このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜


〜 天飛ぶ雲 朝顔 桔梗と石畳 咲いて 〜


〜 後書き 〜


ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は、「万葉集 第十一巻 二六七六番」です。

「ひさかたの 天飛ぶ雲に ありてしか 君をば相見む おつる日なしに」

ひらがなの読み方は、「ひさかたの あまとぶくもに ありてしか きみをばあひみむ おつるひなしに」です。

作者は「詠み人知らず」です。

意味は、「空を飛ぶ雲だったらいいのに。あなたに逢いたい、毎日毎日。」となるそうです。

原文は、「久堅之 天飛雲尓 在而然 君相見 落日莫死」です。

「ひさかたの」は、「天(あめ)」、「雨」、「月」を導く枕詞です。

万葉集の歌に「雲」について詠んだ歌は、200首ほどあるそうです。

「雲」には、遠く離れた土地や人の死や魂などを連想させる歌が何首も掲載されています。

「朝顔(あさがお)」についてです。

ヒルガオ科です。

中国原産です。

奈良時代から平安時代の間に、薬草として渡来したそうです。

平安時代からは、観賞用として普及していったそうです。

秋の季語です。

この物語に登場する「桔梗咲き(ききょうざき)」と「石畳咲き(いしだだみざき)」などの変わった花や葉の形をした「朝顔」の事を、「変化咲き朝顔」と呼びます。

「桔梗咲き」は「出物系統(でものけいとう)」で、「石畳咲き」は「正木系統(まさきけいとう)」です。

「桔梗咲き」は花が星型に咲くので、花びらの先が尖って桔梗の花のように見えます。

「石畳咲き」は花が深く切れ込んで咲いて、花びらが内側に折たたまれる(正確には、巻き込まれる)ように咲きます。

「桔梗咲き」と「石畳咲き」の咲いている様子は、良く見掛ける朝顔とはかなり違います。

「出物系統」の「変化咲き朝顔」は、種が出来ないか、種が出来難いそうです。

そのため、目当ての変化咲きの遺伝子を持つ同じ系統の朝顔の種を撒いて「変化咲き朝顔」が現れるのを待つとか、目当ての「変化咲き朝顔」に手を加えて種が出来るようにするそうです。

「正木系統」は種が出来やすいので、「出物系統」と比べると育てやすいそうです。

「変化咲き朝顔」は、江戸時代の文化・文政期(1804〜1830年)、同じく江戸時代の嘉永・安政期(1848〜1860年)、この二回の頃に大流行をしたそうです。

明治維新以降は流行が下火になったそうです。

愛好家・研究所・大学などで、種子の保存や収集などが行なわれているそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





はじめに        本編  

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