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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 秋 小紫式部 見しやそれともわかぬ間に 〜
〜 改訂版 〜
登場人物
沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]
「巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」
「小倉百人一首 五十七番」、及び、「新古今集」
作者:紫式部(むらさきしきぶ)
今は秋。
ここは、京の町。
暑さを感じる時間はない。
過ごし易い日が続いている。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は部屋を微笑んで訪ねた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。明日、鈴ちゃんに逢います。斉藤さんも一緒に逢いましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。鈴ちゃんの喜ぶ今の時季に咲く植物を教えてください。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「小紫式部。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「小紫式部。艶やかな紫色の実の生る小さな木ですか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんは小紫式部を観たら喜びます。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「小紫式部は、艶やかな紫色の実が生ります。鈴ちゃんは、笑顔が可愛いです。鈴ちゃんは、笑顔以外も可愛いです。鈴ちゃんと小紫式部は、繋がります。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。小紫式部の名前の由来を知っているか?」
沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。
「小紫式部。普通に考えると、小さい、紫式部、になります。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「紫式部の名前の木がある。小紫式部は、小さい紫式部、の意味で名付けられた説がある。紫式部は、小さい紫色の実を、平安時代の作家の紫式部に繋げて名付けられたそうだ。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「小さい紫式部。鈴ちゃんは、物語と歌をたくさん知っています。鈴ちゃんは、小さい紫式部ですね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。先程から話す内容に照れを感じないのか?」
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「私は照れる内容を話しているのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「質問しただけだ。気にするな。」
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。本題に戻します。綺麗でたくさんの小紫式部の実が観られる場所を知っていますよね。綺麗でたくさんの小紫式部の実が観られる場所を教えてください。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
翌日の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
本堂。
沖田総司は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「斉藤さんが、綺麗でたくさんの小紫式部の観られる場所を案内してくれるんだ。楽しみだね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
斉藤一は本堂に普通に入ってきた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
少女は斉藤一に微笑んで軽く礼をした。
斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。到着して直ぐに行くと疲れますよね。少し休んでから行きましょう。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。俺達は綺麗でたくさんの小紫式部の実の見られる場所に居る。」
沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見た。
少女も斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。昨日、総司が俺に話した内容がある。」
沖田総司は斉藤一を不思議な様子で見ている。
少女は沖田総司と斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「小紫式部は、艶やかな紫色の実が生る。美鈴さんは、笑顔が可愛い。美鈴さんは、笑顔以外も可愛い。美鈴さんは、物語と歌をたくさん知っている。美鈴さんと小紫式部は、繋がる。美鈴さんは、小さい紫式部だ。」
沖田総司は斉藤一を赤面して驚いて見た。
少女は沖田総司と斉藤一を恥ずかしく見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「昨日、総司が俺に話した内容だ。俺は総司に今の内容を話して照れを感じないか質問した。総司は俺に照れると答えなかった。俺は総司の話す内容を美鈴さんに伝えたいと思った。総司が赤面して驚く内容に該当しない。」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「斉藤さん! 鈴ちゃんに話して照れを感じないのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は照れを感じないから、美鈴さんに話した。」
沖田総司は斉藤一を赤面して慌てて見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「俺と総司は、たくさんの綺麗な小紫式部の実が観られる場所に居る。美鈴さんは、小紫式部の実が観られない場所に居る。」
少女は斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「斉藤さん。恥ずかしいです。」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さんが恥ずかしく感じる気持ち。当然の気持ちだ。」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「斉藤さん! 当然の気持ちと思うならば、止めてください!」
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。たくさんの綺麗な小紫式部を観たいだろ。場所を変える。」
少女は斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。俺の話が聞こえているか?」
沖田総司は斉藤一に赤面して慌てて話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司と少女に普通に話し出す。
「総司は赤面して照れている。赤面する総司が同行する状況は目立つ。総司の赤面が治まってから行く。」
沖田総司は斉藤一に赤面して話し出す。
「はい。」
少女は斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
少し後の事。
ここは、先程とは別の落ち着いた雰囲気の寺。
境内。
小紫式部の紫色の艶やかで綺麗な実がたくさん生っている。
沖田総司は微笑んで来た。
斉藤一は普通に来た。
少女は微笑んで来た。
少女は小紫式部を微笑んで見た。
沖田総司は少女と小紫式部を微笑んで見た。
斉藤一は、沖田総司、少女、小紫式部、を普通の表情で見た。
少女は沖田総司と斉藤一を見ると、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司さん。斉藤さん。綺麗です。」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
少女は沖田総司と斉藤一に恥ずかしく話し出す。
「先程の話を思い出してしまいました。再び恥ずかしくなりました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が美鈴さんの恥ずかしくなる原因を作った。」
沖田総司は斉藤一を拗ねて見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「美鈴さん。総司が拗ねている。面白い。」
