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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 青嵐 をとめの姿しばしとどめむ 〜



「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ」

「小倉百人一首 第十二番」及び「古今集」より

作者:僧正遍昭(そうじょうへんじょう)



青い空が広がっている。

時折、爽やかな風が吹いてくる。

沖田総司と斉藤一は、子供達と遊ぶために京の町を歩いている。

沖田総司は空を見上げると、斉藤一に嬉しそうに話し掛ける。

「斉藤さん! 良い天気ですね!」

斉藤一は沖田総司を一瞥するが、返事をせずに黙って歩いている。

沖田総司は斉藤一を見ると、笑顔で話し掛ける。

「斉藤さん! 聞いていますか?!」

斉藤一は沖田総司を見る事もなく黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見ると、楽しそうに歩いている。

斉藤一は沖田総司を気にする事もなく、普通の表情で歩いている。



ここは沖田総司と斉藤一が、子供達と遊ぶ約束をした寺。

子供達が元気良く境内に入ってきた。

少女が微笑んで芍薬の花を見ている姿があった。

子供達は少女の様子を見ながら小さい声で話し出す。

「今日はお姉ちゃんも一緒の日なのかな?」

子供達の中の一人が小さい声で話し出す。

「違うんじゃない? だって、総司お兄ちゃんもはじめお兄ちゃんも近くに居ないよ。お兄ちゃん達が、お姉ちゃんを一人で待たせる訳がないよ。」

子供達の一人が納得したように頷いた。

少女が子供達の方を微笑んで振り向いた。

子供達は少女に微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。」

少女は子供達に微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。」

子供達は微笑んで少女に話し掛ける。

「お姉ちゃん。今日は、総司お兄ちゃんとはじめお兄ちゃんと一緒に、ここで遊ぶんだよ。」

少女は一瞬だけ寂しそうな表情をした後に、子供達に微笑んで話し掛ける。

「そうなの。みんなで楽しんでね。」

子供達は一瞬だけ顔を見合わせると、少女に微笑んで話し掛ける。

「お姉ちゃんも一緒に遊ぼうよ。」

少女は子供達を見ながら、微笑んで小さく首を横に振った。

子供達は少女に不思議そうに話し掛ける。

「用事があるの?」

少女は子供達を見ながら微笑んで頷いた。

子供達は少女に心配そうに話し掛ける。

「お姉ちゃん。まだ時間はあるよね。僕達と一緒に居ようよ。お姉ちゃんの姿を見たら、お兄ちゃん達もきっと喜ぶと思うよ。」

少女は子供達に微笑んで話し掛ける。

「今日はお稽古の日なの。お稽古の帰りに、少しだけ寄り道をしてここに寄ったの。お稽古が終わったから、そろそろ家に帰らないといけないの。総司さんには内緒にしておいてね。」

子供達は少女を見ながら残念そうに頷いた。

少女は子供達に微笑んで話し掛ける。

「みんな。さよなら。」

子供達は少女に複雑そうな表情で話し掛ける。

「お姉ちゃん。さよなら。またね。」

少女は子供達に微笑むと、直ぐにその場から居なくなった。



少女は寺を出るために門をくぐろうとした。

沖田総司と斉藤一は、寺の中に入ろうとして門をくぐろうとした。

少女と沖田総司と斉藤一の三人は、鉢合わせの形になった。

少女は沖田総司と斉藤一を驚いた表情で見た。

沖田総司は少女に不思議そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん? 今日は稽古の日じゃなかったの?」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「はい。お稽古の日でした。少し早く終わったので、芍薬を見ようと思って、ここに寄りました。」

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「鈴ちゃん。これから予定はある?」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「これから家に帰ろうと思っていたところです。」

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「鈴ちゃん。まだ時間はあるよね。みんなと一緒に居ようよ。帰りは送っていくよ。」

