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〜 雪月花 新撰組異聞 編 〜
〜 秋桜と共に 君待つと 秋の風 〜
〜 改訂版 〜
登場人物
近藤勇、土方歳三、沖田総司、斉藤一、お雪、少女[美鈴・鈴]
「君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」
「万葉集 第四巻 四八八番」、及び、「万葉集 第八巻 一六〇六番」、より
作者:額田王(ぬかたのおおきみ)
今は秋。
ここは、京の町。
過ごし易い日が続いている。
ここは、屯所。
近藤勇の部屋。
近藤勇は普通に居る。
土方歳三は部屋の中に普通に入ってきた。
斉藤一も部屋の中に普通に入ってきた。
近藤勇は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「歳と様々な話題を話したくて呼んだ。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。今回の本題は、お雪さんに関する内容なのだろ。お雪さんは様々な話題の中の一つなのか。お雪さんに物凄く失礼だ。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は土方歳三と斉藤一を僅かに動揺して見た。
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤さん。照れたから、様々な話題と喩えたのだろ。近藤さんは総司とは違う。俺と近藤さんの仲だ。斉藤は他言しない。照れずに話してくれ。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は土方歳三と斉藤一に苦笑して話し出す。
「歳。斉藤。ありがとう。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「今は秋桜の花が咲く頃になるそうだな。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
近藤勇は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「以前に、総司があの子のために秋桜の花に似せた菓子を頼んで作っただろ。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
土方歳三は近藤勇に微笑んで頷いた。
近藤勇は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「私もお雪のために秋桜の花に似せた菓子を用意したい。」
土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。
「秋桜の花も用意するのか?」
近藤勇は土方歳三と斉藤一に微笑んで話し出す。
「秋桜は京の町では珍しい花に該当するらしい。お雪は花に詳しい。お雪が秋桜の花を遠慮しながら観るかも知れない。お雪の困る状況は避けたい。秋桜の花に似せた菓子ならば、お雪は安心して楽しめる。」
土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。
「総司が秋桜の花に似せた菓子を頼んで作った店。斉藤が探した店で良いのだろ。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤。費用や菓子の出来上がる期間を教えて欲しい。」
斉藤一は近藤勇に普通の表情で軽く礼をした。
近藤勇は斉藤一を微笑んで見た。
土方歳三は近藤勇と斉藤一を微笑んで見た。
数日後の事。
ここは、お雪の住む家。
客間。
近藤勇は微笑んで居る。
近藤勇の傍には、包みが置いてある。
斉藤一は普通に居る。
お雪は微笑んで居る。
近藤勇はお雪の前に包みを置くと、お雪に微笑んで話し出す。
「秋に咲く花に似せた菓子を作ってもらった。」
お雪は包みを受け取ると、近藤勇に微笑んで話し出す。
「お気遣いありがとうございます。秋桜の花に似せたお菓子。楽しみです。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「私に遠慮せずに、菓子を直ぐに観てくれ。」
お雪は近藤勇に微笑んで軽く礼をした。
近藤勇はお雪を微笑んで見た。
お雪は包みを微笑んで開いた。
包みの中には、秋桜の花に似せた菓子が入っている。
近藤勇はお雪を微笑んで見ている。
お雪は秋桜の花に似せた菓子を微笑んで見た。
近藤勇はお雪を微笑んで見ている。
お雪は近藤勇を見ると、近藤勇に微笑んで話し出す。
「秋桜の花に似せたお菓子。素敵なお菓子です。」
近藤勇はお雪に微笑んで話し出す。
「歳と斉藤に相談に乗ってもらった。礼は歳と斉藤に話して欲しい。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「近藤先生と一緒にお菓子を食べながら過ごしたいです。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
お雪は近藤勇に微笑んで話し出す。
「お茶の用意を頼んできます。」
近藤勇はお雪に微笑んで頷いた。
お雪は部屋を微笑んで出て行った。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
僅かに後の事。
ここは、お雪の住む家。
縁。
お雪は微笑んで歩いている。
斉藤一は普通に歩いている。
風が吹いた。
お雪は微笑んで止まった。
斉藤一は普通に止まった。
お雪は外を見ると、微笑んで呟いた。
「“君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く”。」
斉藤一はお雪を普通の表情で見た。
お雪は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「先程の風が吹いた時に思い出した歌です。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一を微笑んで見た。
お雪は微笑んで歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
数日後の事。
ここは、お雪の住む家。
客間。
沖田総司は微笑んで居る。
お雪は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「近藤さんから、忙しくて逢う時間が少ないので、代わりにお雪さんと一緒に過ごして欲しいとの話がありました。斉藤さんは、近藤さんが頼んだ菓子を受け取ってから来ます。」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「沖田さん、斉藤さん、美鈴さん、と一緒に過ごせます。近藤先生の頼んだお菓子が味わえます。楽しい出来事がたくさんあります。嬉しいです。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「近藤さんがお雪さんのために頼んだ菓子だから、必ず美味しい菓子だよ。楽しみだね。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「はい。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女も沖田総司を微笑んで見た。
お雪は沖田総司と少女を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、お雪の住む家。
客間。
沖田総司は微笑んで居る。
斉藤一は普通に居る。
斉藤一の傍には包みが置いてある。
お雪は微笑んで居る。
少女も微笑んで居る。
斉藤一はお雪に包みを普通に渡した。
お雪は斉藤一から包みを微笑んで受け取った。
