このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

〜 雪月花 新撰組異聞外伝 編 〜


〜 大暑の頃 鎌倉の見越しの崎 〜


〜 前編 〜


「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩の 君が悔ゆべき 心は持たじ」

「万葉集 第十四巻 三三六五番」

作者:詠み人知らず



今の季節は夏。

毎日のように暑い日が続いている。



そんなある日の事。

少し遅めの時間になってきたので、暑さも少しずつだが和らいできた。

沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴は、家に居る。

がらすの風鈴が涼しげな音を鳴らした。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「お母さん。少しだけ涼しくなってきたね。」

美鈴は敬一を見ると、微笑んで頷いた。

敬一が美鈴に微笑んで話し掛けようとした。

玄関から誰かが尋ねてきた物音が聞こえてきた。

敬一は話を止めて美鈴を見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「お客様が見えられたみたい。話しは後でゆっくりとしましょうね。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴は玄関へと向かった。



美鈴は玄関の戸を開けた。

藤田五郎が玄関の前に立っている姿があった。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「こんばんは。」

藤田五郎は美鈴に普通に話し掛ける。

「敬一と話がしたい。」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「敬一は中に居ます。どうぞ、お上がりください。」

藤田五郎は美鈴に普通に話し掛ける。

「外で話しをしても良いか?」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「敬一を呼んできます。外はまだ暑いですから、玄関の中に入ってお待ちください。」

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷くと、玄関の中へと入ってきた。

美鈴は中へと入っていった。



美鈴は敬一の前に来ると、微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんが敬一に会いに来たの。でも、外で話をしたいそうなの。どうする?」

敬一は美鈴に不思議そうに話し掛ける。

「斉藤さんが僕に会いに来たの?」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんと出掛けてくるね。」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「お母さん。もし遅くなったら、先に夕飯を食べても良いよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「お母さんの事は気にせずに、斉藤さんとゆっくりと話をしてきなさい。」

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「行ってきます。」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「行ってらっしゃい。」

敬一は玄関へと向かって居なくなった。



敬一が玄関にやってきた。

藤田五郎は敬一を見ると、普通に話し掛ける。

「敬一。話しがある。外に出て話しをしよう。」

敬一は藤田五郎を見ながら不思議そうに頷いた。

藤田五郎と敬一は、玄関から出て行った。



藤田五郎と敬一は、外を歩いている。

時間が遅くなるにつれて、少しずつ暑さは和らいでいく。

外を出歩くのも楽になっている。

藤田五郎と敬一は、木の下にやってきた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。今年も夏の間に、一泊だけになるが、二人で旅行に行かないか?」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し掛ける。

「お母さんから僕を旅行に連れて行って欲しいと、また頼まれたの?」

藤田五郎は敬一を見ながら、ゆっくりと首を横に振った。

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し掛ける。

「斉藤さん。なぜ僕を旅行に誘うの? 時尾さんのお腹には、赤ちゃんがいるよね。家を空けても大丈夫なの?」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「時尾も初産ではない。二人で話し合いもした。時尾は快く承知してくれた。」

敬一は考え込んでいる。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「旅行と言っても、一泊だけになる。敬一にも都合があるだろ。だから、断っても構わない。」

敬一は藤田五郎に寂しそうに話し掛ける。

「僕だけでは返事は出来ないよ。お母さんに相談してもいい?」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「美鈴さんには、先日手紙を書いて確認を取った。敬一の判断に任せるそうだ。」

敬一は藤田五郎を心配そうに見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「返事は直ぐでなくて構わない。だが、早く返事をくれ。」

敬一は藤田五郎に普通に話し掛ける。

「家に帰ってお母さんと話がしたいです。話をしている間、待っていてもらっても良いですか?」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

藤田五郎と敬一は、敬一の家へと戻っていった。



藤田五郎と敬一が戻ってきた。

美鈴は藤田五郎と敬一を微笑んで出迎えた。

敬一は美鈴に確認するよう話し掛ける。

「お母さん。旅行の話がしたいんだ。」

美鈴は藤田五郎と敬一に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。取りあえず上がってください。敬一も早く上がって。」

藤田五郎は美鈴を見ながら普通の表情で頷くと、家の中へと入っていった。

敬一は美鈴を見ながら心配そうに頷くと、家の中へと入っていった。



美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「お酒の用意をしてあります。敬一と話しをしている間、お酒を飲んでお待ちいただいてもよろしいですか」

藤田五郎は美鈴を見ながら普通の表情で黙って頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。少し待っていてね。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴は台所へと居なくなった。



美鈴は台所から酒と肴を用意して戻ってくると、藤田五郎の前に置いた。

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷いた。

美鈴は敬一を見ると、微笑んで話し掛ける。

「敬一。庭で話をしましょうか。」

敬一は美鈴を見ながら黙って頷いた。

美鈴は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は美鈴を見ると、黙って頷いた。

美鈴と敬一は、庭へと出て行った。



美鈴と敬一は、庭に出た。

静かな風が吹いてきた。

がらすの風鈴の涼しげな音が聞こえてきた。

敬一は美鈴に心配そうに話し掛ける。

「斉藤さんから、旅行に行かないかと誘われたんだ。」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に心配そうに話し掛ける。

「旅行に行くと、お金が掛かるよ。大丈夫なの?」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんから手紙をもらった時点で、お金が無かったら断るわ。だから、お金の心配はしなくて大丈夫よ。」

敬一は美鈴に不安そうに話し掛ける。

「お母さん。僕が旅行に行くと、一人になるよ。大丈夫?」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一が居ないと寂しいわ。それに心配もするわ。でもね、敬一がいつも笑顔でいてくれる事が、お母さんの一番の楽しみなの。」