少女は沖田総司に心配そうに話し掛ける。

「私は約束していません。迷惑が掛かります。それに、一人で帰れます。大丈夫です。」

沖田総司は少女の手を取ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 遠慮はしなくてもいいよ!」

少女は沖田総司を心配そうに見ている。

沖田総司は少女の手を取ったまま、斉藤一に笑顔で話し掛ける。

「斉藤さん! 大丈夫ですよね!」

斉藤一は少女を見ると黙って頷いた。

少女は沖田総司と斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「では、ご一緒させてください。」

沖田総司は少女の手を握ったまま、元気良く歩き出した。

少女は沖田総司の勢いに負けて、前へ倒れそうになった。

沖田総司は慌てて少女を抱き留めた。

少女は沖田総司の腕の中で、倒れない様に着物を掴んでいる。

沖田総司は少女を抱いたまま、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん! 怪我は無い?」

少女は沖田総司の着物を掴んでいる手をゆっくりと弱めた。

沖田総司は少女を抱きながら心配そうに様子を見ている。

少女は沖田総司の腕の中で、微笑みながら小さい声で話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女をゆっくりと離した。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女が落とした荷物を拾った。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「すいません。拾って頂いてありがとうございます。」

沖田総司は荷物の様子を確認すると、少女に心配そうに話し掛ける。

「壊れる物とか入っていない? 大丈夫?」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「壊れ物は入っていません。大丈夫です。」

沖田総司は少女に心配そうに荷物を手渡した。

少女は沖田総司から微笑んで荷物を受取った。

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「総司さん。大丈夫です。気にしないでください。」

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

辺りには沖田総司の気持ちとは逆に、爽やかな風が吹いてきた。

空の色も沖田総司の気持ちとは逆に、青い色が広がっている。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「子供達が待っています。早く行きましょう。」

沖田総司は少女を見ながら微笑かで頷いた。

斉藤一は子供達の居る場所に歩き出した。

沖田総司と少女は、斉藤一に続いて歩き出した。



沖田総司、斉藤一、少女の三人は、子供達のもとにやってきた。

子供達は沖田総司と斉藤一と少女に、笑顔で声を掛ける。

「こんにちは!」

沖田総司は子供達に笑顔で話し掛ける。

「こんにちは! 今日は、はじめお兄ちゃんと鈴ちゃんも一緒だよ!」

子供達は斉藤一と少女に微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。」

斉藤一は子供達を見ると黙って頷いた。

少女は子供達に微笑んで話し掛ける。

「こんにちは。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃんをお願いします。」

斉藤一は沖田総司を見ながら黙って頷いた。

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「よろしくお願いします。」

斉藤一は少女を見ながら黙って頷いた。

斉藤一と少女は、寺の中へと入っていった。



少女と斉藤一は、寺の中に入ると直ぐに縁の近くに座った。

少女は沖田総司子供達の様子を微笑んで見ている。

斉藤一は少女の様子を確認しながら座っている。

少女は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は少女を普通の表情で黙って見ている。

少女は斉藤一に困った表情で話し出す。

「すいません。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「何か謝る事でもしたのか?」

少女は斉藤一を困った表情で見ている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「調子が悪いのか?」

少女は斉藤一を微笑んで見ながら、ゆっくりと首を横に振った。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「隠したら余計に酷くなるかもしれないぞ。」

少女は斉藤一を微笑んで見ているだけで返事がない。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「どこを怪我したんだ? 手でいいのか?」

少女は斉藤一に困った様子で話し掛ける。

「あの、指が、一瞬だけ痛く感じました。でも、今は痛くないです。大丈夫です。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「手を見せてみろ。」

少女は斉藤一に心配そうに手を差し出した。

斉藤一は少女の手を取ると、普通に話し掛ける。

「痛いのはどの指だ?」

少女は斉藤一を心配そうな表情で見ている。



沖田総司は子供達に笑顔で話し掛ける。

「今日は終わりです!」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「ありがとうございました!」

沖田総司は子供達に笑顔で話し掛ける。

「またね!」

子供達は沖田総司に笑顔で話し出す。

「は〜い!」

沖田総司は笑顔で子供達の帰って行く姿を見送った。

子供達は青空の下を元気良く帰って行く。

沖田総司は子供達の姿が見えなくなると、寺の中へと入っていった。



沖田総司が寺の中に入ってきた。

縁の傍を見ると、斉藤一と少女が居る。

笑顔で斉藤一と少女に声を掛けようとした。

斉藤一と少女は、沖田総司を見る事もなく向き合っている。

沖田総司は急に笑顔から不安そうな表情に変わって、斉藤一と少女を見始めた。



斉藤一と少女は、手を握っている。

少女は不安そうな表情で斉藤一を見ている。

沖田総司の斉藤一と少女を見る表情が、不安そうな表情から不機嫌そうな表情に変わった。

斉藤一は少女の手をゆっくりと離すと、何かを話し掛けている。

少女は斉藤一を見ると、少しだけ安心した表情で頷いている。

沖田総司は斉藤一と少女のもとへ、不機嫌そうに歩き出した。

斉藤一と少女は、沖田総司を見た。

沖田総司は斉藤一の前に来ると、不機嫌そうに話し掛ける。

「斉藤さん。鈴ちゃんの手を握って何をやっていたのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「何もやっていない。」

少女は沖田総司を心配そうに見ている。

沖田総司は少女に不機嫌そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。斉藤さんと手を握って何をやっていたんだ?」

少女は沖田総司を困った表情で見ながら黙っている。

沖田総司は斉藤一と少女に不機嫌そうに話し出す。

「二人して私の見えない所で何をやっていたんだ?! なぜ質問に答えないんだ!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し掛ける。

「何もやっていない。」

沖田総司は斉藤一に不機嫌そうに話し掛ける。

「本当に何もやっていないのですか?! 鈴ちゃんの手を握っていたではないですか!」

少女は沖田総司に近づくと心配そうに話し掛ける。

「総司さん。喧嘩は止めてください。仲直りしてください。」

沖田総司は少女に不機嫌そうに話し掛ける。

「喧嘩なんかしていないだろ! 二人で何をしていたのか聞いているだけだろ!」

少女は沖田総司の強い調子の声を聞くと、目を閉じて下を向いてしまった。

沖田総司は少女の様子を驚いた表情で見た。

少女はゆっくりと顔を上げると、沖田総司を心配そうに見た。

沖田総司は下を向くと、少女に不機嫌そうに話し出す。

「鈴ちゃんも斉藤さんも大切な友達だと思っていたのに! 私一人だけ除け者なんてずるいよ!」

少女は心配そうな表情で、沖田総司に触ろうとして手を伸ばした。

沖田総司は下を向いたまま、不機嫌そうに少女に話し掛ける。

「触るな。」

少女は驚いて手を止めると、悲しそうに下を向いてしまった。

沖田総司は慌てて顔を上げると、心配そうに少女の様子を見た。

少女は悲しそうに下を向いている。

沖田総司は下を向くと、少女に申し訳なさそうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。言い過ぎた。ごめんね。」

少女は下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。怒ってしまってごめんね。怖かったよね。」

少女は下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

少女は下を向いたまま、沖田総司に話し掛ける。

「今日は総司さんと斉藤さんの大切なお休みの日ですよね。私のために楽しく過ごす事が出来なくなってしまいました。申し訳ありませんでした。」

沖田総司は少女に心配そうに話し掛ける。

「私は鈴ちゃんと会えて嬉しいよ。楽しいよ。謝る必要なんてないよ。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「美鈴さん。気にするな。」

少女は心配そうに顔を上げた。

沖田総司は少女を心配そうに見ている。

少女は心配そうな表情で、沖田総司と斉藤一を見ながら頷いた。

沖田総司は斉藤一を寂しそうに見た。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司の代わりに送っていく。」

