳三を笑顔で見ている。
土方歳三は沢庵を食べ終わると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司。美味いぞ。」
沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。
「土方さんに喜んでもらえて嬉しいです!」
土方歳三は杯の酒を飲むと、沢庵を美味しく食べた。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さんも酒を飲んでいると思いませんでした!」
斉藤一は杯の酒を片手で飲みながら、沖田総司に杯を片手で普通に渡した。
沖田総司は斉藤一から杯を受け取ると、斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! ありがとうございます!」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は杯に酒を笑顔で注いだ。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、沢庵を美味しく食べた。
斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、沢庵を普通の表情で食べた。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、沢庵を食べ終わると、斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 今夜は月も桜も綺麗ですね! 綺麗な月と綺麗な桜を見ながら、一緒に酒が飲めて嬉しいです!」
斉藤一は酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤さん。もっと感動してくれると嬉しいです。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を苦笑して見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沢庵を普通の表情で食べた。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を苦笑して見ている。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。
「綺麗だと思ったから、同意の返事をした。同意の返事だけでは不服なのか?」
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に苦笑して話し出す。
「不服はありません。大丈夫です。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。月も桜も星も綺麗ですね。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を苦笑して見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
井上源三郎も杯の酒を飲みながら、沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、桜を普通の表情で見た。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一と桜を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、井上源三郎を微笑んで見た。
井上源三郎も杯の酒を飲みながら、土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は杯の酒を飲みながら、沢庵を美味しく食べた。
井上源三郎も杯の酒を飲みながら、沢庵を美味しく食べた。
土方歳三は杯の酒を飲み干すと、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司。斉藤。用事を思い出した。先に戻る。」
井上源三郎は杯の酒を微笑んで飲み干した。
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「源さん。悪いが一緒に来てくれ。」
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三と井上源三郎に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、土方歳三と井上源三郎に不思議そうに軽く礼をした。
土方歳三は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「未使用の杯は持って行く。総司の用意した沢庵は美味しいから、少しもらっていく。」
沖田総司は杯の酒を飲みながら、土方歳三に笑顔で話し出す。
「土方さんに喜んで頂けて嬉しいです! 私と斉藤さんの分は、二人で片付けます! 気遣いありがとうございます!」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は沢庵の載った皿に、包みの中の沢庵を数切れほど微笑んで載せた。
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は杯と沢庵の載った皿を微笑んで持った。
井上源三郎は杯を微笑んで持った。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、土方歳三に笑顔で話し出す。
「今日は楽しかったです! ありがとうございました!」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は杯と沢庵の載った皿を持ちながら、沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。
井上源三郎は杯を持ちながら、沖田総司と斉藤一に微笑んで頷いた。
土方歳三は杯と沢庵の載った皿を持ちながら、微笑んで歩き出した。
井上源三郎は杯を持ちながら、微笑んで歩き出した。
僅かに後の事。
ここは、土方歳三の部屋。
障子は開け放たれている。
土方歳三は座ると、杯と沢庵の載った皿を脇に普通に置いた。
井上源三郎は座ると、杯を脇に普通に置いた。
井上源三郎は土方歳三に不思議そうに話し出す。
「土方さん。私が参加しなければ、酒を暫く飲む予定だったんですよね。私は失礼な言動をしたのでしょうか?」
土方歳三は井上源三郎に普通に話し出す。
「源さんは何もしていない。俺が途中で去ったのは、源さんが原因ではない。」
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「安心しました。」
土方歳三は井上源三郎を微笑んで見た。
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さんの用意した沢庵も総司の用意した沢庵も共に美味しかったです。沢庵を更に味わうために持ってきた理由は分かりますが、未使用の杯を持ってきた理由が分かりません。」
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「俺の用意した沢庵が美味しいのは当然だが、総司の用意した沢庵も美味しかった。沢庵をたくさん食べたくなった。沢庵だけ持って戻るのは変だと思ったから、未使用の杯も持ってきた。」
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。優しいですね」
土方歳三は井上源三郎を微笑んで見た。
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。私の考えが合っているか、念のために確認させてください。」
土方歳三は井上源三郎を微笑んで見ている。
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。総司と斉藤君を置いて、先に戻った理由を教えてもらえますか?」
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「口惜しいが、総司が俺と一緒に酒を飲む様子より、総司が斉藤と酒を飲む様子の方が楽しく見える。俺と一緒に酒を飲む様子より、楽しく酒を飲む様子を見るのは悔しいだろ。以上の理由から、俺と一緒に楽しく飲んでくれる源さんと一緒に戻った。」