少女は沖田総司を不思議な様子で見た。
沖田総司は斉藤一を慌てて見た。
斉藤一は少女に普通に話し出す。
「総司が、美鈴さんに拗ねる姿を見られたくないために、拗ねる行為を止めた。残念だ。」
少女は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。
沖田総司は斉藤一と少女を苦笑して見た。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
沖田総司は苦笑して居る。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤さん。慌てました。恥ずかしかったです。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺も総司も、楽しい時間が過ごせた。感謝しろ。」
沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。次回は、小紫式部を観ながら、紫式部について話せ。美鈴さんが更に喜ぶ。」
沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。
「紫式部。“源氏物語”の作者。“紫式部日記”を書いた。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。
「“源氏物語”は、有名な物語です。“源氏物語”の詳細な内容を確認するために、再び“源氏物語”を読みたいです。“源氏物語”を再び読むと時間が掛かります。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「紫式部。作家でもあり、歌人でもある。源氏物語の他にも話す内容はある。」
沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に考えながら話し出す。
「紫式部が詠んだ歌の中に、有名な歌がありますよね。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“小倉百人一首 五十七番”の歌を思い出す人物は多いと思う。」
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「紫式部の詠んだ歌は、小倉百人一首に撰ばれていますね。斉藤さんの話す歌。良いと思います。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。小倉百人一首に撰ばれた歌を詠め。」
沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな”。」
沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤さん。歌を教えて頂いてありがとうございます。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。俺に感謝する前に、小倉百人一首に撰ばれた紫式部の詠んだ歌を覚えろ。美鈴さんに楽しんでもらうために、美鈴さんを笑顔にするために、小倉百人一首に撰ばれた紫式部の詠んだ歌を覚えろ。」
沖田総司は斉藤一に緊張して話し出す。
「はい!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな”。“小倉百人一首 五十七番”。に撰ばれた。“新古今集”に掲載している。歌の意味は、“久しぶりに巡り会ったというのに、本当はあなたかどうか見極める間もないうちに、あなたの姿はどこかへ行ってしまいました。それはまるで雲の間に隠れてしまった夜半の月のようでしたよ。”、となるそうだ。」
沖田総司は斉藤一を緊張して見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「“巡り逢ひて”、は、“月”、ではなく、“女性の幼馴染の友達”、だといわれる。」
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「“女性の幼馴染の友達”を想いながら詠んだ歌なのですか?」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を考えながら見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「幼馴染の友達に逢った日付は、“七月十日”、らしい。」
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「今の時季より前の出来事を読んだ歌なのですね。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。斉藤さんの話す内容を歌も含めて紙に書いてください。鈴ちゃんのために覚えます。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。
「巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」
小紫式部の実が綺麗に艶やかに生る頃。
沖田総司は、紫式部に重なる少女のために、小紫式部に重なる少女のために、紫式部の詠んだ歌を覚えている。
秋の季節は、穏やかに過ぎていく。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の後書きを加筆訂正して書きました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語に登場する歌は、「小倉百人一首 五十七番」、及び、「新古今集」、より
「巡り逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」
作者は「紫式部(むらさきしきぶ)」
ひらがなの読み方は「めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな」
歌の意味は「久しぶりに巡り会ったというのに、本当はあなたかどうか見極める間もないうちに、あなたの姿はどこかへ行ってしまいました。それはまるで雲の間に隠れてしまった夜半の月のようでしたよ。」となるそうです。
この歌の「巡り逢ひて」は、「月」ではなく、「幼馴染の友達(女性らしい)」です。
幼馴染の友達を月にみたてて表現している歌になります。
幼馴染の友達に逢ったのは、「七月十日」のようです。
「紫式部(むらさきしきぶ)」(人物)についてです。
生没年不詳(973年頃〜1014年頃らしい)です。
平安中期の作家・歌人です。
「源氏物語」、「紫式部日記」、歌集「紫式部集」、などがあります。
中古三十六歌仙の一人です。
「越前守藤原為時」の娘です。
「藤原宣孝」と結婚しました。
藤原宣孝との間に、「藤原賢子(大弐三位)」が生まれます。
藤原宣孝の没後に、「源氏物語」を書き始めます。
「一条天皇」の中宮「影子」に仕えました。
「藤原道長」に厚遇されました。
女房名は「紫式部」です。
「紫式部(むらさきしきぶ)」(植物)についてです。
クマツヅラ科。
ムラサキシキブ属。
落葉低木です。
漢名は、「紫珠」です。
別名は「実紫(みむらさき)」です。
山野に生えます。
高さは、約3mです。
秋の季語です。
葉は、緑色で、対生し、楕円形で裏面に黄色い点があります。
現在の暦で、6〜7月頃に、葉の付け根に淡紫色の小花を集散状につけます。
秋に、紫色の球形の実を結びます。
近縁の「小紫(こむらさき)」は、小ぶりで実が密に付き、庭木とされます。
小さい紫色の実を源氏物語の作者の「紫式部」にちなんで名付けたそうです。
「小紫式部(こむらさきしきぶ)」についてです。
クマツヅラ科。
ムラサキシキブ属。
落葉低木。
別名は、「小紫(こむらさき)」、「小式部(こしきぶ)」、です。
開花時期は、現在の暦で、6月〜8月中旬です。
実の生る時期は、現在の暦で、9〜11月です。
花は、淡紫色の小花が、葉の付け根に、根元に近い場所から咲き始め、先端へと咲いていきます。
実は、小さい実が花を追うように生っていきます。
実の色は、緑色から紫色に変わっていきます。
葉は、緑色で、上半分に鋸歯が見られ、対生に付きます。
高さは、1〜1.5mです。
初夏、紫色の小さな実をつけます。
名前の由来は、主に二つになるようです。
一つの説は、紫色の実から、源氏物語の作者の「紫式部(むらさきしきぶ)」にちなんで名付けられました。
一つの説は、小さい「紫式部(むらさきしきぶ)」(クマツヅラ科 ムラサキシキブ属)というところから名付けられました。
園芸用として売られている「紫式部」は「小紫式部」と思われます。
この物語の補足です。
「紫式部」は、江戸時代の時点では別な名前で知られていたようですが、江戸時代の書物に「紫式部」と呼ばれる記録があるそうです。
「小紫式部」が知られている詳細な時期は分かりません。
「小紫式部」は、この物語の設定時点では、見られる、知られている、設定で書きました。
ご了承ください。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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