少女は沖田総司を寂しそうに見た。

沖田総司は寂しそうな表情で少女から視線を外した。

少女は寂しそうに斉藤一を見た。

斉藤一は少女を見ると、普通の表情で頷いた。

沖田総司は少女を見ると、微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。今日はごめんね。またゆっくりと話しをしようね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

斉藤一と少女は、寺から居なくなった。



斉藤一と少女の姿が見えなくなった。

沖田総司はため息を付くと、悲しそうに呟いた。

「また鈴ちゃんを悲しませてしまった。私は駄目だな。」

視線を少し動かすと芍薬が見えた。

沖田総司は芍薬を見ながら微笑んで呟いた。

「鈴ちゃんみたい。」

次に視線を空へと向けた。

沖田総司は空を見上げながら微笑んで呟いた。

「綺麗だな。鈴ちゃんと一緒に見たいな。」

再び芍薬に視線を戻した。

沖田総司は前を向くと、急いで寺から居なくなった。



斉藤一と少女はゆっくりと歩いている。

少女は斉藤一に寂しそうに話し掛ける。

「また、総司さんのご機嫌を、損ねてしまいました。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司は怒っていない。気にするな。」

少女は斉藤一に寂しそうに話し掛ける。

「でも、私は総司さんに指が痛い事を隠していました。総司さんはその事に気が付いたから怒ったのかも知れません。」

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「総司は気が付いていないと思う。余り心配しない方が良いと思う。」

少女は斉藤一を心配そうに見ながら歩いている。

斉藤一は少女に普通に話し掛ける。

「また痛くなったのか? 念のために医者に行くか?」

少女は斉藤一に微笑んで話し掛ける。

「もう痛くありません。お医者さんに行かなくても大丈夫です。」


少し遠くから沖田総司の声が聞こえてきた。

少女は立ち止まると、後ろを振り向いた。

斉藤一も少女と一緒に立ち止まると、後ろを振り向いた。

沖田総司が斉藤一と少女のもとに走ってくる姿が見える。

少女は沖田総司の姿を驚いた表情で見ている。

沖田総司は少女のもとに走ってくると、不安そうに話し出した。

「鈴ちゃん。一緒に帰っても良いかな。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「良かった。」

斉藤一は沖田総司と少女の様子を見ると、黙って帰ろうとした。

沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんも一緒に帰りましょう。」

斉藤一は沖田総司を見ると黙って頷いた。

沖田総司は少女を見ると、恥ずかしそうに話し掛ける。

「さっき、寺で芍薬を見たんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し掛ける。

「私も見ました。」

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し掛ける。

「鈴ちゃんと一緒に見たいな。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「帰ろうと言っているのに、変な事を言ってしまったよね。やっぱり帰ろう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も総司さんと一緒に見たいです。」。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「寺に戻って芍薬を見ようか。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女の手を取ると、寺へと戻っていった。

斉藤一は沖田総司と少女の後を付いていった。



沖田総司、斉藤一、少女の三人は、寺へと戻ってきた。

沖田総司は芍薬を指しながら、少女に微笑んで話し掛ける。

「芍薬が綺麗に咲いるね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「この芍薬は鈴ちゃんみたいだね。」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「私と芍薬を比べたら芍薬が可哀想です。」

沖田総司は少女に不思議そうに話し掛ける。

「そうかな?」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見ながら頷いた。

沖田総司は斉藤一に話し掛けようと、後ろを振り向いた。

斉藤一の姿が見えない。

沖田総司は少女に不思議そうに話し掛ける。

「斉藤さんが居ないね。」

少女も不思議そうに辺りを見回すと、沖田総司を見て黙って頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんは強いししっかりとした人だから、心配しなくても大丈夫だよね。」

