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~ 雪月花 新撰組異聞 編 ~


~ 秋 いろは紅葉 紅葉の錦 ~


登場人物

土方歳三、沖田総司、斉藤一、少女[美鈴・鈴]




「このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」

「小倉百人一首 二十四番」、及び、「古今集」、より

作者:菅家(かんけ)




今は、秋。



沖田総司達が京の町に着いて初めて迎える秋になる。



ここは、京の町。



綺麗に色付く紅葉をたくさんの場所で見るようになった。



ここは、屯所。



一室。



斉藤一は普通に居る。



沖田総司は部屋の中に微笑んで入った。



斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。京の町の紅葉が綺麗に色付いています。鈴ちゃんと一緒に紅葉を見に行きたいと思っています。鈴ちゃんの行動できる範囲の場所で、たくさんの紅葉が綺麗に色付く場所を知っていますか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「京の町に居る日数、趣味などから考えると、美鈴さんは俺より詳しい。美鈴さんに確認しろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんに綺麗な紅葉を観て喜んで欲しいです。鈴ちゃんには秘密にしたいです。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「良い場所を見付けたら教える。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。



翌日の事。



ここは、たくさんの伊呂波紅葉の綺麗に色付く場所。



土方歳三は微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。



土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。たくさんの伊呂波紅葉が綺麗に色付いているだろ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。今の居る場所。参考になるかな?」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「綺麗な紅葉を観ながら、歌を詠む。綺麗な紅葉を観ながら、紅葉を詠んだ歌について話す。共に良い展開だろ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「或る人物は、歌に関して初心者に等しい。紅葉を見ながら歌を詠む展開は難しい。紅葉を見ながら歌について話す展開にしたい。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「“小倉百人一首”に選ばれた歌ならば、歌の知識に差のある者達でも、気軽に話せる。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「“小倉百人一首 二十四番”が良いかな?」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は辺りを見ながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「“このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに”。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「“このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに”。」

土方歳三は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。“小倉百人一首 二十四番”の歌を既に知っているのか。誰に教えてもらった?」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「土方さんです。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。上手に話を逸らした。さすがだ。」

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「念のために、“小倉百人一首 二十四番”の歌を説明する。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「掲載基は、“古今集”。歌の意味は、“今回の旅は、奉納しなければならない幣でさえ持ち合わせていません。代わりの手向けとして、手向山の錦に染まった紅葉を捧げますので、神様、お心のままに受け取ってください。”、となるそうだ。作者は、“菅家”。“菅家”は、“菅原道真”の通称名だ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。今までの説明の中で、再度の説明の必要な部分があれば教えてくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「大丈夫です。続きをお願いします。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。素晴らしい記憶力だ。さすがだ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「説明を続ける。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。



翌日の事。



ここは、たくさんの伊呂波紅葉の綺麗に色付く場所。



沖田総司は微笑んで来た。

斉藤一は普通に来た。



沖田総司は辺りを微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。紅葉の綺麗な場所です。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今の居る場所の紅葉は、伊呂波紅葉になる。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「今の居る場所の紅葉は、伊呂波紅葉なのですね。分かりました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。綺麗な紅葉を見ながら、歌について話せ。風流な人物に感じられる。総司の評価が上がる。」

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に、紅葉を見ながらゆっくりと話したいです。歌について話す時間は、別の機会にしたいです。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の想定する別の機会。教えろ。」

沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。幾度も話すが、総司の評価の上がる状況は、新撰組の評価の上がる状況に繋がる。俺の話す意味が分かるな。」

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤さんも一緒に紅葉を見ましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺に歌に関する説明をさせたいと思っているだろ。」

沖田総司は斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺のために、新撰組のために、美鈴さんのために、紅葉を見ながら歌について話せ。」

沖田総司は斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤さん。短期間で歌を覚えなければなりません。難しい内容の歌や長歌は、止めてください。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“小倉百人一首”に掲載された歌は、多くの人達が知っている。今回は、“小倉百人一首”に選ばれた歌が良い。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「今回は、“小倉百人一首 二十四番”の歌が良い。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。屯所に戻ったら、歌や説明を紙に書いてください。」

斉藤一は懐から紙を取り出すと、沖田総司に普通に渡した。

沖田総司は斉藤一から紙を不思議な様子で受け取った。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「歌と説明を、紙に書いた。」

沖田総司は紙を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は紙を持ち、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「説明を始める。」

沖田総司は紙を持ち、斉藤一に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに”。」

沖田総司は紙を持ち、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「“小倉百人一首 二十四番”。掲載基は、“古今集”。歌の意味は、“今回の旅は、奉納しなければならない幣でさえ持ち合わせていません。代わりの手向けとして、手向山の錦に染まった紅葉を捧げますので、神様、お心のままに受け取ってください。”、となるそうだ。作者は、“菅家”。“菅家”は、“菅原道真”の通称名だ。」