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「以前の総司は、俺と一緒に酒を飲みたいと、騒がしく感じるほどに話した。今の総司は、斉藤が居ると斉藤の横に行くし、俺とほとんど話さずに、斉藤とほとんど話すだろ。総司は、俺と話すより、斉藤と話す方が楽しんでいる。」
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見ている。
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「一番に口惜しいのは、総司自身が気付いていないところだ。」
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見ている。
土方歳三は井上源三郎に微笑んで話し出す。
「総司が、斉藤と一緒に居る時に笑顔になる理由を知るのは、いつになるのかな? 総司が理由を知った以降に、更に笑顔になったら、更に口惜しくて、更に寂しくなるな。」
井上源三郎は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方さん。私で良ければ一緒に酒を飲みます。二人で楽しんで酒を飲みましょう。」
土方歳三は井上源三郎に微笑んで頷いた。
井上源三郎は土方歳三を微笑んで見た。
同じ頃。
ここは、縁。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、土方歳三と井上源三郎が去った方向を不思議そうに見ている。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は杯の酒を飲みながら、斉藤一を見ると、不思議そうに話し出す。
「土方さんと源さんが戻る様子はありませんね。」
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は杯の酒を飲むのを止めると、斉藤一に沢庵が入った包みを笑顔で差し出した。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司と沢庵が入った包みを普通の表情で見た。
沖田総司は沢庵の入った包みを差し出しながら、斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 美味しい沢庵です! 遠慮せずに食べてください!」
斉藤一は杯の酒を飲むのを止めると、沢庵を普通の表情で食べた。
沖田総司は沢庵の入った包みを斉藤一の近くに置くと、斉藤一を笑顔で見た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沢庵を普通の表情で食べた。
沖田総司は沢庵を取ると、美味しく食べた。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沢庵を普通の表情で食べ終わった。
沖田総司は沢庵を美味しく食べ終わった。
沖田総司は庭に笑顔で出た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は庭に咲く桜の下に笑顔で来た。
斉藤一は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん〜! 桜が綺麗ですよ〜! 桜の下に来ませんか〜?!」
斉藤一は杯の酒を普通の表情で飲み干した。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。
斉藤一は普通に立ち上がった。
僅かに後の事。
ここは、庭。
桜の木の下。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見ている。
斉藤一は沖田総司の傍に普通に来た。
沖田総司は斉藤一と桜を笑顔で見た。
斉藤一は桜を普通の表情で見た。
桜の木の間から、月の輝きと星の輝きが見える。
沖田総司は桜と月を見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。
「桜の間から見る月も綺麗ですね。」
斉藤一は桜と月を見ながら、普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「土方さんが一人で酒を飲む姿を見ました。土方さんと一緒に酒を飲みたくて、沢庵を用意して戻りました。私が戻った時には、土方さんと斉藤さんが一緒に酒を飲んでいました。斉藤さんの姿を見た時は、物凄く嬉しくなりました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 私は斉藤さんと一緒にこれからも酒を飲みたいです! 私は斉藤さんと一緒にたくさんの所に出掛けたいです! 私は斉藤さんと一緒に楽しい出来事をたくさん経験したいです!」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は桜を微笑んで見た。
斉藤一は桜を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで、静かに話し出す。
「“この花の 一節のうちに 百種の 言ぞ隠れる おほろかにすな”」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「理由は分かりませんが、万葉集に掲載している桜が登場する歌を思い出しました。斉藤さんが歌を贈る相手だと合いませんが、受け取ってもらえると嬉しいです。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。
斉藤一は沖田総司に普通の表情で静かに話し出す。
「“この花の 一節のうちは 百種の 言持ちかねて 折らえけらずや”」
沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の詠んだ歌には返歌がある。返歌は、俺の詠んだ歌だ。俺が今の歌を詠むのは合わないが、お互い様だと思ってくれ。」
沖田総司は斉藤一に感心して話し出す。
「斉藤さんはいつも凄いですね!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「驚く程の内容ではない。」
沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。
「私は更に歌の勉強をします!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。勉強する気持ちを持つのは良いと思う。歌を贈る気持ちになったのならば、俺ではなく好きな人物に歌を贈れ。歌を贈られた人物は、きっと喜ぶぞ。」
沖田総司は顔を赤くして、斉藤一を見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に顔を赤くして話し出す。
「斉藤さん! 何度も話していますが、鈴ちゃんは物凄く大切な友達です!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。俺は好きな人物に歌を贈れと言っただけだ。なぜ美鈴さんの名前が登場するんだ? 理由を知りたい。教えてくれ。」
沖田総司は顔を赤くして、斉藤一を見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は顔を赤くして、斉藤一を見ている。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。酒を飲もう。」
沖田総司は顔を赤くしながらも、斉藤一に笑顔で話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は顔を赤くしながらも、縁へと笑顔で歩き出した。
斉藤一は縁へと普通に歩き出した。
僅かに後の事。
ここは、縁。
沖田総司は笑顔で来た。
斉藤一は普通に来た。
沖田総司は杯に酒を注ぐと、杯の酒を笑顔で飲んだ。
斉藤一は杯に酒を注ぐと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
「この花の 一節のうちに 百種の 言ぞ隠れる おほろかにすな」
「この花の 一節のうちは 百種の 言持ちかねて 折らえけらずや」
京の町を守る桜達は、様々な想いの中で過ごしている。
桜達は、様々な想いの中で綺麗に静かに咲いている。
月と星は、様々な桜の想い包むように静かに綺麗に照らしている。
〜 完 〜
はじめに
後書き
目次
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