少女は沖田総司を見ながら微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。空が綺麗だよ。」

少女は微笑んで空を見上げた。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。

沖田総司と少女のもとに、爽やかな風が吹いてきた。

沖田総司は少女に微笑んで呟いた。

「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し掛ける。

「百人一首のお歌ですね。」

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に小さい声で話し出す。

「青空を笑顔で見上げている鈴ちゃんを見ていたら、この歌を思い出したんだ。」

少女は不思議そうに沖田総司を見ている。

沖田総司は顔を赤くしながら少女を見ている。

少女は急に恥ずかしそうな表情になり、沖田総司を見始めた。

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に話し掛ける。

「鈴ちゃん。風が気持ち良いよね。」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見ながら頷いた。

沖田総司は顔を赤くして芍薬を見ながら、少女に話し掛ける。

「可愛いよね。」

少女は恥ずかしそうに芍薬を見ると、沖田総司に小さい声で話し掛ける。

「白くて可愛い芍薬ですね。」

沖田総司は少女に顔を赤くしながら話し出す。

「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ。鈴ちゃんの事を歌ったみたいな歌だよね。」

少女は顔を赤くすると、下を向いてしまった。

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に心配そうに話し掛ける。

「ごめん。気を悪くした? 怒った?」

少女は顔を赤くして下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は顔を赤くしたまま、少女に心配そうに話し掛ける。

「贈る歌を間違えたのかな? 違う歌の方が良かったのかな? ごめんね。」

少女は顔を赤くして下を向いたまま、小さく首を横に振った。

沖田総司は顔を赤くしたまま、少女に心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃんは私にとって、とても大切な友達なんだ。だから、もし変な事を言っていたら、隠さずに話しをして欲しいんだ。」

少女は顔を赤くしたまま、沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は顔を赤くしたまま、少女を心配そうに見ている。

少女は顔が赤いまま、沖田総司に恥ずかしそう話し掛ける。

「お歌ありがとうございます。嬉しいです。」

沖田総司は顔を赤くしたまま、安心した様子で少女を見ている。

少女は顔を赤くして沖田総司を見ながら、恥ずかしそうに話し掛ける。

「でも、私は、をとめではありません。恥ずかしいです。」

沖田総司は少女に顔を赤くしながら話し掛ける。

「そんな事はないよ。」

少女は顔を赤くしたまま下を向くと、困った様子で話し出す。

「私は、芍薬でも、をとめでも、ありません。芍薬にも、をとめにも、悪いです。」

沖田総司は少女に顔を赤くしたまま話し掛ける。

「そんな事はないよ。」

少女は顔を赤くしたまま、下を向いて困った仕草を見せている。

沖田総司は顔を赤くしたまま、困った様子で少女を見ている。



斉藤一が沖田総司の後ろから、呆れた様子で話し出す。

「詰めが甘いというか、行き当たりばったりと言うか、総司には呆れて何も言えないな。」

沖田総司が顔を赤くしたまま、後ろを振り向こうとした。

斉藤一は沖田総司の背中を思い切り押した。

沖田総司は背中を押された勢いで前に出た。

少女は沖田総司を少し驚いた表情で見た。

沖田総司は少女を前に出た勢いで抱きしめた。

少女は少し驚いた表情で沖田総司の腕の中に居る。

斉藤一は沖田総司と少女の姿を確認すると、再び姿が見えなくなった。



斉藤一は青空を見上げると、呟いた。

「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ。」

空には綺麗な青色が広がっている。

時折、爽やかな風が吹いてくる。

斉藤一は青空を見上げながら呟いた。

「総司がとっさに思い出して詠った歌にしては、上出来だな。」

空は、沖田総司、斉藤一、少女の三人に、微笑み掛けるように青色を見せている。



沖田総司は少女を微笑んで抱いている。

少女は沖田総司の腕の中で微笑んでいる。

近くには芍薬が沖田総司と少女を見守るように咲いている。



爽やかな風が吹いています。

空も綺麗な青い色が広がっています。

「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ」

沖田総司にとってのをとめの姿は、腕の中に見る事が出来ます。

をとめは沖田総司の腕の中で微笑んでいます。

沖田総司の腕の中にある、をとめの姿は、ずっと留めておけそうです。



〜 完 〜





はじめに       後書き

目次


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