沖田総司は紙を持ち、紙を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。説明を続ける。大丈夫か?」

沖田総司は紙を持ち、斉藤一を見ると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。歌も含めて再度の説明をお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は紙を持ち、斉藤一を微笑んで見た。



数日後の事。



ここは、たくさんの紅葉が綺麗に色付く場所。



沖田総司は微笑んで来た。

少女も微笑んで来た。



少女は辺りを微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。たくさんのいろは紅葉が綺麗に色付いています。綺麗な景色です。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんと一緒に、綺麗な紅葉を見ながら話しが出来ます。嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私も嬉しいよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も少女を微笑んで見た。

少女は紅葉を微笑んで見た。

沖田総司は懐から紙を微笑んで取り出した。

少女は紅葉を微笑んで見ている。

沖田総司は紙を持ち、少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に紙を微笑んで渡した。

少女は沖田総司から紙を微笑んで受け取った。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に、今の居る場所の紅葉を観ながら、歌について話したいと思ったんだ。歌について話すだけてなくて、話したい歌を贈り物にしたいと思ったんだ。」

少女は紙を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「素敵な紅葉を見ながら話せます。綺麗な紅葉を見ながらお歌の贈り物を受け取りました。とても嬉しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は紙を持ち、紙を丁寧に微笑んで広げた。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女は紙を持ち、沖田総司を見ると、沖田総司に微笑んで話し出す。

「“このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに”。“小倉百人一首 二十四番”のお歌ですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は、鈴ちゃんに逢って、歌の勉強を更に励みたいと思ったんだ。私は、鈴ちゃんが更に喜んでくれる歌を選ぶために、歌の勉強を更に励みたいと思ったんだ。」

少女は紙を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「私もお歌の勉強に更に励みます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが更に歌の勉強に励むと、私と鈴ちゃんの歌の知識が更に離れてしまう。鈴ちゃん。暫くの間は、歌の勉強に適度に励んでね。」

少女は紙を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。お気遣いありがとうございます。無理をしないように、お歌の勉強に励みます。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は紙を持ち、紅葉を微笑んで見た。

沖田総司は少女と紅葉を微笑んで見た。



「このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」

京の町の伊呂波紅葉が綺麗に色付く頃。

沖田総司は少女に紅葉を詠んだ歌を贈った。

京の町の秋は、綺麗に色付く伊呂波紅葉に包まれて、優しい想いに包まれて、ゆっくりと過ぎていく。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語に登場する歌は、「小倉百人一首 二十四番」、及び、「古今集」

「このたびは ぬさもとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」

ひらがなの読み方は「このたびは ぬさもとりあえず たむけやま もみじのにしき かみのまにまに」

作者は「菅家(かんけ)」です。

歌の意味は「今回の旅は、奉納しなければならない幣(ぬさ)(安全祈願のための布端)でさえ持ち合わせていません。代わりの手向けとして、手向山の錦に染まった紅葉を捧げますので、神様、お心のままに受け取ってください。」となるそうです。

「菅家」は「菅原道真(すがわらのみちざね)」の通称名です。

生没年は、承和十二年(845年)~延喜三年(903年)です。

平安前期の、公卿、学者、文人、です。

学問、書、詩文、に優れている人物と伝わっています。

宇多天皇の信任が厚かったそうです。

藤原時平の中傷により、大宰権帥(だざいのごんそち)に左遷されました。

延喜三年(903年)、配所で没しました。

後世、天満天神として祭られます。

「たび」は「度(たび)」と「旅(たび)」の掛詞です。

この歌の「たび」は、宇多上皇の奈良への御幸に供奉したことを指すそうです。

「手向山(たむけやま)」は、「手向けをささげるべき山」です。

この歌の「手向山」は、「山城(京都府)」と「大和(奈良県)」国境の奈良山の峠を指しているそうです。

「紅葉の錦(もみじのにしき)」は「紅葉の美しさを錦に見立てていう言葉」です。

「伊呂波紅葉(いろはもみじ)」についてです。

カエデ科。

落葉高木。

雌雄同株。

関東以西の産地に自生。

「以呂波紅葉」、「いろは紅葉」、「いろはもみじ」、「イロハモミジ」、などとも書く。

名前の由来は、葉の裂け目を「いろはにほへと」と数えたことによる。

別名は、「伊呂波楓(いろはかえで)」、「高雄楓(たかおかえで)」

「高雄楓(たかおかえで)」の名前の由来は、京都の紅葉の名所の「高尾」からになる。

庭に良く植えられる。

材は、建築、器具、などに利用。

葉身は、長さ、幅、共に、4~7cm。

葉は、手のひら状に、5~7つに裂ける。

秋に、葉が紅葉する。

春に、花をつける。

花びらは、淡黄白色で5枚、萼片は、紅色で5枚、雄しべは、8本、になる。

果実は、二翼ある。

果実は、秋に熟す。

葉柄は、2~4cm。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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