沖田総司は包みを微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。菓子を早く観たい様子が伝わる。菓子を早く食べたい様子も伝わる。」
沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤さん。お雪さんが居ます。鈴ちゃんが居ます。言葉を選んで話してください。」
お雪は沖田総司に微笑んで話し出す。
「お菓子が早く観たいです。お菓子が早く食べたいです。私も沖田様と同じ気持ちです。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「お菓子が早く観たいです。お菓子が早く食べたいです。私も総司さんと同じ気持ちです。」
沖田総司はお雪と少女を恥ずかしく見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。照れるな。」
沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に苦笑して話し出す。
「斉藤さん。私は恥ずかしいです。私は照れていません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が恥ずかしい状況を分かった中で話している。」
お雪は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。
「沖田さんと斉藤さん。信頼する様子が伝わります。親しい様子が伝わります。素敵な関係です。羨ましいです。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一はお雪と少女に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司はお雪と少女を苦笑して見た。
お雪は、沖田総司、斉藤一、少女、に微笑んで話し出す。
「包みを開けます。」
沖田総司はお雪に微笑んで話し出す。
「はい。」
少女はお雪に微笑んで話し出す。
「はい。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は包みを微笑んで開けた。
秋桜の花に似せた菓子が入っている。
沖田総司は菓子を微笑んで見た。
少女も菓子を微笑んで見た。
お雪も菓子を微笑んで見た。
斉藤一は菓子を普通の表情で見た。
少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「秋桜の花に似せたお菓子です。」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
お雪は、沖田総司、斉藤一、少女、に微笑んで話し出す。
「お茶の用意を頼んできます。」
沖田総司はお雪に微笑んで軽く礼をした。
少女はお雪に微笑んで軽く礼をした。
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「一緒に行きます。」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「お願いします。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は部屋を微笑んで出て行った。
斉藤一は部屋を普通に出て行った。
僅かに後の事。
ここは、お雪の住む家。
縁。
お雪は微笑んで歩いている。
斉藤一は普通に歩いている。
風が吹いた。
お雪は微笑んで止まった。
斉藤一は普通に止まった。
お雪は外を見ると、微笑んで呟いた。
「“君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く”。」
斉藤一はお雪を普通の表情で見た。
お雪は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。
「先程の風が吹いた時に思い出した歌です。」
斉藤一はお雪に普通に話し出す。
「今回の額田王に該当する人物。今回の天智天皇に該当する人物。誰ですか?」
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「答えは、斉藤さんの想像する人物で合っています。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は斉藤一に微笑んで話し出す。
「直ぐに部屋に戻ると、沖田さんと美鈴さんのみで過ごす時間が短くなります。長く部屋に戻らないと、沖田様も美鈴さんも、心配します。少しだけゆっくりと部屋に戻りましょう。」
斉藤一はお雪に普通の表情で軽く礼をした。
お雪は微笑んで歩き出した。
斉藤一は普通に歩き出した。
「君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」
額田王が天智天皇を想って詠んだ歌になる。
お雪が秋の風と秋桜の花に似せた菓子を合わせた時に思い出した歌になる。
秋桜の花に似せた菓子と秋の風が、沖田総司、斉藤一、お雪、少女を楽しい時間で包んでいる。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語に登場する歌は、「万葉集 第四巻 四八八番」、及び、「万葉集 第八巻 一六〇六番」
「君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」
作者は「額田王(ぬかたのおおきみ)」
ひらがなの読み方は「きみまつと わがこひをれば わがやどの すだれうごかし あきのかぜふく」
原文は「君待跡 吾戀居者 我屋戸乃 簾令動 秋之風吹」
歌の意味は「あなた様を恋しく待っていますと、家の簾(すだれ)を動かして秋の風が吹いてきます。」となるそうです。
「天智天皇(てんじてんのう)」を思って詠んだ歌だそうです。
「中大兄皇子(なかのおおえのみこ)」と「天智天皇(てんじてんのう)」は、同一人物です。
何故か分かりませんが、「万葉集 第八巻 一六〇六番」にも同じ歌が載っています。
「秋桜(こすもす)」についてです。
キク科の一年草です。
メキシコ原産です。
秋の季語です。
日本に渡来した最初の頃は、「あきざくら」と呼ばれていたそうです。
「秋桜」が日本に渡来した時期は、説が幾つかあるようです。
一つは、明治中期頃です。
外国の画家か学校の先生が、日本に初めて紹介したといわれています。
一つは、江戸時代末期(1861年〜1864年頃)です。
オランダ人かポルトガル人が、島津藩に届けたそうです。
日本国内で「秋桜」広く見られるようになったのは、明治時代末頃だそうです。
花の咲く様子などが日本人に親しまれて、広まっていったようです。
「コスモス」の言葉は、ギリシャ語では「cosmos」、ラテン語では「kosmos」、と書きます。
ギリシャ語では「宇宙。世界。」の意味があるそうです。
そこから、「秋桜」や宇宙を「cosmos」と書くようになったそうです。
在来種の「秋桜」は、白色・ピンク色・紅色で、一重咲き、だったそうです。
現在は、品種改良によって、早咲き・遅咲き、一重咲き・八重咲き、ピンク色・白色・赤色・ぼかし入り、などいろいろあります。
「秋桜」の花言葉は、細かく分けると、色で違います。
ピンク色は「少女の純潔」、白色は「美麗、純潔、優美」、赤色は「調和、(少女の)愛情」、になるそうです。
大正時代に渡来したといわれる「チョコレートコスモス」の花言葉は「恋の終わり」だそうです。
「秋桜」の花言葉として説明する時は、「少女の純潔、(少女の)真心、調和、美麗」など、ピンク色・白色・赤色の三色を含む事が多いようです。
花言葉には、いろいろな解釈・訳し方・説明(例:[少女]ではなく[乙女])があるので、一つの説として読んでください。
詳細は各自でご確認ください。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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