敬一は美鈴を不安そうに見ている。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一が笑顔でいてくれる事をするのだから、お母さんは寂しくないわ。」

敬一は美鈴を不安そうに見ている。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「旅行と言っても一泊よね。翌日には帰ってくるのよ。お母さんの心配する事は無いと思うの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「わかった。斉藤さんと一緒に旅行に行く事にする。」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。楽しんできてね。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴と敬一は、家の中へと戻っていった。



敬一は藤田五郎の前に来た。

藤田五郎は酒を飲むのを止めると、敬一を見た。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さんと一緒に旅行に行きたいです。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「旅館の手続きなどを含めて、僕は全くわかりません。斉藤さんにお願いしても良いですか?」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。よろしくお願いします。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。



藤田五郎が帰る事になった。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「今日はわざわざ来ていただいて、ありがとうございました。」

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷いた。

敬一と美鈴が見守るなか、藤田五郎は自分の家へと帰っていった。



それから何日か後の事。

藤田五郎と敬一が旅行に行く前日となった。

陽も落ち始めたため、暑さも僅かずつ和らいでいく。

美鈴と敬一は、旅行の荷物の再確認をしている。

敬一は楽しそうに旅行の荷物の確認をしている。

美鈴は敬一を微笑んで一瞥しながら、旅行の荷物の確認をしている。

敬一は美鈴を見ると、心配そうに話し掛ける。

「お母さん。僕は旅行に行っても本当に大丈夫なの?」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。大丈夫よ。心配ばかりしていると、旅行が楽しめなくなるわよ。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴は敬一の様子を確認すると、再び旅行の準備の確認を始めた。

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「お母さん。旅行のお土産だけど、何がいい? 前回みたいに、無事で帰ってきてね、じゃなくて、別な事を考えてね。」

美鈴は少し考えた後に、敬一に微笑んで話し掛ける。

「やっぱり海の物がいいかな。綺麗な貝殻が見たいかな。でも、一番欲しいお土産は、敬一が良いと思った物になるわね。」

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「わかった。楽しみに待っていてね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。旅行の荷物に問題ないわ。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「明日は早いから、早く寝なさい。」

敬一は美鈴に微笑んで話し掛ける。

「お母さん。お休みなさい。」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「お休みなさい。」

敬一は床に着く準備をするために、部屋を出て行った。



旅行に行く当日の朝を迎えた。

美鈴が敬一を起こしに来た。

「敬一。時間よ。起きなさい。」

敬一は少し眠そうな仕草を見せながら起き上がった。

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「ご飯の用意が出来ているから、着替えたら直ぐに来なさい。」

敬一は美鈴を見ながら微笑んで頷いた。

美鈴は部屋を出て行った。



美鈴と敬一の朝食が終わってから、少し後の事。

藤田五郎が美鈴と敬一の家を訪ねてきた。

美鈴は敬一に微笑んで荷物を手渡した。

敬一は美鈴から微笑んで荷物を受取った。

美鈴は敬一に包みを手渡すと、微笑んで話し掛ける。

「敬一。お弁当。後で食べてね。」

敬一は美鈴から包みを受取ると、笑顔で話し出す。

「お母さん! ありがとう!」

美鈴は敬一に微笑んで話し掛ける。

「敬一。行ってらっしゃい。」

敬一は荷物と包みを持ちながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 一人になるから、戸締りはしっかりとしてね! 気を付けてね!」

美鈴は敬一を見ながら微笑んで頷いた。

敬一は荷物と包みを持ちながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 行ってきます!」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一の事をよろしくお願いします。」

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷いた。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「気を付けてお出掛けください。」

藤田五郎は美鈴を見ながら黙って頷いた。

美鈴が微笑んで見守るなか、藤田五郎と敬一は、出掛けて行った。



藤田五郎と敬一は、東京の街を歩いている。

少し早い時間のため、涼しさが残っている。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「斉藤さん。今年も鎌倉に旅行に行くんだよね。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し掛ける。

「楽しみです。」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は楽しそうに歩いている。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。今回も旅行の間は、親子という事にする。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい! お父さん!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。



藤田五郎と敬一は、陸蒸気に乗り込んだ。

陸蒸気はゆっくりと動き出した。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し掛ける。

「お父さん! 陸蒸気が動き出したよ!」

藤田五郎は敬一を見ると、黙って頷いた。

敬一は笑顔で外の様子を見ている。

藤田五郎が敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。朝が早かったから、お腹が空いただろ。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「大丈夫だよ。」

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「朝が早かったし、陸蒸気を降りて時間が無かったら困るから、早めに食事をしよう。」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で頷いた。

藤田五郎は普通の表情で荷物の中から包みを取り出した。

敬一は笑顔で荷物の中から包みを取り出した。

藤田五郎は敬一の様子を黙って見た。

敬一は笑顔で包みを開けた。

包みの中にはおにぎりと漬物が入っている。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

藤田五郎は敬一を見ながら黙って頷いた。

敬一は美味しそうにおにぎりを食べ始めた。

藤田五郎は敬一の様子を確認しながら包みを広げた。

敬一は外の様子を見ながら、美味しそうにおにぎりを食べている。

藤田五郎は包みの中に入っているおにぎりを手に取ると、黙って食べ始めた。



藤田五郎と敬一が、食事が終わってから少し後の事。

陸蒸気が駅に着いた。

藤田五郎と敬一は、陸蒸気を降りた。

藤田五郎は敬一に普通に話し掛ける。

「敬一。先を急ぐぞ。」

敬一は藤田五郎を見ながら笑顔で頷いた。

藤田五郎と敬一は、駅を後にした。





はじめに       後編       後書き

目次


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください